誰が為に球を打つ -下- (呪縛まみれの我が卓球人生)
- 奥田ゾンダーランド
- 2022年6月2日
- 読了時間: 17分
更新日:3月29日
第2部 第2学年&第3学年編
第1章 オッパタという核を抱えて
1年の時には顧問の顔を知らなかった。
なぜなら、奴は一度も部活中に顔を出さなかったからだ!
しかし部長になってから腐るほど卓球部の顧問の顔を見ることになる。
その顧問がとにかくやばい奴なのだ
ねずみ男の成れの果てみたいな先生なのだ。
シンプルな悪口は好まないが言わせてもらう。とにかく臭い!そしてハゲ散らかしてるのに小動物みたいな顔をしているため夢にも出てくる凶キャラだ。
人は見た目で判断してはいけないとよく言うが、奴は見た目以上に中身も極悪であった。
名前はオッパタ。(苗字もぶっとんでる。この私が他にニックネームが思い浮かばないほどにこのオッパタというワードに苦しめられてきた。だからもうオッパタでいく。)

顔はこんな感じだ!↑
肖像権の問題があるので加工したものをご覧ください。
オッパタ「へええ奥田くん。ぼくオッパタ。よろしく。さっそくだけど大会の申し込みしてよ」
金と紙だけ渡されて、いきなり顧問がやるべき事務作業を押し付けてくる。
これが毎週のようにあるのだ!
それだけならまだしも、2年になっても奴は部活を見に来てくれたことは一度もない!
無論試合も絶対と言っていいほど来てくれない。
部活の終わりに職員室に行って「オッパタ先生〜。部活終わりました。」
オッパタ「へええ。おつかれ!気をつけて帰ってよ」
毎回こんな感じだ。
いつもニコニコしながら賞味期限の切れた練乳のようなうにゅうにゅとした喋り方をしてくるため脳がおかしくなる。
こんな日もあった。
職員室にて
僕「あれ、部活終わったんですけどオッパタ先生は?」
女の先生「あれえ、どこいったんですかねえ」
ぬうっと現れるオッパタ
オッパタ「へええ!ごめんごめんトイレ長くなっちゃった!」
女の先生は「ぶっ!」と笑いを堪えてそっぽを向く。
(なんやこいつ。職員室でも浮いてる存在なのか!?ああ、、そして俺ってなぜこの部活に入ったんだっけ..?)
なんとも言えない目が真っ黒になるような日々の連続だ。
帰りのホームルーム時に40%くらいの確率で担任からオッパタからの召集令状を頂く。

このように秋あたりからは吹っ切れて集め始めるほどだ。あと6枚で皿が当たる、とツイートした思い出もある笑
何かあるたびに私を呼び出しては面倒ごとを押し付けてくる。マリオパーティのクッパマスみたいな存在だ。
友達からもオッパタの恋人、と馬鹿にされる始末。部長になってからはこいつに振り回され、卓球を純粋に楽しむことができなくなってしまった。。
毎回職員室に行くようになったおかげで色んな縁のない先生と顔見知りになり、色々声をかけて貰えるようになるなど良い面もあったがうんざりな部長生活であった。モアイ像もそりゃあんな人間になっちまうわ、と同情してしまう。
第2章 廃部へのカウントダウン
オッパタという核爆弾を抱えながらも心機一転の2年!ダークな先輩たちとさよならし、たくさん可愛い後輩が入ってきて大改革できるのでは!?と心を躍らせてもいた。
ブレジナは完全幽霊となり今同学年は実質一人。後輩獲得に熱を入れようとしたが
モアイ像「お前は何もするな。一応部長はまだ俺だ。勧誘は任せろ」
一番大事な局面で権威を剥奪され、静観することになる。
蓋を開けてみると、ビラや勧誘は無し!
新一年の前で披露する部活動紹介でもモアイ像が「卓球部入ってください」と世界一超絶つまらない5秒演説で終わらせ、完全に去年の二の舞になってしまった。
あ、、終わった
悪い予感は当たった。
新一年生はたったの二人だ。
1人は良い一年生だった。
クヌギみたいな感じの女子だ。色黒でうっすら髭(!?)が生えてる眼鏡をかけたThe生徒会みたいな女子だ。
卓球が上手く、真面目でなんでも出来るテキパキ娘でたまに自分が部長なのに「部長、どうしよう」と度々相談したり頼れる貴重な存在だった。
ただ一緒にいると疲れるのだ。試合もお互い点が入るたびに危機迫る表情で「シックス、、スリーです!」「ナイン、オールです!!」と見えない緊迫感をみたいなものを作る天才なため不思議と疲れてしまうのだ笑
可哀想だったのが久々の女子部員だったのかオッパタに付き纏われたことだった。
たまに部活後は一緒に職員室に行くこともあった。そのたんびにこれだ
オッパタ「へええ。クヌギさん。メール教えてよ。電話番号でもいいからさ。」
うにゅうにゅと嬉しそうにクヌギさんの情報を聞き出そうとする有様。
僕「あのー、それ聞いてどうするつもりですか。。」
オッパタ「いやあ、緊急の時他に頼れる子いないじゃん!だからさ。欲しいの」
こんの〜エロ親父、、どこまでこいつは...
2年後半になると面白がって毎回クヌギさんをオッパタに会わせていたりと、自分の性格の悪い部分が剥き出しになっていたりもした笑
頼れるクヌギさんの他に、もう1人は新一年が入った。
めちゃくちゃ身体が大きくメタボリックな体型ですぐにドドリアというあだ名を付けた。
卓球初心者で中々に上達しない。
悪い子ではないが試合中にブツブツなにかに対する怒りを吐いてたりと少しサイコ性もありなるべく距離を置きたかった人物だ。
か細い声で「痛っ!痛いなあもお」と言ったりシンプルに怖い奴だった笑
そんなクヌギさんとドドリアを抱えての新体制井草卓球部。
うん、、よりダークネスだ!!!
部長になったら他校と練習試合をやりまくって交流の輪を広げるつもりであったが見事にその野望は打ち砕かれた。先輩たちが消え、たった3人になってしまったのだ。。
ミャンマーだったのがドネツク共和国のようになり、どこの学校とも試合ができなくなってしまったのだ。
こうして国は滅亡していくのか!?
第3章 レジェンドOBの会「草門会」
春は謎の試合がやたらとあった。
誰も応援に来ない孤独な試合が続く。
1人で会場に乗り込んではぶっ殺され敗戦報告を一応先輩にするという虚無的な日々だった。
先輩が引退した後の部活動ではクヌギさんと毎回打っては自分がボロ負けをする日々。
ドドリアの育成も頑張ってみるが一向に強くならない。
そう、、卓球熱が急激に冷えたのだ。
しかしそんな中、草門会という面白いイベントに出会う。
夏休みに我が校のいつも部活する場所でOBたちが集まり試合をするという特別な大会が開かれる。毎年恒例で何十年も続いている。(1年次にもあり参加したがその時は出番や交流はほとんどなく記憶の奥底に沈んでいた)
参加者で一番年上はなんと戦時中国民学校に通っていたという長老までいるのだ!
参加者のほとんどは50歳以上の老人大会でもある。どうやらここ30年は井草闇の時代と言われ、30年以上前は井草卓球部はこの三学区で一番強い超強豪校だったのだ。毎日のように厳しい練習をし、合宿も年に何回かあるほどの今とは大違いの活動内容だった。
ダブルスで日本一になったこともある名選手や三菱の社長までいるためその日だけは別世界に来ている気分だった。
皆めちゃくちゃに強く現代の常識を覆す昭和のプレイスタイルには驚く。
自分のアグレッシヴな卓球に老人たちから「やめんか!びっくりするだろう!」とよく叱られた笑
団体戦ではオリジナルのメダルが貰えるのだ。
こういうことができるこのOB軍団はもはやひとつの組織だな、と感激。
歴史と伝統を敬愛する老人たちはやはりこの現状をひどく悲しんでいた。
老人たちと交流したことが、自分の持つ信念の一つ「歴史や継続することの大切さ」に拍車をかけてくれた。
自分は今後卓球は続けないかもしれないが、この偉大な人々の意思は尊重したい。
今、俺は多くの人間に必要とされているのだ! 何も考えずに過ごしてきた当時の卓球生活に光を与えてくれたのは間違いない転機となる夏休みであった。
第4章 爬虫類なあなたとドリーム心地
冬が近づく。
あれを機に漫画の主人公みたいに強くなるかと思いきやいいえまったく。
試合ボロ負け地獄、そして木枯らし吹き荒れる季節にぴったりなドドリア、クヌギというスーパーメンツでひっそり黙々と部活動を続ける。恐ろしいことにこの時期に上層部から廃部勧告をされてしまったのだ。人数少なすぎ活動地味過ぎ、とのことだ。
んなこと言われても、、、としか言いようがなく高校生活の虚無感に拍車をかけてしまう。ショックという感情はなかった。
ジジイたちよ、許せ!先代たちが築き上げた帝国が今年、私の代で崩壊しようとも、、私は悪くない!やるだけのことはやった!
うん!降伏を受け入れよう!
と再び腐ってしまった。
しかしある出来事がきっかけで熱を取り戻すことになったのだ。。
高校説明会に合わせて中学生を体験入部させるイベントを始める動きが各部から見え始めた。
部長になってから月に一回ある部長会に参加するようになる。そのため各部の部長たちと仲良くなり国際サミットみたいで楽しいイベントとなった。剣道部部長が観音像みたいな優しさ溢れる男になり、そいつと仲良くなったおかげで卓球部と剣道部の長きに渡る冷戦に終止符を打つことができ、歴史的な卓剣同盟を結べた。
この体験入部イベント情報も部長会で入手した。早速卓球部も「バスに乗り遅れるな」とオッパタに直訴し「うにゅん。奥田くんが全部やってくれるんならやってもいいんじゃない?」とうにゅうにゅ許可をなんとか得ることができた。
この体験入部に以上に熱を入れてたのは勿論我が卓球部の未来のため、、、
いや、、それよりも重要なことがあった。
当時僕は爬虫類みたいな顔をした女子に頭がおかしくなるほど恋をしていた。
目と目が離れていて歯がデコボコでブツブツでゲロも吐くが不思議なオーラを放っていた彼女にメロメロの極みだった。
会えば会うほど沼にハマっていく、天使オブ天使であった。
群れることがなく、謎の動物みたいに1人でウロウロしている姿を見ているたびに自分の胸の皮をバリバリに剥がしたくなるほどだった。朝に「おはよー」なんて言われた時には教室までの廊下で12回はガッツポーズをし、その日1日は目に飛び込んでくる全ての教科書のワードなどがおもしろおかしくかんじるほどご機嫌になってしまうのだ。
彼女のことだけで博士論文が書けるほど語れてしまうが大脱線をしてしまうのでこの辺で落ち着こう...
ある日爬虫類さんがひどい滑舌で
「いもーとがちゅーがくでたっきゅーぶなんでゃおね」と言っていた。
しかもこの井草高校を希望していて説明会に現れるという情報まで語ってくれた。
これは、、!!体験入部させることができる大大大チャンス!!
思い切って爬虫類さんに連絡を取り承諾を得て妹を説明会の日に召喚することに成功する
別に爬虫類さんと卓球をやるわけでもないのにどうしたお前とクラスの盟友セターリンに言われたが、、私の持論を展開させると
あの伝説の爬虫類さんと似た血液、DNAや染色体、細胞を持った人物が我が帝国にやってくる!!ということだ。
異常だとなんとでも言え!愛は全ての騒音を超越する。
当日はワックスで髪を決め、クヌギさんやドドリアと共にめちゃくちゃに卓球場を綺麗にした。
クヌギさんに「せ、、先輩どうしたんですか今日...」
と心配されるほどだった。
すると爬虫類の妹が剣道場にやってくる!
心の中
あああああああちいいさいい!そして伊集院光とおかりなを足して2で割ったような感じの顔だが、脳が異常作用を起こし不思議なことに爬虫類さんにみえててててくくくくるるるる
パニック状態に陥る。爬虫類さんが妹はびっくりするほどバカだと言っていた。
たしかに怯えるヤモリみたいに「んあんあ」しか言ってくれない。しかしそこも味があって良い!
もう1人体験入部に節分で使われる枡みたいな男子がやってきた。
「ドドリア!ケヤキよ!あの枡の世話は任せた!」
こんな感じに押しつけ、妹と卓球をやりまくるという人間のダメな部分が詰まったようなことばかりをしたはちゃめちゃウハウハな1日だった。
今思い返すと最低の極みだがまさかのこれが高校卓球生活で一番楽しかった瞬間なのだ。
人間ってなんて愚かな生き物だろう、と今になって思う笑
その日以降しばらくセターリンに児童ポルノ犯罪者と呼ばれた。
妹が帰った後、後輩たちの前で演説みたいなのをする。
「あの夏の輝かしいOBたちの姿を思い出せ!
彼らが作り上げた100年の歴史を踏み躙ることなど断じて許さん!我が部を今日より再建し、再び繁栄をもたらすぞ!
井草卓球部に栄光あれ!」
頭が覚醒してこんなことを後輩に話した...
(全ては爬虫類ジュニアのために、、! )
こうして廃部を阻止するため、卓球部の存在を体育教官どもにアピールしながら活動を活発化させていった。
爬虫類ジュニア(&OB)の存在が我が卓球人生を大きく変えたと言えよう。
責任感と歪んだ愛の呪縛は人の生き様を左右してしまう恐ろしいものだ。。
夏のOBたちに出会って感動してた頃の自分にメロメロ状態になった情けない秋の自分を見せつけたいものだ。まあどんな形であれ卓球部を放棄しなくて済んだのだ。爬虫類ジュニアは井草卓球部の神からの贈り物だったのかもしれん。
第5章 ラストオブオッパタ
冬は黙々と練習を積み春がくる。
1年ぶりの春の三学区戦がやってくる直前に事件が起きた。終業式でオッパタが井草から去ることがわかったのだ!
やった!!井草卓球部衰退の主悪の根源であるオッパタ左遷=我が部再建の希望の光!
気持ちよく春を迎えることができた。
そして肝心の三学区戦。結果は惨敗。団体に関しては人数不足で出れんという最低オブ最低な事態になり、個人戦も移動スピードが半端じゃない正月の豆みたいなのに瞬殺された。「部長死すとも我が部は死せず」
頭の中は卓球部存続のことでいっぱいだったため精神的ダメージは少なかった。
しかし今回の三学区戦で1番記憶に残ったのは試合ではなかった。
なんと、、オッパタが初めて試合会場に現れたのだ!!
僕「せんせ。。な、なんでいるんですか?」
オッパタ「へええ。変なこと言わないでよ。顧問なのにきちゃだめなの?僕もう最後だからサプライズのつもりで来たのに悲しいよ」
とうにゅうにゅ言ってくる。
最後だから来るとは一体。。普段から来いや!感動させるつもりできたらしいがこっちは空いた口が塞がらん。さすがオッパタだ...
そして試合中もクヌギさんの番とかになると
オッパタ「おお〜」「うまいじゃん」「ううん」と鼻息だけで吹っ飛びそうな薄っぺらい感想をブツブツ言っていたりといちいち気になってしまう。中でも酷かったのが相手校の人がサーブミスした瞬間「ぷ!下手じゃん!」と言ってしまうオッパタ。
どんなに上手い選手でもよくあるサーブミスを珍プレイみたいに捉えるオッパタ。。
こいつ卓球の試合すら今まで観てこなかったのだなと感動を覚えるほどであった。

試合を眺めるオッパタから哀愁が溢れていた。許せ。
オッパタで始まりオッパタで終わる2年であった。。
第6章 血眼勧誘(全ては爬虫類ジュニアのために)
高校時代2度目の春休みを迎える。今年は本気で勧誘をし、卓球部廃部を阻止しなければならないため全部員を集め(3人)で作戦を練った。
そこで思いついたのがベタだがちゃんとビラを配ろう、そしてインパクト大の部活動紹介をしてやろうということになった。
ここで異常な作戦に出た。普通のビラはつまらん。。全部手書きで全て違うことが書かれてるオリジナルビラを大量作成しようという強硬手段に出た。

これが完成したビラだ笑
このとんでもオリジナルビラを入学式の日にばら撒きまくってやった。
そして肝心の部活動紹介。
与えられた5分という時間を舐め尽くしてやった。この短い時間で卓球台を体育館の中央に設置して蘇生させた幽霊部員たちにラリーをやらせる。その間に金髪に染めた部長である私とクヌギさんで卓球部の魅力をマシンガントークするという強烈なものを披露させた。四方八方に飛んでいく球をドドリアと緊急招集させたクラスの友達「モリモリてる」が虫取り網で取りに行くというシュールな演出もあったためか、多くの一年が目を擦っていた。
そして蓋を開けてみると、、
なんと新一年生が15人も入って来たのだ!
めちゃくちゃに効果があったらしい。
本気出せゃできるじゃねえか井草卓球部。。そして俺。
後輩まみれになり剣道場はめちゃくちゃに賑やかになった。
強いのから初心者までと色とりどりだ。
そして女子が1人いると聞き「は、、爬虫類ジュニア!!」と思いきやまさかのスリランカ人の女子だった。
ありゃ、、ああー。しまった。爬虫類ジュニアが入ってくるのは1年後だということにこの時気付き唖然とした...。
このスリランカ女子に少しだけ付き纏われたのだ。
スリランカ「センパイ。タキュージョーズネ。センパイカラオソワリタイネ」とこんな感じにやたらしつこく追いかけ回された。
これはなんだ?煩悩破壊のために神がよこしてきた化身なのか?色々頭を抱えてしまった。今思うとこれも面白い思い出である。
調子に乗り私は1年間途切れていた願いを叶えるため最後の試合を自ら作り上げることにした。
そう、この人数ならできる他校との練習試合だ!
どこを選ぶか?そりゃ今現在卓球レベル格下の田無工業高校だあ!
後輩たちを大量に連れて工業高校へ足を踏み入れる。
そしてめちゃくちゃ弱そうなのと対戦し、撃破!
「しゃああ!!みたか後輩よ!!これが部長だ!」
後輩「うおおおおお」
先輩たちがやってきた他校への侵略「一方的な虐殺」を今度は私が権力を見せつけるためにやっている。。
こうやって愚かな人間はアホな歴史を繰り返すのだな、と今になって哀れみが溢れかえってくる。
この練習試合はしょうもなかったが最後に部長らしいことができて満足はいった。気持ちよく部長の座をクヌギさんに譲りオッパタ消滅と共に暗黒時代に終止符を打ててホッとして身を引いた。
第7章 英雄は兼部の王となった
3年の夏休み。受験期だったがナマケモノの私は勉強に本腰をいれていなかった。そこで毎年恒例のOB会「草門会」に参戦することになった。卓球場に踏み入れると杖をついた元大佐みたいな老人が握手を求めて来た。
「きみが、、我が部を救ってくれた...!
英雄に拍手を!!」
こんなことを言われ色んな老人たちにお礼を言われた。
どこに行けばいいかわからない嵐の中をただひたすら歩き、己の欲に従ったまでの高校部活生活だったつもりが多くの人に感謝される結果に繋がるとは夢にも思っていなかった。
自分がこの不愉快極まりない井草高校に在籍していた意味がここにあった、とわかった時はこの部活に入って良かった、と初めて本気で思えた。
しっかしこの数ヶ月後に井草への恨みが爆発し、卒業アルバムを俺だらけにしてやろう、という作戦を発動した。
そう、、色んな部活の集合写真に映り込み兼部ギネス記録を目指すという最高の裏切り行為をしてしまった笑

これが事件簿だ。
・卓球部 真ん中で堂々と!
・漫画イラスト部。仲が良い漫画部部長を上手くそそのかして撮る数秒前に俺が現れる卑怯な作戦を発動
・演劇部
顧問の先生がみんな同じ顔に見えるという病気を患っていたため可能だった
・天文部
ノリと勢いで10秒だけ部員になれた。
この有様だ笑 剣道部も写ろうとしたが生徒会撮影班に入っていたクヌギさんにバレて断念。最後にめちゃくちゃに失望されたのも良い思い出だ笑
荒らすだけ荒らし中指立てて卒業しちまった高校生活でありました。
最終章 メダル乞食爆誕
卓球の才はない。努力しても卓球は自分の人生史に多大な影響をもたらすことはないとわかった。しかしやってきたことを思い出で片付けるのは過去の自分を否定することになってしまう。常に私は過去と未来の自分を繋ぐコンテンツを追い求め極めている。そこで私は精力的にこのOB会に参加するようになった。


今日までこのOB大会で他力本願だが7大会連続メダルを獲得している。(コロナのせいでここ2年連続で中止になり2013〜2019で止まっている)
それぞれに思い出がありアスリート気分だ。過去の自分と対話できるアイテムを貰える場はこの先も大切にしていきたい。
決して無駄な3年間ではなかった、ことを証明するメダルたちなのだ。
と、散々な卓球生活をかっこつけながら締めくくろうとするがそうはいかない。
大学生になり最初の草門会はウキウキだった。何故なら、忘れはせぬ!爬虫類ジュニアが入って来ているのだから!!
ウハウハで卓球場に入ってくると老人、老人、老人、謎の後輩、見たことある後輩、老人、、あれ!!!
爬虫類ジュニアいねえの!?
そうだ...ここは自称進学校
姉貴が言ってたっけな。。妹馬鹿だって...
こうして邪悪な野望の方は見事に打ち砕かれ、私はメダル乞食ジジイ飲み会大好き卓球下手くそ星人と化し、今日もラケットには白カビの領土が広がる。
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