バンドレビュー No.6 「THERION」後編
- 奥田ゾンダーランド
- 2022年5月29日
- 読了時間: 41分
更新日:2022年6月4日
一つのバンドレビューでまさか容量オーバーを喰らい前後編に分けることになるとは・・
セリオン恐るべしだ。前回の続きからやっていきます。
12th Les Fleurs Du Mal 総合☆☆☆☆☆ 82点 2012

歴史の影に埋もれたシャンソンの名曲たちをクリストフェルが掘り起こしてメタル化させた企画盤。
全編フランス語である。どの曲も過去にシャンソンをヒントに曲を作っていたこともあってか、違和感なくセリオンのサウンドとなって蘇ってる。普通に神曲だらけなので是非ともメタル嫌いの人にも聴いてもらいたいものだ。本当の芸術はここにある!
①Poupée de cire, poupée de son
②Une Fleur dans le cœur
③Initials B.B.
④Mon Amour, mon ami
⑤Polichinelle
⑥La Maritza
⑦Sœur Angélique
⑧Dis-moi poupée
⑨Lilith
⑩En Alabama
⑪Wahala Manitou
⑫Je n'ai besoin que de tendresse
⑬La Licorne d'or
⑭J'ai le mal de toi
⑮Poupée de cire, poupée de son
⑯Les sucettes
各曲解説&レビュー
フランスギャルが歌っていた曲で日本でも有名になった曲だ。操り人形をテーマにした曲で、レーベル、マネージャー、作曲をしたコンポーザーに操られているアイドルやアーティストのことを指している。フランスギャルは自分が操られていることを知らずに歌っていたため、悲劇的な芸術と言える。
レビュー
超有名な夢見るシャンソン人形から始まる。
曲自体は凄いが高音オペラでのカバーはくどくて合わない気もした。。
解説
謎のシンガー、ヴィクトワールスコットが最後にレコーディングした曲。ヨーロッパでは愛された曲だ。
レビュー
ワルツ調のゆったりしたアコギ曲。哀愁の塊だがサビでは明るくなる。フランスならではの曲調だ。
解説
ボードレールの精神と禁断の詩集「悪の華」の2作品へのトリビュートにした。レズビアンのラブソングとして知られている。
レビュー
ハードロックの要素も入ったミドル曲。
突き進んでいくようなAメロとフランス語で囁く歌メロが魅力。
サビのメロディもかっこいいがどうしてもトルネコの大冒険に聴こえてしまう笑
PVが無駄にエロい。
原曲はサーカスのように賑やかだったのでクリストフェルは悲しみとダークネスをぶちこんで鬱曲に改変したくなったらしい。
レビュー
ダークで超スローな曲。セリオンの呪術的な雰囲気とマッチしていて名カバーとなってる。邪悪な館でメンバーが1人ずつやばそうな女に殺害されていく狂気のPVは必見。
このアルバムの作成にメンバーは納得いってなかったらしいがギターのヴィダルはこの曲を聴いてバッハの要素が入っていたことに感銘しモチベが上がったそうな。
レビュー
夢見るシャンソン人形の次くらいに有名なシャンソン曲。これもフランスギャルが歌っていた。やはりAメロの歌メロが神がかっている。シャンソンはサビよりも出だしのAメロの方がインパクトや哀愁があるのが不思議だ。
故郷を慕うことについての曲。3.11でスウェーデンに避難してきた日本人女性にこの曲を捧げたらしい。
レビュー
演歌というか歌謡曲感溢れるイントロに懐かしさを感じる。終盤の「ラララ〜」から加速していくところは鳥肌もの。
この曲を昔歌っていたアニーフィリッペがこのアルバムを称賛し、2つの全く違ったジャンルの架け橋となった。
レビュー
冒頭のチェンバロから芸術と哀愁の世界に浸れる。Aメロサビの歌メロ、バックで流れるサウンドとどれを取っても感動の渦だ。
このような名曲を知らなかった自分が恥ずかしくなる。
解説
当時12才の少女が歌っていた曲だが話題にならないまま人々に忘れ去られていた。それをクリストフェルは墓から見つけ出しこのアルバムにアレンジして収録させた。これぞ名曲の供養ってやつだな。
レビュー
非常に単純な歌メロの繰り返し曲だが後半になるにつれ積み重なっていくバックのギターが素晴らしい効果をもたらしている。シャンソンな不思議で美しい世界観にセリオンがダークなアレンジと芸術性を溶け込ませて見事に名曲に仕上がっている。
メタル、ノルディックフォーク、ジャズ、サイケを混ぜ合わせた曲
レビュー
スローなワルツ調の曲でこれも独特な世界観が癖になる。やはりギターの使い方が上手い。
解説
別の国に飛ばされている恋人兵士を切望するアメリカ人女性についての曲。半世紀近く前に作られた曲なのに今もこのような状況が世界中で起きている。
レビュー
突き進んでいくようなギターと美しいフランス歌メロの融合が素晴らしい。今わかったことらシャンソンのレビューはむずい。。。笑
解説
バイキングの王、エリック・ザ・レッドの愛娘がインド人と結婚するためにヴィンランドへ航海するお話。劇的な結末には殺戮の描写があるがどっちが勝ったかは記されるず。引退した年老いた作者にしかわからない。
レビュー
ゴッドファーザーを彷彿とさせるイタリア感ある正統派ワルツが聴ける。心地よくそしてカッコいい。
セリオンのヴォーカル、トーマスの本気が聴ける曲。クリストフェルの命令で高い音域で歌うことを要求され、彼の一番高いピッチと低いピッチを聴くことができる。
レビュー
まさかの疾走曲。変に明るいため世界観がぶっ壊れていて好きではない。ただ解説で述べたようにトーマスの超高音ボイスと低音ボイスの両方を堪能できるので貴重な曲ではある。
解説
黄金のユニコーンについての夢のような歌
レビュー
後半のハイライトとも言えるクオリティ。
歌謡曲のようなムードで幕を開け、Aメロ、Bメロ、サビとどこの部分を取っても歌メロが特化していてまさにこれこそ隙のない名曲と言える。終始美しすぎる歌声に酔いしれることができる。
解説
ベティマルス、70年代に登場し一世を風靡したアーティストだ。しかし70年代後半には華が散り、80年代に入ると完全に世間から忘れ去られてしまう過去の遺物と化してしまう。愛人と地位、財産も失い挙げ句の果てに自殺してしまう悲劇的な歌手だ。ベティの歌の中で一番悲しい曲をクリストフェルは選び、彼女に捧げる曲として収録したのだろう。
レビュー
今作では珍しく男性オペラヴォーカルが主人公でダークな曲調だ。サビでの壮大で悲壮感漂う展開は涙を誘う。これぞオペラシャンソンメタルだ!
オープニングでやった夢見るシャンソン人形を再びここで演じる。こちらのバージョンの方がギターがかっこよく素敵だ。
フランスギャルを裏で操っていたセルジュゲンズブールは無邪気な彼女がどこまでやってくれるか試したくなった。
この曲を歌わせながら棒付きキャンディーをしゃぶらせる酷い演出を彼女にやらせ世界中から笑い物にされてしまう。(明らかにフェラチオを意味する行為だが、彼女だけはその意味がわからずやらされていた)
後々真実を知った彼女は何ヶ月も公の場から姿を消すことになった。これを機にセルジュとの輝かしいコラボレーションが終わることになり、それと同時に世界を魅了したフランスシャンソンの終焉が始まった。
レビュー
ボートラなだけあって全体的に可愛い曲調だ笑 サビは意外と好み。
本家のPVではフランスギャルの周りにペニスみたいな物体がうようよくねくねしているのがシュール過ぎて笑う。
13th Beloved Antichrist 総合☆☆☆ 60点 2018

構想から15年。クリストフェルが温め続けたCD3枚組、全46曲、計3時間半の狂気の大作だ。元はオペラ作品を作る予定だったが、長年考えた末、メタルオペラをやってやろうと閃き完成を目指した。ロックやメタルにオペラを取り入れるバンドは数多くいるが、彼が目指していたものはそんなものではなくオペラを元にして、そこにメタルを取り入れることだった。そのため当初はセリオンの名前でこのアルバムを出すことは考えていなかったらしい。しかし資金調達や予算のことを考え結局はセリオンの名前で出すことになった。それほど異色の作品である。本作には原作というか元ネタがあり19世紀のロシアの批評家にして哲学者であるウラジミール・ソロヴィヨフが著した「Three Conversations」所収の「A Short Tale of The Antichrist」である。
クリストフェルはこの作品をメタルファンではなくオペラやミュージカルを愛する人々のために作ったと説明している。毎回彼はこんな調子のためアルバムを出すたびに半数ほどのファンを失っているとも語っていた。
そのため今作はメタル色は薄くオペラ色が強い。メタルファンにとっては苦痛そのものだろう。
ただ自分のようにクラシックで育ち音楽を愛している、そしてセリオンやクリストフェルジョンソンの熱狂的なファンなら受け入れられる筈だ。正直名作とは言い難い。ただこの超大作を完成させたことは意欲作として高く評価したい。
「原作のストーリー」
ある神父が書き残した預言書を第三者が朗読する形を取っている。言わばそれはソロヴィヨフによる新たなる黙示録である。
時は近未来、ヨーロッパを半世紀に渡って支配をしていた日本中心のアジア大連合国を駆逐し、ヨーロッパ合衆国が生まれる。
そこに一人の逸材が現れる。彼は新皇帝になるも集会で反キリストと糾弾されクーデターが起きてしまう。その混乱の最中に神の怒りによる天変地異により皇帝はこの世を去る。その後キリストが再臨し千年帝国の繁栄で締め括る。
1900年にソロヴィヨフはこれを書いている。
なぜ日本が、、となるがその時代は日露戦争の時期であり、ロシア人からすると日本は脅威であったのだろう。ソロヴィヨフは晩年、世界の終末と反キリストの到来について思いを巡らせていたらしく、彼の思想にクリストフェルは大きな刺激を受けた。
このアルバムでは29もの登場人物が登場するため集められたシンガーはなんと15名もいる。11thアルバムからクリストフェルが愛用しているヴォーカルのトマスは健在。なんと今作はトマスの娘までも登場するのだ。その他はクラシックやミュージカルの舞台で活躍するシンガーを集めたのでヴォーカルのレベルで言うと宇宙一?なのではないだろうか。。
【今作のストーリー解説へ】
原作には女性キャラは登場しないが今作では女性キャラが何人もいる。クリストフェルが今作を盛り上げるために作ったオリジナルキャラは何人もいる。
ヨハンナ=皇帝セスを反キリストとして糾弾する一人
ヘレナ=ヨハンナの妹でありセスの妃になる人物
このあたりがオリジナルキャラだ。
また原作に登場したアジア連合は存在せず、2046年に異常な太陽風による時期嵐が世界を襲い全ての電子機器が使えなくなり人類は19世紀ごろの生活に逆戻りせざる得なくなってしまうところから物語は始まる。
大混乱に陥った世界は疫病、飢饉に見舞われ多くの国が戦争を始め滅んていった。そんな中ヨーロッパを一致団結をして危機を乗り越えヨーロッパ合衆国=USEが誕生する。
宗教が重視される世界となり、キリスト教世界が繁栄を見せ、そんな状況から主人公セス・サノスが登場する。
彼は信心深くイエスに次ぐ救世主を目指すもなかなか神託を得られずついには崖から身投げをする。そこにサタン(原作では光る眼)が現れる。彼はセスを救い悪魔の力を授ける。
これを機にセスは覚醒し、一冊の本を作り上げる。それは知識層からも労働者階級からも熱狂的に受け入れられ、ついにはヨーロッパのリーダーにまでのし上がる。ローマ帝国のシーザーになぞらえるまでになり新皇帝セスは誕生した。
彼が皇帝になりヨーロッパには究極の平和がもたらされる。そんなセスを危険視するものも現れた。それはイエスキリストのみに救済を求めるヨハンナだ。
一方セスにはサタンから魔道士アポロニウスが遣わされ、ヨハンナの妹ヘレナと恋に落ち妃に迎えた。
その後エルサレムで寺院を建立したセスは公会議を開く。その場でヨハンナとその協力者法皇ペテロ2世とパウリ教授が公然とセスを「反キリスト」と告発する。そこへアポロニウスは妖術で雷を放ちヨハンナらを皆殺しにする。しかしそこへ光が射しヨハンナらは生き返る。それこそイエスの再臨であった。
セスVSヨハンナ&パウロ2世&パウリ。
戦乱の火蓋が切られる。
ここまでが第1章、第2章のストーリーとなる。
これは神VS悪魔といった単純なファンタジーではなく、神や悪魔は誰しもが持っているものであり結局は人VS人となっており、人間が作り出した宗教の限界という問題点も今作ではあげている。
肝心な全体レビュー
初めに言えることはこの3枚のディスクを1枚のアルバムにまとめることができれば名盤になっていたということだ。つまり長い。そしてダレる。ただアルバムの解説を読破したときにこれは3枚でなきゃダメな作品だということを理解した。必要な犠牲ということだろう。半端じゃなく大きな夢と構想を実現させたクリストフェルにまずは拍手を送りたい。
1枚にまとめて名盤にしてほしかった気持ちもあるが非凡な彼の意欲作が見れて嬉しい。
DISK1はオペラ色が非常に強く昔からのメタルファンにとっては苦痛ターンとなる。ただ質の良い曲はメタルとオペラの融合に成功しており、新たなセリオンの世界を堪能することができる。その分映画BGM的な印象がとても薄い空気曲もちらほらみられるのが残念。
DISK2は印象に残る曲が多い。セリオンの元から持つ怪しい芸術性とオペラが融合している。相変わらずダレる曲も多いため質の浮き沈みが激しい。
DISC3は戦争シーンや劇的な展開が多いためメタルセリオンを味わうことができる。聴いてて1番爽快な盤だが、1番印象に残る曲が少ないという不思議な盤だ。
全体的にオペラオペラしている。
同じくメタル離れしていてサントラと揶揄されたデジアル時代とも違い、少し歌がくどく感じてしまうところも欠点か。(人による)
もう少し歌唱パートを控えてほしかったところもある。セリオンの軸とも言えるクリストフェルの怪しいリフと芸術性が至るとこに溶け込まれているのでセリオンファンは是非チャレンジしてほしい1枚だ!
(二度聴くのはごめんだ、、笑)
1. Turn from Heaven [3:07]
2. Where Will You Go? [2:15]
3. Through Dust Through Rain [5:01]
4. Signs Are Here [4:21]
5. Never Again [2:21]
6. Bring Her Home [4:00]
7. The Solid Black Beyond [3:48]
8. The Crowning of Splendour [3:35]
9. Morning Has Broken [6:39]
10. Garden of Peace
11. Our Destiny
12. Anthem [4:18]
13. The Palace Ball [5:21]
14. Jewels from Afar [4:22]
15. Hail Caesar
16. What Is Wrong? [2:08]
17. Nothing but My Name
total 65:27
disc 2
1. The Arrival of Apollonius [5:07]
2. Pledging Loyalty [2:56]
3. Night Reborn [3:58]
4. Dagger of God [3:33]
5. Temple of New Jerusalem [4:02]
6. The Lions Roar [3:44]
7. Bringing the Gospel [4:44]
8. Laudate Dominum [5:01]
9. Remaining Silent
10. Behold Antichrist [4:40]
11. Cursed by the Fallen [2:00]
12. Ressurection [3:42]
13. To Where I Weep [5:58]
14. Astral Sophia [5:43]
15. Thy Will Be Done [4:37]
total 62:32
disc 3
1. Shoot Them Down [3:49]
2. Beneath the Starry Skies [4:27]
3. Forgive Me [9:42]
4. The Wasterland of My Heart [3:24]
5. Burning the Palace [8:22]
6. Prelude to War [0:38]
7. Day of Wrath
8. Rise to War [3:48]
9. Time Has Come / Final Battle [2:57]
10. My Voyage Carries On [3:52]
11. Striking Darkness [2:05]
12. Seeds of Time [1:39]
13. To Shine Forever [2:07]
14. Theme of Antichrist [3:32]
各曲解説&各曲レビュー&歌詞
レビュー
壮大な物語の幕開けにふさわしい半インスト的な曲。まあ無難な幕開け曲だ。
解説
大きな野望を抱く主人公セス・サノス。駒を先に進むために生まれ育った教区を去ることを決める。
歌詞
私から赤子の微笑みを取り上げ、生まれたばかりの我が日から眠りを追い払う 老いた星は鎗を振り翳し我が盾を割り我が目を貫く 天使の聖歌隊が貴方に最後の別れをつげるのが聞こえるか
レビュー
スロー気味の希望溢れる明るめの曲調だ。
サビではお得意の合唱だ。
解説
ヘレナは死の床にある母ソフィアの枕元にいる。ソフィアは泣き続ける娘のヘレナを撫でながら慰める。
長女のヨハンナの姿はそこにはない。
「ヨハンナにもいつか私の教えを理解する日が来るからそれまで彼女のことをよろしく頼む」とヘレナに言いソフィアは息を引き取る。
歌詞
山々から下り薔薇の形をして大海原の雷は私のように身を落とし夜の満月のように我が木の中で眠る無限の星の亡霊を生み出すことになるでしょう
ヘレナ 冬は雪の中にその嘆きを流し夏は啜り泣く 故に目に見えぬまま 知られぬまま汝を生きさせよ 肉体は光であり 貴女の手を放すために、そして人間が忘れ去られた王国に手を伸ばすために、私たちの霊を天国か地獄に解き放つただの殻にすぎない
レビュー
超高クオリティバラードオペラ。
ピアノと歌メロが美しく凄まじい、、悲哀というものを見事に音に変換させた曲だ。
ひとつの名オペラ作品を聴いてる気分になるほどの出来である。
解説
その一方姉のヨハンナはキリスト教過激派の秘密結社のリーダーであり、マレとアグネスという2人の側近が持つ。 彼女は12人の仲間の前で「今後も偽物の預言者が現れるから気をつけよ。人類を救えるのはイエスキリストのみ」と演説をしている。
歌詞
山羊座の宮を見詰めるアダムの娘らと息子ら
イエスよ 汝の夜明けの中にお入りください ハレルヤ
汝の魂を解放せよ 汝の心を我々が信じる神の恵みによって解き放て
レビュー
ファイナルファンタジーみたいな壮大なイントロから始まり明るめの合唱が入る。
中盤のオペラパートはメロディがかっこよく魅力的だ。これぞオペラメタルという感じのトラックだ。
解説
ファンファーレはローマ議会全体に響き渡る。そしてヨーロッパ合衆国の新大統領は演説を始めた。
歌詞
民衆よ 2度と再び天国から堕ちないために
一丸となって栄光に向かう為に 夜明けに向かって歌おう
レビュー
国王応援歌みたいな曲だ。印象的な合唱が特徴だが手抜き感があり曲の質は悪い。
解説
場面は廃墟の教会。亡き母のために祈りを捧げるヘレナ。するとそこに教会に入ってきたのはセスであった。セスは十字架に架けられたイエスに語りかける。「私こそが真の救世主だ。キリストは善悪の尺度を通して人々を分断したが私は善行を通して全てを統一する」
姉ヨハンナも教会に入ってきてセスの思想は危険だと妹に言い聞かせる。妹ヘレナは姉も一緒に母への祈りをしてほしいと懇願する。
歌詞
ヘレナ:我が祈りを聞き給え 汝 全能の神よ
我らが母のために 母を家に連れ帰り給え
セス:我こそすぐさま盲人に目をもたらす真の救世主 鈍化された人間を団結させる 人類のため真実となれ
ヨハンナ:この預言者は偽物 鐘が鳴り渡っても鐘の音の中に歌が何も見つからない
レビュー
神秘感溢れるイントロから始まる。
ミドルテンポロックにオペラ劇場をくっつけたような内容だ。こちらは3人の役が登場するので解説書無しで聴くと少し肩透かしを喰らうかも。
解説
風が吹く闇夜にセスは疑問の中歩く。思い通りにいかずに全てが厳格に見え始めたセスは
崖から飛び降りる。しかし見えざるに力に捕らえられ、彼は助かった。
その時声がする。「我が息子、何故お前は邪悪で磔にされた者を崇拝するか。我は悪魔、サタンだ」
セスは悪魔から力を貰う。
歌詞
セス:我が星の見えぬ夜は決して実を結ばないかもしれぬ 神よ 私が闇に向かうに連れこの身を哀れむならば 我が主よ 貴女は漆黒の闇を超えて墓から蘇りはしない 光が届かぬ場所にいくこと それが我が宿命となるであろう
サタン:何故お前はもう一方の存在を探し求めるか 我が力を受け取れ 見返りを何も要求せぬ
レビュー
ここまでで1番オペラ色が強い。緊迫感とかっこよさが混じり合った悪魔とセスのやり取りは見事。
解説
悪魔から貰った力によりセスの脳は覚醒。
哲学、宗教、政治などのあらゆる知識を得た彼は家に帰り一冊の本を作り上げる
歌詞
サタン:己自身の舌で星の見えぬ情熱を味わうがいい その花蜜が人類の中心を流れんことを願う 理性の道がお前を連れ去るだろう 輝け我が息子よ
レビュー
軍隊マーチ調のいかついスネアが印象的な曲だ。悪魔の力を使う描写をよく音に変換できている。
解説
ヨーロッパ合衆国大統領はベストセラー化したセスの本を読む。その内容は革新的で全ての人の心を掴んだ。大統領も本の質の高さに驚き、自分がいかに凡人かを認めざる得なくなった。大統領はこの国は新たなリーダーが必要だと悟る。妻が励まそうとするが大統領は廃人のようになっている。外では群衆が集まっている。おそらくこの本に感化された民衆は凡人大統領を引きずり下ろそうとしているのだろう。
歌詞
妻:私達は未だに天国の門に通じる鋳型を作るでしょうか?
大統領:おお これらの言葉がいにしえの空を動き回り口が利けない雲を通り抜け高みを求め飛び交う それらは大海原を越えそこでは知識が海域を動き回る 感じることを切望する飢えを航海するためにそれらの木霊が我々を導く
影のヴィジョン、過去が闇の中で溺れる 光が火花を満たす時、私はその場にいたいと願う
レビュー
重々しい雰囲気のオペラ曲。バックのリフだけ聴くと昔ながらのセリオンを味わうことができる。
解説
本の影響でセスをヨーロッパ合衆国の新リーダーにせよという声が至るところからあがる。そしてついにセスに評議員会の前で演説する権限が与えられる。
その後セスは会議場の庭で手入れをしているヘレナに出会う。2人は世間話をしている。
歌詞
古代の木々の下 平和の庭で ここには智慧がある
セス:闇の中で 明日を恐れ震える時はこの日を思い出そう
レビュー
非常によくできたオペラ曲。
Aメロの哀しみ溢れるメロディが心に突き刺さる。サビでは希望溢れるポジティブな曲調になる。
解説
セスは会議場で演説をする。満場一致でついにセスは新大統領となった。
歌詞
セス:過去の失敗の覆いの下に埋葬され地上で夢はゆっくり色褪せていく 民衆よ 我々の運命はかつて鏡の亡霊だった 未だに永遠の潮に向かって時が経つに連れ我々は自立する
我々の運命は必ずや永遠に輝くだろう
レビュー
Disk1のハイライトとも言える曲でオペラ座の怪人を彷彿とさせるような力強いトラックだ。2分半と短いが全てのパートがかっこよく耳に残りやすい。
解説
新たな国歌とともに新大統領セスは声明書を発表。遠くから手を振るヘレナにセスは微笑んで返す。
バルコニーに出たセスは市民に喜びと忠誠を宣言する。機運に乗じて彼はシーザーというローマ皇帝の称号を授かる栄誉に浴する。
歌詞
セス:かつては朝が希望を何ももたらさなかった場所で光の新たな形が君臨することになるだろう この光の源が私の心に火花を残し苦痛を終える音色を形作るために燦然と輝いている
有権者:この日は延々と生き長らえるだろう 翼のない太陽の輪に乗って
レビュー
明るめのオペラが始まったと思いきや突如スーパーポジティブオペラメロスピが始まり、!!?となる。疾走パートがありながらもオペラを強行する姿勢はちょっとミスマッチ感があって笑える。新皇帝誕生を祝ってクリストフェルも嬉しくなっちゃってこんな曲調になってしまったのだろう
解説
宮殿では新皇帝誕生を祝し舞踏会が開かれる。ヘレナとヨハンナがセスに会いに行く。
セスとヨハンナは初めて言葉を交わす。セスは夜会の最初のダンスの相手をヨハンナに決め2人で踊る。セスはヨハンナとの距離も縮めようとするがヨハンナは一貫してセスは突っぱねる。ダンス後沈黙したセスはバルコニーで1人星空を眺める。
歌詞
セス:
翼の如く 貴女は我々の曲の宙をよぎる湖が月に従う時に 夜鳥がするように
ヨハンナ:
神の記憶に溺れる滝よりも貴方様の魂は深い
セス:
薄暗い陰の苦痛の間で踊ることはあらゆる雨の乾いた太陽となるでしょう
レビュー
物語性が非常に強い曲なので解説や歌詞を理解しないとちょっと普通のメタルファンにはキツイ曲。輝かしいオーケストラの裏で人と人の思惑が交差するところをよく描けている。壮大な明るさの影で人間という生き物が哀れさを曝け出すような曲だ。
解説
夜が更けヘレナとセスは2人きりになる。ヘレナは子供時代の話をセスに語っていくうちに涙を浮かべ、セスのことを誰よりも理解していると言い出す。
その後2人は抱き合いキスをする。
(味気ねえな、、笑 俺の書き方、、)
歌詞
セス:
我が夜明けの天使よ、私の手を取りなさい そうすれば貴女の明けの明星が再び現れるだろう
レビュー
まさかのポップ調のオペラ。平和すぎて気が抜けてしまう曲で好きではない。。どの作品においても言えることだが恋愛パートは蛇足になるのでやめてもらいたい
解説
6ヶ月が過ぎセスの政治は上手くいき民衆からの支持は凄まじくなった セスは妻となったヘレナを連れて民衆の前で演説する 平和になった次は全ての人民に繁栄をもたらすことを約束する それが完了したら皇帝の座を降りるとのことだ その後今まで交わることのなかった富裕層と貧困層は互いに手を取り合い社交的な付き合いをし始めるようになる。
ヨハンナは弟子(シスター)であるマレとアグネスを連れてセスの演説を聞いていた。
ヨハンナは2人にセスは国を間違った方向へ導く偽物のキリストだから警戒するようにと警告する。
歌詞
民衆:万歳 我らがローマ皇帝よ その愛妻よ
そして時代を通りくけてきた真の信者らよ!
新たに生まれた季節を歓呼して迎えよ 我々が見守るものはすべて 預言者が予言した理性の時代を示す
レビュー
メリハリあるセリオンらしいイントロから始まり期待大!であったがそこからはのんびりオペラが始まりだれだれパーティーになってしまう。イントロの勢いで突き進んでいく曲にしてほしかった
解説
マレとアグネスの2人はヨハンナに対して何故セスを毛嫌いするのかという疑問を投げかける ヨハンナは幸せそうなヘレナに失望したのか泣きながらその場を立ち去る
歌詞
ヨハンナ:救済のため私達の戦いを続けなければならない、、、
レビュー
静けさと怪しさとオペラが混じり合う短い曲。1番組み合わせてはいけない3つを合成してしまったダレ曲だ。ストーリー上必要なパートではあるが音だけで聴くのはキツい。オペラマニアなら理解できる曲であろう。
解説
セスは己自身の姿を象った胸像が置かれた部屋に入る。像の自分の姿を見たセスは誇りと勝者の叫び声をあげる権力に浸る。
しかしその後セスは黙り込み自分に問いかける。これから自分はどこに向かうのか、この最高権力をどのようにして推し進めるのか、終わりはどこなのか、、彼が持つ最大限の洞察力と最も深い疑問の狭間で板挟みになる
セスは孤独を感じはじめた
歌詞
どういうわけか 深い静寂の中で己自身の領域に閉じ込められ私は己の影に呼びかけている そこには誰がいるだろうか
レビュー
セリオンのダークな面が輝いた名曲。展開は少ないが薄暗い部屋でひとり葛藤する人間の心理をよく描けている。やはり7割セリオンらしいプログレメタル3割シンフォニックオペラくらいが丁度いい。
第2幕 (DISC2)
解説
平和は続く。しかし1部の人々は明らかに受動的で独創性に欠けるように見える。
そんなある日、使者がセスの前にやってくる。その使者は凄まじいオーラを纏う謎の人物がこちらに向かってると告げる。
その謎の男は護衛兵をかわし、門の前まで来る。
歌詞
使者:
時の夜明けから訪れた偉大な人物。導く星に応える遠方からの賢者 彼こそが答えなのです
海の奥深くまで航海し、魔法をもたらす夢の魔道士
レビュー
オペラとミドルテンポセリオンが融合しているのだが、掴みどころがなく印象に残らない。第2幕のオープニングという感じはするのだが、うーん。。完全なオペラもしくはメリハリのある曲にしてほしかった
その男は宮殿に入りセスの前まで来る。彼は太陽神スーリアとニンフの川の息子アポロニウスと名乗り東アジアから来たと言う。
また彼はカソリック教会の司祭でもあり、天を操る力の持ち主である。
魔道士アポロニウスはセスに「世界の人間は新鮮な娯楽と興奮を求めている」と指摘し、自分の能力をセスに授け、下部になるとまで言い出す。セスは快くアポロニウスを配下にする。半信半疑の民衆に対しアポロニウスは自分の能力を見せつけるためベランダに出る。
アポロニウス:
東方の太陽の下で生まれた ローマ皇帝よ 我は汝に仲裁を誓わせるためにここにいる
セス:
我ら2人が新たな明日に到達する時 皆が我らの道に従うだろう
レビュー
オルゴールと低音男性オペラが支配している不思議でダークな曲。後半迫力あるパートが良かったがこちらもマスターベーション曲でリスナーが置いてきぼりされる世界観である。
解説
ベランダに出たアポロニウスはセスを宙に浮かし自らの力を多くの人間に見せつけた。
感激したセスはアポロニウスの手を空に向かって持ち上げ、群衆は喝采する。
歌詞
民衆:
アポロニウス万歳 闇を道理に変えてください
アポロニウス:
黒と白が絡み付くことになるであろう 来たれ 夜明けよ 夕空よ
レビュー
アルバム発売前に先行シングル的なので出てた曲。メタル色が強いがこちらもオペラオペラしている。イントロのいかついギターリフ
が印象的だがサビでは明るい平和な曲調と化す。アグレッシブオペラを最後まで突き通して欲しかった。これも中途半端だ、、、。
解説
その頃ヨハンナは仲間を集め集会を開く。
セス暗殺計画だった。ヨハンナは短剣を出しアンチクライストの時代が来たときにセスを倒せるのはこれだけだと説明する。
外ではこっそりヘレナが立ち聞きしている。
歌詞
ヨハンナ:
アンチクライストは我が宿敵 この短剣に祝福あれ この神の短剣に!
レビュー
ここでようやく神曲。
メタル色は皆無だが上品でリズミカルなピアノと高音ソプラノのコラボが美しく癖になる。
解説
アポロニウスはセスにキリスト教たちがおかしな行動を起こそうとしていると忠告する。
続けて悪魔がこちらの世界に来れるように門を開ける必要があるとまで言う。セスは門を開けることは拒否したもののエルサレムに新たな寺院(宮殿)を建設し、再び栄光を取り戻すことを目論む。
歌詞
セス:
古代人の宮殿の夢は時を通り抜け過去を光へもたらす 寺院を建立しようではないか
使用人:
時よ 時を経て立ち上がれ 授けられた御印は常に汝の神聖さを覚えているために
レビュー
先行PVにもなりギターリフといい展開といいこちらはセリオンらしさが滲み出た曲。力強い男性オペラの歌メロが中々よく昔のファンも受け入れられる曲ではあるが全体的にパワー不足。あともうふたひねりくらいはできたのではないかと思えてしまう。
解説
大工たちが新しい王宮を建設している、
歌詞
棟梁:
風が忘れた強力な叫び声はローマ皇帝セスのために高く宮殿で聳え立っている神の恩恵である。
レビュー
力強い男性オペラが聴ける。
歌メロが中々に良い。中途半端さが無くこれはこれで好きな曲。
解説
新しいエルサレムは副音伝道者、東方正教会、カトリック教会の代表者により侵略されその中から3人が頭角を表す。ピーター2世法王、アーネスト・パウリ教授、そしてヨハンナである。
歌詞
我らは時を通り抜けイエスと共に行進する 間もなく全てを征服するであろう光の中で我らの昼と夜が溶ける 忘れ去られた夢と人間の千の光が天からの心に昇るだろう 未来の門が我らを自由の身に、夜明けは我らに希望をもたらす
レビュー
神々しい合唱ロック。ミサを聴いてるような気分になるほどのクオリティでリフの神秘性もセリオンならではの中毒性がありハマる。名曲。
解説
新しい官邸で議会が開かれる
セスとアポロニウスら側近たちが入場し、早速セスが演説をする。人類の暗い過去、そしてセスの統治が如何にして不平等、飢饉、戦争、病気に終止符を打ったかについて話す。訪問者は喝采する。
歌詞
セス/アポロニウス:
戦争により苦しめられた歴史 血によって断ち切られたあらゆる絆 雨で我ら皆の目を満たした 飢餓 死毒を塗った苦痛
私が分かち合うのはただ全ての涙だけ
不正は神の恩寵をすり抜けることはない
レビュー
ドラマチックな展開が多いオペラ。
前半は平和的でNHKでも流れてそうな感じだが、後半から哀愁を帯びていくところがいい。ただこちらも歌詞や物語の流れを汲み取らないと受け入れ難い曲ではある。
解説
議会は続きその場にはピーター2世法王、ヨハンナ、パウリ教授の3人もいる。
セスはキリスト教信者にも優しく接するがその3人はせずに疑念を意を抱きセスの言うことを無視し続ける。
イエスキリストの崇拝を妬ましく思い腹を立てたセスは己の誇りに飲み込まれ師としてイエスを褒め称えることを拒否し自らを真の救世主と名乗る
歌詞
セス
貴人方が我が魂を真に認めるなら 私と一緒にこの壇上に参加せよ 暖かい抱擁が皆を歓迎する
私は真の救世主としてやってきたのだ 黙秘する!イエスに2度と頭を垂れるつもりはない
レビュー
オペラチックでありながら、セリオン節も炸裂させてる質の高いトラックだ。Bメロあたりの展開は非常に美しくこれぞセリオンにしかできないオペラメタルだ!となる。
解説
セスの発言は多くの人間から反感を買うことになる。ヨハンナたちは機に乗じ皆の前でセスはアンチクライストだったということを告発する。その時雷鳴が聞こえ、炎の閃光が寺院を直撃しヨハンナと法王を打ち倒す。アポロニウスの妖術の仕業であった。セスとアポロニウスは神の息子を攻撃した罰だと話す。恐怖と沈黙が場を支配した。
歌詞
ピーター2世法王:
我らはお前に挑む 地獄の落とし子よ 我らが主から追放された堕落せし者
アポロニウス:
この反逆と偽りの告発のために 神は己の息子の仇を討ったのだ!
レビュー
捨て曲かと思いきやサビ的な部分で哀愁メロディで魅了してくる良曲。しかし終盤おとぼけソングみたいになりグダグダになるとこが納得いかない、、
解説
生き残ったパウリ教授は壇上に立ち上がり、セスを追放する必要性を出席者全員に訴える。その時寺院に謎の光が射し込みヨハンナとピーター2世は蘇る。皆は喜び打倒セスのために団結する。
歌詞
パウリ教授:
苦痛の終わりは全て裏切りなのだ 彼はアンチクライスト 墜落せし者に呪いあれ!
マレ/アグネス:
ハレルヤ!汝に祝福あれ 神々しい奇跡!
レビュー
怪しいセリオンリフにオペラを重ねただけの手抜き曲。劇的なシーンなのにこの曲調は、、残念だ。。
解説
ヨハンナは仲間を集めキリストの最後の祈りを実現させる時が来たと言う。そしてキリスト教徒らの長い行列が砂漠の中を進んでいく
歌詞
ヨハンナ
汝の心に対する信仰が星を数え我らは東方を向く 目の前には曲がりくねる夜とまだみることができぬ朝
パウリ教授/ヨハンナ
命の小川は全て空の恩恵に浴している 耳に届かぬ真実を見つけよう
レビュー
またしてもオペラオペラしてる曲 後半になればなるほどドラマチックになり味が出てくるも弱い 曲数が多いため似通ったトラックも出てくるため完全に喰われてる曲 単体なら悪くはない出来だがアルバムを通して聴くと空気化してしまう
解説
ヘレナがセスの部屋に入る。ヘレナはセスの胸像に語りかける。「あなたを誰よりも愛してあなたの助けになりたい。本当のあなたが何者なのか、どこからやって来たのかが、考えれば考えるほどわからなくなる。」
分かち合いたいのにセスの全てを理解できない自分の無力さに絶望する心優しいヘレナであった。
歌詞
ヘレナ:
天国の感触が神の抱擁の形として長々と残る 最後の太陽光が奥深く私が啜り泣く場所まで射し込んでくる
レビュー
こちらはロック色がうっすらと入っているオペラで所々哀愁を感じる箇所もある良曲だ。
解説
ヘレナとヨハンナの母ソフィアは冥界的なとこでサタンと会話する。
歌詞
ソフィア:
サタン:
火をつけられた揺り籠は我らを夜の闇の中に導く 眠りの壁は徐々に消え去るだろう
サタン/ソフィア:
晴れやかな未来の地平線を眺め我らのあらゆる夢のもとに夜空で生まれる
レビュー
昔のセリオンのアルバムにも入ってそうなメタル色が強めのトラック。悪魔とソフィアの掛け合いパートがカッコいい。
解説
外の砂漠でヨハンナ、マレ、アグネス、ピーター2世法王、パウリ教授らは打倒セスのための計画を練る。途中悪魔と思わしき者にヨハンナが襲われ、皆で追い払う。
ピーター法王はここで起きたことを広く伝え兵を集めアンチクライストセスを倒すためヨーロッパに出発する。パウリはセスに対する市民の不安を煽り立てるためにエルサレムへ向かう。ヨハンナらは独自の秘密の計画がいくつかあるらしい...
歌詞
この地を祝福し汝の道の覆いを外してください
ピーター2世法王:
悪魔よ 神を認めぬ悪しき情熱が
汝の恩寵を 汝の朝をお送りください
レビュー
サビは美しさがあるオペラであるものの全体的に手抜キング。もう少し短い作品にできてればこのような手抜きパートも省けたのではないかと、毎回考えてしまう。
第3幕
解説
パウリ教授の先導によって通りにはセスに対して抗議する人たちで溢れかえる。そこに皇帝の軍が突入し容赦なく皆を襲う。パウリ教授は射殺されアポロニウスを勝利宣言をする。
歌詞
アンチクライストの兵とアポロニウス:
お前ら皆に未来の言葉の叫びが与えられる 空白の天国で聞こえぬままにしておかれた木霊 怒りの細波 流血のしぶき ローマ皇帝セスの名に於いて勝利を宣言する!
レビュー
ノリノリセリオンリフから幕を開けるロックオペラナンバー。このアルバムでは珍しくメリハリと勢いのある曲で気持ちよく聴ける。
オペラではあるがかなりロック色強めの歌メロなのでかっこいい。
解説
ピーター法王が強力な軍隊を召集していると聞き宮殿は大騒ぎ。そんな中セスはヘレナと屋根の上で会話している。セスは苦しんでいた。自分とは何者なのか、未来に何があるのか、、と。ヘレナは苦しむセスを最後までサポートすると神に誓う。
歌詞
ヘレナ:
星空の下 2度と再び私達に雨をもたらさない風 滴り落ちる闇が朝を覆う
悪魔の聖歌隊:
お前は時間の混沌の中、迷子になっている 未来の変わり目が汝のために表出する 故に虚しい神の大広間を探し求めよ
レビュー
初期セリオンを思わせる小刻みなリフにアグレッシブオペラが重なった曲でメリハリがあって結構好き。終盤の畳み掛けはセリ時代を思い出させてくれる。
解説
ヨハンナ、アグネス、マレは短剣を持ちセスを闇討ちしようと部屋に忍び込む。しかしセスにバレる。
ヨハンナらとセスはお互い主張を交わす。
そこにヘレナが和解するようにと割って入る。ヨハンナはヘレナに短剣でセスを殺すように懇願する。ヘレナにとってヨハンナもセスも大切な存在。セスに刃を向けたと思いきや彼女はその短剣で自分の胸を刺し息絶える。倒れた彼女の周りにセスとヨハンナらが集まる。セスとヨハンナは悲しみに暮れ一時停戦状態になる。
歌詞
ヨハンナ/マレ/アグネス/セス
夜の帳の中、貴女は堕落した 汝は再び蘇り虚空に入るでしょう
ヨハンナ:
静けさの中、貴女の名夜鳥が飛び立ちそして歌う 月明かりの寺院の中、神の祝福がありますように
レビュー
このアルバムの中では1番長い大曲でハイライトとも言える場面を描いているため気合いを感じる。オペラとセリオンが上手く融合しているため気持ちよく聴ける。シーンごとに曲調が転換していくのが臨場感が出ており素敵だ。
解説
ヘレナはセスと彼女の象った胸像だらけの部屋の棺の中にいる。セスは悲しみに暮れる。それと同時にセスは人間の営みからずっと疎外されていたということに気付く。
歌詞
セス:
時の種を我が胸の中にある真実の庭 憧れを 喪失を 貴女の音を聞け 貴女が横たわる場所に流れ落ちる涙のうねり
レビュー
怪しさと悲しさがうまく噛み合っているセリオンソング。第3部はオペラの派手さが抑えられセリオンらしい音が聴けるので中々に良い。
解説
ヘレナの死から2週間が経つ。ヨハンナの軍がセスの宮殿に火を放つ。気がつく時周りは何千もの兵で包囲されている。
宮殿は一気に燃え上がる。セスとアポロニウスは優秀な護衛兵に守られながら脱出に成功し砂漠に逃げ込む。火を放った分隊は作戦成功祝いにキリストへの賛辞を唱和している。
歌詞:
軍隊&ヨハンナ
闇の王座には何も残らず 貴方の没落による反響すら何もない 火の準備をせよ 地獄の落とし子よ
レビュー
こちらも大曲でセリオンのあらゆる一面を見ることができる。前半はトゲトゲしたリフが聴けるアグレッシブオペラで、中盤では明るめの曲調になったり終盤では合唱パートがみられたりと今作の集大成とも言えるトラックだ。
解説
セスは忠誠心のある軍隊を招集する
レビュー
緊迫感のある短いインスト曲。場面の繋ぎ役だ。
解説
ヨハンナとセスは2人揃って夜に夢を見る
アストラル界ではソフィアとサタンがそれぞれを見守る
歌詞
ソフィア:
ゆっくりと霧が夜明けを拭い去る 夢と銀の島は塵と化すでしょう
セス:
闇を抜け出し我が夜の芸術はすぐに朝を迎える 我が名に続く苦しみの木霊
レビュー
印象的な強力歌メロ、そして歌メロ後の間奏のピアノなどが卓越しておりDISK3で1番クオリティが高いと思った曲。
かっこよく美しく哀しいというセリオンの魅力が詰まっている。
解説
ピーター法王2世はアンチクライストと戦うための軍を結成。それに対しアポロニウスも忠誠心の固い精鋭軍をかき集める
歌詞
アポロニウス:
時の終わりと夜明けに直面せよ
啓示は我々と共に終わるだろう 過去や全てのものはその中で灰燼に帰すだろう
セス:
歴史は我々の物語を語ることとなるだろう
来たるべき新時代
未来は我々の名に至高をもたらすだろう!
レビュー
前半は手抜きオペラというか空気サントラ感がするが後半で良いリフが炸裂し味のあるメタルオペラを展開してくれる。橋渡し的な曲だ。
解説
セス率いる皇帝軍と打倒アンチクライスト軍2つの軍は砂漠で向かい合う。
そしてついに最後の決戦が始まり凄まじい流血劇が始まる
歌詞
ヨハンナ:
私の手の中で運命が織られて闇を引き起こす蜘蛛の巣となる
我々に垂れ込める星のない夕暮れ 今や夜明けは永遠に失われたのかもしれない
レビュー
これから戦が始まるぞ的な雰囲気が漂う。
終盤だけ良い曲調だが全体的に空気サントラである。
解説
アポロニウスに突如謎の悪魔と炎が襲いかかる それらを操っていたのはソフィアであった アポロニウスは抵抗するも魔力が弱まり劣勢 第2幕にて砂漠でヨハンナを襲った悪魔はアポロニウスの下部であった 自分の娘を何度も危険に晒したアポロニウスを許せずソフィアは渾身の一撃を放つ アポロニウスはこの時空にいられなくなり消え去った
レビュー
急にバカ映画感溢れる超能力戦に入る。
バトルシーンのため曲もインパクトが強い。
今作唯一とも言える疾走オペラでセリオンの魅力がむき出しになってるかっこいい曲だ。
歌詞
ソフィア:
今 貴方自身の王国から虚空へ貴方は戻る
アポロニウス:
この高まる黄昏 もしかして私は用済みなのか?何故私は悲嘆に暮れねばならぬのか、、
解説
戦は終わり生存者はほとんど残っていない。
ヨハンナはセスの後ろに忍び寄り短剣を取り出す。ヨハンナがセスの胸を刺すと同時にセスもリボルバーを取り出しヨハンナの腹を撃つ。
レビュー
曲ではなくサントラレベルに空気ソング。
緊迫感のある雰囲気だけを作るための音だ。
解説
ヨハンナとセスはお互い倒れ死にかけている。2人は破壊され尽くした戦場を見る。セスは歴史上最も偉大な指導者になれる機会があったのに虚栄心に彼の心を呪わせたことを後悔する。ヨハンナもセスが現れる前はもっと飢饉や戦争があったことを思い出し、彼の功績を再認識する。
死にかけの2人はお互い手を取る。
歌詞
セス:
光の雨 銀色の涙が金色の野辺に落ちるだろう 我々は誰なのか 神は誰なのか 人類の戦争は終わった 誰が時間の種を守り蒔くのだろうか 誰もその答えは持っていない
レビュー
短いが悲壮感と哀愁が滲み出てるバラードオペラ。それ以外感想が出てこない。。
解説
セスとヨハンナの死とともに現れるソフィア、ヘレナ、天使と悪魔 皆で団結の賛歌を歌い死んだ2人に対して最大の愛を植え付ける セスとヨハンナは昇天し光となった
歌詞
マレ/アグネス/悪魔/聖歌隊:
まるで星のように時を抜け夜の闇の中へ
夜明けまで走って永遠に輝くために流れなさい 神聖なる闇の中で、あらゆる美のために立ち上がれ
レビュー
良い曲だがVOVIN時代の良いメロディを繋ぎ合わせたような曲でつぎはぎ感MAXソングだ。後半は今作らしいオペラになるがやはりフックが足りない。DISK3終盤は劇的な展開が多いにも関わらず曲は短くかなり駆け足という印象が強くもったいない。
歌詞
セス:
炎に引き渡され流血が我が夢から生じるだろう
聖歌隊:
善人でもあり悪人でもあるアンチクライスト 我々は真実を目の当たりにするまで生きるだろうか...?
レビュー
力強い合唱曲で幕を閉じる。イントロはおお!となる華麗さだが展開が無難にまとまりすぎてるため魅力はない。それよりPVだ。
3Dアニメーション化されたメンバーが演奏している内容なのだが、、これがなんとも言えないクオリティだ。途中でボーカルがキモい怪人になったり、クビにする予定のドラマーの姿だけ終始安っぽい怪獣にされていたりと、なんじゃこりゃ!?という内容だ。
こんな壮大なテーマの締めくくりのPVがこれなのが笑える。
14th Leviathan 総合☆☆☆☆ 63点 2021

クリストフェルは今作を発表する前にこう言い放った。「今回も我らは今までとは違ったやり方でアルバム制作に取り組んだ。
その方法とは『何もしたいことだ』」
かっこいい。。セリオンだからこそ言える名言だ!彼らは毎回3時間越えのオペラ作やシャンソンをベースにした作品など構成コンセプト重視の想像の遥か斜め上を行く作品を作り上げてきた。そんな彼らが今回は他のバンドのように何も考えずにただアルバムを作ったという一周まわっての衝撃作である笑
そのため曲の統一感がなくシングル集という感じもしてしまう。しかし曲は全てコンパクトでどれもわかりやすい構成で馴染みやすい。ビートルズのホワイトアルバムのように散漫だがありとあらゆるクリストフェルの引き出しを堪能することもできる集大成的作品でもある。
全体的にNIGHTWISHなどのゴシック臭、ラプソディなどのシンフォニック臭が漂う出来にも感じ個性が失われているようにも聴こえるが肝心なところでクリストフェルがセリオン色をチラつかせてくれるので安心できる内容だ。壮大で長い物語であった前作とは対になるようなアルバムだが個人的にはこちらの方が楽しめた。おそらく金稼ぎのためにも作ったのではないかと考えられる。
彼はきっと数年後にビッグプロジェクトを持ってくるような気がしてならない。
1. The Leaf on the Oak of Far
2. Tuonela
3. Leviathan
4. Die Wellen Der Zeit
5. Ai Dahaka
6. Eye of Algol
7. Nocturnal Light
8. Great Marquis of Hell
9. Psalm of Retribution
10. El Primer Sol
11. Ten Courts of Diyu
解説
ケルト神話の戦神カミュルスを讃える民衆がテーマの曲。ギリシャ神話の軍神アレスをも超越する力を持っているらしい。
レビュー
突然J-popみたいな始まり方をするアップテンポ曲。AメロはCDを入れ間違えたか、と疑うくらい雰囲気が違うがサビでは安定の大合唱をみせてくれて安心する。クオリティは高くないが元気があるから良し笑
歌詞
大地に立ち天を指す 風に乗って拡声器が鳴り響き世界にその絶叫を轟かす ケルト魂の犠牲者は逃げ惑い無限の破壊に直面する
解説
フィンランド神話の冥界を指すトゥオネラを題材にした曲でトゥオニはそこの守護神である。
レビュー
セリオンならではの進んでいく感じの元気な曲。Aメロでは急遽参加した元NIGHTWISHのマルコが強烈な歌声を披露してくれる。
哀愁と美しさの極みであるBメロには圧倒されるもサビが無難なのが残念。まあ、彼ららしい雰囲気はそこにあるのでいいか。
歌詞
あなたの孤独な影 私が魂だったらあなたの名を呼んで飛び立とう 精霊が幻想の野原に舞い戻ることはない 星の光の露滴が消え去っていく 悲嘆の孤島と終わりなき河 真実が流れへと溶け込み我の知る波を塵と化す 河はその蒼い貌で過去のように夜明けに幕を下ろす
解説
旧約聖書に登場する有名な竜「リヴァイアサン」の物語。紀元前6千年前の都市国家ウガリットのバール神話には海神ヤムとその僕ロタンが登場するが両者ともリヴァイアサンと同一視されることがある。
レビュー
歌メロ重視のミドル曲。サビのメロディはよく出来ている。セリオンにしてはかなりストレートな曲だがかえってそれが新鮮味があって受け入れられる。単純な構成な分、メロディに磨きがかかる。
歌詞
エデンの西から真実が生まれる 星々の合唱団のように彼方を旅し星座の数々の夜が実を結ばんことを
虚無の蛇が魂の大洋に住む 深海の神話に巣くいながらあなたの朝の瞼を私が輝かす
解説
この曲に登場するネルトゥスは古代ゲルマニアの豊穣の女神である。ワーグナーの曲からインスピレーションを得たため、歌詞の一部でドイツ語が登場する。「我がRaum」という一節はソロモン王に封印された魔神ラムウか、ドイツ語で空間を指すRau
mか、どちらとも解釈が可能。
レビュー
新境地とも言える壮大なバラード。音の作り方はさすがといった出来だが、NIGHTWISHわラプソディーのアルバムに入ってそうな曲に仕上がっており個性が死んでしまってるのであまり好きではない。他のバンドに似たような曲を作るくらいならマンネリ路線に行ってしまってもいいと思う。
歌詞
人の精神の根源にある古き森林が無垢なネルトゥスを取り囲む 時の終わりまでずっと忠誠を誓い耐え忍ぶ 戻ってくるこだまの中にあなたの声が聞こえる、、 時の波に乗り私と永遠を旅しよう
解説
古代ペルシャ神話とゾロアスター教の教義にある巨大な蛇をテーマにした曲。この魔獣はイラン最高峰であるダマーヴァンド山麓に繋がられており、いつの日か解き放たれる予兆が歌われている。
レビュー
エジプト風疾走曲と彼ららしいナンバーだ。
こちらは個性丸出しの怪しい雰囲気が落ち着くがサビで明るく開いてしまうのがちょっと残念。終始アグレッシヴで突き進んで欲しかった。
歌詞
証人となるのは時間だけ 月の松明を灯すがいい
終末が訪れ鎖は虚空となり進軍の嗽叭が鳴り響く
王座に返り咲かんことを!
解説
アルゴルはアラビアの悪鬼。ペルセウス座でペルセウスが持っているメデューサの眼の部分がアルゴル星。シトラアフラはユダヤ教に基づく神秘主義思想カバラで描写される「聖なるもの」に対する「凶なるもの」である。
レビュー
セリオンの個性をかき集めた文句なしの出来。癖のあるギターリフと歌い回し、そして一度だけくるCメロみたいなパートが中毒性がある。サビがない曲でこういう固定概念を吹き飛ばす曲を待っていたという感じだ。
そしてこの曲のハイライトはギターソロである。淡々と刻んでいくかっこいいソロではクリストフェルのセンスが輝いている。
歌詞
星の海を旅せよ メデューサのあらゆる夢がその髪の蛇で描かれる 君を通して見える太陽の高さ 闇の中の月光の深さ シトラアフラ(凶界)を迎え入れ星座を解き放つ 竜の種子が実を結び叡智への門を見出すだろう
解説
シュメール神話の愛と美の女神イナンナの物語。ローマ神話のヴィーナスの元ネタ的存在。姉のエレシュキガルはシュメール神話では冥界の女王として知られている。
レビュー
壮大なシンフォニック曲。全体的に大袈裟な割に普通という印象が強いが、聴き直すと今作特有の不思議な魔力が漂っていて嫌いになれない。なんかこれを聴くと、初めてこのアルバムを聴いたあの日に連れ戻されるという思い出メモリーカード現象が起こるのだ笑
歌詞
女神イアンナ、ヴィーナスの美、我らの精神と空を飛び交う バビロンに向かって門を開け叡智が結んだ実 その種が今 芽を吹くだろう
夜の光は色欲から解き放たれ万民の海へと向かう
解説
17世紀の魔術書グリモワール「ゴエティア」に記される72人の悪魔の1人、地獄の大侯爵アモンを題材にした曲。デビルマンのアモンもここから来ている。
レビュー
歌メロがスーパーキャッチーな疾走曲。彼ららしくないメロパワナンバーで最初はびっくりしたがシンプルにかっこいいので名曲として認定したい。ストレートなメタルも出来るアピールがしていて今作はとにかく引き出しの多さを見せつけてくる。
歌詞
深淵の向こうから聞こえる吼え声が闇の小夜曲を奏でる 天国に咲いた薔薇の棘は炎を吐き間もなくエデンの園を毒し、時計の針を止めるだろう
解説
ユダヤ教のカパラから着想を得た内容。
生命の樹セフィロトに対する邪悪の樹クリフォトをテーマにしている。クリフォトの7番目の悪魔アラブザラクは火山口から現れる悪魔の顔をした鴉である。
レビュー
ゴシックカパラに収録されてそうなゆったりした地味ヘヴィ曲。彼らだから許される曲ではあるが良い出来ではない。ただ間奏部分は独特の哀愁を放ってて良き。
歌詞
悲惨な者は東方に栄え聖なる泉を踏みつけ神に捧げられた魂の煌めきを簒奪する 知識の樹の軍団が同胞を失い復讐に立ち上がる
解説
アステカ神話から取った曲。アステカにいた神「ケツァルコアトル」「テスカトリポカ」は16世紀のスペインによる侵略により異端の悪魔とされてしまう。テスカトリポカを崇拝するものは迫害され、ケツァルコアトルに至ってはアメリカ映画「空の大怪獣Q」で怪獣扱いされてしまっている。
レビュー
前作に入ってそうなオペラ風ミドル曲。
最近のセリオンらしいリフ、合唱、キャッチーな歌メロ、ソロが聴けるコンパクト集大成曲。安定感という面から見れば悪くはないが全体的に弱さが目立ったのが残念。
歌詞
鏡からの煙と頭上の羽根が寺院を解き放ち八十階段が我々を導く 夜の君主よ 空の君主よ 静寂の風の君主よ 我こそが選ばれしものだろうか
解説
日本でもお馴染みの閻魔大王が死人の罪を裁く行為をテーマにしている。中国の十殿閻羅を意識したものでもあり東洋風のメロディも入っている。
レビュー
中華風の始まりを見せ一瞬「ありゃりゃ」となるのだがサビでメロディが覚醒する力強いバラード。全体的にゆったりしているが美しくもなにか強い意志を汲み取れるサビには脱帽だ。NIGHTWISHやラプソディの良いところを吸い取ってセリオンという個性で作り上げた名曲だろう。
歌詞
地獄の十法廷が夜と精神の崖っぷちにある
我らの宇宙が死後の世界へと拡がり全てを罪人の信念を盲目とする 生前に成した全ての罪が雨に晒され東の太陽に照らされる
Commentaires