バンドレビュー No.1 ANGRA 南米が生んだ奇跡のメロスピバンド
- 奥田ゾンダーランド
- 2020年7月14日
- 読了時間: 44分
更新日:2020年12月21日
アングラ Angra
国 ブラジル サンパウロ州 🇧🇷
活動年:1991-
ジャンル:メロディックスピードメタル シンフォニックプログレッシブラテンメタル
アルバム数9
コンセプト:南米 大航海時代
私が作ったベストメロディ集だ。アングラの全貌をつかむことができるのでこちらをまず聴いてほしい。
ブラジルが生んだメロスピバンド。ただのありきたりなバンドではなくブラジル民謡からクラシック、ラテン音楽、プログレなど多くの要素を取り入れている唯一無二のグループである。一枚一枚のアルバムでもコンセプトが明確なのも好感が持てる。またメンバー全員が超絶的な演奏スキルを持っているため聴きごたえも十分。ただ、メンバーチェンジが多く初期ファンからすると、今のメンバーをみて、いやお前らどこの誰だよ!となってしまう。
ジャケット☆☆☆☆☆
技術☆☆☆☆☆
哀愁☆☆☆☆
安定感☆☆☆
ネームバリュー☆☆☆
個性☆☆☆☆
【ジャケットの特徴】
神や天使を象徴する像や壁画などの神秘的なジャケットが多い。どれも絵画にして家に飾りたいクオリティ。
【このバンドの良いところ】
・ジャケットがかっこいい
・聴きやすいバンドのわりに品がある
・ブラジル文化を随所に取り入れている
・唯一無二の存在
・奥の深いコンセプトアルバムが多い
・演奏スキルが高すぎる
【このバンドの悪いところ】
・アルバムを出すペースが遅い
・ヴォーカルが交代しがち
・主要メンバーが抜けていき未来が暗い
【現メンバー】
ファビオ リオーネ V 8th〜
マルセロ バーボサ G 9th〜
ブルーノ ヴァルヴェルデ Dr 8th〜
フェリペ アンドレオーリ B 4th〜
ラファエル ビッテンコート G ☆
【元メンバー】
アンドレ マトス Vo 1st〜3rd
エドゥ ファラスキ Vo 4th〜7th
キコ ルーレイロ G 1st〜8th
リカルド コンフェッソーリ Dr 1st〜3rd 7th
アキレス プリースター Dr 4th〜6th
ルイス マリウッティ B 1St〜3rd
【主要メンバー紹介】
キコ・ルーレイロ

出典:https://images.app.goo.gl/KzppB1fnF4jy7wfz6
世界的に有名なギタリスト。めちゃくちゃギターが上手く作曲センス、カリスマ性も凄まじい。
彼が脱退してからアングラの魅力が半減したように感じる。それほどの存在感だった。
ラファエル・ビッテンコート

出典:https://images.app.goo.gl/z9YPHtA7gH1CF2f37
もうひとりのギター。リーダー的存在で彼が抜けたらアングラは崩壊するといっても過言ではない。作曲能力もあり、さらに彼は小説も書いているため、奥深いコンセプトアルバムを作ることができる。勿論ギターも上手い。
アンドレ・マトス

出典:https://images.app.goo.gl/FxwaM8QGScKLzrnq9
初代ヴォーカリスト。高音ボイスが武器で、力強くも猫なで声で歌える彼の歌唱力は魅力に溢れている。作曲もでき、優れたミュージシャンだったが2019年に47という若さで急逝した。急逝心筋梗塞だったらしい。
エドゥ・ファラスキ

出典:https://images.app.goo.gl/FxwaM8QGScKLzrnq9
作曲もでき歌も上手い2代目イケメンヴォーカリスト。アングラって感じがして好きなメンバーだったが、脱退しやがった、、。
第1期
1st エンジェルス クライ ☆☆☆
2nd ホーリーランド ☆☆☆
3rd ファイアーワークス ☆☆☆☆☆
ヴォーカルがアンドレマトスだった時代。中盤でダレたりするアルバムも多いが、初期の彼らにしか出せない落ち着いた雰囲気は心にくるものがある。
第2期
4th リヴァース ☆☆☆☆☆
5th テンプル オブ シャドウ ☆☆☆☆☆
6th オーロラ コンサルジェンス ☆☆☆☆
7th アクア ☆☆☆☆
黄金期。ヴォーカルがエドゥに代わり、大規模なメンバーチェンジを経て生まれ変わったアングラ。自分たちのやれること、やりたいことを最大限に出し尽くした傑作アルバムが多い。
第3期
8th シークレットガーデン ☆☆☆
9th オムニ ☆☆
3代目ヴォーカル、ファビオ・リオーネになり、3度目の復活を遂げたアングラ。アングラらしさは残しているものの主要メンバーの脱退も影響したのか、彼ららしからぬ中途半端なアルバムだったり、過去作の焼き回し的な作品ばかりになってしまっているのが印象。
【作曲スタイル】
全員で作曲していくスタイルだが、ギターのキコとラファエルが中心。初期は初代ヴォーカリストのマトスが中心だった。2代目ヴォーカリストのエドゥやベースのフェリペも作曲面で活躍している。キコが抜けた最近のアングラはメンバー全員で曲を作ることが多い。
【私とアングラ】
このバンドと出会ったのは2012年の4月だ。
当時兄がバンドでやっていたこともあり、知ることができた。ジャケットの美しさが聴いてみようという気を起こした。
1st Angels Cry (エンジェルス クライ)1997年
総合☆☆☆ 47点
ネオクラシカルメロスピを堪能できる一枚

クラシックとブラジル民謡とメタルが融合した1枚。ネオクラシカル要素がかなり入っていて、インパクトは大だが、1作目ということもあり繋ぎに少し不自然さも感じる。7は余計だった。メタルアルバムなのに変わりはないがどこか浮遊感があるのも面白い。#2、#9のようなThe・メロスピソングから#3、#8のようなミドルで魅せてくる曲、#5、#10のような心落ち着くバラードなど当初から彼らの引き出しの多さに驚愕してしまう内容だ。プログレッシブな読めない展開を見せる#4やブラジル民謡を取り入れた#6を聴くと、このバンドが唯一無二の存在であることがすぐにわかるだろう。ハバナの街でカリブ海の自然と暑さに溶け込んで行くヨーロッパ文明が表現されているように聴こえる。
おすすめは2、3、4、5、10
1.Unfinished allegro B
2.Carry on 特A
3.Time 特A
4.angels cry B
5.Stand away A
6.Never understand C
7.Wuthering heights D
8.Streets of tomorrow B
9.Evil warning B
10.Lasting child S
作曲
1 シューベルト
2 マトス
3 マトス、ラファエル
4 マトス、ラファエル
5 ラファエル
6 マトス、ラファエル
7 カバー
8 マトス
9 マトス、ラファエル
10 マトス
各曲レビュー
#1はインスト曲でシューベルトの「未完成」を使っている。
#2は大人気な疾走曲でかっこいいギターとアンドレの浮遊感のあるハイトーンが溶け込んだ初期アングラを代表する曲。途中のカンフー映画みたいになる展開はいらなかった。
#3はミドル曲 バラード風なイントロからヘヴィになる曲で、サビでの歌メロはクセになる。地味な印象が強い曲だが、聴けば聴くほど味が出てくる。サビ後の展開もかっこよく、個人的にはサビでバスドラが淡々とリズムを刻んでいるとこが好き。
#4は独特な展開をみせるアップテンポな曲 スローかと思いきやサビでは疾走し、ソロではパガニーニのメロディを持ってくるネオクラシカルっぷりをみせつける。彼らの引き出しの多さにびっくりするが、少し強引な曲展開で少し落ち着け、、てなる。
#5は神秘的なバラードで不人気だが、寂れた教会に射し込む太陽光がどんどん強くなっていく感じで美しい曲。間奏のミニギターソロが良い。
#6ではブラジル民謡を取り入れたテンポが早くなったり遅くなったりするトリッキーな曲を持ってきている。ハバナの町から大海原を見渡している気分になれる曲。
#7は嵐が丘のカバー。なぜこれを入れたのか不明 。萎える。
#8はミドル曲、ヘヴィなイントロから明るいポップ調な曲になる不思議な曲。ギターソロがクセになるかっこよさがある。
#9は疾走曲。出だしがダサいがそこ以外のイントロはかっこいい。サビの影が薄すぎるのが残念だが、ギターソロではヴィヴァルディの冬を使用している。
#10はクラシカルなバラード 2部構成からなっていて1部ではピアノとアンドレの歌声が合わさった美しい旋律が印象的で後半の2部ではネオクラシカルな舞踏曲が延々と流れ続ける。センスが凄い...。
歌詞 (良い部分だけ抜粋)
自らの足跡を辿れば見つけられるはずだ 知られざる道はお前の心にある そこに至るために必要なのはお前のプライドだけ だから歩み続けるのだ 人生には意味がある いつかそれを見つけられるかもしれないから 進み続けるのだ、過去からのしがらみを忘れ去る時だ、進み続けよう
正気が悲しみを呼び覚まし お前の幻影を小さな箱に閉じ込めておく 恐怖が訪れる、お前は結末という檻の中で孤独な自分の姿を見いだす 心は曇ったまま
夜の中、嘆くのは天使達 もはや彼らに光は輝きはしない 泥水は至るところに押し寄せて 救いなき魂に幕は降ろされた お前の的がちらっとお前の後ろに見えても 誰にもそれが見えないのだ 巡礼者達の足跡のように輝くことなく
近づくな、恐ろしげに燃え上がる炎は欲望なきものたちに傷痕を残すから、全ての創造物の前に立ち 虫のように飢えた人々に直面する 紫色の空には星も見つけられず 孤独は全ての季節に種を蓄えた自分勝手な理由を見つけるだろう いつか昼という時が戻ってくることに憧れている
視野を奪う風も草地の周りでは優しく遊び ワインの銀の適は 眠っている手の内からあふれ出る...
虚しさを打ちたたいていた日々も 遠い彼方のこと 気楽さなど失いつつあるのに まだ橋のふちにつなげられない その橋は誰かをどこかへ連れて行きなどはしない
群衆の中で暮らし 自分の虚栄にうんざりする 花びらを撒き散らして死んでいく裏切りの聖歌が 攻撃のためにお前を呼んでいる
歳月が過ぎ去り再び目覚める 明々と燃える星 それは遥か彼方で輝いている 永遠に生き続ける子供が 中に残っている 遊び回って 未来は否定された 頭上高く、夕闇が視野に入り込む 描かれた夢の色彩が溶ける細い額の中に私は立っている 私はそこにいる....
2nd Holy Land (ホーリーランド) 1996年
総合☆☆☆ 47点
アメリカ大陸発見をテーマにした唯一無二の民謡メタルアルバム

前作よりも数倍南米の民謡色が強まったコンセプトアルバム。アメリカ大陸発見をテーマにしており、新天地発見のロマンからの侵略などを描いている。サンバや民族楽器などが多く登場するため最初はとっつきにくいかもしれない。何度か聴いていると魅力的に感じる曲もあるスルメ盤。中盤はダレる。#2のサンバを混ぜた独創性溢れる疾走ソング、#5、#6は民謡色全開の異色ソングを聴くとこのアルバムが唯一無二のものであることがすぐにわかる。#8のようなメロスピソング、#3、#7のような癒されるミドルテンポバラードのようなアングラらしい曲も揃っている。ラスト2曲の#9、#10は後にも先にもないほどの哀愁あふれるバラードが待っている。そして今作の目玉#4はアングラが持っている魅力が全て詰まった大曲だ。メロスピ、クラシカル、プログレッシブ的展開、そして民謡色の全てが入っている集大成的な曲で、個人的に大好きなトラックだ。最初は癖が強く嫌悪感があった作品だが、この作品も前作同様彼らの引き出しの多さに驚かされる内容だ。中途半端さがなくなり、思い切った曲が多いのも好感が持てる。
太陽に照らされる赤道直下の島に上陸した船団たちが浜辺を彷徨う感じの曲が多い。
おすすめは2、4、5、8、9、10
1.Crossing C
2.Nothing to say 特A
3.Silence and distance B
4.Carolina IV 特A
5.Holy land A
6.The shaman C
7.Make believe C
8.Z.I.T.O A
9.Deep blue 特A
10.Lullaby for lucifer A
作曲
1 マトス
2 マトス、キコ、リカルド
3 マトス
4 メンバー全員
5 マトス
6 マトス
7 ラファエル、マトス
8 キコ、ラファエル、マトス
9 マトス
10 キコ、ラファエル
各曲レビュー
#1はインスト。蒸し暑い効果音からスコールが吹き荒れる流れが良い。何かが始まる予感を感じさせる。
#2は半疾走曲。サンバなどブラジル民謡を取り入れた特殊な曲であり、イントロのかっこよさは異常。
#3ピアノから始まり展開していくミドル曲。サビはドレミド〜て楽しそうに歌ってるがちょっと萎える。
#4はアングラの全てが詰まった大曲。アングラの武器であるシンフォニック要素、ブラジル民謡、メロスピ、ラテン系など全てを取り入れてる。散漫になっているわけでなく、一つの曲としてまとまっているのが凄い。またこの曲は唯一メンバー全員で作った曲でもある。
#5は民謡全開の変則的な曲。最初は???となるが数年経つと「ああこれも良いな」と思える曲。
#6は緊張感のあるミドル曲。途中ガチものの魔術師の声を収録している特殊な曲。
#7は力強いバラード的な曲。みんなのうたとかで流れてそうな雰囲気。ドンキーコングがジャングルで楽しそうにバナナを食ってる映像が思い浮かぶ曲(笑)
#8は全速力の疾走曲。印象的なメロディが多いメロスピソングだが、子供騙し的なお化け屋敷を彷彿とさせるイントロなんとかならなかったのか...。#9は深い海を照らす太陽を彷彿とさせる神秘感あふれるバラード。メロディが良い。
#10も続いて更に静かなバラード。終わりを予感させるアコギがなんとも言えない味を出している。誰もいなくなった砂浜を連想させるエンディングだ。
歌詞
輝く光線が目に入り 新天地征服のため死を覚悟で敵を殺す 名誉の支配は腐敗した
罪悪感と羞恥心、ひどく常軌を逸してる 防御の余地なく異端の神々は滅び 俺たちはもうこれ以上先には進めず 良心の墓穴を掘ってる
いったい何年たったのか 俺は毎年愛から自分を創り出す 愛は悲しみから蘇る
まだ俺の顔を見てるがおまえの目は虚ろ
青い空に向かって帆を支えてる
俺は海へと戻るつもり 心の中で空しさが燃え 何マイルもの彼方へと駆り立てる
俺を海の彼方へ 放たないでくれ 目に見えるより もっと広大かもしれない
今こそ俺を海の彼方へと放ってくれ
波は見た目ほど高くないはず
あの日のことで確実に覚えていることは、あの地に戻ろうと決心した日 全員が霧に立ち向かっていたということ
キャロライナIV号が川を空へと押し上げた
乗組員が1人減った 人間の夢は命を奪うこともあるが、みんな一生夢を見続ける
強風が唸る夜が 俺を台風の目の中に駆り立てた 今こそこう歌いながら死のう
俺はひどく愚かですごく怯えてた
心から言いたい: ずっとここにいよう!と
俺たちは黄金時代に生まれ 信条を越え
風に吹かれて 這い寄るものたちに会う
そして祈る 裸足で新鮮な砂を踏みたいと地図が開かれ 知識、魔法、愛を広める そして木製の神々に運ばれて 空へと向かう
そして踊る 踊り続ける
聖地を求め他の人間と対決
生き残るために野獣と対決
信条を貫くために悪魔と対決
(魂と宿命...)
運命に流されながら未来を築こうとしている 苦境に立ち向かい影を振り払った
だから その目に哀しみはないというふりをしてくれ わからないのか 初めから後戻りはできない関係だった 数分待って、人生が無駄になった ...俺はいつか他の日に死にたいのかもしれない
人類の夢から新世界が生まれた 俺たちは独り立ちし天使は悲鳴をあげ 俺たちはそのすすり泣きを耳にした でも今こそ天使に歌ってもらう時
信条も責任感もないまま泳ぎ ただ祝福の海を肌で感じてる 母なる自然が俺を必要とするもの全てを素晴らしく純な形でもたらしてくれる
切り立った3つの崖 風が唸る上空 静寂に包まれてる 鳥が3羽舞い上がり、落下する
いつか海と空が 大地を紺碧に包む日が来るのを待ってる
ルネサンスは終わり俺はいぶかる
「またずっと同じ自分でいるべきなのか?」
この手をとってついてこい 鬱蒼とした樹々、
一面の緑 明日の時間は無意味な存在
果てしなき夢の中に善を感じるがいい
海辺の砂浜に 哀しみの涙を流す俺の心を置いてきた
庭の栽培所で、自分の空想を自由にめぐらせた 子供たちは木のまわりで遊び 楽しそうにリンゴを分かち合う
お前が眠りにつくまでそばで待っていてあげよう 隠していた涙を全て俺に浴びせるまで待っていてあげよう...
作詞
2 マトス
3 マトス
4 ラファエル、マトス
5 マトス
6 マトス
7 ラファエル
8 ラファエル
9 マトス
10 ラファエル
3rd Fireworks(ファイアーワークス) 1998年
総合☆☆☆☆☆ 91点
正統派メタルで攻める極上のスルメアルバム

今までとは打って変わり、彼らの強みであるクラシック色や民謡色は薄れ、ヘヴィメタル路線になった。インパクトに欠けるアルバムとして賛否両論だが最高傑作だと思う。癖になるメロディにヴォーカルの歌い方が独特で作品全体に魔力がかかっている。#4、#10のようにアップテンポな曲はあるが彼らの武器でもある爆走ソングは今作にはない。その代わり#3、#7のような新境地的なバラードが輝いている。その他の曲は全てミドルテンポの曲で、かったるく感じるかもだが、どの曲も数年経ってから心に突き刺さることがわかった。再評価されるべき作品だ。
アルバム全体で聴こえる鈴の音も良い効果を出している。大航海時代の栄光を捨てきれないポルトガルの魚臭い港町が眼に浮かぶ。ジャングルの中の蒸した神殿って感じもする。サウナの中みたいな曲が多い。
おすすめは1、2、3、4、5、6、8、9、10
1.Wings of reality A
2.Petrified eyes特A
3.Lisbon S
4.Metal Icarus S
5.Paradise S
6.Mystery machine A
7.Fireworks C
8.Extreme dream A
9.Gentle change A
10.Speed 特A
作曲
1 マトス
2 ラファエル
3 マトス
4 ラファエル、リカルド、キコ
5 キコ、ラファエル、マトス
6 キコ、ラファエル、マトス
7 ラファエル、キコ、リカルド、マトス
8 キコ、ラファエル
9 ラファエル、リカルド、マリウッティ
10 キコ
各曲レビュー
#1はアップテンポで複雑な曲展開をみせる曲。出だしにしては地味だが味がある。この曲がこのアルバムがどんなものかを物語っている。
#2も特殊な展開をみせるミドルテンポの曲。曲全体に漂う生暖かさが不思議とクセになる。歌メロ、ギターパート、どれも魅力であふれた曲で典型的なスルメソング。
#3は最高のバラード。歌メロやバックでなっているチェンバロなどの楽器が凄まじい哀愁を解き放っている。
#4はそこまで速くないがやっときた疾走曲。展開の多い歌メロが心地よい名曲だ。
#5は一見地味だが、聴けば聴くほど何かに取り憑かれたようにハマれる魔力のあるミドル曲。中間部分のダークなとこなども良い味を出している。アンドレマトスの歌声は天性のものだと思える1曲。パラダイスというタイトルなのに曲調が少し不気味なとこが面白い。#6はイントロのパワーは凄いが少しグダッてしまうミドル曲。
#7はスローテンポのタイトル曲でアングラにしてはかなりポップな曲。アングラのラブソングってやつかな?
#9はアングラらしいラテン音楽を取り入れた明るいミドル曲。中盤の展開が凄い。最後を飾る
#10は半疾走曲。超高難易度のギターが目立つ曲だが、歌メロやリフも魅力的な曲だ。しかしこれ、ライヴで弾けんのか?笑
歌詞
毎日毎日車輪は回り続け 毎晩眠れぬ者たちが夜明けを待ち望んでいる 永遠の痛みを癒すため....
リアリティの翼 僕をもっと高くへと連れて行ってくれ 生き方を示して永遠にお前と一緒に自由でいさせてくれ...
丘を越え 海を渡り 過去の深淵の中へ
本当に大切なことを忘れないように 当惑した者たちが空を見上げる 地面に横たわる殺された戦友たち 死んで勝利を手にした者たちは何も語らない
俺の瞳は凍りついてしまう 敗北の戦場を見るがいい 何一つ変わらぬこの世界 戦士の哀れな一生の代価は何なんだ?
見てごらん 鳥たちが戻ってきた.....
埠頭にそしていたるところに
ここリスボンでわかったのさ この世の中はとても不思議で神々しいものだと
主よ 行く手を照らしてください
この弱り果てたうかつな両手を満たしてください.... oh 空が落ちてくる 空が落ちてくる
孤独に感じた時さえ乗り越えたけど 自分の目から血の涙が出てることに突然気づいた お前が死ぬのを見守る以外 俺には何もできなかったんだ
剣闘士たちが戦っていた大昔の時代から 人は戦うという行動を情熱へと変えてきた 彼らの人生はゲームだった 俺たちはパラダイスの夢を見てるけど地獄のまっただ中にいるんだ
湖の上に太陽が昇り 波が岩に当たって砕ける 山の頂上からのこだまのように何度も何度も この感情は隠しきれない みんなに見せるために開かれたページのようなもの おまえは激しく息をしてる 海から吹き付ける風みたいだ 空に手を伸ばせ 今夜また無数の声が歌い 命の神秘が見えてくる
白の後はグリーン 夜は昼になり炎のように燃える 見てごらん 僕たちの夢が空に舞い上がる どんどん高く昇っていく 海岸線に並ぶ人々の表情は時を越え 失われることのない子供時代の純心を映してる 僕は君が恋しい 今僕は君を求めて泣いてるんだ 楽しい時の想い出が眩いほどの輝きの中に映し出されてるんだ
一晩だけ夢の中で生きてる 人生最後の一日っていう感じだ 感情が内部で眠っている間 しばらくどこかを放浪している 進んでいくんだ 行進を続ける....無意識のままこの世界から遠く離れてるけど 全ての基盤を知ってる 極端な現実の中では 信じるべき証拠なんて全く必要ないんだ
僕たちが若かった頃の想い出 早く大人になりたいって必死に願っていた 今は過去を振り返ることだけが僕を前進させてくれる
またタバコに火をつける 心の中じゃ大笑いしながらクールなふりをしてる 人に出会って声をかけるのは別れを告げるのと同じ 笑ってるけど本当は泣きたい気分 新しい地平線のスピリットが 昔の夢の中へと落ちていく
スピード 想い出が全て戻ってくる 甦らせるよう努力してみろ そうしたら現在から過去の間で お前は迷ってしまうだろう
スピード 落雷のように未来が襲いかかってくる そうなったらお前は時間を止められるのか 死ねば止められるだろうか?
光速より速く 良心の呵責からの逃げ道を見つけるだろう
作詞
1 マトス
2 ラファエル
3 マトス
4 ラファエル
5 マトス
6 ラファエル
7 マトス
8 マトス
9 ラファエル
10 マトス
4th Rebirth (リバース) 2001年
総合☆☆☆☆☆ 80点
復活の名にふさわしい芸術的4thアルバム

大きなメンバーチェンジを経て、疾走曲や美しさなどを加え、今まで培ってきたものを全て放出させた名作。シンフォニックになり、ピアノ、管弦楽をフルに使っているため、綺麗な曲が多い。#2、#9は彼らお得意のメロスピソング。2曲とも過去最高に美しく爽快感のある疾走曲だ。#4、#8などのミドルテンポ曲もネオクラシカル色に加え、民謡的なパーカッションなども取り入れていて、聴いてて飽きない。#3、#5、#7は美しく力強いパワーバラードでこれも今みでにはなかった曲だ。その他にも#6のような大曲から#10のような暗いバラードが揃っており彼らの魅力が詰まった1枚だ。
お手本のような完璧な構成だが、少しまとまりすぎてる感もある。キコとラファエル以外のメンバーが揃って脱退し、解散の危機に陥ったアングラ。そこから2人で立ち上がり、新たなメンバーを集め「再生」を果たした彼らの今作の音は胸にくるものがある。聴いていると太陽に照らされる天空の神々たちの世界を感じられる。前作がサウナだとすると今作は露天風呂だ。
おすすめは2、3、4、5、7、8、9、10
1.In excelsis C
2.Nova era 特A
3.Millennium sun 特A
4.Acid rain A
5.Heroes of sand 特A
6.Unholy wars B
7.Rebirth 特A
8.Judgement day A
9.Running alone S
10.Visions prelude A
作曲
1 キコ
2 エドゥ、キコ
3 キコ、ラファエル
4 ラファエル
5 エドゥ
6 キコ、ラファエル
7 ラファエル、キコ
8 キコ、エドゥ、アキレス
9 ラファエル
10 キコ
各曲レビュー
#1はインスト曲、神の降臨を予感させるような曲。
#2は有名な爽快感マックス疾走曲。AメロBメロが短くギターソロが長い。
#3は美しいピアノがイントロを飾るミドル曲。サビの太陽に向かって羽ばたく感じの展開が良い。
#4は神を彷彿とさせるイントロから始まるアップテンポ気味のミドル曲。クセになるメロディが多く、間奏がかっこいい。
#5はパワーバラード。サビが、、良い。太陽光で照らされまくった砂浜という感じで、グッとくる。
#6は大曲。2ndの名曲Callorina IVとほぼ同じ構成。あっちほど民謡色はないが、少し全体的に印象が弱め。
#7は美しいイントロが印象的なバラード、かと思いきやギターソロとかで謎の疾走をみせる。
#8は勇ましいパーカッションから始まり、民謡系の曲かと思いきや中盤でシンフォニック展開になる読めない変則的な曲。
#9はメロディックな疾走曲。Bメロのフルートや中盤のピアノソロ、初めと終わりの合唱など練りに練られた名曲だ。
#10は悲しげなバラード。イントロなどはショパンのノクターンのパクリ。
歌詞
以前には存在しなかった境界線が見える お前の人生の意味を探すがいい 心を癒す天使たちの囁きが 再び太陽を昇らせる 新しい一日が輝く、堕天使たちが立ち上がる 新星時代が命に名残をもたらす 天使たちが蘇る-再びこの世に!
鷲が沈黙を破り 平原を飛んでいく 姿が見えなくなるまで この目で追っていこう
暗闇に輝くろうそくのように 俺たちは風を相手に戦う おまえの偶像への献身 時期に王は倒されるだろう
湖に沈む太陽を眺め 透明な鏡に映るおまえの横顔 俺が待っている間 この平原を歩きながら
世界が悲劇的運命に襲われたとき 俺たちは毒まみれの海を作り出していた 状況はこんなにも悲惨なのに 祈りだけが先に進む
落ち込みながらわれを忘れる おまえが戻ってくる夢のように 死の世界から戻る 目覚めよ!影はいつか消えるだろう 厚い雲につきまとわれ 驚愕の雷鳴が轟く 山に住む狼のように吠えながら 戦士たちが道を進んでいく
不安げな看守 静かな夜の監獄 若者の目がどこに隠れようか考え込んでいる 人類はやがて学ぶだろう ついに終焉がやってきたと
国家を分断しながら、また同じことの繰り返し すべての国境線が衝突する 許しのない時代が、俺たちの命を支配することを暴露しながら
夏の日の爽やかなそよ風 お前の心からこだまする声を聞きながら どうやって言い直すかを胸の内で反復しながら ただ時間は過ぎていく (そして俺は)新しい日の風に乗る 山の高さまで 希望と誇りをもう一度見つけた 1人の男が生まれ変わった ただ過ぎていく時間...
最後の1分がお前の魂を通り過ぎていく
地平線であと1分だけ 最後の1分がお前の目を通り過ぎていく もう地平線には1分すら残されていない そしてお前は審判の日に直面する
今、希望の鐘が鳴る 天使たちが再び涙を流す 太陽の下で、燃える世界が今も見える 俺の顔の傷が 逃げている男の目を物語る
冷たい風 悲しい月が上る 空に浮かぶ黒い雲 朝のひとときを嵐が台無しにする 夜に吠えながら 海から見える光景 海は俺を正気づかせる 砂に口づけをしよう 無上の喜びから沸き上がる大切なもの
作詞
2 ラファエル、フェリペ
3〜10は全てラファエル
5th Temple of Shadow (テンプル オブ シャドウ)2004年
総合☆☆☆☆☆ 88点
練りに練られた最高のコンセプトアルバム

テンプル騎士団をテーマにしたコンセプトアルバム。クラシック色と物語の舞台がみえてくるような民謡などを取り入れ、更にかつてないほどのヘヴィでアグレッシヴなメタルが牙を向く今作は一つの映画を観ているような気分になる。#2、#6はかつてないほどにパワーが溢れるメロスピソングだ。読めない展開が魅力の#3、#9、女性ヴォーカルを取り入れた#9、全てのパートが魅力的なミドルテンポ曲の#4と#10、#4ではポップス調の曲をみせ、#7ではラテン音楽を取り入れた壮大な曲まで届けてくれる。全体的に壮大だが、まとまりがあり聴きやすくかっこいい。彼ららしさを維持しつつも新たな扉を切り開こうとするアングラはまさに進化系バンドの代表格と言えよう。前作が晴れだとするとこっちは雨という感じ。大雨のジャングルを進軍して行く感じの曲が多い。
【ストーリーを解説】
オリジナルストーリーをギタリストのラファエルが作り、それを元に作り上げたコンセプトアルバムである。時は11世紀ヨーロッパ。この時代は暗黒時代と呼ばれ、初めて宗教戦争が起きた時期でもあった。カトリックの軍勢であるテンプル騎士団はエルサレムを侵略しようと戦争を仕掛けた。彼らは自分たち以外は全て敵だという教えを受けていた。そんなテンプル騎士団の中にシャドウ・ハンターという名の青年がいた。(これはニックネームである。)そんな彼は騎士たちと共に遠征中にユダヤ人預言者会ったり、古代の写本を発見したりする。その写本の中にはカトリックの教えとは矛盾した愛というものがあった。シャドウハンター、影を追うもの。誠実なカトリック教徒だった彼の心は揺らぎ、見えないものをひたすら追い続けるように途方に暮れた。困惑する中、彼はエルサレムでの戦争中に怪我をし、度重なる自軍の相手側への横行に限界が来たのか、軍から脱走をする。そこで彼は敵と教えられてきた2人のイスラム教徒の兄弟に助けられ、彼らの家で暮らすことになる。彼はそこでカトリックの教えは間違えていたことを確信する。その後、その家の妹と恋に落ち結婚をするシャドウ。このまま幸せな暮らしも続けられた彼だが、カトリックの教えは誤りであることを、みんなにも理解してもらおうと、仲間を集め革命を起こそうとする。それを察知したカトリック教会は不穏分子として彼を捕まえ、最終的にシャドウハンターは処刑されてしまうストーリーだ。ラファエルはこの物語を通して、宗教戦争の愚かさを現代社会の抱えるテロなどの問題と照らし合わせている。
おすすめは2、3、4、6、7、8、9、10、12
1.Deus Le Volt! C
2.Spread Your Fire A
3.Angels And Demons A
4.Waiting Silence S
5.Wishing Well C
6.Temple Of Hate 特A
7.Shadow Hunter A
8.No Pain For The Dead S
9.Winds Of Destination 特A
10.Sprouts Of Time A
11.Morning Star B
12.Late Redemption A
13.Gate 13
作曲
1 キコ
2 エドゥ、キコ
3 エドゥ、キコ
4 ラファエル、キコ
5 エドゥ
6 キコ
7 ラファエル、キコ
8 ラファエル、キコ
9 ラファエル、キコ
10 キコ
11 ラファエル、キコ
12 キコ
13 キコ、ラファエル、エドゥ
ラファエルとキコの共同作が多い。2人はいいセンスをしている。
各曲レビュー
#2はゴリゴリのメロスピソング、最初から最後までよく出来た曲だが、少し狙っている感もある。あとエドゥってこんなイカツイ声してたっけ?
#3は不思議な雰囲気のアップテンポ曲でイントロのインパクトは凄い。めちゃくちゃツーバスやスラッシュビートが速くなるパートがある。
#4は壮大で哀愁の溢れるミドルテンポ曲。大雨のジャングルを進軍する感じがたまらなく良い。
#5はポップス的な癒し曲。急にクリスマスちっくになり、どうした!?とはなる。
#6はめちゃくちゃスピーディでパワフルな疾走曲。Bメロのとこが好き。途中劇的なシンフォニーが流れるとこもアングラらしくて良い。
#7はラテン系音楽を意識したイントロで始まる。カスタネット、トライアングルなどがアコギのメロディに重なっていくとこが良い。イントロは最高なのだが、オウムの曲なみに長くだれる。
#8は壮大で美しいバラード。イントロ、サビの歌メロなどどこを取っても感動する曲。中盤の管弦楽と女性シンガーのみになるところがベストパート。ちなみにこの女性シンガーはオーストリアのバンド、エデンブリッジのヴァーカリストで、最近ハマったバンドだ。いつか紹介したい。
#9は場面でテンポが変化する独創的な曲。中盤のピアノソロ、爆走の中突然ラテンちっくになるところなど、アングラにしか作れない曲である。
#10はミドル曲 サビに向かって広がってく曲調が印象的。途中のtheラテンパートがいい味を出している。
#11もこれまた民族色の濃い曲。少しだるく感じるがAメロがいい。
#12はエンディングに相応しいバラード。哀愁漂う生暖かいそよ風を連想させる良い曲だ。
歌詞
彼らは善と悪の世界を語る 父なる地球は愛と憎しみをもたらす
栄光あれ 汝の剣で導いていくのだ お前こそが選ばれしもの 栄光ある受難 竜の如く炎を広めよ
かりそめの姿の天使と悪魔が這い回る お前の天使と悪魔が立ち上がった時、真実に直面するのだ:神は愛などではない!命の如く移ろいやすい 遅かれ早かれ俺は説き伏せてみせよう 真実は嘘であると 我らが死ぬ時に裁きなどない ただ塵になるだけだ
時間と空間に捕らえられ、檻に閉じ込められた鳥のように通り過ぎる出来事の中 冷たく閉じ込められている お前は突然理解する 誤りこそが正しいのだと 愛がお前の心を引きずっていく 夢が形作られる世界へと
夢の国の聖なる地への旅路 心の意義にたどり着ければ俺は再び自由になれる 幻の夢の国が秘密を教えている 俺の運命は願いの泉で尽きるのだ
黙示録第11章が我らの上に降りかかる 革命の音 自由は高らかに宣言される 憎しみの寺院の鐘がより良き世界への変化を告げる
我が十字軍の兵士達の信念は 宗教的な血の中に溺れていく 信仰に逆らい闇雲に走り続ける 道理は失われていく 教会は砂上の楼閣の如く倒れていく 聖戦の終わり 善を悪に換えよ イエスこそ人間だった
いつも嘆きの涙はこの世では無駄に終わる 俺には決してわからないのだろう 降りしきる雨の中の笑顔を 砂時計が時を刻む 天国は比喩だ
過去のトンネルを下って見つけたものから学ぶのだ 焦がれた手に握られた夢 総ての書庫は戦場のどこかで失われ打ち壊された 古い葉は落ちていけども 古い木は残る つむじ風がお前を運んでいく 明日も同じ日となるのだ
無知が炎のように火を放ち その火焔は人々を飲み込んでいく 時間の新芽 進化の根 未来の種は昨日蒔かれた 過去からの種は枝を伸ばし 永遠に成長を続ける
砂漠で道に迷うその度に 俺は心の中の幻影から 離れていったものの数を数えていた 月に向かって叫ぶ 明けの明星を見つけるまで俺は彷徨い続けると 己の日々の主は俺自身 時の終わりまで俺は夜通し吠え続ける
子守唄を唄ってくれ ようやく思い出した 時は過ぎさりお前に忘れることはあたわず 記憶が俺の精神を歪める 過ぎ去りし時は慰めを見つける時だ 戻ることはない 復活を超えられるのは愛だけ
作詞は全てラファエル
6th Aurora Consurgens (オーロラ コンサルジェンス) 2006年
総合☆☆☆☆ 60点
心理学を追求した、アングラの超絶技巧を味わえる実験作

クラシック色と民謡色は薄れ3rdのファイヤーワークス路線に戻ったイメージ。リフや超絶技巧などギターに力を入れているアルバムでもある。#2、#5では過去最高にテクニカルなメロスピを聴かせてくれる。#4はポップ過ぎて世界観に合ってない気がするが、他のミドルテンポ曲は全て魔力があり、聴けば聴くほど虜になる。どこか統一性がないのが少し気になるが曲単体で聴いてみると非常に質が高いのが多いため普通に力作だと思う。また、たまに聴こえてくる謎のシンセサイザーの音がくせになる。地味なイメージが強いアルバムだが、彼らの作曲センスはギンギンにひかる作品のため個人的にかなり好き。ジャングルを抜けた先にある太陽の光が射す異世界の遺跡という感じの雰囲気がする。
【アルバム解説】
前作同様、実はこのアルバムにもメッセージ性がある。今回のテーマは人間の内面であり、トラウマ、苦悩、自殺願望、鬱、不安などの心理学色が強いものになっている。
心理学者のC.Gユングは人間の潜在意識と錬金術の関連性について研究していた。そんな彼は研究に何度も謎の文献「オーロラコンサルジェンス」を用いていたことにギターのラファエルは目をつけた。ユングはこう結論づけた。「過去(グノーシス主義)と現在(無意識の心理学)の橋渡しは錬金術によって為される」と。ユングは、錬金術は人間が真の自己を実現していく人格変化の過程とよく似ていることを読み取った。ラファエルは人間の潜在意識の暗部の複雑さをそこから(ユングの研究とオーロラコンサルジェンス)見出し、現実的な人々の精神病巣として表現し、それを代弁して呪縛から解き放つ手法をとった。つまりこのアルバムは社会から孤立した人間が再び自分を見直し、社会と調和しなければならないという強いメッセージ性が込められているのだ。アルバムジャケットは文献「オーロラコンサルジェンス」に描かれている38枚の挿絵のうちの一つを使っている。不気味かつ不思議な絵が多いこの文献の世界観を十分に音で表せているアルバムだ。
おすすめは1、2、3、5、6、7、8、9
1.The Course Of Nature A
2.The Voice Commanding You A
3.Ego Painted Grey 特A
4.Breaking Ties D
5.Salvation: Suicide A
6.Window To Nowhere A
7.So Near So Far A
8.Passing By A
9.Scream Your Heart Out A
10.Abandoned Fate B
11.Out of the world B
作曲
1 エドゥ、キコ
2 ラファエル
3 キコ
4 エドゥ
5 キコ
6 キコ
7 キコ
8 フェリペ
9 キコ
10 キコ
キコがほとんど曲を作っているためかギターがエグい。
各曲レビュー
#1は民謡的な要素を含んだミドルテンポ。地味だが聴けば聴くほど味が出てくる。
#2はイントロから凄まじい疾走曲。イントロやリフ、Aメロがかっこいいが、サビが地味なせいでどこなのかわからないのが残念。途中の合唱のとこが神秘的で好き。
#3は魔力がかったミドル曲。これも聴くたびに沼にハマってく感じにクセになるドラッグトラック。
#4はバラード。哀愁はなく少し肩の荷を下ろしすぎというか、個人的には残念な曲。リラックスしすぎな曲でアルバムの世界観が壊れている。
#5は超絶技巧の嵐の疾走曲。ふつうにかっこいい曲であり全パートが狂ったように難しいのも魅力。
#6はアップテンポの曲にみせかけてサビで爆走したりする変化球が効いた曲。どのパートも聴いてて心地良いアングラならではの曲。#7はエジプトを連想させるイントロから始まるミドル曲。ただサビではキャッチーなメロディになる曲である。中盤の哀愁パートからフラメンコ調になるところが最大の聴きどころ。
#8も神秘的かつ不思議なイントロが癖になる。中毒性の強いミドル曲だ。
#9 はギターが中々にエグいアップテンポ曲だ。シンセやリフが良い味をだし、このアルバムの世界観をよく表せている。
#10は最後を飾るのにはピッタリなバラードだ。特にインパクトとかはないが食後のデザートって感じがして良い。
歌詞
時を超えて世界は変化し続け宇宙を漂流している まだ生き残っている者たちも記憶を保管し、遂に眠る 人生とは後戻りのきかないもの 自然の過程を超えて時が走り去ってゆく 一日中孤独な気分 年月が過ぎ去り、二度と戻って来ないと分かっているからだ
闇の中の亡霊のように彷徨い 夜が来るのを待っている 狂気に襲われ必死に反撃しようとしながら朝太陽が昇るのを待つ
夢を見続けている 終わりのない物語の中で空を飛べるのさ そこでは毎日太陽が輝いている 心を解放し、精神を夜に解き放て 時の束縛と解いて飛び立て 俺がお前を本来の姿を思い出させてやる いつも一緒だ 心の中をみてみろ お前を呼ぶ声がするだろう
思い切ってやってみろ まだ間に合う
哀しみのせいでお前の人生は生き地獄 光が薄れていく ブラックホールのような内心の虜になりエゴが灰色に染まる 不眠は殻の中で快楽を味わう お前は反抗的に睨んでる!
お前を求めて泣き お前のせいでプライドを失ったが お前がいなくなった今 やっと太陽が見える 偽っていた感情が新たな命を得ようとしている
希望を失い今じゃ鬱と闘っている 人生は誰にとっても辛いもの 周りを見渡してみろ 自滅するために力を浪費するな プライドが邪魔して償えない 俺の台無しになった楽園は行き詰まった
ドアを開けて足を踏み込むたびに 新たな選択との板挟みになる 振り返らずにひたすら進んで行け 何も見えない窓 俺は虚空を見つめている 人生が恐怖の中で 俺の涙の川の中で溺れている 俺の震える手を取ってくれ 俺がまた狂気へと走る前に
俺たちに与えられた時は短い それでもまだ後悔しろというのか? 傷は癒える間に人生は矯正できるもの
今夜は家に帰り涙の音を遮断する 人生が色褪せていく 世間から遠ざかっているだけでは この痛みは和らげられない 時が過ぎ去っていく ヴィジョンは消え 夢の記憶が残るだけ 風に全てを与え 哀しみを否定し、もう一度生きろ
より多くを求めて叫び 確信を持てるようにしろ そして自分自身の本当の真実を見つけろ!飛翔の時 精神を解き放て 希望の夢を築くことがカギなのさ 心に潜む真実を感じれば解放される 夢から生きる術を学ぶがいい
冷たい部屋での声にならない会話、途方に暮れ 何の考えも浮かばない 俺は独りぼっち 新たなる哀しみの日々が訪れる 俺たちは何度も微笑んだ 見捨てられた運命の中で 悲嘆にくれた顔をしている 俺はこうして砂の城の中に立っている 一体誰が俺を助けられるだろう
作詞
1 エドゥ
2 ラファエル
3 ラファエル
4 フェリペ
5 ラファエル
6 ラファエル
7 キコ
8 フェリペ
9 キコ
10 キコ
7th Aqua (アクア) 2010年 総合☆☆☆ 59点
シェイクスピアの「テンペスト」をテーマにした雄大な作品

クラシック路線に戻りシェイクスピアのテンペストを題材にしたコンセプトアルバムとなった。オーケストラの使い方が美しく、質の高い曲が揃っている。しかし音が軽くこもっているため、良い曲も駄曲に聴こえてしまうことがある。あと勢いがないためかったるく感じてしまう人も多い。#2と#5は疾走曲だが、メロスピ感がなく元気がない。悪くはないが、、。意外な展開で責めるミドル曲#3、#7、癒し曲の#4、美しさが際立つ#6、#8 。最後の曲#10は壮大で暗いバラードだ。このように今作も聴きどころは多い。
それぞれコンセプトにもあっていていい雰囲気ではあるが、もう少し攻めて欲しかった。
【ストーリー解説】
シェイクスピアのテンペストのあらすじを超簡単に説明する。昔々あるところに、プロスペローという王と娘のミランダがいました。ある日、アロンゾーとアントーニオというやつらにはめられて親子揃って島流にされます。プロスペローは復讐をするために魔術を磨き、大嵐を起こしやつらの船を難破させます。しかし、最後にプロスペローは流れ着いたアロンゾーどもにトドメを刺さずに「赦し」を与えました。というお話だ。ギターのラファエルは今作「アクア」の主人公を水とした。彼は水を「プロスペローの成熟」と捉えた。水は大嵐にもなるまでに至ったというところはプロスペローの魔術の成長を連想させ、ラストの場面の「赦し」は悪いことは水に流すということでかけているようだ。当時、彼らは解散の一歩手前までに追い込まれていたため、「テンペスト」のエンディングを再出発と解釈し、自分たちと照らし合わせていた可能性もあった。あああライナーの文を上手く俺なりに伝えたかったが難しい。まあこんな感じだ!とにかく聴けば音だけでも世界観を味わえる!以上!!
おすすめは2、3、5、6、7、8、10
1.Viderunt Te Aquæ C
2.Arising Thunder A
3.Awake From Darkness A
4.Lease Of Life B
5.The Rage Of The Waters A
6.Spirit Of The Air 特A
7.Hollow A
8.Monster In Her Eyes 特A
9.Weakness Of A Man B
10.Ashes A
作曲:
1 ラファエル
2 エドゥ、キコ
3 エドゥ、フェリペ、ラファエル
4 エドゥ
5 ラファエル、リカルド、フェリペ
6 エドゥ、キコ
7 フェリペ、ラファエル
8 ラファエル
9 キコ、ラファエル
10 キコ
前作と違いメンバー全員で曲を作っている。
各曲レビュー
#1は壮大なインスト。凄まじいアルバムを予感させる始まりだ。(結果アルバム通して凄まじさはなかった)
#2はイントロで殺しにかかる疾走曲。超名曲かと思いきや、Aメロの歌メロとリフが同じという手抜きっぷり。サビも手抜き。中間部分はかっこいい。
#3はアップテンポな曲で安定した良曲。中盤のクラシカルパートの美しさは凄い。
#4はアングラ得意のバラード。まさに水的な曲で癒される。
#5は疾走曲。疾走曲言うてもアングラにしてはかなり遅い方か。サビとか普通にかっこいいけど元気がどこかない笑
#6は海オブ海な神秘ソング。終始哀愁あふれるパワーバラードだ。夕暮れの太平洋感あって好き。
#7は変拍子などを使った浮遊感あるアップテンポの曲。不思議な雰囲気のある曲だがこれも良い味を出している。
#8も#6に似たパワーバラード、全体的にメロディが美しく、間奏部分では水になったような気になれる。
#9は一転してアコギを使ったポップな曲。悪くはないがちとダレるかな?位置的にも。#10は終わりを予感させる壮大な物悲しいバラード。
無限の如く広がる太平洋を味わえる曲が多い。
歌詞
遥かなる隔たりと 幾重もの鎖で お前は呪われた俺の魂を縛り付けてきたけれど たったいま、それも終わりを告げた 復讐の風が鳴り 女神の泣く声がする 今、船は沈みゆき お前は俺と秘密のゲームに興じることになる
叡智のページが繰られ 知力が万事の手綱を握る 恐怖心が俺を墜落に導くことはあるまい 潮の満ち引きが、引き返せと俺に迫る よりべない信念を頼りに、俺は人生を想う より明るい1日に目を凝らせば かつて黒かった平原が見える 我が想像の主よ 俺は暗闇から目を覚ました
天使の歌う声がする それは呼びかけのようにも思え 愛を讃えるエロスの歌が 嵐の中をゆく俺を導いてくれる この島の周りではニンフたちが踊り 姿無き叫びが、俺に取り憑いて離れない
押し寄せる潮が 静寂を打ち破る 猛る波に 目まぐるしく変わる潮目に巻かれながら めくるめく想いが 人の生命の型となる これぞ水の時代 形骸化した思考回路が掻き乱させる
海深く、人魚たちが泣いている 俺は嵐を呼ぼう、迷いすらせずに 10年にわたって、松の木の裂け目が俺の牢獄だった。並ぶ木立に、静謐な湖 夢の島、それがお前の住処か 魔法も呪いも心得たお前が一度は否定された自由を訴える 空を見ていても仕方がない 他人の目を通してではなおさらだ
どんより冷え込む空の下 海の中でお前は、あるべき姿を悟るだろう 復讐の機会を探れば、地獄に手が届く 人とは思えぬその怒りが、残した傷を抱えたままで 音の迷宮に迷い込み 明瞭さに逃げ出され 囁き声に追い立てられて 何も感じない 何もわからない 虚無、それがおまえのいる世界
我が主よ ようやくにして再び手綱を取る時の訪れをこの土地が、ミランダが見守るだろう 飽かず、俺は言おう 奪われた俺の楽園はきっといつか報われる、と
腹立ちまぎれの夢に見る、愚かしい光景の数々が復讐を呼びかけてくる 知恵が見せてくれるのは、また違った情景だ 万人に行きわたる愛などありはしない このところずっと、俺の頭は過去に囚われていた 砂に残された、激情の足跡 今ようやく、暴かれたのだ 一人の男の弱さが、あますところなく
大しけの湖 水という水が、ひどく荒れているようだ 信じ続けろ、凪はきっとまた巡りくるから
俺たちの饗宴も、もう終わりだ 今までの人生は、この手の中の灰と化したようなもの 我が敵達よ、情けに身を委ねるがいい 俺は許そう、そして海を渡って去ろう 俺たちは取るに足らない、夢の足場 俺の好きにさせてくれ 進み続けるから!この終焉は、俺の出発点 もう俺は、ここにはいない
作詞
2 エドゥ
3 フェリペ
4 エドゥ
5 ラファエル
6 エドゥ
7 フェリペ
8 ラファエル
9 ラファエル
10 キコ
8th Secret Garden(シークレット ガーデン ) 2014年
総合☆☆☆ 45点
心の迷いもみえる新体制で臨んだアルバム

ヴォーカルが変わり雰囲気がガラッと変わりアングラらしさも残しつつもプログレメタル色が強くなっている。ブラジル産の独特の雰囲気がアメリカ的というより大衆向けになってしまったと言ったところか。力強いミドル曲で幕を開ける#1、お決まりのメロスピ枠の#2、#9。両方ともギターソロは過去最高レベルなのだが歌メロが弱すぎるのが残念。中盤は薄暗い似たようなバラードとミドルテンポの曲が集中しており、人によっては間違いなくダレるアルバム。大きな扉を開いた先にある巨大な庭園を彷徨い続ける感じの曲が多く一つの世界観が確立されているので悪くはない作品だと思う。
【ストーリー解説】
一見なさそうで今作にもちゃんと物語はある。さすがアングラというかラファエル。とある大学の研究室にいるモーテンは最愛の妻を持ち、人生を謳歌していた。しかしある日彼は交通事故を起こし、同じ車に乗っていた妻を失い、自分も長きにわたる昏睡状態に陥る。昏睡状態の中、彼は不思議な夢を見ていた。美しい庭で妻と暮らす夢だ。事故から数ヶ月後、彼は奇跡的に目を覚ますも現実は残酷なものだった。妻の死をその時初めて知り、研究室でも後輩に自分の居場所を奪われ、途方に暮れていた。社会から孤立した彼にとって昏睡中にみたあの庭の記憶は唯一の精神安定剤となっていた。今作は彼の葛藤や後悔、そして霊体験を通し、人が成長していく姿を描いている。そして最終的に彼は事故以前には考えたこともなかった本当の幸せについて知る、というエンディングだ。心理学的要素が強く前々作のオーロラコンサルジェンスに通ずるものもある。
おすすめは1、2、4、6、7、8、9
1.Newborn Me A
2.Black Hearted Soul A
3.Final Light B
4.Storm of Emotions A
5.Violet Sky B
6.Secret Garden A
7.Upper Levels B
8.Crushing Room A
9.Perfect Simmetry A
10.Silent Call C
作曲
1 ブルーノ以外全員
2 キコ、ラファエル、リオーネ
3 メンバー全員
4 フェリペ、ラファエル、リオーネ
5 キコ、ラファエル
6 キコの妻
7 キコ、フェリペ、リオーネ
8 キコ、キコの妻
9 ラファエル
10 ラファエル
各曲レビュー
#1はパワー溢れるミドル曲。メロディは耳に残りかっこいいのだが、アングラらしさがどこかない。イントロ聴いた時、シンフォニーエックスに乗っ取られたのかと思った笑
#2はお決まりの疾走曲だが、歌メロがダサく感じてしまった。ギターソロはめちゃくちゃカッコいい。
#4パワーバラード、良い雰囲気なのだが、大人しすぎる。後半の展開は中々良い。
#5はまたまた似たようなスローテンポの曲。最後のクワイアパートはかっこいいが、アルバムを通してメリハリの無さが、各曲の魅力を半減させてしまっているような気がする。#6はエピカの女性ヴォーカルがゲスト出演し、キコの奥さんが作曲したというかつてない感じのバラード。良いバラードだがアングラなのかこれは、、てなってしまった。
#7はアングラらしさに加え、プログレッシヴ要素がえらく強いミドル曲。民謡色もあり、ところどころ胸に刺さるものはあるがやはり印象が薄い。
#8は個人的にかなり好きなパワーバラード。アングラっぽさはないが、全体の雰囲気、サビのメロディの哀愁が凄い。ひきこもりからみた自分の部屋って感じがする。
#9にしてようやく来たメロスピソング。歌メロなど全体的に少し弱いがギターソロがばかかっこいい。
#10はバラードオブバラードな癒しソング。おねんねにはもってこいだが、哀愁を感じられずあまり好きにはなれなかった。。
歌詞
ある時、俺はそこにいた いたくもない場所に しかし前にいた場所を逃げ出して、そこにいたから俺は俺でいられた 俺の中に俺がいた そしてそこで俺はみた 俺は感じた なりたい姿に怯えている男を、俺は見た
全能なる主よ 神の初子なる子羊よ 正しきキリストよ 我らに平和を 今宵、翼を駆って飛ぶがいい 暗闇の虹を抜けて 進むべき道を見つけるんだ
どの答えも俺たちを限界まで連れて行っただけ 最後の光など現れず、現れそうにもなく だから倒れたら、自力で起き上がり、また歩くんだ 神秘は夜明けと共に幕に覆われて また姿を現すだろう 決して消えることのない炎
恐怖心と折り合いをつければ 思考は繋がりをなかったことにして 君の劇的な運命のハーモニーを遮ってくれるだろう 感情の嵐が潮の向きを変えるまで俺は待とう 悲しみの雲の勢いが視界を曇らせて 目が見えなくなるのが怖いから
過ぎてゆく季節、果てることのない輪廻 よくできた話だな これは運命なのかこうなる定めだったのか それも最早どうでもいいことだ 紫色の空から涙 降る雨に紛れて消えていく 枯れた薔薇よ 聞いてくれ 虚しいままに溢れてくる俺の嘆きを 隠そうとする恐怖が心の奥を傷つける 過去は否定できないんだ!
月灯りの空 青白い光が秘密の小道を暴き出す 薔薇に覆われた門に 隠された静謐な場所 天使たちが二人の名を呼んで 夢の庭園へと招き入れてくれるでしょう
さあ、目を開けて 怖がらないで 自分と他人の運命の繋がりに目を向けよう 神の力と呼ぶか 狂気と呼ぶか 俺が思うに生命は血よりも遥かに勢いよく流れているんだろう 父よ、星よ 砂粒より小さく 始まりは皆同じ そして導かれるのだろう、同じ結末へと
最近、闇からの出口を見つけられなくて感覚を失って 自分の姿に男の影が重なる 見覚えのない誰か あぁ、沈黙が...繰り返し訪れる
星々が君を呼んでいる 世界に向けてのメッセージに寄せて 俺たちの魂がどう生き残っていくか 完璧な調和 このメッセージを世界に送るんだ 愛を分かち合おう、空に届けとばかり
気が付けば途方に暮れていたスウェーデンの夜 沈む日が空で泣いている 突然新たな地平線が拓けるのが見えて 何故だろうと俺は訝り始める 新たな日、太陽が昇る 夜明けの響きはトランペット 遥か遠く、少しの間 天使の声なき呼び声がする
作詞
3 フェリペ
4 ラファエル、フェリペ、リオーネ
5 キコ、ラファエル
6 キコの妻
7 ラファエル
8 キコの妻、ラファエル
9 ラファエル
10 ラファエル
9th Omni (オムニ) 2018年
総合☆☆ 43点
黄金期復活を目論んだ意欲作

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