バンドレビュー No.2 SONATA ARCTICAソナタ・アークティカ
- 奥田ゾンダーランド
- 2020年9月30日
- 読了時間: 32分
更新日:2020年10月5日
ソナタ アークティカ (フィンランド)
国:スウェーデン ハッランド県
私が作ったソナタ名メロディ集を載せておく。こちらを聴けばソナタはマスターしたも同然なのでこんなダラダラ記事を読む前に先にこっちを聴いて欲しい。
活動年:1995年-
ジャンル:メロディックスピードメタル シンフォニックパワーメタル
アルバム数10
コンセプト:北欧の美 北欧の自然
ジャケット☆☆☆☆☆
技術☆☆
哀愁☆☆☆☆
安定感☆☆☆☆
ネームバリュー☆☆☆☆
個性☆☆☆
フィンランドが生んだメロスピバンド。ストラトヴァリウスやロイヤルハントの影響を受けたバンドで、美旋律やネオクラシカル要素に疾走感を交えたサウンドが武器だ。覚えやすい歌メロも魅力的で、北欧的な芸術要素もかなり高め。方向性を変えながらも安定して作品を発表しているバンドでもある。作曲はほぼ全てトニーカッコがやっている。
ジャケットの特徴
美しい北欧を表す絵や幻想的な風景が多い みているだけで北欧に行った気分になれる
メンバー
トニー カッコ V ☆
エリアス ヴィルヤネン G 6th〜
トミー ポルティモ Dr ☆
パシ カウッピネン B 8th〜
ヘンリク クリンゲンベリ Key 4th〜
元メンバー
ヤニ リーマタイネン G 1st〜5th
ヤンネ キヴィラフィティ B 1st
マルコ パーシコスキ B 2nd〜7th
ミッコ ハルキン Key 1st〜3rd
主要メンバー
トニーカッコ (ボーカル)

出典: https://images.app.goo.gl/S8rnaioG25K7aszR9
この喧嘩の弱そうなジョニーデップみたいな男がソナタの中心人物だ。オリジナルメンバーであり、作曲も彼が全てやっている。トニーカッコ=ソナタアークティカと言っても過言ではない。
トミーポルティモ (ドラム)

出典: https://images.app.goo.gl/3kuHQVmZxmPzku696
おそらく世界一芸がないメタルドラマー。
速い曲は叩けるし決して下手ではないのだが、フィルインがほぼ同じパターンで、彼のドラムは聴いててとにかくつまらない。ある意味これも個性だと思いはじめ、最近好きになってきた。
ヤニ・リーマタイネン (ギター)

出典: https://images.app.goo.gl/5fENpsBEMLe1cL2B6
5thあたりで抜けてしまったギターが上手くトニー以外で唯一作曲もできるメンバー(一曲しかしてないが笑) この女っぽい顔というか爬虫類顔が可愛い。水槽に入れて育てたい。
ヘンリク クリンゲンベリ (キーボード)

出典: https://images.app.goo.gl/FaSTVruDu3cz8azQ7
ソナタワームテール。なんか好きだから載っけた笑 お笑い担当だと勝手に思っている
第1期
1st エクリプティカ ☆☆☆☆
2nd サイレンス ☆☆☆
3rd ウィンターハーツギルド ☆☆☆☆
4th レゴニングナイト ☆☆☆☆
ソナタ黄金時代。北欧的美旋律と疾走曲で人気を博した時代。クオリティはどれも高く人気な作品が揃っている。
第2期
5th ウニア ☆☆☆☆☆
6th デイス オブ グレイス ☆☆☆☆☆
7th ストーンズグロウ ハーネーム☆☆☆☆
実験の時代。彼らの武器であった疾走曲を手放し、プログレやシンフォニック路線、ハードロック路線などに手を染めた。不評なアルバムが並ぶが個人的には一番好きな時代。インパクトは薄れたが北欧らしさはしっかり残っていて芸術性は半端ない。
第3期
8thパライアズ チャイルド ☆☆☆
9th ナインアワー ☆☆☆☆
10th タルヴィユエ ☆☆
守りに入った時代。初期のように分かりやすい曲を作るようになり、ほんのちょっとだが疾走曲的なのも復活している。ただ、過去の名曲の焼き回しみたいなのがあったりと、やるなら完全原点回帰か第2期のように独自の新たな路線を模索するかしてほしかった。
世間のおすすめアルバム順
1st>2nd>3rd>4th>5th=8th=9th>6th>7th>10th
俺のおすすめアルバム順
6th>5th>3rd=4th>1st=7th=9th>2nd>8th>10th
【作曲スタイル】
ヴォーカルのトニーカッコが全てやっている。4thの7曲目「My selene」だけギターのヤニが作ってる。
【私とソナタカークティカ】
出会ったのは中3の6月。兄がライヴでやるために(?)買ってきた2ndが家にあり、名前だけは少し前から知っていた。中学時代に好きだった蟻みたいな女子に無理やり貸してメタル脳に染めようとしたが大失敗した苦い思い出もあるバンドだ。
1st Ecliptica (エクリプティカ) 63点 1999
美旋律の嵐で衝撃を走らせた1stアルバム

美旋律とスピードが混じり合った、高品質なトラックが揃う1stとは思えない出来。#1、#3、#8はキラキラ爆走疾走曲。#5、#9のように癖になるアップテンポソングも魅力的だ。バラードの#4、#7、ミドルテンポで魅せてくる#2、#6、そして途中で疾走もみせる大曲の#10。1stからこのように構成も完璧なバンドはそうそういない。インパクトは凄いが何度か聴いてるうちにマンネリ化してしまうのが弱点。歌詞を読み解いてみるとやたらと安っぽい「愛」について書いてある。デビュー当時はメンバーのほとんどが20前後。そういう年頃か。美しい夜の北欧の大地を川のようにかけぬける感じの曲が多い。
おすすめは2、5、6、9
1.Blank File B
2.My Land A
3.8th Commandment B
4.Replica B
5.Kingdom For A Heart S
6.FullMoon A
7.Letter To Dana C
8.UnOpened A
9.Picturing The Past 特A
10.Destruction Preventer A
11.The misery B
#1はいきなり吹っ飛ばしてくる疾走曲。サビの爆発感が気持ちいい。若さも感じる。
#2は北欧特有の哀愁が漂うミドルテンポの曲。サビが味があっていい。
#3はギターが暴れるイントロから始まる爆走ソング。勢いだけというのも感じるがかっこいい。この先輩メタラーに憧れ、自分たちも爆発してやるぜ、感が可愛い。
#4はバラード。Bメロが美しい。
#5はイントロがかっこいいアップテンポ曲だ。初期ソナタを代表する耳につき、流れるような曲だ。
#6は美しいピアノから始まるパワーバラード。サビは力強く印象的な歌メロが記憶に残る人気な曲だ。
#7は北欧民謡感もあるバラードだ。ただ、印象が薄すぎる。
#8は美旋律の極みと言えるチェンバロイントロから始まる疾走曲だ。曲全体を通してソナタ節炸裂で聴いてて気持ちいい。
#9はイントロのインパクト特大のアップテンポソング。Aメロの歌メロといい癖になるメロディが詰まった曲だ。
#10は最後を締めくくるのにふさわしい疾走大曲だ。壮大で哀愁のあるイントロから疾走に突入するとこがかっこいい。
#11はボートラ扱いなのか?にしては結構いいミドル曲だった。
またインターネットにハマっているな お前の部屋でお前は月にも行けるし会ったことない奴にも出会える お前は一個のファイルに過ぎない 開かれた市場の中のカネに過ぎない
俺の土地は砂の山に過ぎない 冷たく、天にも曝されているが、それでも何かがまだあるんだ 夢の中で俺は見える限りの丘に登る そよ風によって かつて目にした平原と澄み切った青い空へと導かれる
しばしとどまり 永遠にとどまれ 自分が裏切る運命にある時代に向けて歌え
雨の中に君の影が見えた 僕は君の鳩を赤く塗った
俺はこの地の王、七海の支配者 一瞬でそれを与えよう、一瞬がありさえすれば
全てが挫折した今夜、また満月を訪れる 満月には名前はなく どの季節にも存在する
満月が空にかかり、彼はもはや人間ではない 湾を横切って泳ぐ 夜は灰色で、今日はとても静かだ
ダナ、君に手紙を書いている 君が亡くなったと聞いた、良い天気だった 僕は歳をとり、僕の順番が近いのを感じる 僕の日記のページには君のことばかり
時の書に書かれたスペル違いの歌 1ページで、僕の人生の全てを費やした インクは乾いてもいない
後ろを振り返るな、さもなければ時の中を落ちていくことになる 時だけが、秘密を隠すカーテンの背後を見させてくれる 光が見えたら時間切れだ
昨日、俺は空を高速で横切る光を見た 今、輝きが左右に見える 今夜は星が落ちてきているように思える そして降り注ぐ雨が、俺の緑の庭を食い尽くす シミを残しながら もう決して元通りには癒されない
2nd Silence (サイレンス) 56点 2001
ソナタ黄金時代の代名詞的アルバム

前作に比べ、流れるような美しさは減らし、メロディラインを重視した作品。覚えやすいキャッチーな曲が多く、馴染みやすいが狙ってる感もあり、本来彼らが持っている芸術性は出しきれてない印象。#2、#3、#8、#12のような人気キラキラメロスピソングから#5、#6などの口ずさめるようなアップテンポソング、心に響くバラードである#4、#7、#9、#11、初のインスト曲である#10、そしてラストは大曲の#14と今作も色とりどりな内容ではある。一つひとつは強いが曲の繋ぎに不自然さがあり、このアルバムを作品という観点からみるとあまり良くない出来だ。自然あふれる北欧の朝がきて、別荘の近くの川で釣りをしたり遊んだりする印象の曲が多い。
おすすめは3、5、6、12
1....Of Silence C
2.Weballergy B
3.False News Travels Fast S
4.The End Of This Chapter B
5.Black Sheep A
6.Land Of The Free 特A
7.Last Drop Falls B
8.San Sebastian (revisited) B
9.Sing In Silence B
10.Revontulet B
11. Tallura C
12.Wolf & Raven A
13.D
14.The Power Of One B
#2は元気いっぱいメロスピソング。人気な曲だ。
#3も続けて疾走曲。個人的にはこっちの方が哀愁あって好き。イントロ、歌メロなど北欧感たっぷりで良い。
#4はリスニングテストみたいなイントロから始まるパワーバラード。ピアノが綺麗。
#6もアップテンポな曲でイントロ、歌メロ、サビでのリフが癖になる。途中のホイホイ!ってとこがいらねえ笑 ライヴで受けるとでも思ったのか
#7は癒し系バラード。良い曲だが記憶に残りにくい曲。
#8はみんな大好きな疾走曲サンセバスチャン。サンタさんの襲来みたいな歌メロが覚えやすくていい。ちとダサいが笑
#9はダークバラード。北欧的な雰囲気が素敵だ。
#10はソナタ節が炸裂した美旋律インスト。唐突感があるが良い曲だ。
#11はパワーバラード。こちらも綺麗な曲だがちょいとかったるいかな?
#12は爆走メロスピソング。怒涛の歌メロが最高だ。2度目のAメロでデスボが来るのは笑う。
#13はボートラだがチンポコソング。人気らしいがイントロ聴いた瞬間おえっ!!てなる。品がなくダサすぎで自分は苦手な曲。ソナタに求めているのはこういう系の曲ではない。
ラストを締めくくる#14は大曲。雨から始まり幻想感たっぷりのイントロから世界に引き込まれる。
時にしがみついて永遠に生きることはない 潮の満ち引き、寄せては返す 君は彼女を見つけるために それを真実としておかなければならない
僕は窓の外を見る、空には太陽、今は僕のためにあるわけではないいにしえの物語 理由も韻律もない嘘のブラックリスト 秘密も、飾りもない君の上を覆う嫉妬の色
雪原を横切って歩みながらどうして僕は自分の残した消えていく踏み跡を信じられるだろう 駅に立ち、霧の朝に列車がゆっくり消えていくのを見ている 僕は男の抜け殻に過ぎない
暗くなりゆく空を横切り、光もなく僕は旅する 僕は自分の精神の井戸に沈んでいく あまりに深く、決して見つからない
過去の時間が死ぬことはないと君に告げよう 昔の嘘は生きていると告げよう 大昔に終わるはずだった愛が僕を殺す、君も殺す
狂気、お前を憎むために生まれたものの祝福 愛の余燼に燃やされる、とても残酷なこと 夜中の太陽を求めて、夜に吠える 人々に仕える、見知らぬ人の歌 愛の歌の永遠の夜を運命づけられて唸りをあげる整粉機、決して彼女を見ない
無知なる新種が、新しいサイクルが始まる 世界中には病んだパラドックス その間、痩せ衰え、彼は自由の地から去る
もし僕たちの問題が何かわからないのなら壁に囲まれた部屋を
最後の一滴が落ちるまで、愛の壺は乾かない
僕は熱心に白昼夢を見る男だった、自分が生きていることを実感する時を待っていた 今、僕は日陰で暮らし、月と結婚している そしてサン・セバスチャンの太陽は別の誰かを暖めている
感情の港、悲しみに満ちた海 宵の相続人が沈黙のうちに歌う 終始、時に祈った 光がどこにあるよか示してくれたように 無垢なる想い出のためのバラ一輪
遠くに日が沈むのを見ていた頃のことを覚えているかい?「決して終わりなんかない」と言ったことを 流れ星を覚えている、二人で夜散歩した時の君の願いが叶うことを願っている 僕のは裏切られたから
権力に魅了され優美さに打ち負かされる
一輪の美しい黒い花 一生の恐れを指輪として身に纏います
父よ、俺は多くの天使を殺してきたと思う 今、俺は海の中へと入っていく いつか許してもらえたらと思う 無人の俺のボードを波止場につないでくれ 俺は今エデンを見つけなければならない、背後に残した門を
アベルの子、カインの子は恥じることなく、調和の中に生きることができる 汝に与えた鍵は、聖なる地 汝の手のひらの上の乾いた砂漠の砂 水なくしては、過去の知恵はお前の指からこぼれ落ち、すぐに忘れられてしまう
3rd Winterhearts guild
69点 2003
聴けば聴くほど虜になる美しきメロスピアルバム

前作と比べるとインパクトが欠け、地味な印象が強いが何度も聴いてるうちに歌メロにハマってしまう不思議な作品。#1、#3、#9、10がメロスピソングで#3は唯一ソナタの中で同じテンポのまま終わりまで駆け抜ける疾走曲だ。#4、#6、#7は過去最高に歌メロが中毒性のあるアップテンポ曲で、#2、#8は独特な雰囲気を出したプログレッシヴな展開をみせる曲だ。この2曲は彼らの進化を感じさせる。#5、#11はバラードで少し印象は弱いが今作の世界観にあってるため良い。前作は覚えやすい歌メロが多かったが今作は癖になる歌メロが多い。1年の終わりである秋から冬への移り変わりがコンセプトらしい。
1.Abandoned, Pleased, Brainwashed, Exploited A
2.Gravenimages A
3.The Cage A
4.Silver Tongue 特A
5.The Misery B
6.Victoria's Secret A
7.Champagne Bath 特A
8.Broken 特A
9.B
10.The Ruins Of My Life B
11.Draw Me B
#1は美しい疾走曲。尖ってはないが安定感のある曲だ。
#2はバラードから始まり、どんどんスピーディに盛り上がっていく新しいタイプの曲。アップテンポになってキーボードソロになるところがかっこいい。
#3はソナタ で唯一最初から最後まで疾走している曲。最初はそんなに好きじゃなかったが歌メロが聴けば聴くほど味が出てくる。
#4はソナタお得意の3連符アップテンポ曲。サビの歌メロは耳につく良い曲だ。
#5はバラード。包み込むようなのバックのキーボードが良い味を出している。
#6はやや疾走曲。覚えやすいメロディが多く、人気な曲だ。Aメロのピアノが特に美しい。
#7はこちらも3連符のアップテンポソング。イントロから終わりまで全てが癖になるトリッキーなメロディが効いている。
#8はミドルテンポ曲。今までにはないタイプの曲で淡々とした曲だ。静かな森での小さなざわめきって感じの曲で個人的に好き。
#9はボートラの疾走曲。サビは相変わらずソナタ らしくて良い。ギターソロがネオクラシカル感満載で惹かれる。
#10も大人しいイントロからの疾走曲。リフの荒れ具合がかっこよく、中盤の転調するところがミソ。
#11は最後にふさわしいバラード。迷いの森の出口が消えていく感じがして良い。
彼らのために火をつけて揺りかごをまた空にする なぜ自分の指を通して彼らのしたことを見ようとしないんだ お前自身の血が血を洗う今、栄光の日々はもはや過ぎ去った
影に留まって孤独を追求しないといけなかった。人生はこれほど空々しく冷たくなれるものなのか。僕はあらゆるメロディの呼びかけに親切に答えてきた。もしも隠れた泉を見つけて、その深みから知恵を飲んだとしたら 自分を救う時間はあるのだろうか
夢は生きている、毎晩丘には月が出ていて、走り回って夢の向こう側をみることができる。
人生は君がスターになった芝居、君にとっては総てがゲームなんだ
君は紙に完璧な影を落とす。太陽の光と共に消えていく、愛はシミを残すことが出来る..
真冬の夜に書かれた7つの寂しい嘘、僕に読める唯一の詞が書かれた唯一の本を開ける..自分の血で署名をして涙で真夜中を封印する。紙を燃やして、一行一行彼らのために僕は泣いた
カンテラの灯りのもとでもう泣くことはない.. 太陽の光のもとで途方に暮れ、去って行く。君が月を見るとこはない。人生は生きることを愛し、総てを受け入れようとする人のためにある、それは自由だから...
お前の人生の権利は総て、常に暗示されている お前がそこで言う役を演じる人生形態のことを僕が気にすれば
草原に朝露が光っている、そこは君と出会ったところ。燃える羽、天使ではない、天国は閉まってしまい、地獄は完売した。だから僕は幕の後ろの地球上を歩き、みんなから隠れている、滅ぼすための新たな命をまた見つけるまで...この真冬の夜...
冷たく風の吹く夜 外に出ていまだに兆しを待っている
長く曲がりくねった僕の道、川、そして木、丘のそばで僕たちは生きながらえた。僕の人生の廃墟で灰の上に認印入りの指輪を見つける。君の墓には笠石が置かれ、言葉は空しく刻まれた...
僕はペンを見つけた、そして生涯の略図を描いた 自分に黄昏が訪れるのを待っている さらば、我が情熱よ
4th Reckoning night (レゴニングナイト)
67点 2004
新たな可能性も感じさせる練られた力作

前作と方向性は変わらないものの少し複雑な展開があり、取っ付きにくさもあるが高クオリティの力作だ。古き良きロック路線の#2、今までにない劇的な展開をみせるミドルテンポ曲の#5、読めない構成のパワーバラードの#6、過去最高にクオリティの高い大曲#9、初のアコギバラードの#10など進化した新しいソナタの曲を聴ける。ただソナタらしい疾走曲の#1、#3、#7、#8もあるため昔のファンも裏切らない。ミドル曲やバラードの深みが増した分、彼らのトレードマークでもある勢いというか疾走曲の質が薄れた感じか。キラキラ感が減り篭った音のキーボードが特徴的。1st〜3rdはいい曲が多かったが、作品に唯一無二の色というものをつけられるようになったのは今作からだと思っている。
船旅を連想させる曲が多い。歌詞を読み解くと前作に繋がるワードがいくつもあった。
おすすめは1、2、4、5、6、7、8、9
1.Misplaced B
2.Blinded No More A
3.Ain’t Your Fairytale A
4 .Reckoning Day Reckoning Night… A
5.Don’t Say A Word A
6.The Boy Who Wanted To Be Real A Puppet A
7.My Selene 特A
8.Wildfire A
9.White Pearl, Black Oceans… 特A
10.Shamandalie B
11.Wrecking The Sphere
#1は疾走曲。安定してるがメロディが弱い。イントロでピタッと音が止む謎演出がありCDが壊れてたのかと思った。
#2はスロー寄りなミドル曲。地味さマックスだが味はある。船乗り的な歌だ。
#3は疾走曲。爽快感はあるが少しお子様向けって感じだ。
#4は哀愁が半端ないインスト。夕暮れと幽霊船て感じがして良い。
#5はアップテンポソング。迫ってくる感じがしてかっこいい曲。展開が練られている曲だ。
#6はトリッキーなピアノが魅力的な哀愁あるミドル曲。これも意外な曲展開を見せて飽きさせない。
#7はギターのヤニって人が描いた疾走曲。イントロの爽快感がたまらない。これぞソナタって感じの曲だ。
#8はムチャクチャな展開をみせる疾走曲。最初聴いた時はやけくそで書いた曲ってイメージが強かったが、聴き直すと意外と良い歌メロだった。
#9は壮大な大曲。サビでの疾走、中盤のピアノソロなど見どころいっぱいの名曲だ。ソナタの集大成的な曲でもある。
#10はソナタ初のアコギソング。心にしみるラストにふさわしいバラードだ。
時を遡る必要性を感じたことはあるか?遠くへ旅していつか自分の人生をうまく取り戻すこと 結局僕に出来るのは 自分が夢の国に住んでいるのを悟ること
長い影が真っ二つに割れる 愛は若い二つの命の間にあるわずかな死
僕たちには共通の過去が、いにしえの絆がある 月のために略奪し、昼のために隠れる
月の下、破られた約束のために夜通し起きている 親のいないハトがどういう風に鳴くか聴いてごらん 自分が弱くなった時は鏡に映った狂人が見えるけど、それが僕だと気づくまでに1年間恋をしていた
僕の夢は本物の人形芝居でスターになることだった このより糸が昼も夜も僕を引っ張っている
澄み渡った静かな空 海の水と一緒に月の光が踊っている 新たな夜明けの始めに僕の希望は奪われ 僕たちは決して会えない 会えるのは苦痛と僕だけ これが僕の最後の叫び 僕の夕暮れ 時の中に溺れていって 僕は夜になる
山を登り、毎日の苦しみのために墓を掘り起こした
荒涼とした原野を渡り、最初の朝日と出会う 中の炎に温められた、明けゆく夜の不変の思い出 道標などない、見えない夜の船
おお血のように赤い月が、夜を浸している
灯台に戻った僕は走って走って走った 明かりが消えると、僕はみた 眼下の真っ黒な海が押しあがって来て僕を飲み込むのを
古き良き時代を憶えているかい友よ 月があんなに輝いていて僕たちの側にあった 子供ほど残酷なものはいない 時として壊せないものを壊してしまう僕たち 僕たちはこんな風になるはずじゃなかった 愛が否定されたということは友情も消えてしまうということだったが年月が僕に光を見せてくれた 友情は壊れた 愛は僕に優しくなった 昔のある日に戻ると
しかるべき赤の色合いで水平線を描いてくれ 海の水位が上がってきたら母は義務を放棄して揺りかごが君の墓場となる...空の下、僕たちは未来を作っていく 忘れがちな終焉に向かって 四季が二つになり、いにしえのギルドの席が二つ減る 絆はもはや廃れてしまった まさに僕たちは失われた目的 時代の詩の中の小さな無韻の言葉
5th UNIA (ウニア 夢の記)
84点 2007
大きな深化を遂げた魔力溢れる隠れた名作

このアルバムからソナタは大きく方向性を変える。今作から疾走曲がなくなりプログレメタル色が一気に強くなった。
複雑な展開とコーラスを多用するボーカルが特徴。わかりにくくなったとかインパクトがないなどの批判の声も目立つが大人のバンドになったという賛美の声もある。芸術的要素が強くて自分は大好きなアルバム。タイトル通りコンセプトは夢。夢の中の屋敷の迷宮をさまよう感じの曲が多い。
おすすめは1、2、3、4、6、7、9、10、13
1.In Black And White A
2.Paid In Full A
3.For the Sake Of Revenge A
4.It Won't Fade S
5.Under Your Tree B
6.Caleb 特A
7.The Vice 特A
8.My Dream's But a Drop Of Fuel For a Nightmare A
9.The Harvest A
10.To cleate A
10.The Worlds Forgotten, the Words Forbidden C
11.Fly With the Black Swan B
12.Good Enough Is Good Enough A
#1はそれぞれのパートがひかるプログレッシブなミドル曲。複雑かつ美しい展開に惹かれる。ギターソロもかっこいい。
#2はアップテンポ気味なミドル曲。前の曲に比べてキャッチーでわかりやすいメロディでライヴでも人気。中盤、アウトロなどの演出が芸術的で今作にふさわしい非凡な曲だ。
#3はスルメ型のスロー曲。地味だが歌メロが癖になる。
#4はアルバムの要ともいえるミドル曲。イントロから夢の世界に引き込まれる。サビ、間奏など全てのパートが充実している名曲だ。#5はバラード。クリスマスちっくの曲だ。#6は3部構成になっている変わった曲。ピアノとギターに合わせたミドル曲から突如かっこいい疾走ワルツに変わり、最後はムジュラの仮面のデクナッツ城みたいな良いメロディが延々と流れる唯一無二の曲だ。マンネリとは縁を切った感じの曲ともいえる。
#7も魔力溢れるアップテンポ曲。複雑な構成と歌メロの裏で流れるピアノがいい味を出している。中盤とアウトロのピアノメロディは必聴。
#8は劇的な展開を見せる不思議なミドル曲だ。夢を象徴するような曲でアルバムのコンセプトにバッチリはまる。
#9は今作唯一の疾走曲。いや疾走と言えるのか。。サビでの展開やその後のフラメンコ調になるところなど聴きどころは多い。
#10はドロドロしたスロー曲。世界観が不思議だ。少しダレる。
#11のミドル曲も摩訶不思議な曲だ。全体的にこのアルバムは摩訶不思議か笑
#12はレトロな雰囲気で始まる高クオリティのバラード。屋敷って感じがして好き。
#10には輸入盤だとボートラで別の曲が入っている。それが哀愁の宝庫なので聴いて欲しい。言葉じゃ表せられない良さがある。
歌詞
枯れかかった泉 まだ語られていない物語だらけ 「敗北」の歴史に達した末に勝利が訪れた 唇がひどく冷たい、美しい言葉のための最後の踏み絵 底がどこであるかもわからずに私は罪の海に飛び込んでいく
君の夢はモノクロ、悪夢はモノクロ、いい夢はモノクロ 君の人生はモノクロ
後退りして、もう一方の頬を向ける 君がそうして欲しいなら、僕は出て行く また最終列車に乗り遅れるようなことはしない
全ての永遠か何かに対する答えを 意味を聞き取り、僕の心に語りかける
君は時を借り、君自身の天国を裏切る 闇なくして泣く方法を覚えてもらわないといけない
救いは君を殺しはしない そのような慈悲はない 自然の法則は公平かつ残酷なもの..
思い出を作る日の上に葉っぱが落ちる 懇願するその目が、僕の中に、静かにこだまする
最後に共にワルツを踊るまで
丘の上、海の下、意思と戦う なぜ人は霊柩車を走らせているのか ドライフラワーはこんなにも美しい そしてそれは生けるもの、死せるもの全てに当てはまる
キスが紙のように薄い翼を焼き尽くす 愛は弱き者のためにある そしてしまいには、不安な安堵 壊れた錠前にねじれた夢 昔の墓では、宿命がくつがえされ異教徒の大聖堂まで遡って追った
情熱的な心の錆びついた刃が、僕の首をはねる...僕の夢は 悪夢のための一滴の燃料に他ならない 絵画が生き生きしてきて名のない世界へ僕を連れて行く、比類なき場所 今日目が覚めたら、良いも悪いも酷い夢も消えていた...メリーゴーランドから飛び降りたんだ
足元で穀草が燃えている 言葉はまるで輪のよう 最も深い虚空に潜む 僕の挫折を誰かが捕らえてくれるのを待っている この世に純潔などないし魂に高潔などない
時代を駆け抜けよう、静寂が生まれるまで 僕の芝生は緑じゃない、僕の空は青くない、川は枯れている、僕の花はしおれた、これは僕の故郷じゃない 月を追って、焼けるような太陽から逃れる道をみつけよう
僕は与えよう、渡し守の信念を 失われた僕の魂の空しい約束のために この黒い翼はたたんでおかないといけない 最も暗い夜まで
君が壊した夢を見た 君のその歪んだやり方で 季節は移り変わる 僕は君の心の夏だったけど 冬は一度となく君を誘い出した、やっとわかった 僕は自由なんだ
6th The days of grays (ザ デイス オブ グレイス)
95点 2009
聴くもの全てを美の世界へ誘う超大作アルバム

前作のプログレ路線に加え、オーケストラを大幅導入して壮大なアルバムとなっている。疾走曲はほぼ皆無でピアノが主体になり、静かで壮大な曲が多い。もはやメタルバンドではない、かったるいなどの批判の声もあるが自分は神作だと思う。美しさを求めてきたソナタがついに大人の美しさという真の美に辿り着いた感じ。美しいイントスの#1で幕を開け、#2ではいきなり大曲が待ち受けている。この世界を堪能できるバラードの#5、#8、#10、そして洗練されたミドルテンポ曲の#3、#6、#9、#11とどの曲も深い。ソナタらしいアップテンポな#4もあるので昔のファンもこれなら聴けるだろう。最後の#12は#1と同じインスト曲に歌を加えたものを持ってきている。良くできた構成だ。
コンセプトは「死」らしい。歳を取ることなど死の美しさを唱っている曲が多い。寒いオーロラ輝く風の強い山脈って感じ。夜空が広がる場所で寝ながら聴きたいアルバム。
おすすめは1、2、3、4、6、8、9、10、11、13
1.Everything Fades To Gray (Instrumental Version) S
2.Death aura A
3.The Last Amazing Grays 特A
4.Flag in the Ground A
5.Breathing B
6.Zeroes 特A
7.The Dead Skin B
8.Juliet 特A
9.No Dream Can Heal a Broken Heart 特A
10.As If the World Wasn't Ending A
11.The Truth Is out There 特A
12.Everything Fades To Gray
13.A
#1は美しいインスト。ピアノのメロディが哀愁ありまくりでたまらない。
#2はいきなり大曲。序盤に持ってくるあたり尖ってる。良いパートが多いがもう少しコンパクトに出来たかな、という印象。
#3は今作ではわかりやすい構成のミドルテンポ曲。どのパートもソナタならではのセンスがひかる。
#4は唯一の疾走曲。疾走言うてもAメロとかでテンポダウンする。イントロのくさいメロディパートよりも中盤の展開の方が好みだ。#5はバラード。雰囲気は今作にあってるが弱いかな。
#6ややスローな曲だが、どのパートも耳に残る不思議な曲だ。壮大で雄大な雰囲気がたまらない。#7はイントロなどの世界観は良いのだが中盤からダレダレのミドル曲。
#8は今作の大黒柱とも言えそうな高クオリティソング。とにかく美しい。トニーがいかに音楽を極めたかわかる曲だ。
#9は名メロディが詰まった名曲。イントロの雰囲気とリフがセンスが素晴らしい。
#10はジャケットの世界観が滲み出る哀愁のバラード。イントロから引き込まれる。
#11は聴けば聴くほど味が出るミドル曲。どのパートも洗練されていて、夜の北欧の山脈に連れてかれる感じの曲だ。
#12は#1と同じ曲だが歌詞が追加され、後半は壮大になる。面白い構成のアルバムだ。
#ボートラだが#14はソナタらしいアップテンポの曲だ。
太陽が雪で覆われた白山の頂上を照らした
丑三つ時が君の子供を貪り食う 君に与えられた信念の創造 恐怖、未知、死に寄って毒された愛 ひんやりとした夜気の中、炎が心を清めてくれる
時が経てば 馴染みの顔も変わるし、どんなに鮮やかな色も灰色に褪せていく ある冬の日が明らかにしてくれる 生まれたばかりの赤ん坊の目にはどれも、過去が見える 人生は単なる一つの局面 この最期の時に山が歌いかけて、その時を明らかにしてくれる
正午になったら音が轟き、故郷という名の地への旅を始める 毎晩、満月が昇るのを眺めている時 君を抱きしめて 俺たちの自由を実感する
俺は橋を架けたのに、君はトンネルを通る 俺たちの人生の半端な歌は全て憶えている
世界を思い描く、ああ 汝のなんと無力なこと 太陽は、今夜必死に沈む 嘘を照らすことを恥じているから 今俺たちが無為に過ごしている人生は、この宿命が描いたもの
僕には弱いところがあったし、周りの壁は崩れていったけど、涙は地面に届かない 嫉妬は幻影
人生は長く、悲しいゲームに過ぎない 生気のない魂、恥を避けている 僕らに必要なのは曲がりくねった思い出の小道を築くための死んだ二羽の白鳥だけ 空しさに途方に暮れる 僕が求めていたのは、君の中で途方に暮れること 闇の中、誰かと一緒に座っている それがまた自分だとわかるのが怖い
今日まで僕は影の世界で生きて来た 今は心が語り、脳は敗れ、独自の考えは排除された そして僕は君の深い深い海に溺れていく 宿命がわかった 自分がなぜここにいるかが
僕は天国の扉を叩いているんだ
列に並んで首を吊られるのを待つ 俺が正しいことをみんながわかってくれるまで 俺は鎖に繋がれてないといけない
真実はすぐそこ 二つのおとぎ話の間に、誰かの真実と嘘の間の奥に捕らわれてしまっている
「全てが終わる時...」全てが灰色と化して行く時、俺たちは闇に飛び込む
夜明け、立ち去るべきだった 溺れていく、名もなき過去が 始まる、俺の処刑の日が
空しい、しずくのように、俺たちは消えていく
俺が明るい新月に向かって吠えなければ、心に炎が燃える
7th Stones grow her name (ストーンズ グロウ ハーネーム)
61点 2012年
ハードロック路線で攻めた新生ソナタアルバム

相変わらず疾走曲は無いものの前作、前々作でみられた複雑な曲構成は消え、初期のようなわかりやすい曲構成に戻った。しかしキーボードが激減し、ハードロックを彷彿とさせる曲が多くソナタらしさもあるものの美しさが消えたソナタに批判の声もあがってる。ソナタらしいミドル曲は#1と#5と#7くらいで普段のソナタとはかけ離れたトリッキーなトラックが揃っている。個人的に結構お気に入りアルバム。目覚めとともに朝がやってきた北欧の郊外という感じの曲が多い。
おすすめは1、3、4、5、6、11
1.Only the Broken Hearts (Make You Beautiful) A
2.Shitload of Money B
3.Losing My Insanity 特A
4.Somewhere Close to You S
5.I Have a Right B
6.Alone in Heaven A
7.The Day B
8.Cinderblox C
9.Don't Be Mean B
10.Wildfire, Part: II - One With The Mountain B
11.Wildfire, Part: III - Wildfire Town, Population: 0 特A
#1はソナタらしいわかりやすいメロディのミドル曲。5thを彷彿とさせる中盤のパートが良い。
#2はハードロック色を前面に出したミドル曲。無理やりハードロックをやった感もあり、メロディも弱い。
#3は美しいピアノから始まり、その後ゴリゴリのリフで幕をあけるアップテンポソングだ。全パートのメロディが耳に残り、大衆受けしそうな曲だ。
#4はこれまたハードロック色が強いイントロから始まるミドル曲だが、こちらは魔力がかかった名曲だ。サビの毒々しい歌メロが最高に良い雰囲気を出している。Aメロのロックパートも聴いてて爽快だ。
#5はソナタの代名詞でもあったキラキラキーボードから始まるスローよりのミドル曲だ。本来の彼ららしい曲ではあるが展開が少ない曲で聴いてて退屈かも。
#6はパワーバラードだ。サビが哀愁あっていい。Aメロはポップ調で若者が好きそうなノリだ。#7はトリッキーな展開をみせるミドル曲だ。朝の太陽って感じがして清々しい曲だ。
#8はバンジョーを使ったノリノリ疾走曲。ソナタ、大丈夫か??って心配しちまった謎曲だ。
#9は子守唄的バラード。もうふたひねりくらい欲しかったが落ち着くいい曲だ。
#10は大曲。イントロの民族的な雰囲気がいい。ただ全体的に印象が薄かったのが残念。#11は#10の続きでこちらも大曲だが、とにかくかっこいい名曲だ。ハードロック色が見事にソナタ歌メロに溶け込み疾走パートの質がすごい。途中、テンポダウンするところも哀愁たっぷりで聴きどころが満載だ。
傷ついた心だけが、シニカルになって僕の最後の詩を照らしてくれる
物語なき本がある 汚れた翼の道が降りていく 涙に濡れた笑顔は君の心を真っ二つにする これは普通の白昼夢
真夜中、僕は今や脱線した世界の子供 毎晩想像力を取り込んでいる 紺碧の空を飛べるように そこでは川がものすごく澄んでいる
海からの反射光が上がってくると、赤いさざ波が増していく 2人で踊っていると 世界が聞こえる そしてもしも、太陽が君の目の中で沈んでいたら、僕の顔が赤くなるのがわかるだろう
僕はあなたのひねくれた心を取り込まないといけない ある悲しい日でも、自分の息子に立証済みの辛い歴史を教えることは決してない 僕はあなたと違うから!
1人で君はこう思う 親友たちが地獄で火あぶりにされているというのに なぜ天国へ行かねばならないんだ
海が押し寄せて来た日... かつて子供たちが遊んでいた光景をたどる 木に刻まれた名前、全ての言葉は、消える運命にある
僕のミスのせいで、法のせいで、もしくは君のせいで道は敷かれるんだろうか?
君は苦しんでいるから、僕は潔く別れようとしている 僕の涙によろしく言ってくれ 僕はこの瞬間のために大事にとっておいたんだ
俺の運命の鐘が俺の歌を奏でる 自分の子供たちに憎むことを教えるなら 天国と地獄の両方に忘れずに言っておけ 弱き者たちのために決して門を開くなと
天使たちが大儀のために死ぬ
汝は終わる、汝は死ぬ
8th Pariahs child (パーライズ チャイルド)
49点 2014年
原点回帰を目論んだ子供向けアルバム

初期を意識したのか、前作に引き続きコンパクトな楽曲がアルバムのほとんどを占め前作ではみられなかったくさいキーボードがリードして原点回帰感はある。ロゴも戻し、トレードマークの狼も復活。これだけで彼らが初心に帰ったことに気がつく。しかし疾走曲は無く、明るいメロディーがくどく子供向け感がある。今回のコンセプトは特にはなく、結成した時のように楽しくアルバムを作るということだったらしい。まあ、聴いててたしかに楽しそうやな...てなる笑 北欧の雪原の冒険する子供たちって感じの曲が多い。
おすすめは2、4、5、6、7、10
1.The Wolves Die Young B
2.Running Lights A
3.Take One Breath B
4.Cloud Factory A
5.Blood A
6.What Did You Do In The War, Dad? A
7.Half A Marathon man 特A
8.X Marks The Spot B
9.Love C
10.Larger Than Life A
#1は初期の曲を彷彿とさせる元気なノリノリミドル曲。とっつきやすいが少しメロディがくさすぎるというかお子様向けすぎるというか。
#2はポジティブなアップテンポソング。どこもソナタらしくて良く途中疾走するパートのギターが哀愁あって良い。
#3は幼稚園みたいなイントロから始まるミドル曲。独特な雰囲気が良いが少し弱すぎか。#4はライヴ映えしそうなアップテンポ曲。覚えやすい歌メロが魅力だが、少し品がない感も拭えない。
#5はようやく北欧らしい冷たいスロー曲。曲全体を通して伝わってくる滲み出る美がなんとも言えない。途中疾走するところも聴いてる人を飽きさせない展開でグッド。
#6も北欧らしい暗めの曲。スローになったり、ミドルになったり場面場面の展開がドラマチックだ。
#7はソナタの魅力が詰まった元気なアップテンポソングだ。Aメロからサビまでソナタらしい歌メロが輝く曲で聴いてて爽快だ。
#8はやや疾走曲。ようやく速い感じの曲きたか!て感じだが、ヴォーカルがふざけすぎてて萎える。所々良いとこはあるが違うそうじゃない!と言いたくなる曲だ。
#9は癒し系バラード。ソナタのバラードは基本北欧感があって好きだが、この曲はメロディが微妙過ぎて好きになれなかった。麻原が作りそうなバラードだ。
#10は6thを彷彿とさせる大曲だ。壮大で美しい。途中コーラスが入りアップテンポ調になるとこがお気に入りだ。
歌詞
彼らは花の開花を見られる 冬の不思議の国で 彼らが新たな白夜を見ることは決してない
この世が終わるのは一生に一度だけ 若者のあの夜は永遠に続く 日の出が必ず夜を損なう
進化の終点の門にたたずみながら まだ見えぬ鍵に手を伸ばそうとする 天上にはこの現実を全て見通す目 太陽の遥か後ろには光が欠如しているから、俺たちが自力で作った燃える翼で舞い上がろうとする
お前の夢が自由に飛んでいる間に 夢に俺の物語を書かせるんだ 静寂を破る音のように 夢を抱いてしまったらお前が見つける正義は皮肉になる
命の彩り 恐怖の矢が流され、雪の中のとび色の川が消えゆく心の平安の死を踊らせる 冷たく、悲しいすすり泣きの黄昏の夜までずっと起きていた オリオンの子供がまいたものはその子らが刈ることになる
否定に管理されている時 俺たちは機能する
戦争の報いが舞い上がるあなたの翼を切り取ってしまったのかな 星の遥か彼方には僕たちが持ち得る全ての愛、全ての善がいまだ存在している場所がある でも僕たちは光から離れた人生を選んでしまった 自分の美しい子供の眼差しの中に失われた幽霊たちがいる
霧深いところでは全てが幻想的 どこかで読んだ、走ることは麻薬のようだと 2日目になるとそれは違うと言える それは鮮やかな白の燃えるような痛み
お前はカルト教団に加入し、空しさを埋めている それは心の奥底にX印が書かれたところにある
僕が歌う間 僕たちが静かに揺れていると 月が優しく微笑む
今 鏡は泣き、年齢不詳の顔は真実の人生へと消えていく 不死の恩恵を味わうために 俺は自らが演じた役を生きた 嫌なことは忘れろ 後悔は冷たく暗い檻の中で募っていく そこでは何も起こらない
9th The Nine Hiur(ザ・ナインアワー)
総合59点 2016
今までのソナタが詰まった集大成作品

一言で言うと集大成アルバム。4thを彷彿とさせる曲が多いが5thのようなプログレ的展開をみせる曲や一曲だけだが疾走曲もあったり、3rdのような思わず歌いたくなる歌メロもあったりと過去作を思わすような曲が大半を占める。4曲目のような落ち着いたバラードは新天地と言えるだろう。過去の焼き回しと思う人も多いと思うが十分ソナタらしい充実した作品であり、更なる進化のための一時的な休憩のような作品のようにも感じた。コンセプトは自然と文明の天秤らしい。(砂時計?) まあ自然を大事にしろどういうことだ。
広い谷や高原を風に吹かれながら歩いていく感じの曲が多い。
おすすめは1、2、3、5、6、8、10
1.Closer To An Animal A
2. Life A
3. Fairytale 特A
4. We Are What We Are B
5. Till Death's Done Us Apart 特A
6. Among The Shooting Stars A
7. Rise A Night C
8. Fly, Navigate, Communicate A
9. Candle Lawns B
10. White Pearl, Black Oceans (Part II: By The Grace Of The Ocean) A
#1はアップテンポソング。ややプログレッシブ気味な曲でつかみにくい曲だが、聴けば聴くほど魅力が伝わってくる不思議なトラックだ。5thを思い出す。
#2は覚えやすいメロディが武器であるミドル曲。実にソナタらしい曲でサビなんかはライヴで大合唱できそう。
#3は3rdを思い出させるアップテンポの曲だ。久々の三連符ソングで懐かしいソナタを味わえる。どのパートもよく練られている。#4は新境地ともいえるフィンランドの伝統を受け継ぐようなバラードだ。印象は薄いが良い曲だ。
#5は場面ごとにテンポが変わる静と動を味わえるソナタならではの曲だ。どのパートもトニーの作曲センスに驚かされる出来だ。
#6はパワーバラード。サビも良いがそのあとのピアノパートの哀愁が素晴らしい。
#7は4thぶりのメロスピソング。やっと来たか!という嬉しみもあるが、なんとメロディが最低レベル。今作で最も出来の悪い曲になってしまってる。速い曲てきとーに一個ぶっ込んどけば過去ファンは喜ぶだろう、て感じなのか...。
#8は4thらしさもあるトリッキーな曲だ。サビではソナタらしい歌メロに加え疾走も見せてくれて聴いてて良い気分になる。
#9はバラード。特徴は特にないが聴いてて心地の良い良曲だ。
#10は大曲。4thの名曲の続編になるがこちらも中々の出来だ。Aメロとかの哀愁がたまらない。
僕らは既に忘れていた 僕らがある日、海から這い上がって来たことを 雲の中に知識を蓄えられるとしたら、月に笑顔を描いて人生の意味を見つけるんだ 僕らの知性はなんと素晴らしい贈り物なんだろう でもなぜ僕は この美しい惑星を破壊するためにそれを使っているんだろう
人生は錯覚 時は単なる妄想 檻は誰かの想像の産物 君は昼 君は夜 空を所有し雲の中で暮らし重力に挑む
音楽が流れる 君が目を閉じる中、広大な星の庭園から
新世界秩序が荒れた海で釣りを続けている
肝心なのはどれだけの人が投票しどのように投票するかではない 誰が票を集計するかだ
山から降りて来た 泉で若さを見つけることは出来なかった 歌でいにしえの神々を呼び出した僕はそれから彼らを皆殺しにした 湖に映った自分の姿が気に入らないと湖は干上がった 僕は人間 恥ずべきことこそ人間らしい
もう一度廃墟に雪が降らないといけない 僕は苦痛の歯車に縛りつけられている もう一度僕を回して、最後の降臨節を祝ってくれ 美しく錆びていく、僕の悲しみの痛み 君のパンくずの痕跡をたどって行き僕の狂気へ
人間の最も暗い土地は失われた完全の燃えかすに照らされる
冬が要塞を築く、その孤独な心の周りに そして人生は寓話になる 闇の中のスノードーム 凍った月の光、遠吠え 純粋な夢追い人の悩みの元 月明かりの夜の似た者同士 彼らは流れ星と共に歩く 「僕の芸術品になるな」 満月の告白、明晰な白日夢
かつてあんなに青かった故郷が、闇の中で灰色の陰になった
喋ることは誇示すること 沈黙はあまりにも馬鹿にしている 僕が言わない言葉自体に重力がある 僕らはほろ苦い墜落の海で衝突する
僕は彼女を見つけた 今では色褪せつつある結婚式の招待状 真の友とは、雨の日の避難所のようなもの
七つの穏やかな潮の流れの音楽が消えていく、遠くで
全ての喜びは、名前と共に小型帆船に消えていった
10th TALVIYO(タルヴィユエ)
2019
北欧の夜を体感できるも不燃焼の中途半端作

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