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江戸川珍歩は描く語りき 第3幕 初の大長編「新・ヨッシーのクッキー工場」

更新日:2020年7月16日

前回紹介した黒歴史漫画を量産したことによって腕に自信がつき、初の大長編に挑んだ。

それがこれだ。

第10作 「新・ヨッシーのクッキー工場」

2006年8月〜11月頃執筆

なぜ処女作「ヨッシーのクッキー工場」と同じタイトルなのかについて。

この物語はマリオ達がレースやハッパお化けと戦った第1作、第2作から数年後の世界設定である。

そのため社長のバックス、副社長のウェンド、第2作で仲間になったロックなどが登場する。マリオとヨッシーは解雇され、新たにリュシーという主人公が登場する。気持ち的には新作なのだが、過去の続きのお話ということで「ヨッシーのクッキー工場 第4巻」という複雑なタイトルにしてしまったのだ、、。(1巻、2巻は第1作、第2作のことを指している。3巻は1ページで打ち切りにしてしまいしかも紛失してしまったため紹介しようがなかった。)

ひょんなことから新作のこの大長編のタイトルは「ヨッシーのクッキー工場 第4巻」という西武多摩湖線と西武国分寺線の関係並に面倒臭いタイトルになってしまった。


この大長編は全部で5冊あるため「ヨッシーのクッキー工場 第4巻〜第8巻」と表記されることになる。


前置きがあまりに長くなってしまった。

こちらが4巻の目次と新たに導入された登場人物紹介だ!

ヨッシーがいないのにヨッシーのクッキー工場というタイトルが続いているのは笑える。

ちなみに第3作:スーパー学校でクッキー工場は壊滅させられたが、あれは無かったことになってる笑 みんな闇オチはしていない。2巻でマリオに倒されたセイジロウは今作復活して出てくる。


そしてこの目次の酷さ、、

その5 セイジロウ死ぬ

その6 バックスやられる

その8 テール死ぬ

このタイトルの付け方は当時ならではの失態だ笑


今作の主人公、リュシーが道を歩いていると突如穴に吸い込まれ、異世界へ!そこにはクッキー工場があり、従業員として働くことになりました。ここまでは過去作と同じでマリオと同じ運命を辿っている。


今作ではきちんと工場で働いている様子も描かれている。主人公リュシーは真面目少年という設定だ。


次の回でリュシーは街に買い物をしにいく。

この夜の都会の絵は当時にしては中々いい味が出てる。今までまともに描いていなかった背景とかもこの頃から意識するようになった。

デパートで買い物をしていると突如ヘリから機関銃で襲撃されるテロに巻き込まれてしまう。(ゴッドファーザー3的な演出だ...)

なんとテロリストの正体は2巻でマリオに倒されたセイジロウであった!なぜ生き返ったのかはわからん。。

改心することなく悪に染まった状態で再登場だ。

リュシーはセイジロウと戦い初のカーチェイス戦にもつれ込む。

コマの中の絵を多方面視点で描けるようになったのも成長か。かなり見やすくはなった。

調子に乗りスピードを出し過ぎたセイジロウは事故り車ごと海へドボン。

戦闘は終了し、リュシーは家に帰る。

そしてここでセイジロウはテールという悪の手先だったことがわかる。


それから1ヶ月が経ち、リュシーは完全に工場での生活に馴染んだ。そんなある時、バックスは工場の宝である黄金のクッキーをリュシーに見せる。


見せた瞬間、

再び現れたセイジロウに爆破される笑 怒り狂ったバックスはかつての従業員だったセイジロウを凄まじい戦闘力で殺害する。

過去作では出番がほとんどなかった社長バックスがギャリック砲レベルの技を使うほどの強キャラとなっていた。


その直後、セイジロウの上司であるテールが現れ、そのままテール戦に突入。

勢いづいたバックスがテールに飛びかかるも、、

テールの戦闘力はとてつもなく高くバックス社長は致命傷を負う。その後ロックが殺され、ウェンドも瀕死の重傷を負う。残るはリュシーだけとなった。

主人公あるあるの怒りパワーが働き、リュシーはテールと互角。過去作に比べると戦闘も迫力が出てる?


互角の戦いが続き、戦闘は均衡。リュシーが覚醒し、倒すのか!!それともテールに敗北してしまうのか、、!どうなるのか!!


その8 「テール死ぬ」で明らかに!

突如瀕死だったはずのバックスが立ち上がり、、

謎の兵器でテール瞬殺。

内容を覚えてなかった自分は思わず「ざけんな!!」となった笑 「リュシーはクズなんかじゃねえ。お前は勇気がないんだ。」と名言?を吐きテールをあっさり倒してしまうバックス。勇気はおそらくこの漫画で一番必要ない言葉だろう。

バックスの回復スピードのことは置いといても、、最初からその武器使えや!!ここまでの戦闘が阿呆くさく感じてしまう大失態展開だ。死んだロックが気の毒で仕方がない。


悪を倒し、リュシーとバックスは一息つく。

しかし、今作は大長編のためテールは悪の組織の下っ端に過ぎなかったことが判明する。


悪の組織による暗黒会議シーン。このシーンはマジレンジャーの影響がかなり強い。

5人組だ。

・ドラゴンボール丸パクリ戦闘服を着ているメガネ野郎のケークー

・剣の使い手 ソードレム

・名前が残念すぎるメットゥ

・マントの男 ダーン (この時点ではこいつがボスだったが引き延ばすため違うボスがでてくる)

・チビのGR

喧嘩シーンでGRが謎の技をダーンに喰らわし「うげ」てなるシーンがシュール過ぎて好きだ。


ケークーが第3の刺客として工場を襲いに行くとこでこの巻は終了する。


今作の大きな欠点は敵の目的が謎すぎるところだ。過去作の敵は、ゴールドストーンという宝を狙ったり、学校を乗っ取ろうとしたり、と一応目的はあった。セイジロウはこの工場に恨みがあったりと、まだ襲ってきた理由がわかるが、その他の悪党どもが何故揃いも揃ってこんなクッキーを作る小さい町工場を潰そうとしているのかが謎すぎる。



しかしヨッシーズに比べて読んでて不快感はなく、それなりに楽しめる出来ではあると思っている、、。


5〜8巻の表紙はこんな感じだ。6巻を紛失してしまったのは痛かった。7巻の表紙は察してくれ、、。デスノートを読んでた時代でもあったのでこんな内容無視のスカした表紙になった。内容は平常運転なので気にしないで欲しい。

5巻の序盤は平和パート。

死んだロックの扱いがあまりにも酷すぎる。死んだことすら忘れられ、葬式を掃除レベルの仕事のように済まされ、工場のみんなは過去最高に楽しそうだ。死者に対する敬意の無さは相変わらずだ。

ロックの扱いに困り、ストーリー上邪魔だったため消しやがったな。


その後第3の刺客、ケークーが襲ってくるも、、

ネイズという新キャラが現れ、一瞬で倒してしまう。ネイズは悪の組織と1人で戦っていた戦士で、仲間になってくれる。

その頃悪の組織では次の刺客を決めるため会議中。遺影が増えてくシステムは笑える。片手にワインを常に持ってるラスボスナルシスト「ヘル」とその側近である眼帯の野郎「ネロ」が初登場する。


第4の刺客ソードレムが襲いにくるもリュシーとネイズの共闘で難なく撃破。

ソードレムの「皆殺しだっていうかぶっ殺してやる〜」という奇妙な台詞。地味に好きだ笑 


ソードレムは撃破するも、第5の刺客のメットゥがめちゃくちゃ強い。

まさかの主人公リュシー死亡。たて続けにネイズも殺される。

この深刻なレベルの絶望展開は過去にはなかったので成長を感じる。


雑魚だと思われ、相手にされなかったバックスとウェンドは生き残った。

バックスは過去作に出てきた死んだ人を簡単に生き返らせることができる「いのちの山」ではなく「いのちの湖」に行くと言い出す。

いのちの山のシステムはさすがにまずいと思ったのか、今作ではいのちの山は存在せず、代わりにいのちの湖が登場する。この湖にはきちんと決まりがある。自分の命と引き換えでないと人を生き返らせることができず、1つの命につき1人まで、そして一度生き返った人間は2度と生き返れないという条件付きだ。

バックスは自分の命をリュシーかネイズのどちらかに差し出す事を決心する。

ここで5巻は終了する。思ったよりシリアスでしっかりしてたな...。


んで肝心の6巻を紛失したので覚えている範囲で超軽く説明。

・命を受け渡したバックスは死に代わりにリュシーが生き返る。(知ってた。主人公だもの)

・ネイズは死んだままで今後回想にも登場しない。可哀想にあーめん

・みんなの想いを背負い復活したリュシーは強い強い。以前敗れたメットゥをぶっ倒し、そのまま第6の刺客GRも撃破する。

・どういう経緯で仲間になったか忘れたがイケメン剣士「ヴェンス・トニア」が新たな仲間に加わる。

ヴェンストニア。当時にしては中々かっこよさのあるキャラだ。


こんなとこか、、。

7巻に突入する。

悪の組織のボス「ヘル」は次々と幹部が倒された事で躍起になったのか、大量の舎弟をクッキー工場に送り込む。

リュシー、ヴェンストニア、ウェンドの3人で迎え撃つことに。

途中ピンチになったところであいつが再登場する!

死んだはずの闇オチ魔「セイジロウ」が助けてくれた。実は死んでいなかったらしく、瀕死の重傷を負った事で改心したっぽい。


敵を殲滅し、セイジロウを含む4人で敵のアジトに乗り込む事になった。


敵のアジトで最後の幹部「ダーン」と決闘。

左手でスピアを使いこなし、右手からはダースシディアスの如く電撃を発することができるかっこいい戦法を使う強キャラだ。

危機一髪のところ、、

ヴェンストニアの剣がリュシーを救い、ダーン撃破。


そしてついに最終決戦。

ヘルは中々の存在感を放っている。


敵のカリスマ性。かつての敵が仲間になり戦う。

これらの要素はあの黒歴史だった過去作「スーパー○月マン」を描いたことで得られた手法だ。

あれらの作品も決して無駄ではなかったことが再認識することができ、ホッとした笑


最終巻に突入。


ヘルとの激闘パートが続く。

この辺で「俺たち仲間だろ。」という初の本物の友情パートも描けている。


過去最高に激しい戦闘だが、これ以上この記事を長引かせるわけにはいかないので割愛。


友情パート=フラグの流れが自然にできていた。

ヘルの出す光線がヴェンストニアの心臓を貫く。

ヴェンストニアはそのまま絶命。死に方が過去最高に良くできている。そして初めて仲間の死が重く描かれているのも進化を感じた。


その後ヘルはネロと合体し戦闘力UPをするも怒り爆発リュシーに軍配が上がる。

全ての力を出し切り、ヘルを撃破するも疲労によりリュシーも死んでしまう。


そして時が経ち、ウェンドとセイジロウの2人で工場を経営しているところにまさかの客が、、、。

マリオとヨッシーが来やがった!

「久しぶり。元気にやってたかい?」とマリオが尋ねると、ふとウェンドが「リュシー」と呟き過去を一瞬思い出す虚無感の描き方は当時にしては上手いと思えた。

これでこの大長編「新・ヨッシーのクッキー工場」は幕を閉じる。平和が訪れるも失うものが多すぎたバッドエンド寄りのジ・エンドは幼いながらも心にくるものがあった。 


黎明期にしてはかなり上出来な集大成作だと我ながら思えた。(前の作品群があれだったのもあるが、、)過去作を読み直すことで、自分の人生の足跡を確認できると同時に過去の自分と対話した気分にもなれた。子供時代から続けてきたものを今でも続けることの楽しさを再認識することができ、今を生きる自分の大きな励みにもなれた。

周りに合わせず純粋な子供時代の心を大人になっても持ち続けることもひとつの生きる術なのではないのかね、なんて思ったり、、。戯言なので聞き流してくれたまえ!


8巻の最後のページに呪いの次回作予告が、、

第11作「ワクワク学校」は親が間違えて捨ててしまったためない!駄作の極みだったような。

もっと話が知りたい人へ、てなんやねん笑


おまけ1

第12作「マザー2」を超軽く紹介。

第4作「ヨッシーアイランド」と同じく、ゲームの内容をそのまま漫画にしたトリビュート作だ。

アレンジをかなり加えオリジナル性は出せているが内容は酷い。しかし今作には初のまともなヒロインキャラが登場する。

ポーラのはずだが、なぜかヨーコという名前に、、。ボサボサヘアーで男勝りで行動力がある男性ホルモンムンムンの女性だ。当時からそういう女性に憧れていたのだ。実を言うと、当時同じクラスにいた好きだった子をモデルにした。顔も名前もイケメンだった女子だ。

現実にいる人をモデルにしたのはこれが初めてだったため意外と記念すべき作品でもあった。

さらば、我が青春


おまけ2

同じ頃に描いていた数ページで打ち切りになった謎漫画「キラーマシーンアドベンチャー」という作品もあった。

キラーハエという突っ込みどころ満載の敵キャラと戦うところで打ち切られている。使い回しでリュシーとセイジロウが主人公。

こりゃひどいな。どんな内容だったかも思い出せん。。


あまりに長くなってしまった。

次回2007年に描いた大長編「リュシーストーリー」を振り返っていきたい

それでは!

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