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奥田ゾンダーランド

バンドレビュー No.6 シンフォニックメタルの父「THERION」前半

更新日:2022年6月2日

国:スウェーデン ストックホルム県 🇸🇪

活動年:1987-

ジャンル:プログレッシヴシンフォニックオペラメタル

アルバム数14

コンセプト:古代


メタルとオペラの架け橋を作ったシンフォニックメタル界の帝王とも言える存在。

一つのアルバムに200人近くいる楽団を起用したり、3時間くらいあるオペラアルバムを制作したりと他の真似事シンフォニックバンドとは格の違いを感じさせる。

ダークで怪しさ溢れる闇と芸術と哀愁の光のコントラストが素晴らしい。合唱隊がメインヴォーカルをやっていた時代もある個性がめちゃくちゃに強いバンドである。


ジャケット☆☆☆☆

技術☆☆☆

哀愁☆☆☆☆☆

安定感☆☆☆☆

ネームバリュー☆☆☆

個性☆☆☆☆☆



ジャケットの特徴

壁画ちっくなものや古代、神話を連想させるものが多い


メンバー

トーマス ヴィクトスロム Vo 11th〜

ロリ ルイス Vo 12th〜

クリストフェル ジョンソン  G Key ☆

サミ・カルッピネン Ds 5th〜7th、13th〜

ナッレ・グリズリー・ポールソン B 11th〜

クリスティアン・ヴィダル G 11th〜


元メンバー

中期まではアルバムごとにクリストフェルがメンバー総入れ替えを繰り返していたためキリがなくなるので省略します。


主要メンバー

・クリストフェル ジョンソン(ギター)

出典:https://images.app.goo.gl/p4DK6T3FgvqMPq9R7


セリオンの心臓。彼がくたばればこのバンドは崩壊するレベルだ。

シルクハッドにグラサンに男爵のような格好をしていて自称考古学者感もある強キャラだ。ライヴでは黙々と後ろでギターをやったる姿がかっこいい笑

オペラやクラシック、シャンソン、プログレ、ハードロックなどありとあらゆる音楽を敬愛した彼の脳内は作曲の宝庫とも言える。

メタルのみならず音楽界を変える可能性すら感じさせる今後の彼の作品が楽しみだ。


クリストフェルジョンソンが影響を受けたバンド

スコーピオンズ、ジューダスプリースト、アイアンメイデン

影響を受けた作曲家

ワーグナー、シベリウス、プロコイエフ、チャイコフスキー

作曲方法を学んだアーティスト

Klaatu、Pavlov’s Dog、Uriah Heepなど


・トーマス・ヴィクトスロム(ヴォーカル)

出典:https://images.app.goo.gl/SJiPMHLxQWaG2E7X8


有名テノール歌手であり、オペラとメタルの架け橋的存在になってくれた人物。日本のテレビにも何度か出演したことがあるほどのネームバリューがある。歌はめちゃくちゃ上手い部類に入ると思うが個人的にはあまり好みな歌声ではない。インチキポリスと呼んでる。



第1期

オブ・ダークネス ☆ 1991

ビヨンド サンクトロム ☆ 1992

シンフォニーマセス ☆☆ 1993

レパカ クリフォス ☆☆ 1995

デスメタル時代。アグレッシブで呪いのような曲が多いが3rdあたりからストリングスなどを使用しシンフォニック色が見え始めるり

第2期

セリ☆☆☆☆ 1996

ついにセリオンのスタイルが確立されシンフォニックオペラメタルとなった作品。

メロデス要素もそこそこあるので多くのメタラーからも愛されている。ちなみにこの時代はお金がなくヴォーカルを雇えなかったため、クリストフェルが無理矢理ダミ声で頑張って歌っていた笑


第3期

ヴォビン ☆☆☆☆ 1998

デジアル☆☆☆ 2000

シークレット オブザルーン☆☆☆☆2001

メタル色が薄れ、シンフォニックオペラ度MAXになったディープな時代。ヴォーカルが不在の時期で歌パートは全て合唱隊のコーラスがやっていた。暗くて怪しくて儀式のような曲も多かったため多くのメタラーが離れていった。


第4期

レムリア ☆☆☆☆☆ 2004

シリウスB ☆☆☆☆ 2004

ゴシックカパラ☆☆☆☆ 2007

黄金期。今まで培ってきたものを炸裂させつつ、5thのようなメタル色も取り戻したためどれも完成形と言える出来だ。

曲にメリハリが着き、親しみやすさに溢れながらも個性は失われておらず彼らの進化を実感できる時代だ。


第5期

シトラ アハラ ☆☆☆ 2010

悪の華 ☆☆☆☆☆ 2012

ビーラヴドアンチクライスト ☆☆☆ 2018

リヴァウイアサン ☆☆☆☆ 2021


この時代になりようやく全メンバーが固定されヴォーカルもトーマスになる。3時間越えのオペラ作やシャンソンを基にしたフランス敬愛アルバムなど実験的なものから、無難な作品まで色々ある金稼ぎ&試行錯誤の時代と見て取れる。


俺のおすすめアルバム順

9th>12th>5h=6th=8th=10th>14th>11th>13th>7th>4th>3rd>2nd>1st


一般メタルファンが選ぶおすすめアルバム順

セリオンに関してはわ、わからない...


【作曲スタイル】

鬼才クリストフェルジョンソンが全部作っている。彼の頭の中はどうなっているのか覗いてみたい。



【私とセリオン】

ハマったのは2016年の3月。メロデスにハマっていた2012くらいから存在は知っていたが、少し聴いて合唱が怖くてひいいーー!となり長らく封印していた。個性や芸術などを理解し少し大人になった大学入学前に再挑戦した時に「あ、、これだ...!」となった。


1st Of Darkness... 1991

ゴリゴリのデスメタルアルバム。

デスメタル時代の1st〜4thまではレビューする気力がないので超簡素に紹介します。ごめんなさい。。(国内盤が入手しにくいのも理由の一つ。そのため無論歌詞も載っけられません)


2nd Beyond Sanctorum 1992

デスメタルだが、この辺りからほんの少し芸術性を取り入れるようになる。


3rd Symphony Masses 1993

シンフォニック色が強まるが、うんまだデスメタルだな。


4th Lepaca Kliffoth 1995

シンフォニックでドラマチックな曲が増え、デスメタルとは呼べないまでに化けた。次作で大きな転換期を迎える伏線になる。


5th Theli 総合☆☆☆☆ 76点 1996

このアルバムからセリオンのイメージはガラリと変わりデスヴォイスはほとんど使われなくなり、シンフォニックメタルへと変化した。エジプト風の怪しいメロディと芸術性が高いシンフォニック色、オペラティックなコーラス、そしてメタルが見事に融合している。(そこらのバンドで聴くコーラスとはレベルが違い、ガチもののコーラス隊を使っている。ヴォーカルの出番はほとんどない)

うねるような荒々しさも目立つが泣けるフレーズが多い。このアルバムから既に普通のシンフォニックメタルとは違う唯一無二の存在であることを存分に示している。アルバムとして最もまとまっている作品とも言える今作は初心者にもおすすめできる名盤。全体的にエジプト文明という感じがするアルバム。

タイトルのセリはヘブライ語でありドラゴンを意味する。ヘブライ語に拘る理由としてはリーダーのクリストファージョンソンはこう語る「古代の力が蘇ってくるような気がする」 おお笑 この時代から良い意味でイカれてる。



1. Preludium

2. To Mega Therion

3. Cults of the Shadow

4. In the Desert of Set

5. Interludium

6. Nightside of Eden

7. Opus Eclipse

8. Invocation of Naamah

9. Siren of the Woods

10. Grand Finale/Postludium


各曲レビュー

インスト。

壮大な物語の幕開けにふさわしい不気味だが神秘性のある曲だ。


レビュー

セリオンを代表する曲。大合唱から始まるインパクトは凄まじい。この曲を聴けばセリオンとは何かが掴める。クリストフェルの歌が入るところはデスメタルの名残も感じられるが、中盤終盤など所々芸術の極みとも言えるパートがありシンフォニックオペラメタルの原型とも言える曲だ。



歌詞

今竜は目を覚まし太陽の奇跡を通し真実と虚飾を明らかにする

至上なる精霊よ 恍惚の獣に乗るがいい 

空に登る大海の悪魔が予言を満たす 勝利の印と運命の芽を身につけるがいい 

ソラスの炎が世界を焼き尽くす 

終焉を迎える神の啓示である


レビュー

怪しいイントロが癖になる。前の曲に続いてこちらもセリオンの代表曲。

作りも非常に似ていて劇的な展開は至るところにあるのでこちらも耳が離せない。

セリオンの曲は複雑で難解なものは意外となく聴きやすい作りになってはいるが展開が多

いためか何故かレビューが非常に難しい笑


歌詞

祝福者が錬金のためにセシアンの神秘の中に姿を現す バベルの塔の7番目の男がシヴァの目を覚ますため恍惚の聖杯を今差し出す


レビュー

次作への伏線とも言える曲で、スローな曲調に男女の合唱が交わるところが印象的。ただ中盤以降テンポアップし終盤畳み掛けてくるところがハイライトとなる。この時代ならではの荒々しさがかっこいい。


歌詞

悪夢の始まりを砂の下で待つ 

荒涼たる砂漠の中で時の夜明けを待つ

未来永却に変化をもたらすは黄金時代


インスト曲。

ピアノverと合唱verの2パターンが存在する。どちらも素晴らしい出来で独特な雰囲気が癖になる。自分の持ってる国内盤では合唱verが入っていた。ピアノverはレアらしくどの国の盤に入っているかは不明。


レビュー

前半は安定のセリオン節。Aメロ?ではクリストフェルの歌メロが聴ける。中盤での合唱、終盤での疾走からのギターソロはめちゃくちゃ美しくかっこいい。


歌詞

太陽が届かぬ地で我らが天地創造の移住のためにエデンの夜に天罰を待つ 命の樹から伸びる死の影 


コーラスは入るがインスト曲だ。尊師マーチと呼んでいる曲。リズムがそんしーそんしーで萎えるがセリオンらしさはある怪しい曲なので嫌いではない笑


レビュー

今作で1番デスメタル色が強いが不思議とオペラ色も1番強い。中盤は疾走も見せる。

最も噛み合わなそうな2つのジャンルが見事にマッチしている秀曲だ。


歌詞

存在の支柱を砕き、鏡を割れ 夢の守護神は海の水をうねらせる 我らに抵抗する無知の世界の迷いの如く帳を下ろすがいい 門口にお前の漆黒の炎を浴びせよ 


レビュー

壮大で芸術的なバラード大作。

今後この曲の発展系が至るアルバムで聴ける。メタル曲をやらせるとセリオンらしさというものが滲み出るがバラード系の曲をやらせると個性は薄れる分芸術性が凄まじいことになる。


#10   

レビュー

馬が駆けていくようなアップテンポインストで今作は幕を閉じる。怪しさとかっこよさが混じるセリオンならではの曲だ。



6th VOVIN 総合☆☆☆☆ 73点 1998

シンフォニック色が更に増し、ヴォーカルが消え全て合唱になり、神秘的な異様な雰囲気、重々しさが増した。芸術性も増し、音質なども良くなり、他のバンドとは一線を画すセリオンの世界観を確立させた作品でもある。クオリティは全体的に高いが後半の曲の印象が薄いのが残念。メタル的なかっこよさがなくなった分独創性で勝負してきたような作品。全体的にメソポタミア文明という感じがするアルバム。ゲストにはcradle of Filthのサラ・イザベル・ディーバやGamma Rayなどでの活躍で知られるラルフ・シーパースなどが参加している。要するに金銭的に余裕が出てきたセリオンであった!

1. The Rise Of Sodom And Gomorrah

2. Birth Of Venus Illegitima

3. Wine Of Aluqam

4. Clavicula Nox

5. The Wild Hunt

6. Eye Of Shiva

7. Black Sun/Draconian Trilogy

8. The Opening

9. Morning Star

10. Black Diamonds

11. Raven Of Dispersion

各曲レビュー

レビュー

壮大で神秘的なストリングスから始まるスローなシンフォニック合唱曲。メタル色の薄さと独特な妖しさが強すぎてこの曲でダウンするリスナーは多そう。しかしこの唯一無二の雰囲気が意外と癖になり、サビ?的なとこのダークになる展開は好きだ。


歌詞

山羊座に太陽が沈み 死海の深淵で過ごす100と20の日々 虚しい美徳に満ちた罪の歌を耳を傾けし者たちのために捧げる ソドムとゴモラの不平の叫びは大きい、そして彼らの犯した罪は重いのだ


レビュー

このアルバムのハイライトとも言える名曲でライヴでも定番曲。

セリオンらしいリフと合唱による高クオリティ歌メロ、そしてクリストフェル最大の武器とも言える最強ギターメロディの3拍子が揃っている。ラスト哀愁で畳みかけてくるパートは必聴。


歌詞

罪の子こそ我が名前 禁じられた甘露なる水の魔術に魅せられて罪と情欲の地獄にアフロディーテは堕ちていく 


レビュー

こちらは勢いのあるアップテンポな合唱曲。合唱歌メロがキャッチーでかっこいいが少し派手すぎな気もする。終盤は爽快感マックスの疾走をみせる。


歌詞

天国の緑の影に酔わされ 山の賢者が記した偽りの書を読むのだ 甘美なるアルクァが我が夢の中に流れていく 未知なる流れの奥底にこの天国の春は潜む


レビュー

ダークバラードでセリオンの芸術面が詰まった名曲。中盤から終盤にかけてどんどんドラマチックになっていくとこが良い。


歌詞

夜の地平線が我に近づく時 我が旅は果てることなし 夜の女神よ、そなたのいにしえの神秘を 今この鍵で開こう


レビュー

前作に近いメタル色が非常に濃い曲。

このアルバム唯一の疾走パートやクリストフェルのダミ声も聴ける。

初期ファンを納得させることができる曲だがどうしても今作では浮いてしまってる。メタルとシンフォニック合唱の融合に成功するのはレムリア以降であり、こちらは強引さが目立ってしまった印象。


歌詞

我が魂の中で己の影を追い求めながら角ある神が地獄の旅にいざなう 森という名の恐怖の迷宮では荒れ狂う狩猟が行われる 我こそが我が身を追い詰める虐待者なり


レビュー

名作レムリアに収録されているレムリアの原型とも言えるバラード。クオリティは中々で終盤は映画のエンドロールでも使えそうな解放感がある。


歌詞

神秘なる迷宮に横たわる三位一体神よ 宇宙の舞踏に酔いしれるシヴァ 神聖な瞳が凝視する


レビュー

ミドル曲でセリオンの持ち味であるミステリアスな雰囲気が散りばめられている。

この曲を受け入れることができればこの後のセリオンが出す曲も大抵受け入れることができるだろう笑


歌詞

夜の太陽が人類の上に登る 暗黒の祭礼にソラスはやってくる 暗闇の中、灯火を掲げ運命の芽生えを抑え太陽の象徴、デギアルを勧呼で迎えよ


レビュー

堂々とした王様感のある1分ほどのインスト。

箸休めにいいか。不思議さとクラシカルなギターが上手く融合している。


レビュー

9曲目から11曲目までで一つの作品となっている。これは3部作のうちの序章にあたるがゆったりしたダークソングで歌メロが美しい。


歌詞

赤い竜は無知なる地獄の底から盲目の世界へと姿を現す

明けの明星よ、光を与えたまえ 明るい日から夜へと輝きを奪った堕ちし者 未来という名の竜が過去のバベルの塔へと飛ぶ 


レビュー

前の曲とメロディは変わらないがこちらは更に進化しており、重圧度が増している名曲。

合唱パートが泣けるほどのクオリティ。セリオンにしか出せない芸術がここにある。


歌詞

堕天使が新生なる世界へと舞い降りる 燃える大地へといにしえの天使たちが予言を実現するために天国より舞い降りる


レビュー

怪しさが強いが サビでは希望溢れる曲調になる。アルバムの終わりの曲に相応しい。


歌詞

暗闇の中、記憶の雲の中へとただひとり飛んでいく 世界を、海に投げ出された天使たちを見るがために その惨めさを、消えゆく様をみるために 我を翼に乗せ漆黒の鳥が飛ぶ 記憶の洪水を越えたその地へと恍惚の中、大ガラスは飛んでいく



Crowning of Atlantis 1999

こちらミニアルバム。名曲がちらほらある。次作にねじ込んどけば良かったのにと思ってしまう。


7th Deggial 総合☆☆☆ 61点 2000

前作の延長線上だが、シンフォニック度は更に増し、メタル色は更に減退した。今作からすべてのパート本物のオーケストラが演奏するようになる。芸術性は更に増したが管弦楽が前面に出すぎているため、バンドのアルバムではなく、「サントラ」と呼ばれる有様で評判はあまり良くない。スローな曲が多いので寝てしまうこともあるが、クオリティは高いので何度も聞いてるうちにハマっていくアルバムでもある。ハードロック色が意外とある。ずば抜けた曲がないので記憶に残りにくいが浮いた曲もないため作品としては上手くまとまっているか。全体的にアトランティス文明という感じがするアルバム。


1. Seven Secrets Of The Sphinx

2. Eternal Return

3. Enter Vril-Ya

4. Ship Of Luna

5. The Invincible

6. Deggial

7. Emerald Crown

8. The Flight Of The Lord Of Flies

9. Flesh Of The Gods

10. Via Nocturna (Part 1 And 2)

11. O Fortuna



レビュー

怪しいセリオン特有のリフ、合唱、哀愁あるギターメロディなどセリオンの武器が詰まった曲。しかし全体的に地味すぎるので初心者にはとても勧められない笑


歌詞

石を生み出すということは金属を黄金に変えることなのだ 泥をダイヤモンドに変えると言われるイェジディの塔に入るがいい


レビュー

やや長めの曲でダークなストリングス&合唱とアイアンメイデン臭のするメタルパートが交互にやってくるよく練られた曲。後半に差し掛かる時の管弦楽のメロディはドラマチックで見事。そして終盤では謎の疾走をみせるという固定概念に囚われていない曲だ。


歌詞

終わりを見届ける使命を与えられた赤子のために回転を続ける運命の輪と時の車輪

今、青白く冷え沈みゆく太陽

時はやがて終焉を迎えるが起点へと戻るだろう 時の女王が再び現れ未来を導く 


レビュー

爪を引っ掻くようなセリオン特有の奇妙リフに合唱が合わさった曲。インパクトや美しさはないが古代を連想させる謎めいた世界観があり、唯一無二性を感じさせてくれる。


歌詞

下界に輝く漆黒の太陽に照らし出された世界では誰もが時空を司る鍵を持つ 我らは宇宙を抱きしめ時空を旅する


レビュー

ダークシンフォニックソング。まさに映画サントラのような静かな曲だが、かなり質はいい。アコギを効果的に使っている。芸術に関心のある人間なら聴き入ることができる良曲だろう!


歌詞

夜の静寂の中、月光に踊れ 月の女神よ、夢の世界へと舵を取れ 心の水は時空を越えて流れゆく 


レビュー

こちらも1曲目と同様セリオンの個性と魅力が詰まった曲。あちらと比べて怪しさはあまりないが全体的にドラマチックでサビからのギターメロディは心に刺さる隠れた名曲だ。



歌詞

煌々と燃え上がる北の光が神々の夜明けを写し出す 日に夜に輝く啓示を見よ 天空から注がれる視線は既に神々の夜明けを大ガラスの飛翔の中見てきた



レビュー

静かな不思議な合唱曲だが後半になるとメタル色が急に入ってきてアグレッシブになる。

セリオンの2つの顔を楽しむことができる曲だが、、返ってさらにこのアルバムの地味さを出してしまう結果に、、笑


歌詞

デジアルよ語れ、人間は獣であり、神以上の存在だという真実を 

デジアル、神をも信じぬ息子たち、聖書を否定する不信者たちよ 


レビュー

ドラマチックで劇的な合唱メタル。

単体で聴くとメロディが良く質は高いがアルバムで通して聴くと何故か忘れ去られるほど存在感が薄い。終盤の展開が熱い。


歌詞

天国を支配していたものたちが落とした王冠を人類は探し続ける

したたり落ちるエメラルドの滴 それは光明を投じる道なのか 


レビュー

やりすぎ摩訶不思議管弦楽インスト。

ドン引きするほどの神秘さだ笑


レビュー

明るいインストから始まるセリオンとは思えない王道ロック曲。

80年代のロックバンドのカバー曲かと疑うくらい世界観が違うため好きじゃない、、。


歌詞

豊饒に恵まれし漆黒の大地 それは自然が生み出す心の糧なのか

第三の目を開かせ星の輝く天空へと誘う聖体を 惑星の気孔へと降り注ぐ星くず

神の胎児がそこから萌芽してゆく


レビュー

10分近くある大曲。長いオルガンのインスト、メイデンを彷彿とさせるギターリフと壮大な雰囲気、中盤の演劇で使われそうな管弦楽パート、と聴きどころがたくさんあるが、とにかく散漫!一貫性がなくやや良いメロディをかき集めて繋げただけなのではないかと思ってしまう。しかし終盤のチェンバロ、ピアノパート辺りは芸術の極みなので好きだ。


歌詞

暗闇の森の奥深く、そこに道がある

お前の夢のシルエットが歩みを進める道の上で踊る 心が切望するものに十字路で会えるだろう 影を一瞥するがいい


月光の国で影の記憶をみせつけてくるだろう 深い深い森の中でお前は炎を見つけるだろう もう一度お前は同じ夢を見たいと信じ込む 

夜の女王が、ノクタルナがお前を待っている


8th Secret of the Runes 総合☆☆☆☆ 68点 2001

シンフォニックというより、宗教的、オペラ的になってきた作品。深いところまで行ってしまった感のある作品。お経アルバムとも呼べる儀式的なシンフォニックと合唱が目立っている異色な作品。前作よりはメタル色が戻ったものの芸術性が高くなりすぎてメタルからよりかけ離れたという難しいコメントが出てしまう笑

最も不気味で難解な作品で、全体的に似たような曲が続くが、何度か聴いてるうちに慣れる。

【コンセプトについて】

実はこの作品にはコンセプトがある。

昔々、北にはニブルヘイムという氷と霧の国があり、南にはムスペルヘイムという炎の国がありました。二つの国から流れ出る冷気と熱気がギンヌンガガップという底なしの裂け目でぶつかり雫が落ちた。その雫は巨人エルムと牝牛アウドムラという2つの生命体となる。そこからブーリという男が生まれ、さらにブーリはオーディン、ヴィリ、ヴューという3人の息子を授かる。(オーディンは北欧神話で最高神とされている)

その3兄弟は邪悪な巨人と化したエミルを倒し、巨人の死体を使って世界を創造した。エミルの肉は大地に、骨は山に、髪は草木に、血は海となった。そして3兄弟は浜辺で拾った2本の木で人間の男女を作った。

これが今作の大まかなストーリーだ。


次に北欧神話の宇宙論について説明する。

北欧人は宇宙を三重構造と考えていた。

・1番上の層の宇宙

神の世界アースガルド

豊饒神の世界ヴァナヘイム

光の妖精の国アールブヘイム

が存在する

・2番目の層の宇宙

人間が住むミッドガルド

巨人の国ヨーツンヘイム

小人の国ニタヴェリール

黒妖精の国スヴァルトアールヴヘイム

が存在する

この2番目の宇宙は広い海に囲まれており、そこにはヨルムンガンドという巨大な蛇が潜んでいた。

・3番目の層の宇宙

先述した氷の国ニブルヘイムと死者の国ヘルヘイムがある。

この3層宇宙の頂点にはエグドラシルという巨大な樹が立っており、3つの層に根を張っていた。オーディンは高い洞察力を得るために、更には北欧独特のアルファベットであり、神性が宿るとされるルーン文字を生み出すためにその樹で首を吊り、自らを痛めつけた。

1曲目はギンヌンガガップから始まる。

2曲目から9曲目は先ほど紹介した9つの世界のことを歌っている。

最後の曲はルーン文字について歌っている。

結局炎の国ムスペルヘイムが宇宙のどこに結局あったのかは今作では曖昧なのが残念。北欧神話を読んでみればその答えがわかるかもしれない。挫折すると思うがいつか自分の世界を広げるために開拓したい笑


大まかには3つの宇宙と北欧神話が絡み合うお話で、まだまだ細かいストーリー解説ができるが読むだけで精一杯、、紹介する気力がないのでこの辺でやめます...笑


おすすめは1、2、3、6、8、9、10

1. Ginnungagap A

2. Midgard A

3. Asgard A

4. Jotunheim B

5. Schwarzalbenheim B

6. Ljusalfheim A

7. Muspelheim C

8. Nifelheim A

9. Vanaheim A

10. Helheim 特A

11. Secret Of The Runes


解説

ギンヌンガガップ。それは虚空のブラックホールのようなもの。生命の祖である巨人エミルはそこから誕生する。そして彼の死体から世界は形成される。ここは全てが誕生したブラックホールであり命終わる時、戻っていく場所でもある。生と死の両方を超越した場所である。


レビュー

プログレッシヴでヘヴィでスローに展開していく曲。クラリネットと合唱がキーポイントになっていて怪しさとシンフォニック度がうまく融合しセリオン独特の世界を作り出せている。初心者にはとてもおすすめできない笑 



歌詞

虚空深く落ちていく 無の世界に閃光が走る 極右の中生命が目覚めていく。


解説

宇宙の中央に存在する人類の都、ミッドガルドは陰陽性のバランスが崩れ脅威にさらされる。人類の終焉は近い。


レビュー

合唱と女性コーラスがメインのバラード曲?

とにかく神秘オブ神秘オブ神秘で美しいがメタル色は皆無。古代の祝議にむりやり参加参加させられている気分になる。



歌詞

中央に存在する熱と氷の人類世界 エミルが建立した世界が今吹き飛ばされる 

奇跡の果実で生きる男女もじきに果てるだろう


解説

空高くには神々の家が存在する。勇敢で清浄な人間のみが空中に招かれアースガルドの宮殿に入れる。彼らは終焉の日には神々を守り共に戦うことになる。


レビュー

淡々と突き進んでいくような合唱がかっこいい遅めの曲。国家にしてもいいんじゃないかというレベルに壮大な歌メロだ。



歌詞

星々の中、神々は黄道十二宮として生きる

全ての北の神々のために橋が架けられた時

悠久の過去からの伝説は空に綴られた 



解説

巨人たちは神々が存在しない時代から登場していた。力の彼らを凌げるものは知恵だけだった。


レビュー

怪しさ満点スロー儀式ソング。

芸術パートなど所々美しく憎めない曲だ。


歌詞

ウトガルドに住む先祖たち 古き思い出を語り継ぎエリの波を越えて彼らの泣き声が聞こえてくるだろう 


解説

地下には小人や妖精が住む。最初の鍛冶屋であり、神々の宝を作り出す存在でもある。

大地から黄金を作り出す知識も持つという。


レビュー

かなりあちらの世界に行ってしまってる儀式色が強い曲。個性が強くて良いが具合が悪くなる曲だ笑 


解説

妖精は輝く魅力的な生き物。彼らに魅惑されると道に迷い、翼に乗ると振り落とされるので気をつけた方がいい。


レビュー

アコギから始まるドラマチックな合唱曲。

間奏部分は口では表せられない良さがある。

しかしこのアルバムの曲のレビューは難しい笑 どれも似たような曲調の割にそれぞれ奥が深いので文章にして表すのが大変なのだ。どの曲もとりあえず聴け!と言いたいところだ。


歌詞

虹の遥か上、妖精たちは森の木々の奥深くにいる 青ざめた蜃気楼 美はお前の目を眩ませる


解説

ムスペルからの熱気は世界を焼き尽くす。

炎の巨人サルトがラグナロックの戦いで神々に謁見するために旅をする。灰の中から新たな世界が誕生する。


レビュー

儀式のような唸りから始まる謎曲。

途中で急にアグレッシヴになりセリオン特有のキモいリフが炸裂する。メタル色が非常に薄い今作では貴重な存在か。


解説

氷の世界では生命の種が埋められている。

ムスペルの熱が氷を溶かし新たな生物は誕生する。世界は、ここで誕生した氷の巨人の存在に恐れる。


レビュー

神秘的な合唱パートとヘヴィなスローパートの2つの顔を持つ曲。スローパートのところで不自然に入るクラリネットが不気味な雰囲気を倍増させている。この儀式的な曲、個性という面ではナイスだが、謎すぎて一般リスナーからの敬遠は不可避だ笑


解説

神には2つの種族がいる。ヴァナヘイムのヴァニール神は古い体質の神々だった。

彼らは人生や幸福に力を及ぼすことで知られ種のシンボルであり、生命をもたらす存在であった。

ヴァニール神は選ばれし者たちに魔法を教えていた。


レビュー

今作の中ではキャッチーなフレーズがある曲で救いの希望の光という感じもしてしまう笑

終盤突然疾走し暴れるギターソロを見せてくれてマンネリ打破をしてくれるのは結構だがここまでの世界観をぶち壊してくるので納得いかない笑


歌詞

ヴァナヘイムに入るがいい 美しい平原に飛んでいくがいい 神々と共に永遠に


解説

死の女神ヘルは成就の神でもある。

ヘルという名には穴と全てという意味が込められていて誕生や蘇生の過程も司っている。彼女は氷の世界に放り出され、そこに9つの暗黒世界を作り出してしまう。


レビュー

おそらく今作の中では最高の出来のオペラメタル。歌メロがプッチーニの曲かと思わせるほどのクオリティでオペラ劇場で生で聴いてみたいくらいだ。中盤のギターメロディはクリストフェルジョンソンならではと言える哀愁溢れる旋律が聴けてバンドとしての個性も維持してる。セリオンの理想形はここにありだ。


解説

ルーン文字は宇宙の神秘。内在する意味は隠され封印されてしまった。この文字を解明できれば目は開かれ神になることができる。オーディンは読解するために暗黒世界に入る。知識を得るため彼はその身を捧げた。


レビュー

このアルバムでは珍しくギターが主役なヘヴィな内容。突き進んでいくリフにのせてセリオン平常運転ミドル曲。ひっかくようなリフとエジプト的な音階はセリオンセリオンしててかえって安心する。ただここまでの壮大の世界観に圧倒された中最後にこの曲がこられても困る...記憶に残らない



歌詞

文字の秘密を語るお前の囁き イルミンの古代文字を刻む 


9th Lemuria 総合☆☆☆☆☆ 83点 2004

セリオンの最高傑作。ジャケットからわかるようにマンネリ化してきた前作や全前作とは雰囲気が大きく変わり、5thのようなダークでかっこいいシンフォニックメタルが戻ってきた。ここ数作では合唱によって存在しなかったヴォーカルパートが戻ってきて、(デスヴォイスも一部で使われる)勢いのあるメリハリのついた曲が並び、どの曲も今までセリオンが培ってきた哀愁が爆発している。全てのメロディが海の底から聞こえてくるような哀歌、叫びのように聞こえる。前作までのセリオンは怪しさが先行してたがこのアルバムは芸術そのものとも言える美しい作品である。ちなみに今作ではチェコのプラハフィルハーモニクスを総動員させており172人ものミュージシャンが参加している。今回は2枚組であり双子作にあたる2枚目シリウスBについてはこの後触れるが、当初の予定ではなんと3枚組になる予定だったそうだ。

クリストフェルはシリウスBをAlbum-X、レムリアをAlbum-Yと名付けていた。

Album-Zと名付けた3枚目は結局寝かせることになり、2枚組として今作レムリア&シリウスBが誕生した。



おすすめは2、3、5、6、7、8、9、10

1. Typhon B

2. Uthark Runa A

3. Three Ships Of Berik, Pt. 1: Calling To Arms And Fighting The Battle S

4. Three Ships of Berik, Pt. 2: Victory! B

5. Lemuria S

6. Quetzalcoatl 特A

7. The Dreams Of Swedenborg S

8. An Arrow From The Sun 特A

9. Abraxas A

10. Feuer Overtüre/Prometheus Entfesselt B


各曲レビュー


歌詞&解説

解説

タイトルのタイフーンはギリシャ神話に出てくる邪悪なドラゴンである


レビュー

メタル色が強いミドル曲。AメロBメロでは安定のオペラや合唱をみせるがサビでは超久々のデスボイスを聴かせてくれる。ギターもリフが重くソロもあり過去のファンやメタラーは歓喜だが芸術性やメロディが弱いのが難点。


歌詞

タイフーンは神の創造物である人間の秩序を打ち崩す ドラゴンが寺院を破壊し我らは神々の洪水に飲み込まれる



解説

スウェーデン語のタイトル ルーン文字に関する曲で前作に繋がりがある


レビュー

怪しさ溢れる中東風メロディとヘヴィなギターが上手くマッチしている曲。全体的に不気味さが強いがラストの疾走は気持ちがいい。

この狙っていない姿勢が好きだ笑


歌詞

イドゥナの果実を味わい讃えよ、汝の繁栄を

命とはお前にとって不朽のもの


#3&4

解説

AD498年にゴート人の王、テオドリックがイタリアに侵攻し勝利し、東ゴート王国を創り上げた歴史伝承曲。その際に3隻の船が「キリスト教の支配を侵略すべき3隻の船」と名乗り北方から出航したとされる。異教徒がキリスト教の軍隊を打ち破ったのはこの時限りである。欧州人なのに反キリスト教徒のクリストフェルにとってこの戦いは特別なものらしい。


レビュー

どのパートも癖になるアップテンポ曲。イントロのメロディから引き込まれAメロではデスヴォイスを炸裂してくれる。単純な構成でありながら全体的に隙がない曲でお気に入りだ。

パート2はファンファーレ調の短いインスト的曲になっている。



歌詞

北極の嵐の如く波に乗れ 異教徒の十字軍目がけで進め 崇高なまでに輝きを放つ槍が宙を飛ぶ 聖なるものの恐れのように至るところに存在するはゴート人なり


解説

ムー大陸(レムリア)についての歌。

太鼓の時代に、アトランティスやムーを探しに海に出た者たちの冒険心がテーマになっている。


レビュー

かつての大物プログレバンドの名曲に匹敵するクラスの神曲バラード。超越した歌メロ、歌詞に加え海の静けさと恐怖、悲しさが練り込まれている。終盤の合唱からのフルートは鳥肌ものだ。


歌詞

大海原に抱かれ催眠にかかったかのようにお前は生きる 船出の時、レムリアの夢は現実だったことを知る 海底に広がる世界から響く歌は聞こえるか 星々にまで届くムー大陸の歌は聞こえるか


解説

メキシコ語のタイトル。コルテス文明が信奉していた羽のある蛇のことらしい。


レビュー

キャッチーなイントロから始まるがすぐにピアノパート〜合唱になりセリオンワールドに引き込まれるミドル曲。サビでの歌メロ、そしてその後のギターメロディはセリオンならではの心に突き刺さるものがある。


歌詞

マヤ暦のある日に冬至は始まる ヤギ座が世界を変える時2012へと突入する 古代マヤ時代の予言が真実となる


解説

スウェーデン人神秘論者/預言者のことを歌った曲。クリストフェル曰く、「イングランドは誇り高くて海外の影響を取り入れない傾向にあるがスウェーデンボルグ(スウェーデン人神秘論者)の協会があることはなにかを物語っている」とのこと。


レビュー

こちらも神曲。プログレ色が強く、序盤はスローだが、段々とリズミカルになっていきサビに当たる部分では最高の哀愁の嵐が吹き荒れるメロディを決めてくれる。静かなる感情の爆発をうまく表現できている大変クオリティが高い曲だ。


歌詞

漆黒の夜に目覚めよ 天国のはずれの境界地で今夜明晰夢を見るだろう 時の境界線を越える時にみる明晰夢では宇宙の全てが符合する 


解説

ギリシャ神話に登場するアバリスという、ゼウスからの太陽光線を盗み弓矢として使った賢人の曲。


レビュー

スローで静かだが神秘的な雰囲気にうっとりしてしまうイントロが魅力。オペラチックな歌メロも美しい。途中で重いリフになるがサビでは再び哀愁をみせてくれる名曲だ。不可思議な世界に点在する美というこの独特の世界観はセリオン以外のバンドには出せないだろう。


歌詞

太陽はオリンピアで生まれ、アポロ神より発せられしもの 遥か彼方の北欧より一人の男が来る そして火花を、一条の光を得た 太陽の矢が人間の心を貫いた時、ソフィアは輝く


解説

魔術や悪魔信仰についての歌。ドイツ人作家、ヘルマンヘッセもアブラクサスについて触れており、彼はアブラクサスという名の神の下に新しい宗教とでも言うべきものを築きあげようとしていたと言われる。


レビュー

古代エジプトを連想させるセリオン感MAXののメタルリフから始まるミドル曲。

ここでいかつい曲が来たかと思いきや女性オペラ歌メロがこれまた美しい。どのパートも歌メロが綺麗だがバックで聴こえるリフは怪しさ満点の平常運転セリオンなのが驚き。

美と怪が融合している珍しい曲だ。



歌詞

影と光でできた土に根を張り漆黒の双生児から神が切り離されたのなら、それが悪魔か

アルファとオメガこそアブラクサスという形にまとめられた始まりであり終焉である。

冬のただ中に誕生する太陽をお前はみるだろう 


解説

ギリシャ神話に登場する神々から火を盗み人間に提供した巨人プロメテウスについての歌


レビュー

いかついアグレッシヴなリフが主体のミドル曲。サビ的なところではメロディアスになるも全体的にメタル色が強い。Aメロのエジプトちっくなシンセが頭から離れない笑


9th Sirius B 総合☆☆☆☆ 63点 2004

レムリアの双子作品。レムリアよりもヘヴィメタル要素が強く、芸術よりもかっこよさを求める人には向いてる作品。レムリアよりもメリハリがあり、うまい構成になっているが、マジックがそこまでかかってなく、セリオンらしさはあまりないかもしれない。2つ一気に聴くと良い。

おすすめは2、3、4、6、7、8

1. The Blood Of Kingu

2. Son Of The Sun

3. The Khlysti Evangelist

4. Dark Venus Persephone

5. Kali Yuga, Pt. 1

6. Kali Yuga, Pt. 2

7. The Wondrous World Of Punt

8. Melek Taus

9. Call Of Dagon

10. Sirius B

11. Voyage of Gurdjieff (The Fourth Way)


各曲歌詞&解説&レビュー

解説

バビロニアの神話を基にした曲。タイトルのキングゥとはバビロニアの海竜ティアマットの息子のこと。神々による戦争時にキングゥは主神マルドゥクに殺され、その血から人類は誕生したと言われる。


レビュー

疾走よりのアップテンポメタル曲。

セリオンの合唱や癖のあるリフがありながらも全メタラーが納得できる勢いのある曲だ。ただ勢いがありすぎるためかメロディが弱かったりと中途半端な印象がありセリオンの良さが出ていない気がする。


歌詞

黎明期の戦いから流れた血こそ人類を生み出したキングゥの血 混沌とした海が地球上至るところを覆っていた 古代の神々は貝のようにそれを引き裂いてしまった 


解説

それまでいくつもの神を崇めていたエジプトで、太陽神を唯一の神とすることを定め、自らがその息子であることを宣言したファラオについての曲。


レビュー

この曲はまさにシンフォニックパワーメタル曲と言える。キャッチーなメロディに単純な構成で多くのファンに受け入れられる曲に仕上がっている。ライヴでも盛り上がる曲でセリオン初心者には打って付けソングかもしれない。しかし裏を返せば他のバンドでも出来てしまうことをやっているので唯一無二性が感じられないところが残念だ。



歌詞

神々はファラオの混血児を罰するだろう 彼は自分自身を偽りの太陽の光で包んだ 彼こそ唯一の神の創始者であったが、憤怒の引き金を引いてしまったのだ


解説

ロシアの怪僧ラスプーチンについての曲。


レビュー

蓄音機から流れるオペラから始まるミドル曲。オペラの後、ダークでヘヴィでかっこいい緊迫感のあるメタルになる。

マイケルロメオを彷彿とさせる難易度がやたらと高いギターソロも存在する。

全体的に実験的でもありファンの的を射ているよく出来た曲だ。


歌詞

ロシアグノーシス主義言語に隠された叡智 恍惚とした瞳に神秘を讃え、月のように罪深い歌を聞くがいい 


解説

タイトルのパルセフォーネは冥界の王、ハーデスの妻であり夏が来る度に復活する影のヴィーナスのこと。


レビュー

これぞセリオンと言ったサビでのメロディが心に染みるミドル曲。

淡々とリフを刻んでいくセリオンスタイル全開のギターリフとオペラ、シンフォニック要素もあるため代表曲と呼んでも良い出来だ。


歌詞  

冥界の林檎をお前が食べてしまったその日から運命は動きだした

冥界の中、氷と冬の雪に閉ざされ海の中お前の飾り帯が漂う


#5&6

解説

タイトルのカリとはインドの女王を意味する。邦題はカリの時代。

インドでは今現在カリの時代とされており、ゆえに世界は破壊的で不調和で1つになれない。カリが車輪を回転させない限り、良い時代は来ない、従ってカリを崇拝せねばならないとのことである。


レビュー

#5は儀式のように不気味でゆったりしたヘヴィな曲調。#6は#5の兄弟作で同じメインメロディを使っている。アグレッシヴな疾走を見せながらも合唱などセリオンらしさも発揮してくれる。サビでの歌メロとバックで流れるキーボードが意外と癖になる。


歌詞

神々と人類全てが鎖で結ばれていた頃、この無窮の時代を終わらせるために唯一の神が黄金時代という名の鎖を断ち切った

再び車輪を回す全能の女神を讃えよ 

時代の最後を示す兆しが見えるか


解説

タイトルのプントは砂漠版アトランティスのようなもの。商隊がプントという国を訪れたことがエジプトのパピルスに記録されているが、考古学上では存在を証明されていない。


レビュー

7分以上あり大曲と言える構成。パイプオルガンと合唱が合わさった神秘的なイントロから始まり、アコギ、ピアノパートへと展開していく前半は鳥肌ものだ。後半になるとエレキパートになるものの、激しくならず哀愁のメロディを奏でていて終始美しさが際立った曲た。


歌詞

熱く燃える太陽が渇望する プントはまだみぬ祝福の国 失われし国はハープを奏でる

不思議な世界を見ただろう しかし朝になればそれは夜の中へと消えてゆく

解決

アラブ界で迫害されているクルド人。そんなクルド人からも迫害されているイェジド族。

彼らにとってアッラーは遠い存在であり祈りが届かないと考え近い存在であるサタンを崇拝するに至った。しかし表向きは悪魔崇拝を禁じその対象を別のものにしている。それがメレクタレスという孔雀の神だ。つまりこれはイェジド族に捧げた曲になる。


レビュー

明るめのミドル曲。イントロのノリやすいリフやサビ後のキャッチーなメロディなど全体的に多くのリスナーにとって親しみやすい内容だ。PVとかにも出来そうな曲だが、セリオンのこの手の受け入れやすい系の曲はどうも受け入れられない、、


歌詞

孔雀王の宣言を聞け!

秘められた我が名を口にするな かつてもこれからも我に終焉なし 我こそメレクタウスなり


解説

バビロニアの魚の神ダゴンに捧げた曲であると同時に太古からシリウスBの知識を持っていたと言われるマリ共和国の奥地に住むドゴン族にも繋がる。(シリウスBが望遠鏡で発見されるのは19世紀になってから)


レビュー

壮大な遅めの曲。印象的な歌メロと間奏が交互にやってくる構成。中盤とクラリネットパートや終盤のリフが展開していくところなど地味に良いところが点在している。


歌詞

孤独な星から宇宙の境界を越えひとつの音がこだまする シリウスが放つ光がお前を忘却の彼方より運ぶだろう 


解説

この曲についてクリストフェルは「ポ・トロ」と語った。宇宙一小さい星のことだ。

今作ではシリウスBのことを差している。

空の彼方にある非常に小さなものという意味が込められている。


レビュー

ダークなストリングスとお経のような声が響くインスト。サントラのような内容でメロディ的なものはないが神秘的な世界観を堪能できる。オゴー、オゴーとだけ言っている歌声が妙に頭に残る。


解説

タイトルのグルジェフはロシアの神秘論者のことで第四の道という概念を生み出した人物。クリストフェルは「これはとても複雑な話でロシアの哲学者ウスペンスキーがグルジェフについて書いた「Forth Way」という本があるから読んでみるといい」と語るが、その本を読もうとして途中で挫折した人が星の数ほどいるらしい笑 クリストフェルも挫折したらしい笑


レビュー

オペラみたいなのから始まり、いつものセリオンが来るかと思いきや突然元気いっぱいの爆走メロスピをみせつけられる。明るさと言いスピードと言いメタルファンは歓喜だが、俺的には、、こんなのセリオンじゃねぇ!!

ただあらゆる音楽性を追求する彼らの懐の広さには相変わらず驚かされる。


歌詞

旅が始まればお前は眠りの世界に出会うだろう 光の伝達者のようにお前は行くべき道を見つけるだろう 第四の道を歩む時のみ、私は私になれるのだ




10th Gothic Kabbalah 総合☆☆☆☆ 67点 2007

意外とこちらも傑作。2枚組アルバムで、更にヘヴィメタル要素が強くなった作品。セリオンの作品の中でシンフォニック色が一番薄い作品で、琴などあまり、今まで使わなかった楽器を使用している異色作。セリオンらしさはないように思えるが聴いてるうちにセリオンにしか出せない音だと気付く、不思議な魅力が詰まった作品。即効性は全くないが聴けば聴くほどハマっていくスルメ盤。ちなみに最初と最後の曲は前作レムリア&シリウスBリリース時に発表できなかった幻の3枚目から引っ張ってきた曲だとのこと。

おすすめは1、2、3、4、5 、9、10、11、12、

1. Der Mitternachtslowe

2. Gothic Kabbalah

3. The Perennial Sophia

4. Wisdom and the Cage

5. Son of the Staves of Time

6. Tuna 1613

7. Trul

8. Close Up the Streams

9. The Wand of Abaris

10. Three Treasures

11. Path to Arcady

12. Tof - the Trinity

13. Chain of Minerva

14. The Falling Stone

15. Adulruna Rediviva


歌詞(ポンコツ翻訳家国田ジンジャーの訳のため酷いです)


レビュー

テンポチェンジが多いプログレッシヴな展開をみせる名ミドル曲。ヘヴィなイントロから始まるが歌が入った瞬間、卓越した世界観を見せつけられる。合唱やオーケストラは登場せずセリオンらしさは皆無のように見えるが歌メロとバックのシンセが神がかっていてリスナーを沼にハマていくスタイルはやはりセリオンなのか。。

琴を使用している珍しい曲で古代中国の怪しい城を連想させる異色感も唯一無二で良し。


歌詞

黙示録の時代、時の終わり 北のライオンが真夜中の国に姿を現す 脅威を目にし預言書を読め 


レビュー

70年代ハードロックを彷彿とさせるヘヴィなミドル曲。所々にフルートパートが導入されているため民謡色も強い。セリオンにしては正統派に分類される楽曲なのにめちゃくちゃ異色という不思議なトラックだ。彼らの実験していくこの姿勢は、やはり好きだ。


歌詞

神子が予言や空の暗号について語る時 北風を通して古代から神子は俺に話してくれた 魂が舞い、15つのルーン文字は天空への公堂へ上がっていく


レビュー

物静かなイントロから徐々にゆったりと盛り上がっていくタイプの曲。どこか懐かしさを感じさせる後半のキーボードとギターのソロは神。


歌詞

彼女は盲人のための舵であり、知性であり、真実であり、永遠の時を越えれる唯一の人物

お前は川でありただの母体に過ぎない



レビュー

どろどろダークなメタル曲かと思いきやサビでは女性ヴォーカルが入りゴシック色が強くなる変わった曲。「怪奇」という言葉がお似合いだろう。


歌詞

反射する影の中の闇から俺を救ってくれ 俺の魂の中で輝いてくれ



レビュー

イントロやサビではオペラちっくになるものの正統派ヘヴィメタルソング。シンフォニックや合唱に抵抗があるメタラーにもおすすめできる初心者向けの曲だ。歌メロがパワーがあってかっこいい。


歌詞

ティデソン、、時の欠片の息子よ 秘密の詩を語ってくれ 天国の門まで


レビュー

アグレッシヴなギターが目立つメタル色がかなり強いアップテンポ曲。所々アイアンメイデンを彷彿とさせる箇所がある。サビでは少しメロディックな歌が聴けるも全体的にヤケクソという感じがしてしまう、、。


歌詞

空と稲光が降り落ちてくる 1613、それは預言書に記されていた凶運の年だ


レビュー

ゆったりしたミドル曲。歌メロなどがキャッチーで親しみやすさはある。民謡色が随所に散りばめられているため、このアルバムが放つ独特な世界観を崩していないところが良い。


歌詞

真夜中に狼の群れと共に入る牛飼いと林の国


レビュー

ダークネスでヘヴィネスな曲だ。ホラー要素や緊迫感が強いのは結構だが捨て曲。

質の悪い古代をテーマにしたお化け屋敷のテーマソングみたい。



歌詞

啓示がやってくる時、小川を封じ込めるのだ こうした言葉には兆候が見える 天使は剣を研ぎ、ミューズは歌を歌う


レビュー

セリオン特有の古代エジプト的怪しいスローな曲。。かと思いきやサビで美しい歌メロを聴かせてくれる。メロデスではないのに醜と美を体感できる不思議な曲だ。


歌詞

エジプトの高僧は雪国へと向かう 太陽の火花と矢が人間の心を貫通させる 迷路の中でルーンにより生み出された弓は俺に狙いを定めている


レビュー

こちらもスローテンポで怪しさ満点の雰囲気を出しているがサビでは哀愁の極みとも言えるメロディを炸裂させてくれる名曲。これぞ唯一無二の芸術だ。


歌詞

ある日、スペインとフランスの境にて

塩と硫黄と水銀で作られた特効薬を発見する


レビュー

ドラマチックなイントロが印象的なパワー溢れる曲だ。シンプルな構成なのは良いが、もう少しひねりが欲しいところか。


歌詞

お前の名を思い出す時 哲学者が崇高なるものを目指していた時も思い出してしまう

永遠の光姿も思い出すはずだ


レビュー

ここでアグレッシブソング。イントロやAメロではメタルの激しさ、サビではメタルのかっこよさを見せてくれるメタルというジャンルの魅力を詰めてくれた曲だ。後半の疾走ギターソロパートが凄まじい。


歌詞

神々と共にある無事こそ俺の願いだ

稲妻の迷宮にも神が生む炎にも神秘を感じる

鏡面は俺の血管を流れる神を表す


レビュー

今作では一番印象に残らなかったぐだぐだした捨て曲。雰囲気は良いがもう少しバシッとしたメロディや歌メロが欲しかった。


歌詞

空の動きは一年を予知する 

鏡に映し出される絵と星の鈴の音 山頂にてルーン文字を解読せよ 



レビュー

女性ヴォーカルによる疾走曲。歌メロが印象的でメリハリがありながらも不思議な今作の世界観にも合っている。


歌詞

天国の一片けが地上に落ちる 

知識の果実は太陽への道を記してくれる



レビュー

最後にふさわしい大曲。セリオンの芸術性や哀愁ある歌メロがみっちり詰まっている。

中盤で静かになったり後半アップテンポになったりと劇的な展開も魅力だが感動は薄かった。セリオンだから作れる優秀な曲といった感じでマンネリも感じてしまう。


歌詞

神子が歌を歌っていた古代の世界の古き日々

いつしか歌は消え、神子が神の話すも誰も聞こえない世界と化してしまった

バラから聖なる蜜を飲め


11th Sitra Ahra 総合☆☆☆ 64点 2010

この時期になってようやくメンバーが固定される。インチキなポリスみたいな見た目をしているオペラ歌手の一面も持つトーマスの加入が新たな風を吹き荒らす。

なんと今作はレムリア&シリウスB時代(2004)に作ったものの発表することができなかった幻の3枚目Album-Zにあたるものである。

寝かせていた3枚目の封印をここで解いたか!

6年の時を経て日の目を浴びることができた今作はやはり前作とは違いレムリア時代を思い出すシンフォニック色が戻ってきている。

ミドルテンポの曲が中心になっていて、中期の頃の合唱中心だったセリオンとレムリアらへんの時期のセリオンがうまく融合された感じの作品。ヘヴィオペラメタルと呼べるような今作で、音楽史に新たな1ページを作れそうな方向性に向かっている。しかし、前半は良いのだが、後半が少々手抜きのように感じてしまうのが残念。個人の感想としては良い作品ではあるがレムリア時代のアウトテイク集感がする曲もあり、傑作とは呼び難い。全体的に博物館感がする。

おすすめは1、2、4、5、11

1. Sitra Ahra

2. Kings Of Edom

3. Unguentum Sabbati

4. Land Of Canaan

5. Hellequin

6. 2012

7. Cu Chulain B

8. Kali Yoga III

9. The Shells Are Open

10. Din

11. After The Inquisition: Children Of The Stone


ミニ解説

Kings of Edomは旧約聖書の創世記第36章31節に出てくるエドムの王達を意味する。

Unguentum Sabbatiは魔女が空を飛ぶ際に用いる飛び軟膏を意味する。

Cu Chulainnはケルト神話に出てくる光の神ルーとコンボヴォル王の妹デヒテラの息子、クー・フーリンのこと。



レビュー

ゆったりしたミドル曲。構成も歌メロもわかりやすく尖りがあまりないのでセリオン初心者におすすめできる。メロディなど良いところをついてくるが少し無難という感じもする。


歌詞

不信感の樹の樹脂の中で調和が途切れ、誘惑の果実の味を知る。そして楽園から私は追放される。楽園の夜、失いかけているエデンをお前は再び手に入れる。


レビュー

9分ある大曲だが隙がない名曲。

芸術性、メタルとしてのかっこよさ、セリオンの個性、そして展開が読めない驚きの構成力、聴きどころが大量にある。普通この長さの曲はどこかでダレるところが来るのだがそれがこの曲にはないのが凄いところ。

良いところだらけなので細かいレビューが出来ない。。とにかく聴け!としか言えない。



歌詞

船が沈む時、お前は死海の南に位置するカムテルの空虚に行く 砂丘の蜃気楼に向かい梟を放つ 


レビュー

ここで怪しさ溢れるアグレッシブソングが来る。悪くはないが後半オペラ座の怪人みたいになるのはなんだかな...と言った感じ笑


歌詞

幻想の山、松明を頼りにブラクラへ向かう 夢見るカルトの恍惚の中、私はブラクラにて神々と踊る


レビュー

10分を超える大曲だがこちらも素晴らしい出来のミドル曲。おそらく展開の多さは過去1であり、ドラマチックパートの嵐が待ち構えている。特に中盤のワルツパートから先が圧巻。神秘的な迷宮を光に抜け光に向かっていく感じの構成がたまらない。


歌詞

紫の夜明けと豊穣 カナン人のために葡萄を育て、7つの海を渡る 聖なる処女シャリムは平和をもたらすもの 杉の下の神たちを褒め称えよ 彼らは海の道を行く 歴史誕生の前に認知した北極星のフェニキア星雲へと導かれた


レビュー

管楽器から始まりクラシック要素が強い曲かと思いきやすぐさまキャッチーなアップテンポパートになる。オペラと70年代ハードロックを掛け合わせたような曲で面白いが哀愁とロック要素のどちらも中途半端に感じ、何か特化したものが欲しかったところ。


歌詞

俺は真冬の夢の道化師 夜の宴にて仮面を外しお前と迷路の中一晩中踊り狂う 


レビュー

ハードロック色の強い曲調に怪しさ炸裂セリオン節がかかった不思議な曲。変なバイオリンがやけに耳につく...ギターソロはかっこよかった。


歌詞

最後の日々、時の推移は運命の歯車 明星は世界の救世主 夜の神と昼の鳥、冬の太陽と夜の星 2012を迎えた今日、彼は亡命先から帰還する


レビュー

アグレッシブな曲調から始まるがサビでは大円団を迎えそうなポジティブメロディになる。キャッチーでなかなか良いが少し気が抜けてしまう。。


歌詞

杯に口を運び思い出を拭う 夜明けまで走るのだ 今でも鳥が羽ばたく地に混乱の後光を持って生まれたお前は運命の槍の如く飛ぶ


レビュー

儀式のようなオペラパートとメタルパートの2つの武器に展開していくスローテンポの曲。それほど好きな曲ではないがセリオン独自の世界観を体感できる良い曲だ。


歌詞

カリマ それは我らの母であり永劫の女王 

永劫の秋に火葬のベッドの上で眠り時を螺旋させながら下りる


レビュー

半分インスト的な曲で神秘的な曲で癖になるリズムやメロディが散りばめられている。怪しさと芸術性が混在していて淡々と進む感じがいかにもセリオンだ。


歌詞

夜の女王は影を縫う お前はパズズの翼を持つ梟 森から追い出されたが神として帰還する 


レビュー

まさかの疾走デスメタル曲。最初期のセリオンがここで復活する。ブラストも入る超アグレッシヴデスで新鮮味がありマンネリ打破という意味ではレア感あって良いがとにかく浮いてる。

そしてこのアルバムの世界観を崩している存在なので困った曲でもある。



歌詞

血を流す月 ゲブラの剣とアスモデゥスの鎌で船を沈めシトラアフラを創造する


レビュー

最後にふさわしい大曲バラード。

アコギやヴォーカルパートなど美しさが際立っているがどこか弱い。聴くたび良いな、と思える出来だが不思議と数時間後にはどんなメロディだったか忘れてしまう空気曲だ。


歌詞

天国の兆しはこの日を予言した 意思と夢のエメラルドを飲み星の彼方へとついてくるんだ 



バンドレビューで容量オーバーになるのは初めてだ。。次回へ続く

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