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バンドレビュー No.7 ネオクラシカルの王「ROYAL HUNT」前編

国:デンマーク 


活動年:1989-


ジャンル:ネオクラシカルメタル


アルバム数16


コンセプト:近世ヨーロッパ&騎士社会



キーボードのアンドレアンダーセンが率いるデンマークのロイヤルハントはネオクラシカルメタルの重鎮であり、ソナタアークティカなどの後輩パワーメタルバンド達に多大な影響を与えたバンドである。蝶野のテーマソング


でロイヤルハントの曲が使われているため、日本でも有名なバンドだ。(曲が一人歩きしている状況でもあるが)


メタルとバッハなどの宮廷音楽時代のクラシックを取り入れるという当時としては先鋭的なスタイルを取りながらも70年代のハードロックをベースにしているため多くの国や層から支持を得ている。(ネオクラシカルメタルの先駆者と言えばイングウェイだ。ロイハンの兄貴分とも言える) キャッチーだが至る所にネオクラシカル要素を散りばめているのが特徴だ。またこのバンドはヴォーカルの交代が激しいが、2代目と5代目を務めるD.C.クーパーはメタル界のスターでありライヴでは多くのファンを魅了してくれる。


アンドレはやたらと解散を示唆する発言をし

世間を騒がせるがなんじゃかんじゃ安定感が凄まじいバンドであり、多くのアルバムを出している。時には今一歩な作品も出すが常に高品質な盤を届けてくれる彼らには今日も期待が止まらない。





ジャケット☆☆☆☆


技術☆☆☆


哀愁☆☆☆☆


安定感☆☆☆☆☆


ネームバリュー☆☆☆


個性☆☆☆☆




ジャケットの特徴


近世ヨーロッパの王国社会的なものor現代社会を比喩したようやジャケのどちらか



メンバー


D.C クーパー V 3rd〜4th、11th〜


ヨナス ラーセン G 11th〜


アンドレアス ヨハンソン Dr 13th〜


アンドレアス パスマーク B 10th〜


アンドレ アンダーセン Key ☆



元メンバー

ヘンリック ブロックマン V 1st〜2nd


ジョン ウェスト V 5th〜8th


マーク ボールズ V 9th〜10th


ヘンリック ヨハンセン G 1stのみ


ヤコブ キエール G 2nd〜7th


マーカス イデル G 8th〜10th


ケオス オールセン Dr 1st〜3rd、8th


アラン チカヤ Dr 6th〜7th


アラン ソーレンセン Dr 3rd〜4th、9th〜12th


スティーン モーゲンセン B 1st〜7th


ペア シェランダー B8th 9th



主要メンバー


・アンドレ アンダーセン (キーボード)

このバンドの心臓。作曲センスとキーボードの速弾きが武器。身長が2メートルくらいあるためわかりやすい。ギャグセンが高い。趣味は解散発言。




・D.Cクーパー(ヴォーカル)

2代目&5代目(現在)のヴォーカルを務める世界のクーパー。愛嬌のあるイケメン顔と癖になるほどの歌唱力を秘めたロイヤルハントのスター。新日家である。彼のいない時期の方が長いため全部彼に歌わせたCDとか出しても良いのでは?



・ジョン ウエスト (3代目ヴォーカル)

3代目ヴォーカリストであり低迷期を支えてくれた。クーパーに比べるとカリスマという面では劣るが決して悪くない歌唱力の持ち主。鯖缶みたいな歌声が結構味があって良い。



・マイク・ボウルズ(ヴォーカル)

海賊みたいな顔をした4代目ヴォーカリスト。こちらも味のあるヴォーカルでイングウェイとも仕事をしたレジェンド。ハードロック系の曲がよく似合う。来日した際にお会いしたことがあるが良い人過ぎて泣けた。


第1期

ランド オブ ブロークンハーツ ☆☆

クラウン オブ ミラー ☆☆

初代ヴォーカリストであるブロックマンが在籍していた頃の時代。キラキラシンセと勢いある曲が多く、メタラーからは人気の時代である。蝶野のテーマとして知られるマテリアルアーツも1stに収録されている。ただとにかく荒削りでB級メタル色が強いため個人的には1番未熟で弱い時期だと思っている。



第2期

ムーヴィング ターゲット ☆☆☆

パラドックス ☆☆☆☆

ロイヤルハントの看板とも言える名ヴォーカリストD.Cクーパーが加入し世界にその名を轟かすことに成功した黄金時代。ネオクラ力に磨きがかかり、初のコンセプトアルバム「パラドックス」では大成功を収めた。


第3期

フィア ☆☆☆

ミッション ☆☆☆

アイウィットネス  ☆☆☆☆

ペーパーブラッド ☆☆☆☆

D.Cクーパーが去り、ジョンウエストがヴォーカルを務めた時代。彼らがここまで培ってきたネオクラ路線を抑え、デジタル音を多用した実験時代とも言える。進化のための寄り道、新たなファン層獲得への挑戦の時代である。多くのファンはこの時期を低迷期と呼ぶだろう。


第4期

パラドックス2 ☆☆☆

X ☆☆☆☆

ヴォーカルがジョンウエストからマイクボウルズに交代する。黄金期を再び取り戻すという意欲をみせたパラドックス2、古き良きハードロック一色路線に舵を切ったXなど回帰&実験に挑んだ「もがき」を見せてくれた時代と捉えている。


 


第5期

D.Cクーパーが舞い戻り復活の狼煙を上げた第二次黄金期。再び路線をネオクラ騎士時代に戻し勢いを取り戻した。12th以降はオーケストラを取り入れたりとシンフォニック路線にもリンクしていった。


Show me how to live ☆☆☆☆☆

A Life to Die for ☆☆☆☆

デビルズダズン ☆☆

キャストインストーン ☆☆☆


第6期

集大成期と言えるか。13th、14thと勢いが再び消えかけていった彼らだが、

ディストピア part1 ☆☆☆☆

ディストピア part2 ☆☆


俺のおすすめアルバム順


11th=15th>10th>7th>4th>3rd=8th>12th>14th>5th=9th>6th=2nd>13th>1st



一般メタルファンが選ぶおすすめアルバム順


4th=1st>3rd>2nd>11th>他 と言った感じか?ソナタと言い一般メタラーキラキラ単細胞初期にしか興味がないらぴい




【作曲スタイル】


アンドレアンダーセンが一人で作曲。彼がくたばればロイヤルハントが終わると言っても良いほど重要人物だ。




【私とロイヤルハント】


ロイヤルハントの存在は中学時代から知っていて(いろんなバンドの解説書にやたらと名前が出てきたため)高校1年の頃の冬にお試しで4thアルバムのパラドックスを買ってみた。


が、肌に合わず封印。しかし高校2年の終わり頃から私は各バンドに世界観を求めるようになる。


そこでロイヤルハントには近世ヨーロッパの騎士社会という唯一無二の個性&世界観があることを再発見し、世界観に浸るという一心で数枚買って聴いてみるとドップリハマれたという不思議な経緯がある。


世界観重視から入ったバンドはこれが初めてだったのでリスナーとしてターニングポイントを迎えた時期のバンドでもある。



1st Land of Broken Hearts 1992年

レトロな雰囲気のある80年代ロックとネオクラシカルが融合したような内容。全体的にキャッチーで人気作だが芸術性があまりなく、個性もガタガタなので個人的に好きではない。あとヴォーカルが弱い。メタル初心者にはおすすめできる内容かもしれない。



1. Running Wild


2. Easy Rider


3. Flight


4. Age Gone Wild


5. Martial Arts(Instrumental)


6. One by One


7. Heart of the City


8. Land of Broken Hearts


9. Freeway Jam(Instrumental)


10. Kingdom Dark


11. Stranded(Bonus Track for Japan)


12. Day In Day Out(Bonus Track for Japan)



各曲レビュー




レビュー


ロイヤルハントが自己紹介しているような曲。ミドル曲でサビはキャッチーで親しみやすく代名詞であるバッハ流ネオクラシカル味もたくさん感じられる。ただ、少しダサい!

そしてつぎはぎ感があり一つの曲としてのまとまりを感じられないのが残念。最初だから仕方ないか。。


歌詞

光を信用できない夜行性動物のように逃げるために生まれた

戦争が始まり偽りの中生きていく 裏切り者は太り、善人は死んでゆく




レビュー

こちらもミドル曲。チェンバロ的なキーボードがいい味を出している。初期のロイヤルハントは70〜80年代ハードロック的でありどのかジェネレーションギャップも感じてしまう。


歌詞

罪だと言ってくれ 天国への片道切符を探すために私は町を走る



レビュー

アップテンポなネオクラシカルメタルでかっこいい。間奏部分も派手で全体的に煌びやかな曲だ。ロイヤルハント初心者におすすめできるがサビなどの歌メロが曲全体の雰囲気に負けてて惜しい。



歌詞

空を越えて風に吹かれて死んだ敗者のために泣いてくれ 



レビュー

アコギで始まるパワーバラード。

ゆったりした曲でも十分魅せることができるというアピールを感じる。少し哀愁が安っぽい。



歌詞

鉄格子の影が見える


彼は光の速度ともに一夜にして乞食と化した



レビュー

ロイヤルハントというバンドは知らないがこの曲は知っているという日本人はたくさんいるだろう。

蝶野のテーマソングでありガキ使でも流れるため、日本ではバンドではなくこの曲が一人歩きしてしまっている状態だ。

ネオクラシカル爆発インストでインパクト◉だ。



レビュー

80年代のB級ヒーロー映画のテーマソングという感じがしてしまう曲。キャッチーで懐かしみのある音は良いのだが、世界観がよくわからない。ただ今作では珍しく正統派ギターソロがあるためそこは楽しめる。



歌詞

過去を振り返っても洞察力が傷つけられるだけだ 夜に沈んでいく 盲目になっていないか鏡をみてごらん



レビュー

ネオクラシカル要素満点の疾走曲。

途中でテンポダウンするところや楽器の使い方など非凡性も感じられ今後のロイヤルハントの進化を匂わす雰囲気だ。間奏部分のバッハも聴いてて気持ちいくらいのネオクラシカルで爽快である。



歌詞

何も変わりもない 自由になりたい 私はまるで電線に止まっている鳥のようだ



レビュー

スロー気味の曲だがロイヤルハントらしい貫禄のある曲だ。王が玉座に座っている堂々としたこの曲調は今後の彼らの個性になる。

Aメロなどは品があって良い



歌詞


何千もの影が倒れていく また別の狙撃が友人の死を招く




レビュー


ノリノリなインスト。80年代のアメリカのハイウェイを突っ走るで車でかかってそうな曲だ。




レビュー


ラッパなどキャッチーな要素が多いミドル曲。ちゃんちゃんちゃん、と教育テレビのアニメで流れてそうな雰囲気だ。間奏部分はネオクラシカル度マックスで好き。



歌詞


誰かが叫ぶがわからない 時代が憤怒を崇め呼んでいる



解説書についてる対訳がゴミすぎなのでこんなザマに、、この辺で切り上げよう




ボートラ?空気ソング!




ボートラ。イントロの疾走感がたまらなく良い。全体的にネオクラシカルで初期ならではの勢いを感じるためありだと思う。




2nd Clown in the Mirror 46点 1993年

前作とほとんど変わりはないが少し上品になり、芸術的な要素が増えた。アルバムとしてよくまとまったが、どこか物足りなさというかB級バンド感がして、満足できなかったアルバム。パワーのある曲がもう何曲か入っていれば印象は違っていたかもしれない。


おすすめは3、5、8、9


1. Intro


2. Wasted Time


3. Ten To Life


4. On The Run


5. Clown In The Mirror


6. Third Stage


7. Bodyguard


8. Legion Of The Damned


9. Here Today, Gone Tomorrow


10. Bad blood


11. Epilogue



歌詞



レビュー


壮大で美しいインスト。


ピアノの旋律がいい。




レビュー


ノリノリアップテンポソング。


前作にあった80年代ハードロック臭が残るも繋ぎが自然になっている。



歌詞


ワインに盛られた毒の如く、背中に食い込んだ銃弾の如くお前を探し求める




レビュー


刻まれるリズムが癖になる曲。マイペースに曲が展開していく様に雰囲気の作り方などの進化を感じる。間奏はネオクラシカルでカッコよし。



歌詞


太陽が昇るとニュースは広がり始める 過去は過ぎ去った 真っ当な道はプライドの上に成り立つ




レビュー


疾走ネオクラシカル曲。(疾走言うてもロイヤルハントなので遅い笑 このバンドの曲の中では速い方ということだ)


全体的に爽快だがサビが手抜きすぎる。サビにさえ力を入れてくれれば名曲になっていただろう。




歌詞


静かなる祈り、嘘の塊 奴らがお前を運命と呼ぶなら、俺はお前を苦しみと呼ぶ 夜のように、影のように追いかけてくるものから、許されぬ息子のように逃げ回る 




レビュー


悲しいピアノから始まる名バラード。


ネオクラシカルを応用した旋律がオリジナリティを出し歌メロや間奏部分が輝いている。


これぞ作品、と言える出来。悲劇的な美を味わうことができる。



歌詞


生きている間は大勢に囲まれ、死ぬ時はたった1人 鏡に映るピエロには煌めきと傷跡しかない 喜びと苦しみが同居している 星に触れ自分の夢を太陽に放つ 笑いと涙の人生だったから石の心は動かない




レビュー


かっこいい宮廷チェンバロから始まる疾走インスト。これぞとばかりにネオクラシカルを見せつけてくる曲で聴いてて気持ちいい。





レビュー


スローテンポのおちゃらけソング。


このタイプの曲もロイヤルハント特有のものなのだが、ヨーロッパ感が無いので世界観をぶち壊す癌でもある。脳無しDQNが道路でUNOとかやってそうな曲だ。



歌詞


夢はでっち上げてもあっけなく崩れ去るもの




レビュー


パワーバラード。


イントロというか主旋律のメロディが哀愁ありで良い。まとまっていて情感ある綺麗な曲だ。



歌詞


俺たちは銃に支配されているが恥などは感じない




レビュー


自分たちの持つ個性を存分に発揮したネオクラシカル度満点のミドル曲。Aメロが味がある分サビが無難すぎて盛り下がるところが難点。間奏部分はかっこいい。



歌詞


別の人生が手に入るとしたらお前の涙は乾くのか


どの棺桶にも釘はいる




レビュー


インチキ臭いイントロから始まるミドル曲。


80年代おちゃらけロック感のある曲だが、随所にロイヤルネオクラシカルが散りばめられていたりするので30周くらいすると好きになってくる。



歌詞


憎しみがお前の心を砕く 夜明けを見ることは2度とないだろう




レビュー


バラード的な始まりからアップテンポになる


今作では最も構成が美しい曲。歌メロや間奏部分の王宮パートも味がありアウトロのピアノも圧巻である。



歌詞


過去をさすらいながら1人船に乗る 昼も夜も終わりのない物語 全てが道すがらに失われていく 



3rd Moving Target 58点 1995年  

前作よりも曲にメリハリがつき一曲一曲の哀愁やインパクトが増した。そして前作以上に近世ヨーロッパ感がめちゃくちゃ出てて良い。ロイヤルハントのなかでは最も安定していてまとまったアルバムだと思う。


タイトル「Moving Target」について↓


「メディアの影響力によって人々は惑わされている。それによる個人攻撃は凄まじいものである。今作はそのようなメディアが生むデタラメな情報によって人がコントロールされる恐怖をテーマにしている。人が動く標的にされていることを改めて問いかけたかった」


Byアンドレ 



おすすめは1、2、3、4、5、7、9


1. Last Goodbye


2. 1348


3. Makin' a Mess


4. Far Away


5. Step by Step


6. Autograph


7. Stay Down


8. Give It Up


9. Time



各曲レビュー



解説


ドラッグ中毒で死んでいく人がテーマ



レビュー


バリバリネオクラシカルなイントロから始まるアップテンポ曲。近世ヨーロッパ風の雰囲気を所々かましながら無難に進んでいく良曲だ。聴きどころはやはり2回目のサビの高音クーパーとその後のアンドレの美旋律宮廷ソロだろう。



歌詞


俺はただ空が地面に映し出す影や痕跡を追っているだけだ 


蝶のように蝋燭の回りで踊っている


毎日苦しみの海を渡る ああ、この古い暴走列車を止められたら 




解説


1348は年号でありペストが蔓延し多くの人々が亡くなった事実を現状とリンクさせた曲。



レビュー


クイーン的な何かが始まりそうなコーラスから始まりびっくりするがすぐに美しい旋律に切り替わるミドル曲。この後にハードなパートがやってくるが少しそこでだれてしまうも実験的な構成で非凡性豊かで◉。そしてネオクラシカル間奏は文句なしの出来である。



歌詞


葬儀屋の仕事は増える 運命の損失を思い出すだろう 燃える十字架は死と戦う 




レビュー


明るめで勢いがあるネオクラシカル曲。


ハードロックの教科書のような内容。良く言えば安定感があり悪く言えば無難といった感じだ。



歌詞


悲しみの風は黄金の心に影を落とす


悲しみを感じずに世界と面と向かうことができたらいい




レビュー


阪神淡路大震災がテーマの曲。


悲壮感漂うネオクラシカルバラード。後の名バラードの基盤になっているような構成や歌メロが垣間見える。間奏部分は気持ちがいいほど宮廷音楽。



歌詞


君は箸を燃やし僕は悲しみの海に落ちた


痛みが感じられるから 明日を憎んでしまうのだろう




レビュー


たまに現れるロイハン特有おちゃらけ風ソングだ。サビは古き良きハードロックスタイルで好き嫌いが分かれそう。終盤流れるピアノ化されたメインメロディは意外と哀愁があって好きだ



歌詞


壁の落書きが見えるが誰も責められない、誰もせいでもない





レビュー


ここでネオクラシカル度全開のアップテンポインスト曲。中盤スローになるクラリネットパートが芸術的だがそれ以外は単調すぎてちょいと退屈。





レビュー


人間の弱さを暴露させた曲。キャッチーでヨーロッパなイントロから始まる。泣きのギターも良い味を出している安定した良曲と言ったところか。



歌詞


お前が倒れたら誰が助けてくれるんだろう?


お前が復讐のために祈ってたら誰がお前を止めてくれるんだらう




レビュー


このアルバムのコンセプトであるメディアに踊らされる人間を描いた本作の核となる曲。


Aメロが美しく素晴らしい。ただのサビの詰めが甘く手抜きに感じてしまうところが残念。



歌詞


帝国の復活、彼らは嘘の上に建っている


金を払えば神だって売りに出される




レビュー


ラストはアップテンポ曲でやはり歌メロが特化している。これまだサビが手抜きだが勢いとネオクラ色で上手く誤魔化している。そして間奏部分のクラリネットソロがバンドの個性を全面に出せていてグッドだ。



歌詞


俺は悪魔の仮面を洗い流そうとしている


俺には思い出す理由がある 忘れる理由がある



4th Paradox 62点 1997年

初期の名盤。初のコンセプトアルバムでプログレッシブさが入り複雑な曲が増えた。一つ一つの曲のクオリティな高くなり貫禄があるバンドになった感じがする。バリバリネオクラシカルな曲から大曲、バラードなど各曲のメリハリもついているため聴きごたえがある。


曲の中盤などのメロディが弱く、通しで聴くと疲れてしまう感じもするのでそこだけが残念。



コンセプト


今回取り上げたものは聖書を基本とした宗教=神、そして人間という彼等欧米人の根幹ともなるべきものである。


ジャングルブックの作者として有名なイギリス人作家ジョゼフ・ラットヤード・キプリングの一説がこのコンセプトのベースを物語る。


「唇は開いたままで地球へ戻れ。目を開けたままで戻れ。人類の子孫に私の言葉を伝えるのだ。お前が死に望むまで、、。共に犯す罪は1人1人が償わなければならない。そして神があなたと共にいて下さる」


新約聖書によるキリストの教えや奇蹟とも言える行いは全てのキリスト教信者の精神的支えだと言われている。神の子イエスは地上に遣わされ人々の罪を背負い十字架にかけられ天に召されるが復活を遂げ天に昇り再び再臨し信徒以外の悪を絶滅するというのが新約聖書のストーリーとなる。


今作パラドックスのテーマは「現代の人々にある様々な外面、内面を取り巻く問題と宗教を通して語る」ことだという。


アンドレ「神は彼の息子を地球に送った。神のメッセージを伝えるためにね。面白いのは聖書を読んでいるとキリストに負わされた、キリストによって完成された救いの御業が現在に成し遂げられたとしてもそこには何も違いがないってことがわかるんだ。2000年後の今日でもね」


アンドレは絶対的な精神的価値観であるキリストを客観視して冷めた目で捉えている。


そんな彼が宗教と現代の人間について考えた結果生まれた作品がこれである。



(解説の日本語が狂っているため私も理解できず意味不明な説明になっているが下の歌詞を読み取れば何かは掴めるはずだ。)




おすすめ3、4、5、6、7、8


1. The Awakening


2. River Of Pain


3. Tearing Down The World


4. Message To God


5. Long Way Home


6. Time Will Tell


7. Silent Scream


8. It's Over



レビュー


アコギの1分ちょいのバラード。嵐の前の静けさ的でオープニングにふさわしい。



歌詞



十字路に立ち嵐を待つ 夜明けの翼にその気配を感じる




レビュー


スローテンポでヘヴィな曲。やや長めでプログレッシヴ要素が初めてロイヤルハントに入るという実験的な曲でもある。フックの効いたメロディがあまりなく人によってはダレる。



歌詞


河は流れていく 赤く変わり虚しく見える 風の中の彼らの声が聞こえ太陽が沈んでいく 


誰かの狂気が俺の人生を奪い逆さにひっくり返した




レビュー


前の曲とは対照的に超ネオクラシカルキャッチーなイントロから始まるアップテンポ曲。


ライヴでも盛り上がる曲で彼らの代表曲の一つとも言える。ただイントロのメインメロ以外はやっつけ仕事感がありハリボテ臭もしてしまうところがネック。ソロはギターキーボード共に見事の一言。



歌詞


水は酸のようで天国は地獄のようだ 全世界は紙と銅のようだ これが警鐘にならないのであれば俺たちは何をするべきなんだ 海を飲み干し視線で星を射る 




神よ、奇形の造化である神よ 教えてくれ 何故あなたは俺たち人類を創造したのだ


塵の向こうに日が昇る 過去の中の未来が俺につきまとう



レビュー


神々しいピアノから始まる。その後ベース主体のパートになり、安定のロイヤルロックを見せつけてくるミドル曲。良くも悪くも普通に展開してしまいイントロが美しいピアノなだけに少し期待を裏切られてしまう曲になってしまっている印象。





レビュー


1曲目と同じフルートとアコギの旋律から始まるロイヤルハントを代表する名バラード。


この曲の聴きどころは中盤の盛り上がりなど色々とあるが何と言ってもサビのメロディだ。3回あるサビをなんと全て違う音階で歌うという珍しい技法をみせてくれる。


2回目が一番好きだがメタルの新たな可能性をクーパーが切り開いたと言えよう。



歌詞


夜が訪れると俺はもう一枚の扉を閉め孤独を祝う 扉の開いた独房に俺の持つ全てがある 沈黙の中放った言葉が消え無になる 長い道だが盲人には更に長い道程だ





レビュー


10分近くあるロイヤルハント初の大曲でこのアルバムの核となる存在。


壮大なイントロから始まりアップテンポパートでは安定のロイヤルハント節を炸裂させてくれる。途中の間奏もかっこよく良し。しかしこの曲のハイライトは終盤に待ち構えている。大合唱からのハイパーネオクラシカルオーケストラ、そして哀愁のギターでリスナーを完全昇天させて幕を閉じる鬼構成である。


あの8分は前座に過ぎなかったかと度肝を抜かれる名曲だ。



歌詞


時が告げるまで お前は星に手を伸ばしているが過去の影がお前を地獄へ導くかどうか、それは時だけが教えてくれる 




レビュー


期待値爆上がりの心を掴むチェンバロイントロから始まる曲だが、歌が始まると一気にだれてしまう惜しい曲。イントロのクオリティが高すぎるせいで全体的に肩透かしソングになってしまっている。後半の静かになるパートなど所々はシャレオツ。



歌詞


夢から遣わされる天使を待つ 人生が俺の背負うべき十字架というならすぐに俺を磔にし殺してくれ 親愛なる神よ 俺の沈黙の叫びがお前には聞こえないだろうが 嵐が奏でる雫を拝むこともなく時は停止する




レビュー


ラストにふさわしい壮大なネオクラシカルソング。ゆったりと堂々としたロイハンの魅力が出ている。間奏はアンドレのキーボード、フルート、アコギとネオクラオンパレードで楽しい。面白みはないがしっかり魅せてくる曲だ。



歌詞


壊れた月が雲を突き抜け輝く 光でさえ悲しみの丘に触れただけ デジャヴ 涙の跡は雨に流されるだろう 終焉 神は死んだのだ 



5th Fear 51点 1999年

 地味なアルバム。曲のクオリティは下がったわけではないが曲数が少なく、長くダレてしまう曲や、インパクトが薄い曲が多い。進化のための挑戦が空回りしてしまってる感は拭えない。マンネリ化も少し目立ってきた。


これが最初に聴いた時の感想。


しかしここ最近聴けば聴くほど味が出てくる作品であることに気付きダークな渋さの虜になっていた。初心者には絶対お勧めできない作品だがロイヤルハントを極めし者には癒しと安堵を与えてくれるに違いない。内容は暗いのに笑



おすすめは1、2、4、5、6、7


1. Fear


2. Faces of War


3. Cold City Lights


4. Lies


5. Follow Me


6. Voices


7. Sea of Time




レビュー


アルバム開始早々10分近くあるスローな大曲。5分近くもあるダークな長いイントロから始まるためテンポの悪さが凄まじくかなりのファンががっくしくるであろう曲だ。


しかしその後の渋さのあるアコギや歌メロにはうっとりしてしまい全体的に味のある哀愁ソングになっているため決して悪い曲ではない。後半が良い出来なだけに2曲に分けてほしかった。



歌詞


日の光が別れの手を振る 幾度も幾度も時の風はお前を追いかける 永続するはずの幻想を創り上げても無慈悲な時が地理に変えてしまう 




レビュー


かっこよさが溢れるアップテンポ曲。


覚えやすい歌メロ、安定のネオクラシカル、爽快感、キーボードソロなどロイハンの良いとこを詰め合わせたような内容。決して派手ではないが聴けば聴くほど味が出てくるスルメでもある。



歌詞


俺は心を地上に残したままま飛び立つ なぜ俺は撃つんだ、教えてくれ、奴らが何をした?扉を開けて入れてくれ 戦場の顔のひとつにすぎないこの俺を




レビュー


古き良きハードロックを意識したようなミドル曲。駄曲ではないがアルバムの世界観に合ってないためいらなかったと感じる。間奏が強いロイヤルハントのはずなのにこの曲ではそこがグダグダだったのもマイナスポイントである。



歌詞


冷たい街の灯は破れた夢の国に広がる


街の隅々まで恐怖という蜘蛛の巣に捉えられている




レビュー


イントロが中々に長いアップテンポ曲。


ロイヤルハントファンを狙ったような曲だがサビなど全体的に無難で寂しく感じてしまう。ゴリ押しで名曲風に仕立て上げたような感じの曲であまり好きにはなれなかった。


イントロやソロなどで所々聴けるネオクラ音は好みだ。



歌詞


不信の海を渡りながらお前が塵で覆い隠した黄金を探し求めて 内側から差す影の中でどうしてお前は生きられる?


光を避け罪の川に逃げ込め 膨れ上がる嘘の平原にて とめどない嘘には犠牲がつきものだ




レビュー


バラード枠。Far awayやLong way honeを彷彿とさせる出来だ。悪く言えばマンネリバラードでもあるが、やはりこの手の曲をやらせたら名曲認定不可避だ!途中の情感溢れるソロ、そして歌メロやバックで入るキーボード音にうっとりだ。



歌詞


絵画が語れるなら声が多すぎてしまうだろう 悲しみが叫べるなら俺は一日中耳を塞ぐだろう 希望を植え付けても収穫は幻想だけ 





レビュー


名曲の雰囲気を醸し出しているアップテンポ曲だが、構成が単純かつメロディが全く刺さらない残念曲。間奏が救いだ。



歌詞


声がする いまだ語られたことがない物語の中からお前を呼んでいる 裏切られ吹雪の中に置き去りにされた英雄たちが呼んでいる 嘘で身を隠し目を閉じろ 栄光と涙の秘話を俺に語ってくれ




レビュー


スローテンポの曲でラストにしては地味な曲だが、サビのメロディに味があり聴けば聴くほど虜になる不思議な魅力を放つ曲だ。7分と長いが間奏などが充実しているためダレずに聴き通せるところもいい。



歌詞


瞳に浮かぶ涙が一粒ごとに恐れに向き合うための小さな一歩になる 俺はお前を想う 


背後で橋を燃やすごとに めくるページごとに、お前は思い出す 毎日は時の大海に落ちる孤独な涙の一粒にすぎないことを


英知と愛を語りかけ彼は第7の太陽へと走る



6th The Mission 50点 2001年

火星をテーマにしたコンセプトアルバムで歌入りの曲とインスト曲が交互に繰り返されるという面白い構成になっている。近世ヨーロッパ的なネオクラシカル色は薄れ、SFを意識したためかデジタル音が前面に出た意欲作。ロイヤルハントらしさが無く、駄作臭がするが意外と美しいメロディとかも多いため結構聴ける作品。進化と捉えるか迷走と捉えるかはあなた次第。


【コンセプトについて】


レイ・ブラックベリーの小説「Martian Chronicles」がベースになっている。


この物語は火星における人類の干渉を日記の形で描いたSF小説であり、火星の風景を連想させながらも描写されているのは極めて人間的で現実的なもの、らしい。



おすすめは4、12


1. Take Off


2. Mission


3. Exit Gravity


4. Surrender


5. Clean Sweep


6. Judgement Day


7. Metamorphosis


8. World Wide War


9. Dreamline


10. Out of Reach


11. Fourth Dimension


12. Days of No Trust


13. Total Recall



歌詞&サブタイトル


#1 2001年8月 定住者


ロケットの発射音が聞こえるSF度マックスな短いインストとというか効果音集。この一発でこのアルバムが今までのロイハンとは違う異質なものだとわかるだろう...



#2 1999年1月 ロケットサマー


ピコピコクチュクチュのデジタル音から始まるゆったり気味のミドル曲。なんじゃこりゃたああ!!と怒り狂うファンもいると思うが慣れてしまえばちゃんと歌メロがロイヤルハントしてるのでそこまで悪くない曲だ。所々不思議な哀愁があるところもいい。



歌詞


法の疑惑と恐怖の向こうで戦争を続けるために俺たちはやれるだけのことをしている




#3 2002年10月 岸


レビュー


短すぎるしインパクトもない存在意義を疑う謎インスト。ただのつなぎ役。




レビュー


本作のハイライトととも言えるアップテンポ曲。デジタル音が気になるが、キャッチーで彼らの魅力が詰まった傑作だろう。ネオクラシカルなイントロや明るいが勢いのあるサビが聴きどころ。



歌詞


そばに親愛なる旧友を従えて毎夜響く馴染みある声 遠くの鐘が鳴る 光が燃えたつ中で地球らため息をつく



#5 2005年4月 案内人


レビュー


インスト枠だが軽く歌もある。歌ターンはダラダラしたロック調でグダるが中盤の神秘的シンセターンは好み。ピングーを彷彿とさせる可愛い音だがこの作品だけの世界観に浸れる。



歌詞


ページをめくる毎に時代を燃やしていき活躍の場をお前に残していく



#6 2001年6月 そして月はいまだ輝く


レビュー


スローな曲。たまに彼らがやらかす系の曲だ。重々しく王様の貫禄を出すハードロック風の曲をやるもただのグダグダソングになってしまっている。駄曲と言うほどでもないが今作を迷作にさせている要因の一つとも言える。



歌詞


砂漠を越え雪を掻き分け、最後の審判の日の光の中へと進んでいく この日が来ることはわかっているから指折り数えている



#7 2002年2月 破壊的人物


レビュー


ピアノのみの美しくかっこいいインスト。


アンダーセンの技術とセンスがひかる名インストだと思う。この手のピアノ曲集みたいなものを作って欲しい笑



#8 2026年8月 湿っぽい雨が降る


レビュー


アップテンポ曲で人気出る枠の曲だがどうも好きになれない。狙い過ぎというかサビのワン!トゥー!スリー!がダサすぎる笑 その他もヘンテコデジタル音が気になったり全体的に茶番感が出てしまってるように思える。



歌詞


お前の周りを被う壁の中のテクノロジー 自分にどれだけ我々の庇護が必要だったか お前は知らなかった



#9 2003年2月 暫定措置


レビュー


泣きのギターが最高なインスト。


美しさを全面に出したインストでこの手の曲も大好きだ。バックで流れるふわふわキラキラキーボードも好み。



#10 2003年8月 夜の会合


レビュー


ヘヴィなミドル曲。


ライザップみたいなAメロが来た瞬間終わったと思ったが最後まで聴くとそこまで悪くない。イントロアウトロの淡々としたギタメロやギターソロが案外癖になり、目をつぶれる曲だ。



歌詞


幻滅の道で、破れた夢の地で俺は走っている


太陽の下でも俺の心は凍え、日陰でも頭は沸騰している



#11 2005年11月 見張り人


レビュー


かっこいい系の疾走インスト。彼ららしいナンバーでありアンダーセンの凄技ソロも聴ける。このアルバムの良いところは色々なタイプのインストを堪能できるところか。



#12 2026年4月 長い時代


レビュー


ここで名曲バラードがくる。ポップス色が強いが懐かしさを覚える哀愁に心をやられ不思議とジャケの世界観にもマッチしている。イントロ、Aメロの歌メロ、間奏部分などが特に個性もあり素晴らしい。サビが少し普通すぎる感じもするが満足のいく内容だ!ロイヤルハントのバラードはどのアルバムでも必ず当たり曲が来るから最高だ。



歌詞


暗く静かな世界がようやく眠りについた


無情な太陽が残りの夜を溶かしていき光の海の中、お前の幻影を追いかけていく



#13 2005年11月 オフシーズン


レビュー


ラストはアグレッシブなアップテンポ曲。


Aメロで突如中東風のメロが来てびっくりする笑 新たな試みは良いが世界観が謎すぎてなんとも言えない。。Bメロはかっこよくそしてサビがスーパー手抜きというロイハンの良いとこ悪いとこ全てが詰まっている笑 間奏部分ではテンポダウンし泣きギターターンが来たりと大曲を意識した作りだ。あと問題はアウトロにもあり、やたら長く「終わりたくない!」と駄々をこねる子供みたいでポカーンとなってしまう。。笑 



歌詞


血が砂にあたるとまるで雨だれのように消えていく 聖書に目をやりながら手には銃を握っている



7th Eyewitness 71点 2003年

世界中で起きてる事件を目撃者視点でみるというコンセプトの作品。全曲のイントロに何かしらの効果音が入っているのが特徴的。それはオシャレでもあるし、邪魔な要素でもある。前作に引き続きデジタル色は前面に出ているが、ロイヤルハントらしい宮廷音楽風アレンジも戻ってはきている。


今作はロイヤルハントの中では一番正統派ヘヴィメタルに近いかもしれない。コンセプト上、様々な種類の事件をみているということなので、ネオクラシカルなメタルからジャズ、賛美歌的な曲とジャンルの振り幅が広いためダレることはない。独特の雰囲気を持ったサビメロが多く中毒性が変に強いため個人的には好きな作品。


おすすめは3、4、5、8、9、10


1. Hunted


2. Can't Let Go


3. The Prayer


4. Edge of the World


5. Burning the Sun


6. Wicked Lounge


7. 5th Element (Instrumental)


8. Help Us God


9. Game of Fear


10. Eyewitness



アルバム解説


このアルバムはヘッドラインニュースを見るようなもので最近起きた事件に関する我々の意見が題材になっている。戦争やかつて文明化した地域社会が誇っていたものが映し出される。


またこの作品は感情の激しい変化もテーマにしているため、基本的なスタイルは崩さずにありとあらゆるジャンルに挑戦している。





解説


5分ほどのニュースを追い求めた曲でテレビ画面、マイクに囲まれた個人、カメラのレンズを示している。



レビュー


アップテンポ曲でロイハンファンの心を掴むAメロが魅力。前作から引き続き登場するデジタル音が個性を薄めていて中途半端感が出てしまっているところが残念。サビもちょい手抜きだが勢いでなんとか誤魔化している笑オープニングにはふさわしいトラックだと思う。




歌詞


時の刻みを全て捉えどの判決もテープに捉えている 上から眺めれば合法化した悪習のよう 与えられた一瞬、分刻みで分析され土地の利用のために分類される それでも誰もがどの現実を映すべきか知る様子はない




解説


戦争がテーマらしい。



レビュー


90年代末の激烈なロックを思い出させる。


ライザップのCMをヘヴィにしたような内容で駄曲だ笑 ヘヴィ路線になると個性やメロが死にヴォーカルも実力を出せないのでやめていただきたい。



歌詞


住民の最後の一人に与える土地がなくなるまで武器で教育し剣で束縛から開放し送還を強いている 




解説


教会に導いてくれる曲。失ったものを元通りにしてほしいという願望と和やかな時への静かな祈りの内に一体になることがテーマらしい



レビュー


登場する楽器はパイプオルガンのみ、という尖った試みをしたバラード。自分たちの強みを知るロイヤルハントだからできる技で教会という感じがして好きだ。



歌詞


何故神はお前を連れ去り俺を置き去りにしたのか 愛が俺の心を砕く




解説


死刑執行を待つとある罪人の生い立ちと過去などの回想が描かれた曲



レビュー


ニューロックでアグレッシブだがメロディックでキャッチーなミドル曲。こちらもメタル要素は薄く地味な印象が強いがサビの歌メロは魔力で溢れていて意外と頭から離れない。



歌詞


死刑執行室で一日中爪を噛む ここと外を繋ぐ一本の電話線のすぐ向こうにこの世の崖っぷちがある アメリカがボタンを押せば殺人が履行される これは殺人ではない、と年老いた看守がたった今それを言った




解説


「次から次へと」という生活習慣をする人間がテーマで、環境破壊を危惧した歌。


俺たちの唯一の故郷に瓦礫の山を築く人間の愚かさを示している。



レビュー


美しいイントロから入るライヴでも盛り上がるようなアップテンポナンバー。彼らの本領発揮とも言える内容だ。なんと言っても聴きどころはわかりやすく、そしてかっこいいサビだろう。ストレートなメタルにうっすらと溶け込むネオクラシカルというのも悪くない。




歌詞


長々と何世紀もかけて犠牲者の上に帝国が築かれた 地球が呼吸を止め、風が止まるまで天に上がろうと高層ビルを建てて自身を埋没させている 森林が砂漠と化し、川が泥水となり、空気が貴重な財産となる日は来る




解説


ロイヤルハントが社交場を巡る歌。高級クラブを訪れている時の思い出を曲にした感じか?



レビュー


謎トラック。まさかのここでジャズみたいなのをやられる。こういう試みは良いと思うがなんだかアルバムを通して聴くと拍子抜けしてしまうためボートラに左遷してほしかった。ロイヤルハントの休日バカンスを見せつけられている感じだ笑 




歌詞


代償を払っちまえば正しいことをする決断に時間はかからない 




レビュー


インスト曲でロイヤルハントの全てが入っている。技術の見せ場でありながらスピーディなネオクラシカルサウンドを存分に堪能できる。パワーのあるキーボードソロ、展開を変えるベースソロ、哀愁のギターソロ、と中盤も聴きどころ満載だ。




解説


暴力に満ち愛のない環境で育つ少年の物語らしい。



レビュー


十八番のスタイルにニューロックの要素が混在している。スローでダレ気味、おまけに嫌悪感のある雰囲気が漂っているがサビメロが渋魔力を放っているため変に取り憑かれてしまう曲。ジョンウエストだからこそ成功した曲とも言える。



歌詞


人生は彼の喉に丸薬を滑り込ませた 愚かな泥酔者の戯言を聞いて育った子供は今日も殴られる





解説


この曲は憤怒そのものらしい。テロは至るところで増加し、逃げ場がないからこそ恐怖に立ち向かい打開しなければならないことを訴えている。



レビュー


速くて凶暴でパンク要素も入っている。ネオクラ要素もあり、サビメロもフックがあり聴いてて気持ちのいい疾走名曲だ。無難だが彼らの持つセンスが爆発している。もう少し評価されても良い曲だ。



歌詞


自由を謳歌している故、その単純な事実が人の感情を傷つける こういう人間の屑を直視するために歩調を合わせよ




解説


ここまで聴いたリスナーが結論を出して欲しいらしい。



レビュー


アンプラグド状態で始まり、ソフトでムーディなアコギ、チェロ、ピアノが主体という今までとはタイプの違う曲だ。前半は美メロの巣窟だが後半になると突如アグレッシヴ疾走へと化け静と動の両方を楽しむことができる。マンネリ打破曲でもありロイハンの新たな一面も見れる名曲だ。



歌詞


沈黙の溜息、奪われた口づけ 空虚な視線 最後の悲鳴 終わりのないメロドラマのよう 何が起こっているのか見るがいい お前は銀幕の上の証人



8th Paperblood 68点 2005年

新ギタリストのマーカスイデルが加入したことでメタル色が過去一強く超絶技巧的なソロが多く入っている。6thをアグレッシブにした感じか。勢いがつき、メタル作品としては評価できるものだが、彼らが元から持っているお洒落な要素が減っているのが残念。また長いインスト曲が3曲も入っているということで、この作品も一風変わった雰囲気を出している。コンセプトは「ビジネス化した生活」。アンダーセンの現世に対する皮肉は相変わらずだ。実はロイヤルハントはこのアルバムを制作する前にドラムギターベースを失い壊滅の危機に直面していた。そのため今作には「復活」の意味も込められており、アンダーセンが少し張り切りすぎて元気な曲が多いのだろう笑 



おすすめは1、2、3、5、7、8


1. Break Your Chains


2. Not My Kind


3. Memory Lane(Instrumental)


4. Never Give Up


5. Seven Days


6. SK 983(Instrumental)


7. Kiss of Faith


8. Paper Blood


9. Season's Change


10. Twice Around the World(Instrumental)




レビュー


ギターとキーボードが暴れる激しい疾走曲から幕を開ける。ただかっこいいとか難しいとかではなく歌メロやネオクラ度はちゃんとロイヤルハントしているところが良い。メタルを味わいたい人におすすめ。



歌詞


船に乗り父の祖国をあとにする


生きるか偽るか 鎖を断ち切りさえすれば良いのだ 




レビュー


ヘヴィでプログレッシヴなテンポチェンジを見せる変わった曲。イントロではこれまた超絶技巧お披露目と全体的に尖った印象が強いがメインメロディはキャッチーで覚えやすいため安心して聴ける。



歌詞


人の得は他人の損によって成り立つ 俺たちの友情は美しき幽霊だった 憎しみと妬みの種が置き去りにされ成長した




レビュー


インスト曲。哀愁あるメロディラインからANGRAのNothing to Sayを彷彿とさせる裏拍タイムに入り、そこからは怒涛のギター&キーボードソロの嵐となる魅せまくり曲だ。




レビュー


爽快感ありファン歓喜の疾走曲。Aメロなどのバックのキーボードのセンスは抜群。しかし全体的に勢い任せでロイヤルハントが持つ特有の美というものが感じられなかったのが残念。



歌詞


時が嵐のように過ぎる 平和が訪れることは価値あることなのか? 今夜人生を変えるための決断を待つ




レビュー


魔力あるミドル曲。癖になるリズム、渋みと貫禄のある歌メロなどが武器で名曲の部類に入る。中盤の鬼キーボードソロのところの世界観が個人的に好き。



歌詞


この完璧な世界を創造するのに7日もかかった 相変わらずあの騙りの楽園を売りつけているのか?楽園の岸に狙いをつける 




レビュー


ここで再びインスト曲。ギターVSキーボードの超絶技巧ソロ合戦になっている笑 ただ実力を見せつけてるだけではなく後半からは哀愁あるメロディアス展開になるので聴いてて疲れない点がGOOD。




レビュー


渋いアコギから始まるミドル曲。少々おちゃらけた感じで初期の頃のような懐かしい雰囲気を放つ。メタル色ネオクラ色はほぼないがロイヤルハントらしい音作りに安心感も覚える。熱風のような曲が続く今作ではそよ風的な役割を果たしてくれているため心地いい。



歌詞


戦争の結末を見たのは死者だけ 食物連鎖の奥底へ俺が案内してやる 真夜中きら朝の光まで信念に立ち向かう覚悟はできている 


命に価値がなくなれば死に値打ちが出る




レビュー


パワー溢れるストレートなメタル曲。特に光るものはないが安定したかっこよさのある曲。ギターソロも炸裂してて堪能できる。



歌詞


金になる血で王冠が買える この悲しくて擦り切れた道化のために




レビュー


お得意のパワーバラード。美しく哀愁があって良いがどこか過去作の焼き回し感もあり、中々脳裏に焼き付かない曲だ。



歌詞


秋の冷たい涙が君のために流れ寒い中僕が置き去りにされるいくのがわかる この燃えるような涙の痕に夜へと導かれる 雪の中に点々とつく足跡 美しき日々を見てきた心は瀬戸際に立たされる この季節の移り変わりから逃れることはできないのだから




レビュー


ラストはゆったり目の貫禄あるインスト。おまけ感が強く余力を垂れ流してる感じなのな少し残念。途中ピアノが入る洒落乙ターンやロイハンでは珍しいドラムソロなどもあるため聴く価値はある。終盤は彼ら特有の美を感じれる展開になるがフェイドアウト締めされてしまうため不燃焼度も凄まじい。



9th Collsion Course (Paradox2) 52点 2008年

ジョンウエストが脱退し新しいシンガー、マークボールズを迎えて作られた9thアルバム。


パラドックスの続編ということでここ最近消えていた近世ヨーロッパ的なネオクラシカル要素が帰ってきた。不安と期待の今作、蓋を開けてみると名曲がいくつかあるものの中途半端で惜しいという印象だ。。


過去の音を使い回したり、地味なメロディを連発したりと心の迷いがかなり出ているような気もしてしまい一貫性の無さがネックだ。


上手くいけば3rdのMoving Targetを超える名作になっていた可能性もあるだけに勿体ない。



1. Principles of Paradox


2. The First Rock


3. Exit Wound


4. Divide and Reign


5. High Noon At the Battlefield


6. The Clan


7. Blood In Blood Out


8. Tears of the Sun


9. Hostile Breed


10. Chaos a.C.




レビュー


4th「パラドックス」に収録されていた名アコギメロディを使い回したイントロから始まる壮大なオープニング曲。前半は美しいオーケストラと歌が入り、後半になるとロッキーなインストゥルメンタルパートになるThe序曲といった感じ。必要な存在だということに間違いはないが詰め込みすぎ感&中途半端さやダレを感じてしまう。もう少しコンパクトにできなかったか。。



歌詞


教会は人間によって建てられ我々みんなが理解するところの愛によって運営される 無数の命が失われてしまったから 月に向かってひざまずくか 十字架に向かってひざまずくか




レビュー


ロイヤルハント史に残るといっていいほどの名曲。メタルとしてのかっこよさ、ネオクラシカルの美しさ、どこを取ってもキャッチーでインパクトのある歌メロ、暴れるギターソロなど聴きどころまみれだ。




歌詞


はじめに唯一無二の神がいた 世界を支配するための唯一の神だったのに 時が経つにつれ人は数々の神をまたもや迎え入れた これは前身か逆行か 金に金で書かれた掟を生み出してしまった




レビュー


渋さあるミドル曲。派手ではないが淡々とロイハン節を見せつけてくる姿勢が魅力的な曲だ。どのパートも洗練されていてこの曲も隙がない。



歌詞


日曜の午後には逃げ場もなく 償いもない 人の罪が追いかけ背中を刺す 開かれた射出口を眺めているうちに運は尽きた




レビュー


過去最高に2バスが暴れているアグレッシヴネオクラ曲だ。全体的に歌メロの質も良いがサビでパワー全開になるところが聴いてて爽快。



歌詞


半月、十字架 どちらだったなど誰が気にする 教会が燃えている あれは色なのか、それとも形なのか




レビュー


癒しのアコギポップ系の曲。コーヒーのCMみたいな曲がまた来てしまった。。曲自体は悪くないのだが、緊迫感ある流れでここまで来てしまっていたので拍子抜けしてしまうため、アルバムの世界観的にもいれるべきではなかったトラックのように思える。




歌詞


そう、そこは真昼の戦場 人っ子1人いない 


遠い過去の恐怖が俺たちの考えを変えると信じているのか?




レビュー


リフや雰囲気は名曲の香りがするアップテンポ曲なのだが、どこか薄い。歌メロや構成が手抜きのように思えしてしまう惜しい今日だ。



歌詞


白のケープに赤い十字架 活気もなく愛もなく考えもなく語るための知恵もない 互いに十字架を燃やせ




レビュー


駄曲枠に入ってしまうスロー気味のミドル曲。彼ららしい曲ではあるが全てが中途半端で心の迷いを具現化したようなトラック。4thパラドックスではなく何故か6thの中東メロディが使われていたりと世界観も台無しにしていてアルバム全体の評価を落とす戦犯的存在だ。



歌詞


悪意ある思考という監獄に信念を置いている輩が必ず現れる 自分たちが何のために戦っているのかまったくわからずに全能の神を求めている 




レビュー


チェンバロと女性コーラスで魅了しまくるイントロから始まる名曲。美しい間奏やパワーとインパクトを兼ね揃えていて聴いてて爽快。ちょっと展開が大袈裟すぎな気もするがネオクラシカルバンドの本気を見せつけることができている。




歌詞


殺しは無行為だがその裏には理由がある 報復?そう、国民の大半が盲目になった


いつの日か俺はいなくなるが俺のやったことは太陽の涙が憶えている




レビュー


スロー気味のミドル曲でイントロもサビも地味の極み。捨て曲かと思いきや間奏部分のギターソロを狭むネオクラパートのとこだけはかっこいい!この部分に助けられた曲だ。



歌詞


自殺行為 それは申し分のない世界におけるお前の慎ましやかな分け前


奴らは単に敵意を持った種族で食べ物を与え愛する手を噛みその血が流れるのを見ているだけ




レビュー


一つの曲というよりはフィナーレ曲みたいなトラック。イントロが少々くどいが大円団ある歌メロが哀愁いっぱいで好きだ。最後にparadoxに収録されているlong way homeのメロディが入る。お洒落な演出のようにも思えるが一応パラドックスぶち込んどこうと取ってつけたようにも感じシラけてしまう。。


無理にパラドックスと関連付けなくても良かったような、、というアルバムであった。




歌詞


どんな脚本を舞台で演じようとも聖なる本は銃のそばにずっとあり思いのまま火を噴く


何がしら神の名の下でキャストは変わり続ける そこにお涙頂戴のハッピーエンドなんてものはない


10th X 75点 2010年

今作は旧式のアナログ機材で収録した一風変わった作風になっており70年代のハードロックバンドを意識したアルバムになっている。


古き良きスタイルに彼らの代名詞でもあるネオクラシカル風のアレンジが加わりどの曲も個性などが光りかなりのクオリティ。メリハリがあり、長さも4分から5分台の曲が多く飽きない作りになっているのがいいところ。また、この作品にしか存在しない独特な古臭い哀愁がなんとも言えない味を出している。


1.Episode X (arrival)


2. End Of The Line


3. King For A Day


4. The Well


5. Army Of Slaves


6. Shadowman


7. Back To Square One


8. Blood Red Stars


9. The Last Leaf


10. Falling Down


11. Episode X (departure)




レビュー


インストかと思わせといて後半だけ歌が入る短い曲。壮大でかっこいいギターがうねる前半とピアノに合わせ歌が入る美しい後半という2部構成。この尖ったアルバムの幕開けにふさわしい内容だ。



歌詞


この世の音は全て生み出され全ての曲が歌われた




レビュー


ハードロックで勇ましさのある曲調なのは結構だが歌メロが空気なのが残念。


間奏などは独特の哀愁を放っていて好き。インパクトあるのに記憶に残らないという珍しい曲である。



歌詞


前進する俺たちがもしも誰かを置き去りにしてやり直す暇などないと思い込んでいたらどうする なぜ自分の人生が自分のそばを通り過ぎて行くのかを突き止めてみろ




レビュー


貫禄のあるスローテンポ気味の曲。記憶に残る箇所は少ないが全体に漂う渋さが癖になる。間奏のピアノ部分など意外性があり面白い。



歌詞


檻の中の犬、プライドも常識もなく吠えているだけ 




レビュー


サビが存在しない変わったミドル曲。イントロやAメロのベースが魅力的で不思議な懐かしさに包まれる。前半に長いソロが来たりしたりと読めない構成になっていて、マンネリ嫌いのファンを楽しませてくれる良曲だ。



歌詞


心臓が鼓動するたびに最後の鼓動が近づくだけ あの最後の鐘が鳴る前に自分が何者だったかわかる




レビュー


一瞬ディープパープルの曲か!?と疑ってしまうほどにゴテゴテのハードロックをしているナンバー。歌い方は完全にイアンギランを意識している笑 挑戦的な曲だがサビでは彼ららしいキャッチーな歌メロをみせてくれてダレ要素を見事に払拭してくれているので安心して聴ける。間奏なども哀愁ありで◎



歌詞


俺は途方に暮れ寂しかった 犬のように吠えた




レビュー


アコギから始まる渋さ溢れるミドル曲。周回するたびに圧が増して行く魔力あるAメロ、怒涛のキーボード&ギターソロみせる中盤、そしてパイプオルガンと共に登場する女性ヴォーカル、と聴きどころが非常に多い面白い曲。尖った構成だが所々にロイヤルハント要素が散りばめられているので安心して彼らの世界に入れる。



歌詞


俺は夜の影のよう お前の夢が台無しになったとしても俺はここにいる 赤い警報機が点滅を始めお前は深みにハマる




レビュー


ここで再び古き良きスタイルのハードロック曲。イントロからディープパープル色が強くて笑える。この手のロイハンソングは他のアルバムに入っていたら必ず浮いてしまう存在になるのだが、不思議と今作では世界観にマッチしていて不快感なく聴ける。ノリノリなサビは意外と中毒性があり好きになってしまう笑




歌詞


故郷は帽子を置いておけるところだと言う


運命を推し進めながら振り返る 




レビュー


インスト曲かと勘違いしてしまうほど長いイントロから始まるミドル曲。イントロとサビメロが特化した曲だが、全体に漂う古臭い哀愁もたまらなく良い。もう少しコンパクトにできたら神曲認定できた。



歌詞


悲しみの国よ 怒りと苦しみの涙に満ちた年月を憶えているか?


俺は今夜 この血のように赤く染まった星の下を歩く 星は光を四方八方に放つ




レビュー


ピアノの旋律が美しい名バラード。


バラードに強いバンドだが、今までの焼き回し感も無く世界観が今作にマッチしており好感が持てる。ピアノと歌メロがとにかく魅力的だ!



歌詞


俺は相変わらず空白の1ページの前でただ1人立っている寂れたステージを思い描く 寒い中、最後の一葉が散りまた訪れた孤独な日を吹き払ってくれる だから俺は静かな溜息を待つ




レビュー


パワー溢れるアップテンポ曲。


全体的に勢い任せ感もあるが間奏部分の疾走パートなどは斬新で無視はできない出来だ。




歌詞


厄介ごとの方から俺を探してやってきた


俺は落ちていく 失うものも見つけるものもない これで一巻の終わり




1曲目と同じメロディのインスト。


アルバムの始めと終わりが同じメロディなのが洒落乙。



11th Show me how to live 77点 2011年

中期のロイヤルハントはデジタル音、ハードロック風の曲を作り、ネオクラシカル色は健在ながらも新たなステージに立とうと試行錯誤をし、時に成功し、失敗していた。悪く言えば迷走期だが、よく言えばマンネリからの脱却期である。今回初期の頃に在籍していたヴォーカリストDCクーパーが復帰したせいか、曲調が昔の頃のようなバリバリの近世ヨーロッパ風のネオクラシカルメタルが帰ってくる。やはりロイヤルハントはこうでなければと思える出来だ。曲数が7曲と少ないのが寂しいが、無駄な部分が削ぎ落とされた洗練ネオクラシカルメタルを堪能することができる力作である。


おすすめは2、4、5、6



1. One More Day


2. Another Man Down


3. An Empty Shell


4. Hard Rain's Coming


5. Half Past Loneliness


6. Show Me How To Live


7. Angel's Gone




レビュー


壮大なイントラから始まるネオクラアップテンポ曲。特化している部分は特にないがD.Cクーパーと共にかつてのロイヤルハントが帰ってきた!という印象が強い曲で安心感は凄まじい笑



歌詞


どこに行けばいいかはわからないが、順調に進む 後ろにハリケーンを抱えながら帆のない船のように




レビュー


新生ロイヤルハントを堪能できる美しくかっこいいミドル曲。


近世ヨーロッパ音階のイントロに華麗なAメロBメロ、キャッチーで覚えやすいサビ、哀愁のギターソロと全てのパートが聴きどころというゴージャスソングだ。




歌詞


目を閉じると聞こえてくる


僕が翼を広げ耳を傾けると


「また1人倒れた」と


目を開けた時、倒れた男は自分だったことに気付く





レビュー


緊迫感のあるアップテンポ曲。サビや歌メロなどは中々に手抜きだが、ネオクラ要素と貫禄だけで成り立たせてしまった曲だ。彼らにしかできない曲なのは間違いないのでアルバムの繋ぎ役として良い仕事をしている。



歌詞


時は刻々と過ぎていき扉が閉じる音は毎日大きくなっていく 避けることのできない終焉は不意に訪れる




レビュー


チェンバロから始まる超ネオクラミドル曲。美しく華麗、しかしサビでは力強くキングの貫禄を見せつけてくるというどのパートも隙がない名曲だ。この落ち着きのある様式美は他のバンドではなかなか見られない。ベテランになった証拠とも言えるトラックだ。



歌詞


君が誰を裏切ろうと、どんな犠牲を払おうと全ては洗い流される 激しい雨さえ降れば


悲しみを恐れもなくなり君の罪は全て消えてなくなる




レビュー


このアップテンポ曲も凄まじいクオリティ。


なんといっても最大の聴きどころはキャッチーだが意志が強くかっこいいメインメロディだ。このメロを思いついた時点で勝ち確ソングであった。アルバムの世界観を守りながらライヴでも盛り上がる曲に仕上げたアンドレ恐るべしだ。



歌詞


孤独を抱きしめてから30分の時が経つ頃に


全ての夢が形となり家の前に姿を現す




レビュー


10分以上あるスロー気味の大曲。


古き良きスタイルに彼らの持つ貫禄で作り上げたような曲だ。そしてこの曲の最大の特徴は4分近くある長い間奏だろう。壮大なネオクラ世界を堪能できるがもう少し短くても良かったような、、ギターソロからどんどん盛り上がっていくところはかっこいい。



歌詞


真夜中、暖炉のそばに座っていると燃やす思い出も尽きてくる 願望のない人生を切り開きまた1日を送る生活にどんな意味がある




レビュー


ストレートなネオクラアップテンポ曲。


聴いてて爽快だが歌メロが何一つ頭に残らずあっという間に終わる曲だ...しかしアルバムラストだからなのかなぜか許せてしまう笑



歌詞


君は夢からやってきた堕天使 そのまま天国に連れて行ってくれ 過去と僕がしてきたことを全て焼いてくれ





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