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バンドレビュー No.3 DARK TRANQUILLITY (メロデス四天王 最後の砦 ダークトランキュリティ 

更新日:2020年12月26日

ダーク トランキュリティ

国:スウェーデン ハッランド県 🇸🇪

活動年:1989-

ジャンル:メロディックデスメタル

アルバム数11

コンセプト:人間の精神世界的な感じ?



アットザゲイツやインフレイムスと共にメロデスというジャンルを作り上げた重鎮バンド。ミカエルスタンネの美しいデスヴォイスに加え、哀愁が込められたリフやメロディが炸裂するバンドだ。メロディがクサくなく、時にはアグレッシブで時には芸術的な曲を披露してくるため大人のメロデスを堪能することができる。初期から一貫してメロデスというスタイルを貫き通しているため最もブレないバンドとしても知られている。それでもマンネリ化という言葉とは無縁で今なお、深化が止まらないバンドである。

ジャケット☆☆☆

技術☆☆☆☆

哀愁☆☆☆☆☆

安定感☆☆☆☆

ネームバリュー☆☆

個性☆☆☆



ジャケットの特徴

初期は芸術の中の世界のようなジャケットが多かったが最近は金属的なものを連想させるものが多い。


メンバー

ミカエル スタンネ Vo ☆

クリストファー アモット 12th〜

アンダース ジヴァープ Ds ☆

アンダース イワース B 11th〜

マーティン ブランドストローム Key 4th〜


元メンバー

ニクラス スンデン G 1st〜11th

マーティン ヘンリクソン B 1st〜3rd. 10th G 4th〜10th

マイケル ニクラソン B 4th〜8th

ダニエル アントンソン B 9thのみ

フレデリック ヨハンソン G 1st〜4th


主要メンバー

・ミカエル スタンネ (ヴォーカル)

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出典:https://images.app.goo.gl/UNrCHCQZbsVe7e4G9


世界一美しいとされるデスヴォイスの持ち主。作曲はほとんどしないがリーダー的存在。好感が持てるおじさん。クリーンヴォイス時の納豆声も彼の個性があっていい。謎のゲームにハマっている。


・ニクラス スンデン (ギター)

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出典:https://images.app.goo.gl/Gp27d1yEB63rp5JS6


作曲ができ、更にはイラストレーターとしての一面も持つ凄い人。多くのバンドのジャケットをデザインしている芸術家だ。ウネウネしていたり、なんか陰茎小帯的なへばりついているような感じの絵が特徴。しかしギタープレイヤーとしては全然目立たない。


・マーティン ヘンリクソン (ギター)

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出典: https://images.app.goo.gl/3YhEpdkyRJn7aPac6


メインソングライターとして活躍していて彼の書く曲は基本かっこいい。しかしギタープレイヤーとしては地味。ややメタボ。


・アンダースジヴァープ (ドラム)

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出典: https://images.app.goo.gl/3udsjQhxvvCQJ1od6


オリジナルメンバーでありスラッシュビートがめちゃくちゃ速いドラムが上手いハゲ。作曲もできる有能ドラマー。最近はやたらとスラッシュビートではなく2ビートをかましている。歳かな、、。


・マーティンブランドストローム (キーボード)

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出典:https://images.app.goo.gl/t2yekqHMKB8GFfnBA 黒魔術検定7級を持ってそうな顔をしたこのおじさんはいろいろなことができるキーボードおじさんである。作曲が出来、更にはアルバムを作る際にスタジオで謎のパワーを発揮するらしい。今となってはこのバンドに欠かせない人物となっている。


第1期

スカイダンサー ☆☆☆

ギャラリー ☆☆☆☆

マインズ アイ ☆☆☆☆

どの作品も勢いが凄い衝撃作が多い。速い曲や展開がわからない複雑な曲が多いが、メロディはこの頃からずば抜けている。初期だから仕方ないことだが音質が悪かったり、やけくそのような曲が多いのが残念。

第2期

プロジェクター ☆☆☆☆

ヘイヴン ☆☆☆

疾走曲を封印し、キーボードが加入したことによりゴシック路線やデジタル路線などに寄り道をした時代。地味なイメージが強い時代。クリーンヴォイスなども取り入れ実験作的なのが多いが、それでもクオリティは高い。この頃から雰囲気が大人になった。

第3期

ダメージダン ☆☆☆☆

キャラクター ☆☆☆☆☆

フィクション ☆☆☆☆

ウィーアー ザ ヴォイド ☆☆☆☆☆

再び黄金時代到来。前2作で深化をした彼らは、疾走曲を再び取り入れ、メロデスの王にふさわしいスタイルを確立させた。どの作品も超高クオリティだ。インパクト、芸術性、カリスマ性、どれをとっても頭ひとつ抜けた存在となった。

第4期

勢いや芸術性よりも深みを持たせた集大成的な作品が多い。今後のダートラが楽しみだ。

コンストラクト ☆☆☆

アトマ ☆☆☆☆


俺のおすすめアルバム順

9th>7th>3rd>4th>8th>2nd=6th>11th>10th=5th>1st


一般メタルファンが選ぶおすすめアルバム順

7th>8th>6th>2nd>3rd>4th=5th=9th=10th=11th>1st



【作曲スタイル】

メンバー全員が作曲できる。

ヘンリクソンを中心にスンデン、ジヴァープ、ヨハンソン、ブランドストロームで曲を作っていた。それぞれ作曲の才能があるが、今現在ソングライター陣で残っているのはジヴァープとブランドストロームのみなのでこの先が心配。

ヴォーカルのスタンネはほとんど作曲には参加しないが歌詞は彼がほとんど書いている。

(初期はスンデンも書いていた)




1st Sky dancer スカイダンサー 40点 1995年

怒涛のメロデス嵐を味わえるデビュー作

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記念すべき一作目。デスメタルに哀愁のあるメロディをぶっつけるメロデスというジャンル確立に貢献した1作とも言われている。中々に哀愁あり、衝撃ありのアルバムだが、全体的にぐちゃぐちゃしすぎていて聴いてて頭が変になる。ただダートラファンは聴いて損はない。


1.Nightfall by the Shore of Time B

2.Crimson Winds 特A

3.A Bolt of Blazing Gold A

4.In Tears Bereaved B

5.Skywards B

6.Through Ebony Archways A

7.Shadow Duet B

8.My Faeryland Forgotten C

9.Alone A


#1は「ないふぉーーーー!!」からのブラスト、スラッシュなどの爆走から突然テンポダウンしたりするぐちゃぐちゃメタル曲。展開が謎すぎるが凄みはある。

#2はイントロが美しいが、突如ぐちゃぐちゃメタルになってしまう曲。

#3はバラード。アコギがいい雰囲気を出している。途中女性ヴォーカルが入るところが聴きどころ。

#6はアコギバラード。こちらもいい。少し前の曲よりもダークか。

#7はぐちゃぐちゃ。イントロはジャケにあってていいかも。


作曲

みんなで仲良く作曲


歌詞

かすかに輝く神の痕跡は 誘惑する真夜中の地下納骨堂に消えた 冷たく目覚めた11月の夕暮れの中、寝かしつけられた我ら 

心は自由に航海し、巨大な夜行性の海に開花していく 

欠けゆく真実の月のもと生きた我ら

消えてゆく炎に近づく暗闇のように 嘆き悲しむ残骸を忍び寄りながら抱きしめる 

新時代の来る日を指折り数える 時は欲望に満ちた湧き上がる大竜巻 霊的な栄光に目覚めゆく理想郷の澄み切った空を突き刺していく  時の岸辺に降りる夜のとばり 炎と嘆きの津波が最後の命をさらっていく


不安な沈黙をもたらし天空を興奮がかきまわす 我が愛しき北欧の大地よ  無知と嘘の草原を刈るために脱落の足跡は拭い去られた 忘れられし夜明けの光に留意せよ 博識なる夜明けに今ひざまずく 


英智の内なる光が霊妙なる群衆の中で輝く 運命に向かう微風に乗って海風は旅立つ 

太陽光線に乗り白い海カモメの翼が遊ぶ  おお、色付きし天空の神よ 翼なきスカイダンサーよ 汝が影の衣を脱ぎ捨てたまえ 

墜落のセレナーデを踊ろう 


汝が樹木の腕の中に我を抱き込む 汝が嘆きし我が涙に溢れた魂に留意するがいい 涙の河がお前に傷口を残す 浅はかな愚者たちの休止した世界はやがて宇宙の地獄を掴むだろう 炎に包まれたエデン


緩慢な行為を恐れることない ただ作り話の静寂さだけに気をつけるがいい

軽蔑の鎖から自由になる術も知らぬ我に安息日をもたらしたまえ 


塔には寡黙の男ひとり 音もなく闇に閉ざされた世界に しかし言葉は汚れなき唇より踊り、血の風に吹かれ氷結す 漆黒の回廊をくぐりぬける 塔にはすでに男はおらず 厳霜が今や希望の壁を噛む 砂上に跡もなく


とこしえに、幻想に盲いて、安らぎは暮れ行ゆく空に消える 夜想の陽光に 

冷気に鞭打つ白波よ 聞け!風が口ずさむ小夜曲を 重ねた永き年月の溜息を、木陰より朗々とさまよい葉は先にて竦み留まる 時の風に吹かれた色褪せた年月の隠れ家 この時の綴りをゆえに導く 悲しきかな、時の引き潮に調和して 

影の二重奏、思いの二重奏 この想いに鹿芥ともに培し命 この内に、人生の二重歯車に住まう


モノリスの上を朝霧の下を雲さながら舞踏する いまや、悲愴を手に取り、静かにも絶え間ない海より 平穏なる孤独の深みにはまり 至福の中、我が霊魂は失踪する 乳白なる月光をまといて 風を抜け我は行く 唯1人、我が黄昏の地へと 時の迷宮よ、隠匿なる調和の中燃えよ


高木の葉の如く、我はしおれ落ちるのだ 秋風に流され辿り着くは霊安堂 時を数えつつ影の中に隠れん かつてはエデンの星を掌中におさめ名もなき悲しみの影を抱き、恐怖に燃える炎の影をまとう我は果てしなく孤高


さあ、鼓打て、混沌なる旋律を奏でよ 天に向け吠えろ 混沌なる恒久の夜空に 噛んで呑み込む涙とともに独り疾走する 生命の秘薬は慈悲深き情念にある 美徳なる喉笛をかき裂き 悦楽の洞穴を炎で破壊せよ 退ける黄昏は激烈にも静寂に情熱の宣誓が美徳の網より解き放つ そなたの虚栄に乞うことなく


神無月に芸術の師をつとめ 

陥落の炎影とともに


この荒涼だ地に惜別の辞を捧げる 2度とは戻らぬと 地平線の走者とともに



2nd The Gallery ギャラリー 総合☆☆☆☆ 67点 1996年

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メロデスと言ったらこの作品をあげる人も多いほど知名度の高いメロデス界の名盤。前作同様全ての曲が複雑な構成だがよりメロディアスになり曲にメリハリがつき形になってきた。次から次へと湧き出るメロディの嵐に最初は感激するも、最近だと聴いてて疲れてしまうため若干賞味期限アルバム。

1.Punish my heaven 特A

2.Silence and the firmament withdrew 特A

3.Edgnspring 特A

4.The dividing line A

5.The gallery 特A

6.The one brooding warning A

7.Midway through infinity B

8.Lethe B

9.The emptiness from which I fed C

10.Mine is the grandeur...B

11....Of melancholy burning B


#2は地味なミドル曲だが、渋くいい味を出している。

#3はライヴでも盛り上がる劇的な疾走曲。イントロや、途中変拍子をみせるところなどあちこちフックが効いてていい。

#4はテンポチェンジが激しい曲。後半爆走するところが良い。

#5は不思議な世界観が魅力のパワーバラード。頭のおかしい絵画展に来た気分になれる。途中女性ヴォーカルが現れたりトリッキーな曲だ。

#6は面白い展開をみせる疾走曲。突風のようなメロデスソングでかっこいい。

#9は構成が複雑だが全てのパートがグッとくるミドル曲。このアルバムを象徴している曲だ。

#10はアコギのインスト 次の曲へ繋がるようになってる。

#11は展開が美しいスロー気味の曲。どこか壮大という感じがする。




作曲

1 ヨハンソン スンデン ジヴァープ

2 スンデン ヘンリクソン

3 スンデン ヨハンソン

4 ジヴァープ ヨハンソン スンデン

5 ヘンリクソン

6 ヘンリクソン ヨハンソン スンデン

7 スタンネ以外全員で作曲

8 ヘンリクソン

9 ヘンリクソン スンデン ヨハンソン

10 ヘンリクソン スンデン

11 ヘンリクソン


作詞

スタンネとスンデンでつくっている。

地の果ての十字路に我らは辿り着いた 乱れ狂う空に宇宙の勧告が我らを墜落させるのだ もし翼があれば汝を我は許すだろうか もし角があれば我が微笑みを駆り立てる炎が燃えるだろうか 秋の日に最後の一葉が散る時、輝ける日々の終焉が訪れる 浄土が我に嘘を強要するなら今進み行く暗黒が我が顔にシワを刻む


凍てつく木々を嘆かせ 波打ちながら鞭打つ雨に揺れている そこには静寂と天空が広がる 赤く緋色に空を焼く讃美歌の詩は燃えあがり息絶える


全てが嘘になった時、時空はその過失の中に身を隠す 流出する光はその雄大さを分かち合い、エデンの泉は決して枯れることはない 

明日を知らぬ我らのために、過去は未完成な姿を現す 


お前が否定した嵐が別つことのできない真実を拭い去る 嘘の土台の上に築き上げられたお前の城は、安定を欠き揺れるのみ

空白のページを作家が許さぬように、虚しい心は餌を探し求める


我が虚栄の広間で踊るがいい 愛に飢えたキャンパスを覆う孤独な肖像画 全ての陰影に何千もの言葉が潜む 生ける混沌の芸術性が詩人の涙の中に描き込まれる 全てが焼かれてしまったなら、最後の構想は、ただの思考にすぎないのだ


不滅の静寂が汝に忠誠を誓う 果てのない冬の夜 我ら、ただ不完全なる知覚の上で行動するのみ 流血の警告が夜よりも明確に立ちすくむ 


炎の翼が夜を焦がす まどろむ瞳に炎の灯りが飛び込む 追憶の日々、

枯れた木が揺れる地に妄想がとりつく 


忘却の川よ 忘却と虚無と強力な甘き芳香の慈悲に抱かれ我は生まれ変わる


震えおののく孤独に横たわる静寂 静寂の瞳に嘘はつけない 沈黙、または不在なる音は我を養うことはできない 美の根源だけが効き目の長い魔力に静かに降り注ぐ 太陽へと向かえ 虚無の世界に光を与えよ

視覚が把握しそこねたものこそ、我を養う虚無なのか


儚さ、汝の名は弱さなり 

復讐、我が名は苦痛なり 汝こそ非情なる釘なり 余韻に残す瞳は真実を見るだろう 

安全な天蓋の空から逃げ理論だけを見据え、復習あるのみ 不確実な約束の地へと突撃する


3rdThe Mind’s I マインズ アイ 総合☆☆☆☆☆ 83点

1997年

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前作に比べ曲が単純化し今までの複雑な構成は取っ払われた。疾走曲が多くメロデスラッシュ色が強い。わかりやすいメロディが減り地味だと思われがちだが、前作よりも心を掴むようなメロディが随所にある。贅肉を削がれた感じだ。狙ってない感じの本能が生んだようなメロディが凄い。よりメタルらしくなり、渋さが増したという印象だ。ただ、音質がかなり悪く音が軽いのが残念。薄暗いさまざまな記憶が展示されている神殿を彷徨っているような曲が多い。

おすすめは1、2、3、5、6、9、10、12

1.Dreamlore degenerate A

2.Zodijackyl light 特A

3.Hedon A

4.Scythe, rage and roses B

5.Constant S

6.Dissolution factor red A

7.Insanitys crescendo B

8.Still moving sinews B

9.Atom heart 243.5 A

10.Tidal tantrum A

11.Tongues B

12.The minds eye A

13.Razorfever B


#2も続けて疾走曲。サビのメロディ、疾走パートのリフ、そしてギターソロの全てが美しく印象に残る名曲。

#3はイントロが哀愁の嵐のスロー曲、かと思いきや後半で爆走をみせるダートラらしさのある曲だ。

#5はスローな曲で地味なせいかファンからも評価が低い曲だが、個人的に大好きなトラック。全パートの哀愁がたまらない。これぞ精神世界って感じがしてとにかく好きだ。

#6は再び爆走疾走曲。メロディアスなリフと凄まじい速さのドラムとの絡みが良い。

#7は女性ヴォーカルが登場する哀愁たっぷりミドル曲。アコギもいい仕事をしているゴシック色の強い名曲だ。

#8はミドル曲。地味だが中盤の間奏部分が独特な世界観を出してい良い。

#9は疾走曲。かっこいいリフとどこか悲壮感溢れるヴォーカルとの融合が良い。

#11は泣けるミドル曲。後半のミカエルの唄い方が凄まじい。

#12ラストはアコギのインスト。とにかく美しくも悲しいメロディに心を打たれる。映画音楽にも使えるんじゃないか、てほどのクオリティ。






作曲

1 ヘンリクソン スンデン

2 スンデン ヨハンソン

3 ヘンリクソン スンデン

4 ヘンリクソン

5 スンデン ヨハンソン

6 ヨハンソン スンデン

7 ヘンリクソン ヨハンソン スンデン

8 スンデン ヨハンソン

9 スンデン ヨハンソン ヘンリクソン

10 ヨハンソン

11 ヘンリクソン ヨハンソン スンデン

12 ヨハンソン

歌詞(対訳×)

汚れたプライドには罪の自覚に終止符を打つことなどできない 


一千のもの嘘の名残りの長いに這っていく

再演しながら過去に取り残された世界を照らしている黄道光 鋭く研ぎ澄まされた空間を越え信念の残り火をあざ笑う 


無秩序な世界を見捨てた黙示録のひづめに育てられ 乾いた太陽に向かいなにも語らず 


魂を養われ、我が炎は地球を照らすために仕えるだろう 根源のない炎は燃え盛ることなどできない あの星には何も導けない 甘美な祝福も今は眠る


大胆な新しい概念と創造と形態で引き裂かれた天国に存在した楽園の欠片 不変とは永遠なり


燃え盛る油で厚く塗られた絵の具が、大陸を形どる 翼の骨格にあざけりをもたらす


風の色 幻想が回転する 今、天の血潮のために無知と浄化が訪れる 冒瀆されるためにある魂、偽りの報いを受けるためにある本能


命の失われた裏通りの儚い 


お前の言い分は蓋をされ、瞳の虹彩には穴があいた 羽は今鋭く研がれた


宴よ、炎よ、偽りの希望よ 来るがいい

渦を巻く擁護の中、荘厳な姿をみせる 


放浪の年月を埋葬しよう 天体が奏でる不協和音、原子核の空に疾走する約束 


課せられし十字架は我にあり 


影を落とさぬ夜明けのために、お前の嘘で固められた絶壁の落石から墜落と絶望の妄想が生まれてくる 幸運を刈り取る者のために、全ての善なる信念を犠牲にし、苦悩は彼を孤独へと導くに違いない



4th Projector プロジェクター 総合☆☆☆☆ 67点 

1999年

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キーボード奏者のブランドストロームがこのアルバムから加入し、ボーカルがクリーンヴォイスを多用するようになったため、大きな転換期を迎える。かなりゴシックメタル寄りの作風になり疾走曲も#6の1曲のみで賛否の声が多い。しかし音質もこのアルバムからクリーンになり落ち着いた雰囲気かつ哀愁のある曲が多いため私は気に入ってる。この作品からドラムのジヴァープが積極的に作曲に参加し始めた。田舎の田んぼが広がる平地に不自然に建つ茶色い洋館風のホテルを連想させる曲が多い。窓からの太陽光のみで照らされる薄暗い室内という感じがたまらない!

おすすめはあり1、2、3、4、5、6、7、9、10

1.Free card 特A

2.There in 特A

3.Undo Control 特A

4.Auctioned A

5.To a bitter half A

6.The sun fired blanks 特A

7.Nether novas A

8.Day to end C

9.DoberMann B

10.On your time A


#1はピアノから始まる独特な雰囲気のあるミドル曲。リフや展開が深みがあり、ムーディーな世界観に誘われる。洋館感溢れる唯一無二の曲だ。

#2はポップ調のミドル曲。サビでテンポダウンしクリーンヴォイスになるところが聴きどころ。途中のリフも癖になるかっこよさがある。

#3は女性ヴォーカルとミカエルのデス声とクリーンヴォイスが交差するゴシックメタルよりの曲。曲全体の雰囲気がどこか懐かしさを感じる。途中のギターリフも良い。

#5は地味ミドル曲。独特な雰囲気というかマイペースな感じがいい。ファンからの評価を気にせず薄暗い美を追求する姿勢が美しいな。

#6はやや疾走曲。クリーンヴォイスを一切使わない過去作を彷彿とさせるメロデスソング。ギターが終始かっこいい。しかしこのアルバムの中だとかなり浮いている存在。。

#7は#5によく似たミドル曲。深い、とにかく深いゴシックムーディーな沼に浸かれるのでおすすめ。

#8はこれまたクリーンヴォイスのみの楽曲。不思議なバラード。美しさはなく怪しさがただよいそんな好きじゃない。。ミカエルの粘り気のつよいクリーンヴォイスは好き嫌いが分かれそうだな。

#9はポップな曲。途中間奏部分の雰囲気がいい。

#10はドラムから始まるアップテンポソング。かと思いきやスローになり、ゴシック色むんむんになる。とにかくテンポチェンジが多い。ラストには凄まじいまさかの爆走をみせる。このアルバムでのダートラの全てが詰まっているとも言える楽曲だ。


作曲

1 ヘンリクソン スンデン ジヴァープ

2 ヘンリクソン スンデン

3 スンデン ジヴァープ ヘンリクソン

4 ジヴァープ

5 ヘンリクソン ヨハンソン

6 ヘンリクソン スンデン ヨハンソン

7 ジヴァープ スンデン ヘンリクソン

8 スタンネ

9 ヘンリクソン スンデン

10 ジヴァープ ヘンリクソン ヨハンソン


歌詞 役下手くそ


対訳がゴミ過ぎて、修正も不可能なレベルのため、省略します。

他にもやることがあるので自力で全部和訳する時間はありませんでした。


5th Haven ヘイヴン 総合☆☆☆ 53点 2000年

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前作の延長線上だが、ゴシック要素が減り疾走曲は皆無なもののメタル色が強くなっている。そしてクリーンヴォイスはほとんど使われなくなった。メインソングライターのヨハンソンの脱退は痛かったが、前作加入したキーボードのブランドストロームが新たに作曲にも参加し、その才能を発揮している。ほとんどの曲がミドルテンポの曲で少し似た曲が多すぎるのが残念な点。#7のような劇的というかドラマチック的な展開をみせる曲もあり、ダートラの新たな一面もみえる。中盤など良い曲が揃っているがどうもパワー不足というか地味な印象が強いアルバムだが、クオリティはやはり高い!アルバムを通して聴こえるデジタル音というかピコピコ音が好き嫌いをわけそう。パソコン室って感じの曲が多い。

おすすめは4、5、9

1.The wonders at your feet B

2.Not built to last B

3.Indifferent suns B

4.Feast of burden 特A

5.Haven A

6.The same B

7.Fabric A

8.Ego drama B

9.Rundown S

10.Emptir still C

11.At loss for wards B


#2は地味だが良いミドル曲 曲全体を通して感じるメランコリックな感じがいい

#4はアグレッシヴさと哀愁が入り混じった名曲ミドル曲。ギターリフがめちゃくちゃかっこよくドラマチックな曲だ。

#5はアルバムタイトル曲。こちらもミドル曲だが各パートのメロディが印象的でよく出来ている名曲。これぞ哀愁パワーデスメタルだ!

#6もまたまたミドル曲。前2曲に比べると地味だが、溢れ出る悲哀感が良い。フックの効いたメロディも味がある。

#7は哀愁まみれの超ドラマチックソング。途中の展開などが壮大。終始瀕死の男がゴールに向かい這っていく感がありたまらない。

#8はミドル曲。地味だがオシャレな曲だ。マイペース感があってこの時代のダートラを象徴するような曲でもある。

#9は力強いイントロから始まるミドル曲。途中アップテンポになり展開し出すパートが神。この狙ってない哀愁がたまらない。

#10は怪しいイントロから始まるこのアルバムでは唯一のクリーンヴォイスバラードソング。ねっとり声がおぞましく感じてしまう曲だが、後半になると、パワーバラードちっくになりそこらへんはかっこよかった。


作曲

1 ブランド ジヴァープ ヘンリクソン

2 ジヴァープ ヘンリクソン ブランド

3 ニクラソン ヘンリクソン

4 ヘンリクソン ジヴァープ

5 ジヴァープ ヘンリクソン

6 ブランド ジヴァープ ヘンリクソン

7 ブランドストローム

8 ジヴァープ ヘンリクソン

9 ヘンリクソン ジヴァープ

10 ヘンリクソン

11 ジヴァープ ヘンリクソン


歌詞 (対訳酷い)


対訳がゴミ過ぎてて、修正も不可能なレベルのため、省略します。

他にもやることがあるので自力で全部和訳する時間はありませんでした。



6th Damage Done ダメージ ダン 総合☆☆☆☆ 65点 2002年

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ダートラの音楽性が確立したアルバム。疾走曲が復活し、リフが重視されるようになりかっこいいメタルアルバムに仕上がっている。

かっこいいのだが少し狙ってる感もあるのが残念。最もポジティブな雰囲気のあるアルバム。歌詞はやたらと思考停止した大衆への呼びかけ的なので溢れている。風が吹き荒れる港町を一人で歩く感じの曲が多い。

おすすめは1、2、3、7、8、11、12

1.Final resistance A

2.Hours passed in exile 特A

3.Monochromatic stains A

4.Single part of two B

5.The treason wall B

6.Format C:for cortex B

7.Damage done A

8.Cathode ray sunshine A

9.The enemy B

10.The poison well B

11.White noise black silence A

12.Ex nihilo A


#1は久々の疾走曲。口ずさみやすいリフとサビのメロディが魅力だ。

#2はリフがかっこよすぎるミドル曲。前作のドラマチックな雰囲気にメタルのかっこよさも加わった名曲。風が吹き荒れる街を歩いてく感じの曲だ。

#3はアップテンポ曲。キャッチーな曲調でありながら攻撃性のもあり、サビではダートラらしい哀愁が吹き荒れる魅力が詰まった曲だ。

#5はライヴでも定番の大人気曲。イントロのメロディのパワーがすごい。よく出来た曲だが、ダートラにしては浅いというか狙っている感もあり、私はあまり好きではない、、。

#6はとにかく泣きまみれのミドル曲。中盤の展開は本当にダートラらしい。攻撃的でありながらも優しさ溢れる曲だ。

#7はストレートな疾走曲。かっこよさ1本勝負の男らしい曲だ。

#8はどのパートも練られているアップテンポソング。日本人受けしそうなメロディの嵐で聴いてて爽快。

#9はパワーバラード。前作に入っているような雰囲気の曲だ。ここでこれを持ってきたのはなかなか良かった。

#10は正統派メタルソング。ミドル曲で地味な扱いを受けているがサビや間奏部分は味があってかっこいい。難所を突き進んでいく感じの曲調だ。

#11 アルバムのラストを締めくくるのはインスト。悲しくも美しい曲調に心を奪われる。世界観がFF7って感じがして好き。忘らるる都あたりを思い出す。


作曲

1 ヘンリクソン

2 ヘンリク ジヴァ ニクラソン ブランド

3 ジヴァープ ブランドストローム

4 ジヴァープ ヘンリクソン

5 ジヴァープ ヘンリクソン

6 ジヴァープ ヘンリクソン スンデン

7 ヘンリクソン ジヴァープ

8 ブランド ジヴァープ ヘンリクソン

9 ヘンリクソン ニクラソン ジヴァープ

10 ジヴァープ スンデン ヘンリクソン

11 スンデン ニクラソン ヘンリクソン

12 ヘンリクソン ジヴァープ


窓が漆黒の世界へと割れ、あとは独り残されることだけを待っている 誰もいない廊下には答えだけがこだまする


もし時が他人のためだけにあるとしたら、粉々に壊された残骸だけが残り、修復は不可能となる


静かな水に映る顔 俺はこれまでこんな顔をしたことがあっただろうか まるでお前の心に残された指紋のようだ


俺たちはここを離れ、空へと向かったほうがましなのさ 言い尽くされた言葉のように疲れ果てた


生きる価値のない者たちは視覚を奪い取られてしまう


思考が目隠しされたように止まってしまう

かつて松明を掲げていた人々の殻を燃やし尽くしたお前の考えを変えることはできない


思考の列車が脱線をし、まっすぐ考えることが出来ないでいる この廊下を歩き許しを探し求めた 意思の形成基盤を封じ込め、迷いの欠片もない道を行く 悲劇は起きてしまった そして私は矛盾した需要に直面した


焦点はボケていく 混沌を明かりに照らせ 陰極の太陽光で焼き尽くせ


時期にやってくる使命に客観的になり、知らぬ間に拒否される 平凡な連中は落ちこぼれ人生を降り落ちることしか出来ないでいる

肩を叩かれた者は忘れない 肘を突かれた者は抵抗する 俺たちを定義づけようとする奴らはみんな敵だ


壁が崩壊しない限り、お前を侵食する思考はどうすることも出来ない


静かな闇を願い希望を締め出す かつての激しさは失い、喧騒の中に消えていった


7th Character キャラクター 総合☆☆☆☆☆ 88点 2005年

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ダートラ史上最もかっこよくアグレッシブなアルバムと言える。前作に比べ攻撃性が増し、わかりやすいメロディが消えたが、溶け込んだ哀愁が随所に散りばめられているためたまらない。ギターのリフの凄まじさが目立ち、暴虐性と美がうまく融合している。酸性雨で荒れる近未来都市の栄光と悲しさが上手く噛み合った世界観を出せてる神作。

おすすめは1、2、3、4、5、6、7、9、11

1.The new build 特A

2.Through smudged lenses 特A

3.Out of nothing A

4.The endless feed 特A

5.Lost to apathy 特A

6.Mind matters A

7.One thought A

8.Dry run B

9.Am I 1?特A

10.Senses tied B

11.My negation A


#1はいきなりブラストから始まる疾走曲。かっこいいリフの嵐が炸裂し、サビでの狙ってないメロディも心にしみる名曲。

#2も続けて疾走曲。メロディアスではないがリフが凄まじく爽快感がある。次から次へと展開する読めない構成なのも魅力。

#3はギターがいい仕事をしているアップテンポソング。全体的に金属的でありながら後半のピアノが入るところなどは人工物の中にある僅かな自然という感じが出ていて素晴らしい。

#4はキーボードがいい味を出しているミドル曲。一見地味だが凄まじくドラマチックな曲。全てのパートが魅力的だ。

#5はダートラの全てが詰まっている疾走曲。キャッチーなメロディ、攻撃的なリフ、間奏部分の哀愁、全てが輝いている。ここまでの集大成という感じの曲だ。

#6はアップテンポ曲。ギターのリフが目立つ正統派メロデスソング。後半で美しい展開をみせるところはさすが。

#7はドラマチックなピアノのサビとイントロが武器の疾走曲。Aメロ、Bメロのギターリフもめちゃくちゃかっこよく隙がない曲だ。

#8はチルボドっぽさも感じられるアップテンポソング。キャッチーで明るめの雰囲気だが後半部分の展開はダートラらしく品があって良い。

#9は哀愁曲。やや遅めでインパクトは薄いがとにかく哀愁がやばい。特に中盤の展開は神だ。ダートラにしか作れないスルメ名曲だ。

#10は破壊力のある疾走曲。ギターとキーボードがうまく絡み合ってる。

#11ラストを締めくくるのはパワーバラード曲。ここまで攻撃的な曲が多いアルバムだったため、食後のデザート感もあり良い。終始悲壮感漂う雰囲気がたまらなく良い。酸性雨によって滅びゆく自然の嘆きを聴いている気分になれる。


作曲

1 ヘンリクソン ニクラソン ジヴァープ

2 ヘンリクソン スンデン

3 ヘンリクソン ジヴァープ ニクラソン

4 ブランドストローム ジヴァープ

5 ヘンリクソン

6 ヘンリクソン スンデン ジヴァープ

7 ヘンリクソン ジヴァープ

8 ニクラソン ジヴァープ スンデン

9 ジヴァ ブランド スンデン ヘンリク

10 ヘンリクソン

11 ヘンリクソン ニクラソン ジヴァープ


理論を超えた強さを持つ人間の力 望遠鏡も壮大な概念も及ばない この惨めな地獄の片隅の小宇宙 俺たちが情を移した遠い記憶 覆されて然るべきものに、革命など望めない

魂に宿るものが現実味のなさに、虚しく音を立てる


敢えて関わらず、しがらみを断ち切り、更なる抽象具像、事実と悪意の果つるまでそれは意味を失うのだろうか 沈黙は真実を語る 

架空の神殿 お前がしつらえた黄昏の世に住まう 漆黒の虚空を曝け出せ 封じられた悲鳴の苦悶を千倍に増し、静寂を脱し、闇を払え


真実と理性を敵に回せば、そこに激しい怒りが生まれる 優位を味わい続けたいがために視野を狭めていく一方でお前の焦点はいつまでも定まらない 目的意識の感覚を養い、それを信念の基盤とせよ 批判は非礼とみなして振り払え 己の動機の根拠を決して疑うな


迫りくる滅亡という、その概念を愛でるがいい 一切が娯楽の名の元に墜落している 


口に出さない弱音は共鳴を呼ばず 俺たちを繋ぐ糸の端は解れ、やがて擦り切れる 例に倣い俺たちの体躯は語る 愚行は濾過し、残りカスを嘲笑え


どれもこれも虚飾 心の重要性を持たず、2度と再び、影りのない明瞭さを持って子供のような目で1日を迎えることはあるまい

導きを失い、災難が手本を示す 呼べば訪れる幕切れは近い


沈黙の欠片をもうひとつ、覆い隠すために

破裂音にもうひとつ、穴を穿て


アドレナリンが枯れた時、あるのは影ひとつ 残るのは虚しい小細工のみ

眩いばかりの理想を語り、そこは世界を眺める舞台だと言っておきながら鏡は写し出すものを粉々に砕くためにあるのか 目を欺く暗闇が、苦もなく逃走を許す


両手を憤怒の拳に固め、不満で塗り込める 俺の中にはそんな自分と付き合いきれずにいるところがあって心ならずも偽りの薄化粧をまとい、お前の世界を起動させる目論見と化しているのだ 共同体に埋もれ、帰属意識に目が眩み、、本当にそれが全てなのか 


誠意と誇りの裾野が言葉の届く限りに広がっている 誓いの言葉を信じる気持ちは跡形もなく失った 視線がにじり寄ってくる 気まぐれに縫い合わされた真実を解読するのにも飽きた


太陽に沈むなと願うのは、鼻につくような自我があってこと 怒りの連鎖にはなぜ躊躇いがないのだろうか いにしえの罪を背負い、憧れた姿を消すところ 俺の必要なものは、俺の終焉に尽きる 我が反駁よ

引き算の美学 募る恐怖が柱となってそびえ、理に適った本能と洞察力は鳴りを潜める



8th Fiction フィクション 総合☆☆☆☆ 71点 2007年

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基本的に前作と同じ路線だが少し落ち着いたというか大人びた印象。バランスが非常にとれた作品でスピード感や攻撃性は薄れたものの重さとピアノを多用した美しいメロディが増しダートラらしさが出ていた。ダートラ初心者におすすめもしやすい作品だ。また、今まで目立たなかったギターソロも今作から活躍している。しかし、曲順とかが計算され過ぎてるためか前作のような身体を突き抜けるようなアルバムではなく、まとまりすぎていて物足りなさも感じてしまう。曲は全体的に小雨の降る銀色の郊外という印象。

おすすめは1、2、3、4、5、6、7、10

1.Nothing to no one B

2.The lesser faith S

3.Terminus 特A

4.Blind at heart A

5.Icipher A

6.Inside the particle storm A

7.Empty me 特A

8.Miserys crown B

9.Focus shift B

10.The mundane and magic A


#1はヘヴィなイントロから始まる冷たい雰囲気の疾走曲。サビのピアノのメロディは目立たないが大人びていて良い。ブラストもあり聴きごたえがある曲だ。

#2は淡々と美しく展開していくミドル曲。イントロ、サビのピアノが心に突き刺さる名曲だ。雨って感じがする曲。

#4は攻撃的なリフが特徴的なブラストもある疾走曲。サビのメロディはThe・ダートラ的で良い。

#6はダートラ史上最もダークなスロー曲。とにかく聴いてて恐怖に陥るサウンドだ。こういう曲も作れてしまう彼らが恐ろしい、、。北欧の寒々しい退廃の美が感じられる曲でもあるので結構好きだ。

#7はブラストのインストが強力な疾走曲。サビはダートラらしいピアノが入る魅力の詰まった曲だ。最近の疾走曲はこの構成の曲が多い。

#9はいかつい疾走曲。リフやメロディが彼らにしては少し弱かった。

#10ラストを締めくくるのは久々に女性ヴォーカルが登場するパワーバラード。中盤の男女で歌っていくところのメロディが美しい。

作曲

1 ヘンリクソン スンデン

2 ヘンリクソン ニクラ ジヴァ スンデン

3 ヘンリクソン スンデン

4 ヘンリクソン

5 ブランド ジヴァープ ヘンリクソン

6 スンデン

7 ヘンリクソン

8 ブランド スンデン ジヴァ ヘンリク

9 ヘンリクソン

10 ヘンリクソン ジヴァープ

11 ヘンリクソン ジヴァープ スンデン

夢と幼稚な幻想の壁が崩れ落ちる  俺から決意を奪い去った 重荷も共に奪ってくれれば自分の墓への導きとなったというのに


世の中が終わる夢をみた 自分の劣った宗教と信条を正当化する時がきた 

お前は二つにへし折られるべき旗竿に従っている


陥れた者達に火をつけて、華美な鎧を突き刺せ 死の刻印により、損失と苦悩で悲劇以外の全ては引き裂かれた この果てしなく続くゴーストタウンの道路...この街で想像は忌むべきものだ


燃え盛る超新星の炎は広がり、恐怖の虚しい炎となる 罪の炎は怒りの防火壁を焼き尽くす お前はその籠の中で己の過ちを死の瞬間まで叫び続けるだろう


情欲に失望させられるが如く、身を沈める意思がない そしてやがて失墜がやってくる

目的を失った侵略兵の如く、盾を太陽に翳しながら沈黙をする


粒子の嵐の中、ナパームの雲が煌めく 最後の夜明けが約束された粒子の至福の中、最後のキスをする エデンの園の爪が地球の血流を引き裂き、生命のカーテンは今落ちる 

黒い船が空に錨を下ろし、無慈悲な死として降りてくる


夜を捨てられない者が浅はかな闇の中で眠る 

記憶から描写され、僅かな睡眠から断片が残る 夜を誘惑し日中を刺し光を殺す者は、不安と理屈の狭間である夢に現実逃避を図った


この街では「自由」なんてただの絵空事に過ぎない。喜劇を求めたいならお前1人で勝手に悲劇の主人公を演じていろ。


最後に発砲した時、俺は弾丸を拾うのを忘れ

お前が罪を着た 

表情だけが俺の言葉として残った 


空に向かう盲目のビル 俺の嘘はいつも俺の望みであり、理性の向こう側を見せてくれる嘘なんだ 俺は終わりなき灰色の日々に夢が侵食していくことを許した 客観性とは否定された真実でもある


雨の命と同じく、落ちている瞬間だけの命の空虚さよ 終わりのないパズルが俺たちの目的を反射する 否定を土台にした骨組みは埃で出来ている



9th We are the void ウィー アー ザ ヴォイド

総合☆☆☆☆☆☆ 99点 2010年

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前作が計算されたアルバムだとすると今作は本能型のアルバムというイメージ。基本路線は変らないもののブラックメタル色が増し、ダートラ史上最もダークな作品となった。その分暴虐性と芸術性の融合が頂点に達している。人を選ぶアルバムでもありそうだが恐怖、美しさ、冷たさ、悲しさの全てを含んだ最高傑作だと私は思う。吹雪の中氷の城を目指し、歩き続けているような感じの曲が多い。

おすすめは1以外全て

1.Shadow in our blood B

2.Dream oblivion A

3.The fatelist S

4.In my absence 特A

5.The grandest accusation 特A

6.At the point of ignition S

7.Her silent language A

8.Arkhangelsk A

9.I am the void A

10.Surface the infinite 特A

11.Iridium 特A


#1はヘンテコなイントロから始まる疾走曲。リフの意外性とブラックメタル色溢れるサビのメロディが聴きどころ。今までのダートラ

とは雰囲気が違うトラックだ。

#2はヘヴィなスロー気味のミドル曲。実験的な曲でもあり、新たな一面がみれる。サビのダークなメロディがかっこいい。

#3は疾走曲。疾走パートになだれ込むピアノの旋律が神がかっている。リフもサビのメロディも一級品の神曲だ。

#4も疾走曲だが、こちらは前作の雰囲気に似ている。少々マンネリ臭もするがイントロのリフ、途中のリフやキーボード、サビのピアノ、どこをとっても最高な曲だ。

#5は悲壮感あふれるダークバラード。このタイプの曲も新しい試みだ。中盤の展開がヤバすぎる。悲しくも美しいメロディを作れる彼らは天才だ。

#6は魔力溢れるミドル曲。全パートのリフ、ピアノメロディ、ギターソロが深い哀愁があり個人的に神曲だ。曲構成も面白い。もっと評価されるべき曲だ。

#7はこのアルバムの中では珍しくキャッチーなピアノメロディから始まるミドル曲。思わず口ずさめるほど印象的なメロディが多い。馴染みやすい曲だが全体的に構成も練られており品があって好きだ。クリーンヴォイスも取り入れている。

#8は前の曲とは打って変わってダークなスロー曲。荒れる雪原を彷彿とさせる圧倒的な世界観が魅力。イントロの哀愁、サビの迫ってくるような恐怖がたまらない。

#9は疾走曲。リフがとにかくかっこいい。削ぎ落とされたシンプルなサビも意外といい。

#10も続けて疾走曲。こちらもリフがいかしててブラストも披露してくれる。サビや間奏部分の凍りついた滝を連想させるメロディが美しい。

#11は悲壮感が凄まじいパワーバラード。サビで爆発するメロディは泣ける。最後を締めくくるのにふさわしい曲だ。


作曲

1 スンデン

2 アントンソン ヘンリクソン

3 ヘンリクソン ジヴァープ

4 ブランド ヘンリクソン スンデン

5 スンデン ヘンリク ブランド ジヴァー

6 スンデン ヘンリクソン

7 スンデン ジヴァープ ヘンリクソン

8 スンデン

9 スンデン ヘンリクソン ジヴァープ

10 ヘンリクソン ジヴァープ ブランド

11 スンデン ブランドストローム


歌詞 (注!!)


手の中の空虚は、常に夜の音を静めている 

夜が塗られた矢は今、太陽神を射抜く 死すべき運命に逆らう俺たちは妄想に取り憑かれる 架空の現実から繁栄するための祈りまで

現実の岸から遠く離れ生まれた夢に今屈服する


果てしない現実に道徳性が倒れ、個性を無くしたお前は自分自身の影を生み出した 信条、意味、全てが終わる夢の忘却の中で真夜中の歌に合わせ舞い続けろ


その日がやってきた お前は運命論者だ 可能性と夢の果てしなき庭園が今は廃墟と化し

お前が歩むその大地は流血を夢見る 運命は決まっている お前の努力は夢の残骸を拾い集める行為に過ぎないのだ


眠れぬ夜は長引き、涙で終わる日々が過ぎる  暴虐の釘が打ち込まれ、不安と苦痛が不協和音を生む 人生が決めたことを理解できず俺はもうここにいられなくなった 


お前が悲しみの島になるなら俺は怒り狂う海になる お前が聳え立つ木々になるなら、俺は燃え盛る嵐となろう 人間は空疎な墓石に過ぎない 洞察力を手放し、拒絶を選んだお前は荒地と化す 俺は津波となり、飲み込まれたお前は悲劇の大地で空虚さでも測っていればいい


影の中でこだまするお前の声が聞こえる

答を導き出せない一瞬の出来事が巨大な大橋となりお前を見下ろす もう時期葛藤を燃焼させる火は消えてしまうだろう



遠くにある視線 そして結ばれることのない人生 沈黙の中で出会い、消え行く夜を避けようとする言葉を推測することしかできない

彼女は静かな部屋で俯きながら心を一口齧る


太陽は石となり、空気は火と化す 全てが無に還り、無は皆無となる アルハンゲリスクの凍りついた平原の歯車の中、彼らは集まり単調な音に溺れゆく 人々が運び、その地が忘れてしまったものを朝の星から受け継ぐ 


静かな囁きを夢想へと導かせる お前はいつもお前を見下ろす世界の外側に立っている 影の中で沈黙が語り、終わりのない言い訳の傍にいる 


現実への作り笑いは予期する未来に向けている 目が眩む太陽を突き刺す槍は手元にある いにしえからの教義に夢を譲ってしまえば、失われた決断は見つかるのだろうか


地平線に導かれるんだ 夜の天空へ 燃える空が垂れ下がり心は鳥のように家路へと羽ばたいていく 百万もの眩しい太陽は粉々になり、創造の真髄から飛び出し、比類なきものが終わっていく


10th Construct コンストラクト 総合☆☆☆ 56点

2013年

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6thから9thの流れを断ち切り、5thのヘイヴンのようなミドルテンポの曲が中心になった実験的なアルバム。重く、そして遅くなった反面、クリーンヴォイスも多用しているため取っ付きやすさはある。上手くまとまってはいるがここ最近のアルバムがあまりにも強力だったためどうしても肩透かしを食らうというか、影の薄いアルバムになってしまった印象。闇の中でもがいている感じの曲が多い。

おすすめは2、3、4、5、7、9、10

1.For Broken Words B

2.The Science Of Noise 特A

3.Uniformity A

4.The Silence In Between A

5.Apathetic A

6.What Only You Know B

7.Endtime Hearts A

8.State Of Trust B

9.Weight Of The End A

10.None Becoming A


#1出だしはまさかのスロー曲。重くて暗くて地味だが聴けば聴くほど味がでてくる曲だ。この一曲でダートラは再び大きな転換期を迎えたことがわかる。

#2は半疾走曲。リフが凝ってて面白く間奏部分の爆走パートからのギターソロは非常に良くできている良曲だ。

#3はこのアルバムの要ともいえるゆったりしたパワーバラードナンバーだ。サビのクリーンヴォイスが素敵。サビ入る前のメロディも癖になる。

#4はアップテンポソング。全パートがキャッチーなためとっつきやすい。良いメロディだが少しダートラらしくない。(アモンアマース的?)

#5はやや疾走曲。このアルバムでは数少ないアグレッシブナンバーだ。ザクザクしたリフとサビ前のメロディが深みがあって良い。

#6はクリーンヴォイスが主役のポップな曲。馴染みやすいが過去1ポップで少しびっくりもする。

#7はミドルテンポ曲。全体的に哀愁が強くダートラらしさのある曲だ。繰り返しが多い曲だがどのパートもかっこいい。

#8もクリーンヴォイスを使ったミドル曲。ドラマチックでありながらポップな曲調が武器であるがあまり合わなかったな、、。

#9はヘヴィなイントロから始まるミドル曲。サビのアップテンポになるとこのメロディがいかしてる。全体的にヘヴィだがダートラらしさが染み渡っている。

#10はイントロから殺しにかかってくるパワーバラード。ピアノの旋律が泣ける。ダートラにしか作れないアルバムラストを締めくくるのにふさわしい曲だ。

作曲

1 ジヴァープ ブランドストローム

2 ジヴァープ ブランド ヘンリクソン

3 ジヴァープ ブランド スンデン

4 ジヴァープ ヘンリクソン ブランド

5 スンデン 

6 ブランドストローム

7 スンデン

8 ブランドストローム

9 ジヴァープ ブランド スンデン

10 ブランドストローム


歌詞

潜在意識にある偏見は偽りの見解を守るだけだ 犠牲のために委ね、規定が裏切られる 

「無」へ押し込まれた私の言葉は今途切れた


虚像を計る倒錯した天秤の上で我々は答えを探している そこでは全てのものを意のままに曲げられ、夢を形にできる 信念という安堵から引き離されたお前は視線を避け、ジグソーパズルの如く空白を埋め屈折していく。


果てしなく続く空にも終わりがあるように、虚偽を繋げていく自主性も解明される 終わりなき抵抗は放たれた言葉により決まり、苦悩を無反応に向け理想的な幻想を許す 


世の中と俺を結ぶものは何一つない 少なくとも歴史書の1ページ1枚では苦痛を言葉でかき消すことは不可能だ 


黙示録に記された至福は時間の経過とともに消えてしまった 同時に生まれた同量の空虚は心を閉じ、目を覚ますんだ


暗闇の中で、沈黙の中で、空虚の中で

狂気の夢を終わらせる 終わらぬ夜は心を歪ませる


お前は残骸に火をつけ、裏切られた潔白の前例を作ってしまった 心の違いが生んだ不協和音を正す時だ


閃光の間からみえる視線は理想を乗っ取る感情を蘇らせる 白紙の紙は今千切られた


俺が立ち去った部屋に静寂が再び訪れるのを感じる 


盲人どもの信念と同様に、疑心はもう操作することは出来ない。天地逆転した空が、最後の希望を嘲笑う



11th Atoma アトマ 総合☆☆☆ 56点 2016年

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前作の延長線上に再び疾走曲などの元々のダートラらしい曲をいれ、安定したアルバムに仕上がっている。メインソングライターのヘンリクソンが脱退したせいか、少しリフとメロディが弱くなんかごまかしているようにも聴こえてしまい全体的にインパクトに欠けている。死への恐怖と安堵感が交錯する心情を描いているように思える。

おすすめは1、2、3、4、6、7、9

1.Encircled A

2.Atoma A

3.Forward Momentum A

4.Neutrality A

5.Force of Hand B

6.Faithless by Default A

7.The Pitiless A

8.Our Proof of Life C

9.Clearing Skies A

10.When the World Screams B

11.Merciless Fate B

12.Caves and Embers B


#1は久々の疾走曲。アグレッシブでかっこいいリフが魅力。イントロやサビの砕けたメロディも味がある。

#2はミドル曲。クリーンヴォイスもあり聴きやすい人気の曲だ。少し単調な気もするがイントロやサビのバックメロディとかが癖になる。

#3は重々しいイントロから始まるスロー気味のパワーバラード。こちらもクリーンヴォイスを使用。サビのメロディは哀愁の嵐で好き。

#4は疾走曲。イントロは馬鹿かっこいい。そのほかのパートもかっこいいのだが、なんかメロディに自信がないのかごちょごちょしてしまっている。

#5はややスローなミドル曲。イントロやAメロの男らしいリフがかっこいい。サビでアップテンポになったりギターソロが普段の雰囲気と違ったりと色々と面白い曲。

#6はパワーバラードちっくなスロー曲。Aメロやサビの展開がダートラらしくて落ち着く。

#7は疾走曲。攻撃的なリフと哀愁メロディ炸裂のサビがナイス。しかしアグレッシヴナンバーなのに少し保守的にも感じてしまう作りだった。

#8はミドル曲。いい雰囲気の曲だが、過去曲の焼き回し感があり、芸術性、インパクトなどの全ての要素が不燃焼という感じであまり好きになれなかった。

#9はテンポチェンジなどをするミドル曲。イントロやサビのメロディが深みがある。唯一無二感があって好きな曲だ。

#10は疾走曲。今までの疾走曲と比べるとリフが弱い気がするがサビのメロディはさすがダートラで哀愁の嵐だ。

#11はスロー曲。サビのメロディが悲壮感マックスで美しい。

#12はミドル曲。インパクトに欠けるな、、。曲順は#11と逆にして欲しかった。


作曲

1 ブランドストローム

2 ジヴァープ

3 ジヴァープ

4 ジヴァープ

5 ジヴァープ スンデン

6 ブランドストローム スンデン

7 ジヴァープ

8 スンデン

9 ブランドストローム

10 ブランドストローム ジヴァープ

11 ブランドストローム

12 スンデン


歌詞

国田ジンジャーの対訳がゴミ過ぎてて、修正も不可能なレベルのため、省略します。

他にもやることがあるので自力で全部和訳する時間はありませんでした。


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