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奥田ゾンダーランド

バンドレビュー Vol.5 英ロックの希望 MUSE

国:イギリス 

活動年:1990-

ジャンル:プログレッシヴデスメタル、プログレッシヴロック(後期)

アルバム数9

コンセプト:SF 近未来 宇宙を彷彿とさせる曲が多いが歌詞を読み解くと洗脳社会からの脱却などをテーマにしていたりする



MUSE

ジャケット☆☆

技術☆☆

哀愁☆☆☆☆

安定感☆☆☆☆

ネームバリュー☆☆☆☆☆☆

個性☆☆☆☆


イギリスが産んだビッグアーティスト。

世界中の人が知っているバンドで今まで紹介してきたメタルバンドとは比べ物にならない知名度を持つはず。最近では多くのフィギュアスケート選手がMUSEの曲を使用しているレベルだ。

新型ビートルズと言ってもいいくらいのグループだと思っている。

彼らがやっているのは大まかに言うとロックだが、クラシック要素、映画サントラ、電子音楽、メタル曲などありとあらゆる幅広い要素を組み入れた曲を作れるのが強み。散漫にならず宇宙的な世界観を維持しているため個性という面でも尖ったものがあり非常に面白く芸術性に長けているバンドだ。メンバーチェンジが一度も起きないスリーピースバンドというところも魅力の一つ。全ての曲を作曲する奇才マシューベラミーの世界を多くの人に味わってほしい。


ジャケットの特徴

宇宙を彷彿とさせるものが多い。デザインは面白いものもあるがシンプルな絵が多いかも?


メンバー


マシュー ベラミー V&G ☆

ドミニク ハワード Dr ☆

クリス ウォルステンホルム B ☆

出典:https://images.app.goo.gl/pjte5YxPdPsDz7Uj7

真ん中がマシューベラミー。

Muse本体とも言える人物。

両隣のクリスとドミニクにも隠れファンがたくさんついている。


元メンバー

全員オリジナルメンバーのため無し


誰も欠けずに長年ロックの王に君臨している3ピースバンドMUSE。素晴らしい。



第1期

荒削りでダークだが、おそらく1番マシューベラミーの感情が爆発している時期であり、中毒性や魔力は凄まじいものがある。未完成感もあるので聴いてて少しキツイところもあるが初期ならではの良さというものはある。

ショウビズ ☆☆

オリジン オブ シンメトリー ☆☆☆☆


第2期

スタイルが確立し世界を驚かす作品を連発しまくる黄金期。レジスタンスではグラミー賞を獲得し、世界最強バンドの地位を手にする。

アブソリューション ☆☆☆☆☆

ブラックホール ☆☆☆

ザ レジスタンス ☆☆☆☆☆


第3期

グラミー賞を取った彼らはロンドン五輪のテーマ曲を作り開会式ではそれを演奏をするという大役を担った。超大物バンドとなりながらも実験的な曲や尖った7thアルバムなども発表していく姿は素晴らしい。しかしどこか守りに入ったいる感や狙っている感も拭えなくなり本領発揮は出来ていない印象がある。

2ndロウ ☆☆

ドローンズ ☆☆☆☆

シュミレーションセオリー ☆☆☆



世間一般のアルバムおすすめ順

3rd>2nd>4th>7th>5th>8th>6th>1st


私のおすすめアルバム順

5th>3rd>2nd>7th>4th>8th>6th>1st

それほど変わらないかもしれない


作曲スタイル

超天才マシューベラミー先生が基本やってます。他のメンバーもたまにお手伝いするかも?


私とミューズ

高校2年の夏まで存在すら知らなかったが、フィギュアスケート選手であるマキシムコフトゥンが2014-2015シーズンのフリープログラムでMUSEの曲を使用していたのがきっかけでハマった。(エクソジェネシスpart2を使用)

大好きなフィギュスケートという競技を通して新たなバンドを知れたことから、「自分が何故そのコンテンツを愛しているのか」「好きなものは枝のように派生し、最終的にそれを一つに束ねることが未来の自分に課せられた使命なのではないか」ということを学べた。



1st Showbiz (1999) 57点

記念すべきミューズの1stアルバム。客や商売のためではなく自分たちのやりたいことをやっているためミューズの本来持っている捻れた美しさを存分に発揮している。今作にはコンセプトがありこの現実をひとつの不可解なシステムとしてその周りを彷徨っている人々の揺らぎがテーマになっている。

曲のレベルは中々なのだが、掴み所がない曲が多いため聴いててダレてしまうとこもある。あと仕方ないことなのだが音質が悪い、、。2001年宇宙の旅のような孤独な宇宙旅行をしているような感じの曲が多い。

1. Sunburn

2. Muscle Museum

3. Fillip

4. Falling Down

5. Cave

6. Showbiz

7. Unintended

8. Uno

9. Sober

10. Escape

11. Overdue

12. Hate This & I'll Love You


各曲レビュー

ピアノから始まる鬱々しくも美しいミドル曲。人間の感情をよく表現できている曲で1stの一発目から高レベルな次元を見せつけてくる彼らには脱帽。


前の曲に雰囲気が似ているが退廃感ある名曲だ。イントロやサビの中毒性がたまらない。

ダークソングをやらせたら右に出るものはなし。


こちらはサビでアップテンポになるポジティブソング。中盤ピアノが入ったりとわかりやすい曲のはずなのに読めない展開が唐突にやってきたりするので油断ならない笑

暗い曲をやらせてもMUSEらしく、明るい曲をやらせてもMUSEらしい、という多様性に優れたバンドだ。


箸休め的なバラードソング。少し印象は薄いが癒される。全体的にイギリスらしさが出ていてどこか懐かしさも感じさせる曲調だ。さすがブリティッシュ。


グラム調の曲だがテンポダウンするサビでは独特の世界観を見せてくれる。ピアノが入るアウトロ部分では1stアルバムなのにどこか貫禄すら感じさせてくれる。


静から動へと移っていく曲。緊張と緩和の交錯とも言える曲構成。人間の感情をよく表現できており曲で物語性も感じさせてくれる。


アコギが主体の超名曲バラード。歌メロがずば抜けて良い。この後の進化していくミューズでは聴けない独特の浮遊感ある曲調が癖になる。


ややスローな曲。捻じ曲がったリフが中毒性で溢れていてナイスな曲。ただ展開が少なく物足りなさも感じる。


ミューズらしいロック。ヤケクソ感がある曲で魅力はあまり伝わらなかった。


隠れた名曲バラード。ほっこりするような曲調だが哀しさで溢れているところが良い。

MUSEというバンドを理解すればするほど深みが増す曲といえよう。


Aメロはなかなか良いがそれ以外がどうも手抜きと感じてしまうミドル曲。何度聴いても耳につかなかった。


夜の虫の効果音から始まる静寂ソング。サビは力強くMUSEらしい曲展開を見せる。

原型が留まってない感じの曲が多いこのアルバムだがこの曲もメロディはあるものの少し掴みづらさがある。


歌詞

太陽のように燃える彼女は間違いひとつ犯さずに僕らの地平線を焼くだろう 恥を直視できない僕は壊れた枠の影に世界から身を隠す 


僕を崇拝してほしいなんて思わないけど、君を喜ばそうとしているときに無視はしないでほしい


それは僕らの最後の思い出になるだろう ずっとずっと君へと僕をつないでくれるのさ


僕は万単位の家や人々と共に落ちていく 僕は君の名前を呼んでいたけど、僕の歌い声は聞こえなかったんだね 歌い始めることさえ君はさせてくれなかった


僕の洞窟へおいで 君の心を燃やしてあげよう 僕の犯した罪を振りかざし鉄槌を下せばいい


彼らは君の夢を僕に見せるんだ 欲望の光景の中で君はのたうちまわる


うーん、、、グッとくる歌詞がなく断念。

対訳の秋山姉妹が下手くそなのもある。


2nd Origin of Symmetry (2001) 81点

音も綺麗になり、何より曲のクオリティが大幅に上がった名作。激しく、美しく、程よくダークなアルバム。

コンセプトは「調和の源」。

「宇宙の無数の天体から地球上の我々人間レベルに至るまで一つ一つは異なる個体をつなぐ共通性か何かあるはず。かつて神と呼ばれたもの、混沌とした世界に均斉をもたらすものはなんなのか。その正体がわかれば自分が今こうして宇宙の屑として存在していることにも積極的や目的や理由が見出せるんじゃないか。」というマシューの発想からこの作品は生まれた。混沌の中にバランスを見つけるというコンセプトだ。発電所の中にいる気分になる。

・ジャケットについて

シンメトリックな形の多数のポールが「それぞれ情報や繋がりを求めて手を伸ばしながら、隣り合う互いの存在に気づいていないというイメージ」からきている。

プログレがかった今作はまさに芸術の域に達していて、なんとも言えない哀愁がある。まとまりはあまり感じられないが、この作品にしかないマジックがかかっている。

おすすめは10以外全部

1. New Born

2. Bliss

3. Space Dementia

4. Hyper Music

5. Plug in Baby

6. Citizen Erased

7. Micro Cuts

8. Screenager

9. Darkshines

10. Feeling Good

11. Megalomania



各曲レビュー

芸術性とかっこよさの2つを兼ね揃えた神曲だ。魔力あるイントロから心を奪われるのにそこからイカしたハードロックパートに変わるところで完全昇天だ。プログレファンとロックファンが望む全てものが詰まってるのではないかと思えてしまうほどのクオリティだ。



こちらも前の曲に引けを取らない高クオリティアップテンポソング。展開は単純だが渦のようなキーボードが癖になる。SFというか近未来感が出ていて好きな曲だ。


神秘的なピアノから荒れ狂うピアノに激変するイントロが印象的。サビで静かになるという発想がまたセンス◎ プログレッシヴな面でも頭ひとつ抜けているMUSEはまさに音楽の神だ。


サビにあたる部分が存在しないアグレッシヴな曲。ベースが主体になっている曲でこのリフが癖になる。あまり工夫はないが勢いだけで魅せてくるパワーソングだ。


少し狙ってる感もあるライヴで定番の名曲。

キャッチーなイントロ、癖になるAメロ、大盛り上がりをみせライヴでは合唱も起きるサビとファンの心を掴むパートでいっぱいな曲だ。


こちらは逆でライヴ映えが全然しないダークヘヴィソングだ笑 暗く遅く重いのだがサビでは不思議な哀愁が炸裂していて個人的に好きな曲である。終盤は静寂パートが続くディープな構成であり、こういう自分の世界に入った曲も堂々と作れるMUSEはやはり好きだ。


マシューが全パート裏声で歌っているダークソング。イントロの緊迫感、魔力、そしてサビで広がる感じなのが実にミューズらしい良曲。ただアルバム前半の曲が強すぎるためかすんでしまっている。


マニアックな儀式的な曲。暗いアコギ、不思議な気持ちになるサビと色々とミステリックな曲だ。ライヴでは絶対盛り上がらないし、もしやり出したら葬式ムードになってしまうが個人的にアルバムの雰囲気にも合っていて地味に好きな曲だ。


7曲目と雰囲気がかぶるダンディーなダークソング。決して悪くなく中盤から終盤にかけての人間の感情が滲み出るようなパートはグッとくるがもうひとひねり、ふたひねりくらい欲しかった曲だ。アルバム後半にエレキが入るハードロックソングが一つでも入っていれば丁度いいアクセントになっていた曲だが、どうしてもダレてしまう。


カバー曲。アルバムの雰囲気に合っているが流れ的にダレてしまう。意外と人気なことに驚く。


ラストにふさわしい壮大かつ神秘的なダークバラード。シンセが心地よくサビではミューズの代名詞でもある「展開」をみせてくれる。


「展開」とは

語彙力に乏しい私はこの展開という言葉でしか表現できなかった。AメロBメロで静かに苦悩を描いてからのサビで感情爆発的な構成を展開と呼んでいる

ミューズはこの展開とサビ前のスネアの「ダダダダダダダ」でクレッシェンドがかけてくるのがお得意の手法だ。



歌詞

望みなき時を彷徨う。遠き君の故郷への道のりは、どこにも消え行きはしない ただ静寂を打破するのだ 何故なら僕は漂流しているのだから、、


僕に与えてくれ、君の心にある安堵と快楽を


憎しみこそ我が本領

わたしに必要なものを与えてくれ

疎外感とでも馴染むことができる

君の眼にたちぼる空間は霞がかった平和で

それはわたし達を引き離し 無意味にする


君の巧妙な嘘が、僕の役目を続けさせてくれる 僕が支配する忘れられた宇宙空間の競争で

誰が死から蘇った?

誰が生き残った?


僕の容赦が尽きた時

敵たちに裁きを与えてくれ

傷一つない無垢な真実の中で生きる事にうんざりしてるんだ



自分自身を表すことは僕らを疲れさせてしまう 人が何を求めているかを感じ取ってしまうから

解き明かされた真実は僕の心から逃れ去っていってしまう


天国で魂が啜り泣く

電磁波が僕を狂わせ、君の心は非難に切りつけられる 黒板は今、憎しみで引っ掻かれた



空高く舞う鳥よ、僕の気分がわかるだろ?

空に輝く太陽よ、僕の気分がわかるだろ?

そよぐ葦よ、僕の気分がわかるだろ?

これは僕にとっての新たな夜明け 新たな日 新たな人生

海を泳ぐ魚よ、僕の気分がわかるだろ?

自由に流れる川よ、僕の気分がわかるだろ?

咲き誇る花よ、僕の気分がわかるだろ?

安らかに眠れ

一日が終わったのなら

そしてこの古い世界は僕にとって新たな力強い世界へと変わる


ひび割れた思い出という名の鏡から離れ家族から離れ、、


通り過ぎながら君は僕の中の夜に光をもたらす 暗闇に指す光が僕を打ちのめして

この心を虚しさで満たす


楽園に代償はつきもの 奴らは何のために存在する ただ君の好きな法律を破るだけなのに


3rd Absolution (2003) 84点

曲にメリハリがつき、サビなどでの盛り上がりがみられたりハードロック色が加わったりと、より大衆向けになったミューズだが元から持っている鬱的な展開も生きているため最もバランスが取れた名盤と言える。このアルバムタイトルの意味は「絶対性」ではなく「赦し」らしい。実に彼ららしい変化球が効いたネーミングセンスだ。聴いているとNASAの敷地内に居る気分になる。


おすすめは2、3、4、5、6、8、10、11、12、13、14

1. Intro

2. Apocalypse Please

3. Time Is Running Out

4. Sing For Absolution

5. Stockholm Syndrome

6. Falling Away With You

7. Interlude

8. Hysteria

9. Blackout

10. Butterflies & Hurricanes

11. The Small Print

12. Endlessly

13. Thougts Of A Dying Atheist

14. Ruled By Secrecy


各曲レビュー

足音だけのインストで10秒ちょっとで終わる


ヘヴィなピアノから入るスロー気味な曲。サビが存在しない曲だが、その分どのパートも不思議な哀愁がある。途中途中で流れるキーボードが良い味を出している。序盤にこういう暗めの曲を持ってくるとは相変わらず常軌を逸していて好きだ。


ライヴで定番の曲。怪しさのあるイントロ、Aメロを聴き「こりゃ捨て曲だ」となりかけるが、Bメロからサビ、そしてサビ後の畳み掛けてくる展開に「おおおお!名曲だ!」となってしまう曲。サビで感情を爆発させる曲作りをさせたら彼らの右に出るものはいないのでは?


ダーク寄りなバラード。イントロから泣けるメロディをかましてくる。サビでは少し希望を感じさせるポジティブな音になるが、そこがかえって哀しさを増加させるポイントになっておりGOODだ。


こちらもライヴでは定番の曲でありアグレッシヴなリフから入る曲でメタル色が強い。サビでは浮遊感がある曲調に変わり、メタルパートとのギャップが癖になる。


哀愁で溢れているバラード。田舎に行った時などに聴きたい曲だ。イントロからサビまで抜かりない作りである。


おそらくアダージョを元にして作った30秒ほどのインスト。MUSEはクラシック曲を参考にして曲を作ることが多いな。


ヘヴィなイントロから入る人気曲でロックミューズを堪能できる。個人的にはギターソロが好き。



カカリコ村というあだ名をつけた曲。

ゆったりしたバラードで癒し度MAXだが少しのんびりしすぎか。もう少しフックやら芸術性が欲しかったところ。


衝撃曲。これを聴けばMUSEがただの量産型ロックバンドではないことがわかる。5分ほどの曲だが途中でガチものの交響曲が入るなど一つの広い世界を体感できる。前半と終盤のロックパートもサビがないものの中毒性がある展開に心をやられる。グラミー賞を獲得した5thに繋がる曲とも言える。


ここでアップテンポロックソング。Aメロの歌メロの質が非常に高いがサビや間奏部分が手抜きか、てレベルに弱い。良いAメロを思いついた瞬間完成でいいや、となってしまったパターンか、、


ギターが登場しないシンセサイザー重視のダークソング。地味だがこのアルバムの中で一番好きな曲だ。サビでのキーボードラインが哀愁ありまくりで何度もリピートしてしまう。もっとこういう絶望ネガティブ曲を量産してほしい。


アップテンポ曲でPVになっても良いほどのクオリティ。ノリが良くライヴ映えもするがどこか哀しさも漂っているメロディラインに心が打たれる。


ダークバラードで締めくくる。歌のバックで流れているキーボードの魔力が凄い。途中壮大になるところなど世界観の構築力がやはり抜けている










歌詞

今、奇跡を目にする瞬間 これが終焉だから これがこの世の終焉なんだ


解放された自由が欲しい 束縛された窮屈な制約


赦しのために歌う そして君の優美さから落ちていく 真実は心の奥深くで燃え盛り決して朽ちることはない


僕らは舞い飛び墜落しそして燃え尽きる 僕らは愛し憎しみ合いそして死んでゆく 無駄に 全てが無益に


幸せが煩わしさから逃れられていた瞬間を思い出せないでいる 僕らが置き去りにしてきたあの愛の全て 数々のフラッシュバックがもつれあうのを眺めている 夢を追って目覚めたままでいる 幻想が腐敗していくのを眺めている


次第に心の中が露わになっていく

自分の信念が腐食していくのを感じる


接続するにはこの愛は素晴らしすぎる 夢見るには僕はもう年を取りすぎてる


争いと戦闘は開始された 報復は必ずやってくる 君にとって最後のチャンスが訪れたんだ


君の強欲を傷だらけの心で埋め合わせてあげよう 売ってしまえよ 君の思い出を 1年分を15ポンドでどうだ? そして空虚を眺めてる 僕は行くところまで行くよ 君の墓守じゃなんかじゃない 神が支給されない神父さ 


希望のかけらもなく君に全てを捧げるつもり 大事に胸に秘められた夢 永遠の深い眠り


不気味な囁き 枕元に捕らわれる 僕ら2人の世界が交錯する場所の真ん中に君は浮かぶ そして僕の目に映る全てが終焉だ


変化が漂う 君の死が成功を築く 生まれ変わり鎮圧せよ


4th Black Holes And Revelations (2006) 73点

この作品は今までとは違い、様々なタイプの曲が混ざっていて、実験的な要素がかなり強い。トリッキーな曲、SF的なミクスチャー音楽から壮大な曲など、バラエティに富んでいるため、引き出しの多さに驚き、マンネリという言葉とは無縁だということを知らしめてくれる。本作はエンニオモリコーネの音楽を参考にしているため、所々映画サントラ感もある。勿論、元から彼らが持っているかっこよさや、キャッチーさ、芸術性もある。ただ、難点をあげるとしたらコンセプトがよくわからず散漫なイメージもあり、まとまりがない作品と感じてしまうところだ。あと少し狙って作ってる感もあるのが残念。聴いていると火星の荒野を駆けていく情景が浮かぶ。

1. Take A Bow

2. Starlight

3. Supermassive Black Hole

4. Map Of The Problematique

5. Soldier's Poem

6. Invincible

7. Assassin

8. Exo-Politics

9. City Of Delusion

10. Hoodoo

11. Knights Of Cydonia


各曲レビュー

いきなり実験的な曲からこのアルバムは幕を開ける。キーボードが主体で宇宙人と対話しているようなミスデリックな曲調だ。後半になるにつれどんどん盛り上がっていく構成。単体で聴くと弱いかもだが、アルバムやライヴでは最高の繋ぎ役として活躍してくれるタイプのソングだ。


PVにもなった安定ミドルポップ曲。馬鹿みたいに明るいイントロにびっくりしたがサビ?的な場所では静寂パートになり哀愁全開になるところなどはもうさすがMUSE様々だ。


今までにないタイプのダンスディスコ的な曲。奇妙なイントロ、Aメロを聴いた時はとち狂ったかと思ったがサビなど中々に癖になるパートが存在する不思議な曲だ。こちらも有名な曲でフィギュアスケーターとかが使っていた。


カッコいいドラマチック曲がここでくる。

アップテンポだが淡々と進んでいくとこに唯一無二性も感じる。キーボードの使い方などどこのパートを切り取ってもイカしてる。サビのない曲でこれだけ見せつけることができるのもMUSEの強みだ。


2分ほどののんびりしたアコギの曲。箸休め的なトラックだ。一瞬で作り上げた感がする曲だ笑


今作唯一のバラード曲(前曲のは除く)

マーチ風のスネアにのせてゆったりと展開していく曲だ。少し印象は薄いが歌メロなどの質は相変わらず良い。


ここで一変メタル寄りのアグレッシヴな曲がくる。イカついギザギザリフには驚くが歌が入るといつものMUSEだ、となる。サビでも失速することなく淡々とラストまで駆け抜けていく曲で爽快だ。


地味で単純な曲なミドル曲かと思いきや、、全パートが何故か頭から離れない隠れた名曲だ!ライヴでもめったにやらないレアソング。キーボードの出番がないが歌メロとギターが奏でるメロディが淡々としながらもかっこいい。


緊迫感のあるアコギから始まる映画サントラ風の曲だ。逃げ隠れする感じの曲調だが、サビではいつもの感情爆発MUSEが聴ける。面白い曲だが少し記憶に残りにくい。


意外性を詰め込んだような曲。スペイン風の曲調から始まったかと思いきやそのまま静寂ターンへ、そして交響曲パートになると一気に壮大になる不思議な構成だ。次の派手な最終曲へ繋がる静かなる序曲感があり配置は完璧と言える。


今までにないタイプの曲で劇的な展開をみせるSF西部劇曲。1つの映画を視聴している気分にもなれる。前半はアップテンポで聴いてて爽快、後半はテンポダウンしコーラスとハードロックリフで攻める面白い曲だ。

ライヴだと盛り上がる。




歌詞


ブラックホールも天からの啓示も遠く この船は僕を記憶の彼方へと連れて行く


真夜中になれば氷河は溶け出し巨大な星たちは巨大な空間へと吸い込まれてく 君は大きなブラックホールだ


空気中を漂う恐怖と怯え この惨めさと失意から早く解放されたい 目の前でフラッシュバックする人生はまとまりがなく、ところどころ欠けていた 


自分は自由を手にする価値があると思う?俺は思わないね この世に正義なんてものは存在しない 正義なんてものは、そんなもの最初からなかったんだ


君の置き土産は君が選んだものだから 誰が何と言おうと君の魂は永遠に壊れない


反抗し、異議を唱え破壊せよ 悪魔の民主主義を コントロールを失い心は歪み魅惑され帳消しにする時だ 人々は切り裂かれ取り乱し希望を失い、そしてここに暗殺者は生まれる


空いっぱいにゼータが襲ってくる時 搭載された衛星は僕らの心以外、何も支配できないということ 


城壁を築き上げ君は信念を守れ 君の理論は全て灰と化し俺は神の目から逃れることを選んだ 妄想の都市を破壊せよ 君の血をもって俺は自らを正当化する


夢の中へと後戻りして新しい現実を築こう 線路に縛られ自由にしてくれる愛もない僕には繰り返し見る夢がある それはありのままの自分が愛される夢


歴史の流れを辿る旅をさあ出よう そろそろ物事を正す時が来たようだ



5th Resistance (2009) 95点

初のセルフプロデュース作品であり、グラミー賞をも掻っ攫った覚醒作品。作風は3rdの頃のダークな雰囲気に戻り、更にクラシック色が強まり、オーケストラとロックの融合が凄まじい世界観を出している。とにかく何かに取り憑かれたのかというレベルにかっこよく美しくミューズの武器である哀愁が最も出ている最高傑作である。ジョージ・オースウェルのデストピア小説の古典「1984年」や政治家学者ブレジンスキーの著作「The Grand Chessboard」から影響を受けて作った作品らしい。「1984年」は政府から自由と権利を奪われた市民の抵抗と男女の愛を描いた作品であり、悲惨なラストが待っている。しかし今作ではバッドエンドで終わらず「人間のスピリットの強さ」を謳っており希望のある内容となっているとマシューは語っていた。

聴いていると人工衛星の中をうろうろしている気分に陥る。無限に広がる宇宙の壮大さ、寂しさ、神秘さを味わうならこの一枚である。

おすすめは1、2、3、4、6、7、8、9、10

1. Uprising

2. Resistance

3. Undisclosed Desires

4. United States Of Eurasia [+Collateral Damage]

5. Guiding Light

6. Unnatural Selection

7. MK Ultra

8. I Belong To You [+Mon Coeur S'Ouvre A Ta Voix]

9. Exogenesis: Symphony Part 1 [Overture]

10. Exogenesis: Symphony Part 2 [Cross-pollination]

11. Exogenesis: Symphony Part 3 [Redemption]


各曲レビュー

おそらく今作の中では一番構成が単純な正統派ミドルロック曲。ノリやすく覚えやすい曲のためライヴでも定番ソングだ。


宇宙を感じることができる名曲。幻想的なイントロから最高のピアノメロディが入ってくるところでこの曲は神だと確信した。そしてSFちっくなBメロからの爆発するサビという完璧な構成だ。後半はCメロで更にぶち上げてきてそのままサビに戻らず静寂のアウトロに入ってしまうとこもオシャレだ。MUSEの良いところというかイケメンな部分が詰まった作品なので初心者の人にも勧められる。


このトラックは文字にしてレビューするのが難しいな笑 ギターが登場しない曲だが中毒性が半端じゃないミドル曲。これも前の曲に引けを取らない神曲だ。機械的でエレクトロニックな音が魅力的で沼にはめてくれる。前の曲は外側から心を突き刺してくる曲だとすればこの曲は内側から心を支配してくるような曲でマシューの引き出しの多さには驚かされる。


序盤はバラード、中盤はレジェンドブリティッシュバンドたちの影響を垣間見ることができるロック、そして後半にショパンのノクターンを持ってくるという予想の斜め上をいく展開をみせてくれる不思議な曲だ。

最後ピアノに合わせ子供たちの遊ぶ声とロケットが打ち上げられる効果音を入れることにより特別な世界観を生み出していることに成功している。


スローな今作唯一のポジティブソング。

歌メロは中々だがそれ以外が空気なのでダレる。この後緊迫した曲が続くため箸休め的存在なのかもしれない。


パイプオルガンから始まり、すぐさまMUSE特有のアップテンポリフが入る掴み完璧なロックナンバー。Bメロ、サビも質が良くライヴとかで合唱したくなるような名曲だ。ただ後半1分半ほどスローになるところがありそこでグダってしまうのが残念。


光線のようなギターから始まるテンポチェンジが多い曲。テンポアップするサビ、そしてその後のテンポダウンする哀愁パートがグッド。芸術性がありながらもライヴでも盛り上がる曲だ。


輪舞曲風のイントロから始まる不思議な雰囲気の神曲。全体的に芸術性と中毒性が凄まじく、聴くだけでサイケな世界に飛び込むことができる。マイペースな雰囲気もいい。

途中クラシックパートになるがそこではサンサーンスのサムソンとデリラが使われている。


エクソジェネシス交響曲の序章。

これはマジものの交響曲である。ヴォーカルは登場するものの大部分がオーケストラで占めている。渦巻く鬱的な曲調で聴いててこちらも癖になる。ここまで来たかMUSEよ、、と言いたくなってしまう名曲だ。


MUSEが好きになったきっかけの神曲。

交響曲的なピアノから始まり、暗いバラードパートへ。そこからお得意のクレッシェンドと共にエレキが入りサビで爆発する脅威の構成力だ。ラストは再びピアノのみとなり静かに終わる台風のような流れ。どのパートも宇宙の神秘さ、芸術性、無限の可能性を感じさせる魔力を放っている。MUSEとはどんなバンドか?と聞かれたら自分ならまずこの曲を聴かせたい。


多くのフィギュアスケート選手が使用した曲であり、鉄拳の「振り子」という紙芝居がこの曲のPVに使われたことで、日本でも愛されている曲だ。静かなピアノとヴォーカルの曲で後半はギターなどが入る感動系バラード。心優しい月光ソナタという感じの曲で癒される。



歌詞

咲き乱れるパラノイアの花 広報放送がじき再開する 我々全てを愚者に留めるべく彼らは気休めの快楽を売りつけようとする そして彼らは最後まで我々が真実を見極められないことを望んでいる 仕組まれた虚像のパッケージ 真実を隠蔽する官僚主義のカラクリは果てるともなく続く


自分たちの心を焼き尽くしたのは過ちだったのかもしれない、そうなのかもしれない、

愛こそが僕達に残された抗戦の術 愛と平和への祈りを押し殺せ さもないと思想警察が動き出す 夜は遂に終わりを告げた


君の心に巣食う猛々しさを清めたい 君の美しさが上辺だけのものではないのを確かめたい 君の過去を苛む悪霊を除去したい


僕らは同じ穴の狢 なぜ国々を分割しようとする 存在し得る国はただひとつなのに 

古代の英雄達ですら無へと帰していく


僕たちが心の中に捕らえたあの太陽は再び昇るのかもしれない 君は僕を導く灯り 君は闇の中で僕を導く光 心の中に導きの光が照らない時 僕らの人生に闇を照らす希望がその時


定められた運命に対し希望など抱けない それは自然ではなく人為による淘汰なのだから 僕は真実を欲する 僕らは大草原に消える水滴なんかじゃない 


一滴の涙の中に閉じ込められたひとつの世界 それは地核と共鳴しながら愛と幸福を恐怖に変換させる非人道的な法律を編み出していく  誰からも見えない精神は壁と化す


これらの柱が引き倒された時 王冠を戴くのはあなた あなたは私を導く轟く雷鳴 


僕の魂を模倣し君は僕の序曲を奪い取った 紙の仕組んだプログラムに囚われの身 ああ 僕はここから逃れられない 


群衆の中きら立ち上がり 外なる天体を突破しろ 僕らの星の暗号を広めていけ 


さあ また一からやり直そう 自分達の罪を許す これは最後のチャンスなんだから



6th The 2nd Law (2012) 63点

決して悪い出来ではない(ふつうに良い)のだが今までの作品と比べるとインパクトが薄く地味な印象が強いアルバムである。「エネルギーは減少していく」今回はこれをテーマに環境問題や経済問題に触れている。ジャケットは頭脳の神経回路をグラフィック化したもの。雰囲気が軽くなり、前作のような芸術性は減り、初期の頃のようなハードロック色もなく、電子音楽的な曲が多くなった。良く言えば多くの層に受け入れられる音になった。ポップな曲があったり、バラードなど4thのようなバラエティに富んだ作品ではある。もう少し攻撃的なメリハリのある曲が入ってたら印象は変わっていただろう。中盤あたりの深夜のネオンの街を遠くの建物の窓から眺めている感じの曲が心地よかった。

おすすめは1、3、6、7、8、12、13

1.Supremacy

2.Madness

3.Panic Station

4.Prelude

5.Survival

6.Follow Me

7.Animals

8.Explorers

9.Big Freeze

10.Save Me

11.Liquid State

12.The 2nd Law: Unsustainable

13.The 2nd Law: Isolated System


各曲一言解説&歌詞

#1 人間の驕り

馬鹿みたいにかっこいい名曲からこの作品は幕を開ける。スローな曲だがマーチ風のドラムかっこよし!壮大な雰囲気良し、歌メロめちゃくちゃかっこよし!後半高速になり爆発するところで昇天!これぞMUSEだ!!

意外性もありかっこよさと芸術性も含めたこの名曲から入ったこのアルバム、、神作間違いないと思いきやここがピークでした笑


まままままままままーっまーっまーっというインパクト大のイントロから始まる完全電子音楽曲でロック色は皆無。4thの3曲目に近いがあちらはまだ絶妙なリズムと中毒性を堪能できたがこちらはどうも、、好きになれん!

芸術性もかっこよさも中毒性も感じることができずタラタラゆったり流れる変電子音楽を聴いてる気分になってしまった。。


ダンスディスコとかで流れてそうなノリノリ曲。DQNがパーティーをしてそうな雰囲気の曲で最初は嫌悪感マックスだったが意外と中毒性があってノリノリになれる。しかし前の曲に続いてこちらもロック要素皆無。



良い雰囲気のクラシックインスト。

次の曲へのつなぎ役か


ロンドン五輪のテーマソングになり、開会式で披露した伝説ソング。ややポップなミドル曲で五輪テーマになったものの同じ音を繰り返してる手抜き曲に感じてしまった。この曲を聴いて感動する人もいるようだがもっとなんとかならなかったのかと思ってしまう。


#6マシューの第一子に捧げた愛の讃歌であり、イントロの音は胎内での愛息の鼓動を録音したものである。

最初から最後までオールシンセ電子音楽曲だがこちらは神曲。雰囲気、うねるようなキーボード、泣ける歌メロに脳をやられる。展開はほとんどなくクレッシェンドしていくだけの曲だが本当の感動をここで味わえる。


#7財界政界〜1%組の糾弾

物静かな曲でこちらもロック色皆無だが名曲。美しくも哀しい風が吹き荒れるという感じだ。

ギターが中々表舞台にたたないアルバムだがキーボードの活躍っぷりは凄まじい。


MUSEの中で一番好きなバラード。ゆったりしているが哀愁の海に浸かれる。どこのパートも歌メロが超越していて後半のサビ後の展開はビートルズを彷彿とさせる感動がある。


明るいポップな曲。アルバムで通して聴くとポジティブソングの割に印象が薄く空気だが、単体で聴くとMUSEらしい楽しい歌メロがたくさん聴けて悪くはない。地味なのには変わりないが、、


ここで超静寂バラード。ここらへんから完全に寝落ちしてしまうだろう。さすがにおとなしい曲が多すぎる。ただこの曲はなんとマシューではなく、ベースのクリスが歌っている貴重な曲でもある。うん、悪くない歌声だ。

歌メロが手抜きに感じてしまい芸術性やメリハリもないため苦手な曲である。


ようやくここでメタルちっくな尖ったリフの曲。この曲もクリスが歌っている。歌メロは中々MUSEらしくていいものの、展開が単純というか影が薄い。。浮いてしまってるというべきか、不調和って感じがしてしまう。



#12 資本主義の暴走

SF映画サントラ的な危機迫るキーボードから始まる。壮大な展開を見せるが3分とコンパクトな曲。

マシューのうめき声歌パート、女性の早口アナウンスなど聴いてる側を天変地異の渦の中に引き込んでしまうような演出で魅せるマシューはさすがだ。ライヴで出来るような曲ではないがようやく彼らの本領発揮がここでみれた。


嵐の後の静けさ 前の曲の続きでこちらもSF映画サントラ風だが静寂ソング。映画のエンディングを彷彿とさせる悲壮感漂うピアノとディスコ的なリズム隊が上手く噛み合っている。




歌詞

偉大さは息絶える、称えられることなく失われ、歴史に黙殺されていく 時が来た 君の覇権を滅ぼす時が


ある種の狂気が徐々に変化し始める 狂気が僕たちを支配したようなものだった


君の目に宿る炎 疑念が君を打ち砕こうとする


君が先頭に立つことはない 満天下の全人類に向けて僕はペースを保ち続け強さを示す


闇の帷が下り君を取り囲む時、君がひれ伏し恐れを感じる時、君を抱きしめに行くよ


憐れみを乞う者たちをひねり潰せ 競争相手を根絶やしにしお前は海でも買い上げたらどうだい


豊穣たる青い世界 勢いよく流れる河の数々はルートを南に変えるだろう 


君の心の中にある太陽を衰えさせないで

星のような雲に包まれ僕らは挫折していく


誓い、それは過大評価されたもの 僕が自己否定にふける間だけは待ってくれないか


追い出され、落ちていく前に起こしてくれ 夜の中に


継続的な成長にのっとった経済秩序は維持不可能なのです 熱力学の基本則は技術革新と人類の発展に一定の限界を課すものです 

継続的な成長に向かう種族は維持不可能なのです


7th Drones (2015) 69点

コンセプトアルバムであり「人間が希望を喪失し放棄し人間ドローンとなることをシステムから教化され、やがては抑圧者から自分自身から解放していく」物語だとマシューは語っていた。ドローンが破壊や殺戮に用いられた時、遠隔操作によって人が実際に関与している感覚が希薄になり、そこには責任の放棄が生じる。ミューズはその「人間の不在」について本作では警鐘を鳴らしている奥が深い内容だと。

肝心な内容について語っていこう。今作は前作に反してメタル色が強くなり、激しくギザギザした曲が多い。ギターが前面に出てる曲が多く、キーボードは影を潜めている。かっこよさ、インパクトは抜群だが、曲数の少なさと(セリフのみのインストがいくつかあるため)、後半の失速具合とミューズが持つ芸術性があまりみられないのが残念。ミューズは曲調が重く攻撃的な音楽も出来るということを証明しにきた作品のようにもかんじた。

おすすめは3、4、5、6、8、11

1. Dead Inside

2. [Drill Sergeant]

3. Psycho

4. Mercy

5. Reapers

6. The Handler

7. [JFK]

8. Defector

9. Revolt

10. Aftermath

11. The Globalist

12. Drones


各曲レビュー

前作のマッドネスに勢いとかっこよさを加えたような電子音楽とロックの融合曲。

後半の展開は盛り上がるので好きだ。


ひたすら教官が怒鳴り散らしてるだけのインスト的トラック。アイムサイコキラーサイコキラー!と部下を洗脳する狂気の教官だ。

映画「フルメタルジャケット」を彷彿とさせる。


MUSE史上一番いかついメタルソング。

ヘヴィなリフが意外と癖になる。ライヴでも盛り上がるし、日本のテレビ番組でも意外と使われたりしている。その気になればメタルバンドにも化けられるMUSEにはマンネリのマの字もない。


前の曲とは打って変わってこちらは万人受けしそうなキャッチーなナンバー。

覚えやすいメロディとサビでの中毒性あるキーボードが魅力。ただ残念なのがこのアルバムに入っているということだ。。暗くてメタリックな今作では浮いた存在になっている。


アップテンポな曲。尖ったギターから入るイントロ、哀愁を放ちながら駆け抜けるAメロ、これは神曲間違いなし!と確信した瞬間、肝心なサビでテンポダウンからのポップ調になり、更には後半の超のんびりギターソロ展開でガン萎えしてしまった曲だ。

最初の勢いでいってくれたら殿堂入りだったのが非常に残念。勿体ない曲だ。


ダークヘヴィソング。重苦しいがフックの効いたリフから始まるヘヴィメタル曲だがこれは名曲だ。泥沼と化した感情の中をもがくような曲でどのパートもかっこいい。ギターソロでアップテンポになるところも良いアクセントになっている。


ケネディ大統領の演説が入ってる繋ぎ曲。

今作は思想が強いな笑


ポップ調で明るいがヘヴィなギターが主体という不思議な曲。最初聴いた時はメロディが弱いと感じたが、何度か聴いてるうちに段々と癖になっていく。特殊なリズムや後半のサビ後にはいるギターパートに中毒性が盛り込まれているのだろう。


明るいポップソング。MUSEはポジティブな曲もそれなりに独創性を取り入れることができるのが強みだが、この曲には中毒性もなければ芸術性やかっこよさもない。おまけにこの暗いアルバムでは浮いてる存在のため納得がいかないトラックだ。他のアルバムに入れても浮くほどの能天気っぷりだ!(この曲のファンの方、ごめんなさい)


静寂バラード。哀愁的なイントロが良く、雰囲気も素晴らしいがどうも歌メロが弱すぎる。メリハリもなく右から左に抜けてく曲でこれも残念。



10分越えの大曲であり、MUSE史上最も長く劇的な展開を見せる曲だ。

哀愁のイントロから始まり、バラードかと思いきや、中盤怒りのリフが炸裂する凶暴パートに腰を抜かされる。そしてその後は嵐の後の静けさの如く、ピアノが登場し明るめの歌メロパートになる。(前作レビューでも嵐のような静けさというワードを使ってしまった笑

MUSEは静と動の使い分けがそれほど上手いというわけだ)

メタル的な展開もみせながらも5th時代を思い出すクラシック要素やプログレ色も入っているためMUSEの集大成曲とも言える名曲だ。


最後の曲はミサソング。

合唱のみのどこか別世界というか教会を彷彿とさせる短い曲だ。しかしどこか悲壮感が漂う。全てが燃え尽き焼け野原になった大地を巡礼する感じの雰囲気でアルバムの締めくくりにはふさわしい。




歌詞

百万の祈りを捧げてその聖なるものへと僕を引きずり込むがいい けれどそこには何もない 分かち合いの心からのみ光は射すもだから 


愛か、そんなものどこへも連れて行ってはくれない お前はひとり、荒野を彷徨う


神々は留守、暴君は沈黙 また別の人形使いによって催眠をかけられた 


故郷が殺戮の場と化している 心に固く十字架を刻まれ頼るものは誰一人いない


僕の想いは翻訳に紛れて消え、僕の心は冷たく無感動なマシンと化した


お前の帝国は消え失せようとしている その高貴な血と嫉妬に染まった心 そしてお前の腹はただ臆するばかり


#9遥かな雷鳴を聞くがよい 地球の流す血と飢えを味わうが良い 有毒のジャングルで我らは生き、真実は抑え込まれ口籠る


僕らは流れに逆らってきた 今、僕らにあるのはお互いの存在だけ そろそろ家に帰ろう


愛し慈しむべき文化なんてもう残っていない 永遠に終わったことだ 数知れぬ記憶が時空に消えてもう返らない 腕の利くハンターが一人生き残る 愛する相手も残されていないのに


8th Simulation Theory (2018) 60点

再び6thのようなキーボードが前面に出たミューズが帰ってきた。コンセプト作ではなくシングル集だとマシュー本人も語っていた通りかっこいい曲から、哀愁のある曲などミューズの良さが詰まった集大成的な作品でもある。しかしポップの要素が、かなり加わり狙ってる感が歪めない。高クオリティではあるが戻ってきて良かったと思える要素とミューズには要らなかった要素が交わった作品なので少し複雑でもある。

冒頭にコンセプト作ではないと書いたがマシューの解説を読むと、80年代のレトロSF映画の影響を強く受けながら曲作りをしたらしく「現実と空想の狭間の曖昧さ」というはっきりしたテーマを持たせている。(ドラマ「ストレンジャーシングス 未知の世界」からインスピレーションを受けたとも言っている)

メディアの洗脳に対する警告などを唄っている曲もあり相変わらずその辺はブレないMUSEだなと感心笑 あとジャケットなんとかしてくれ、、笑 こんなんB級アホ洋画みたいで馬鹿にされてしまうぞ、、


おすすめは1、2、3、5、7、9、11

1.Algorithm

2.The Dark Side

3.Pressure

4.Propaganda

5.Break It To Me

6.Something Human

7.Thought Contagion

8.Get Up and Fight

9.Blockades

10.Dig Down

11.The Void


各曲レビュー

ややスローだが力強い曲でアルバムの幕開けにピッタリな曲だ。

シンセとピアノの使い方は相変わらずセンス抜群。電子音楽とクラシックとロックの融合ここにあり、と思える曲だ。


ミドルテンポのロックソング。

昔からのファンも納得させる安定感のあるナンバーである。ほどよく盛り上がることができほどよくロックだが昔のMUSEのような毒々しい魔力が感じられないのが欠点か。


ノリノリアップテンポソング。

DQNが騒ぐ系の嫌悪感ある曲調だが、謎に中毒性があるため好きな曲だ。サビ?部分の脳をエグってくるような歌メロが癖になる。


エレクトリックな電子音楽ソング。

ズダダダダダという音と泥臭いダークさが案外癖になる。前作と前々作の路線を融合させたような曲だ。


エジプト調ヒップホップな曲で新境地とも言える。ゴミ曲かと思いきや、サビで哀愁爆発パートになり昇天した。意外とあの序盤のヘンテコリズムのおかげでサビでの美しさが倍増したのであろう。



アコギポップソング。

なんか安いアメリカの洋楽という感じがしてしまいあまり好きになれなかった。平和過ぎでMUSE特有の毒がない。


キャッチーなメロディが持ち味のややスローソング。これもライヴ映えを狙った感があるが所々感じる退廃感はMUSEらしさ全開なのでこれはこれで好きな曲だ。少し展開が一本調子なのが残念。


KPOPか、と思わず言いたくなるような境界ポップ曲。MUSEらしさは所々あるもののイマイチだ。。


MUSEのカッコいいところだけを寄せ集めたイケメンアップテンポ曲。2ndや5th時代の暗くスピーディーな曲調がここにきて帰ってきた。少し過去曲の焼き回し感も否めないが今作で1番好きな曲だ。


グジョグジョエレクトリック曲。

6thのマッドネスの続編的な曲。この手の曲は生理的に受け入れられない。リズム、音、シンプルなメロディなど色々気に入らない。。


悲壮感漂うMUSEらしいダークパワーバラード。どのパートも哀愁哀愁哀愁の名曲だ。ドラマチック展開と悲しさこそが彼らの本当の武器だと思っている。






歌詞

燃えろ、奴隷のように 回れ、歯車のように これは君の創造主との戦いだ  


闇を抱えて生きてきた僕は今までずっと追われてきた 


僕の目は節穴じゃない 僕は重荷を背負い 重圧を引き受けるつもりだ


綺麗な嘘をつき続けて真実を弄ぶ 僕は海で君は油膜 君の思考汚染で窒息しそうだ


飾り立てないで、遠回しに言わないで、偽らないで


あと5000マイルで旅が終わる あと500時間で家に帰れる あらゆる嘘を赦して無傷のまま目を覚ませ 全体像が消え去り、君の姿が見える


時間切れになる前に引き下がれ 白紙の状態と葬り去られた戦争犯罪 


死の灰をくぐり抜けながら真実と痛みに出くわすことになる 地平線に変化が見える 


人生は壊れたシュミレーション 時が来たんだ、君に僕の価値をわからせる時が


闇の帳が下りて、終わりだと告げられても

神が敢えて目をそらし、道化が王座に就いても 道を見出さなくてはいけない 


奴らは言うだろう 太陽は死にかけていると 僕たちは見えない存在なのだと 疎外されて完全に孤独なのだと

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