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奥田ゾンダーランド

江戸川珍歩は描く語りき 第12幕 中学時代唯一のガチ作「BLACK EARTH」

「江戸川珍歩は描く語りき」のシリーズもついに12回目。ここまで色々な作品を紹介してきた。

1作目「ヨッシーのクッキー工場」(2004)

2作目「続・ヨッシーのクッキー工場」(2005)

3作目「スーパー学校」(2005)

4作目「ヨッシーアイランド」(2005)

5〜9作目「スーパー○月マンシリーズ」(2006)

10作目「新ヨッシーのクッキー工場」(2006)

11作目「ワクワク学校」(2006)

12作目「マザー2」(2006)

13作目「旧リュシーストーリー」(2007)

14作目「僕はナス!強いんだ!」(2007)

15作目「リュシーストーリー」(2008-2009)

16作目「チンポの栄光」(2008)

17作目「ぐつぐつ黒鳥」(2008)

18作目「龍41」(2009)

19作目「モンゴル物語」(2009)

20作目「バカボンダ」(2010)

21作目「エセ漫画日本史」(2010)

数々の謎作の詳細は過去の記事を読んでくれ!


ここらへんで区切りをつけたいと思い今回から第2部ということにしたい。

中学2年の冬から中学卒業あたりまで描いていた中学時代唯一のガチ作 22作目「BLACK EARTH」を紹介する。

初のダークバトルファンタジー系の漫画でほんの少しの進化や大人になっていってることが伺える作品だ。


青年が荒廃した街でモヒカン軍団に襲われるところから始まる。

当時、北斗の拳にハマっていたことがバレバレな内容だ笑 

ピンチな時にイカついお兄さんが現れる。

この適当に作ったモブ敵キャラのモヒカン隊隊長「ヒモカン様」は意外と今でも好きだ笑 またいつかどこかで登場させてあげたい。


無礼な態度にキレたモヒカンAは攻撃を繰り出す、、が!

イカついアニキはやたらめったら強く返り討ちにあう。良いグロ具合だ。


この強い男は超越人間と呼ばれる、数千人に一人という確率で生まれてくるスーパー人間だということが判明。そう、今作は能力者系の話でもある。

今作からワードチョイスにも気にかけるようになりまだまだ甘いところはたくさんあるものの所々キメ台詞や遊び心が見られる発言が多くなった。これは大きな成長であった。


助けられた青年ロックはこの超越人間を用心棒として雇うことに成功。ロックが勤務する工場はヘル軍団というカルト集団に狙われているとのことだ。

この男の名はなんと、、リュシー!!

ここでお分かりいただけただろう。

今作は小学生時代から何度も描いているリュシーストーリーの最終リメイク作となっている笑

過去の自分と比較し成長を実感したいがために私はリメイクという手法を使いまくっていた。

龍41よりも更にダーク度とシリアス度が増している。


流れとテンポ、絵の動きも自然体になっているところも進化。

リュシーはボロボロになった工場に到着。出迎えてくれたのは副工場長のブレット。真面目な性格のおっさんでスティーブマックイーンという俳優をモデルにしている。

歴代リュシーストーリーで必ず現れるウェンドも登場笑 今作では無口な怪しい帽子男になっている。

この作品あたりからリアルな人間の描き方も上達し、顔が小さくスラッとしたキャラを描けるようになる。これまで描いてきたキャラは皆頭でっかちであった。子供が描いてたから仕方ないか。。


工場内にはハネルという少年もいた。

リュシーとハネルが一瞬遭遇するシーンのコマは当時にしては超先鋭的。コマの中の絵が単調にならないように配慮するようになったのもこの時期からか。


ハネルの他に工場にはもう一人レオンという若い青年がいた。

 レオンは過激で短期な男だ。アンチ用心棒で自分たちの手でヘル軍団を倒すという無茶考えを持っている。あらゆる作品に一人はいる調和を乱す系のキャラだ。


工場長に会うリュシー。


工場長の名前はバックス。ここの工場で何があったのかをリュシーに説明。そしてここから回想へ。

5日前に遡る。悪の組織ヘル軍団のヨーネルが工場を訪れる。

顔は全く違うがバックスは伝統通り工場長。

しかし過去作ではリュシーの片腕的存在だった頼もしい仲間ヨーネルは敵に降格されている笑 顔も悪人ズラになり残念の極みだ。


ヘル軍団の要求は防衛のための兵器を貸してくれとのこと。

バックスは断固拒否しヘル軍団を追い返す。オウムに自衛隊の兵器なんて貸せるか!という感じだろう。

このエセ芥川龍之介みたいなのは1代前の副工場長シュン。


場面はその日の晩の食堂。工場の作業員で溢れかえってる。

ブレッドとシュンが会話をする。シュンはブレッドに工場を辞めたいと告げる。


工場に眠る核兵器を狙うヘル軍団が工場を襲撃

大虐殺が始まる。レオンは熱を操る工場員唯一の超越人間であり、一人奮戦しようとするもヘル軍団のめまいを起こす超越人間に気絶させられてしまう。

蜂の巣にされたシュンはなんとか生き残ったブレッドに副工場長の座を託し絶命。

結果工場の人間はほとんど殺され生き残ったのは酒を買いに行ったロック、病院に行ってたバックスとウェンド、砂糖を取りに行き難を逃れたハネル、そしてブレッドとレオンの計6人のみだった。


リュシーは正式に工場の用心棒になることになった。

ここで工場の人間全員と顔合わせ。

少年ハネルの名前がここでジェフに改名されるという事故が起こる笑 ハネルだとどこか間抜けっぽいからか笑

リュシーの態度が気に入らないレオン。能力者同士でありプライドの高い2人の軋轢を描くストーリーでもあり、かつてないほど自然な漫画になっている。

各方面で成長を感じ取ることができるもののどこか固さを感じ個性を存分に出せていないところが難点。どんなにブラッシュアップさせても普通の良作止まりになってしまう。(あと余計なネームが多すぎる...)進化を実感しながら当時の課題を理解することで今に繋がる。何度も言うようだが時代ごとに作品を残すことは大切だ。


ここから第2話に入る。

全体的に顔が長え笑笑 当時の悪い癖で作画ミスの部類に入るだろう。

空欄になっているが一応ここはレオンがリュシーにいちゃもんをつけているシーンだ。

場面はヘル軍団本部へ。スキンヘッド眼鏡とちょび髭の正義のWオジサンがヘル軍団の捜査にやってくる。

ヘルの右腕であるネロのデザインは中々にかっこいい。あっけなく粛清されてしまうオジサン2人であった。ここらへんは個性が少し出ていて楽しく読める。


その頃リュシーは靴を買いに1人街に出てデパートに行く。2話目にリュシーがデパートに行き悪者と戦闘になるというリュシーストーリーの伝統を見事に守った展開だ、、笑

ここでリュシーを超越人間だと見破る女キャラが出てくるもすぐにどこかに去ってしまう。

中学当時ちょっとだけ好きだったガッシリして長身だった女子をモデルにしたがデッサン狂っていてスッピンのX JAPANを混ぜて作ったようなおっさん顔になっていてショックだ...


その後工場にいるガキ、ジェフと偶然遭遇。

早速事件発生。


万引き犯を殴り殺しデパートの店長から報酬を強引にもらおうとするヘル軍団のならず者「ノーK」登場!

リュシーの隣にいる兄さんがノーKを挑発。


誤解されリュシーが絡まれるも、、

一発KO


部下が襲ってくるも今度は隣にいた兄ちゃんが撃退してくれる。こいつは光線を出すことができる能力者であった。強いものには愛想が良いリュシーである。しかし用心棒に誘うも断られる。

巨大ヒロインやレーザー野郎などこの辺のキャラは次章で活躍させるようのキャラであったがこの後すぐに打ち切りになるので実質ここで出番終了。


デパートを出るとジェフが調子に乗ってリュシーに質問をしまくる。

リュシーブチギレ

「価値の低い人間のくせに、価値の低い人間のくせに、、ぶつぶつ」ここの邪悪なターンは今でも好きである笑

ここからはヘル軍団の会議シーン。

序盤に出てきたヒモカンが再登場。工場の奴らを皆殺しにする作戦に参加して汚名返上をしようとするも、、

液状化の能力者により粛清 悪の組織あるあるの流れだ。


アトミックサンシャインパートはそこそこ洒落ていて良い笑

歴代最初のボスとしてお馴染みのいかつくなったテールが最初の刺客になることが決定。

全ては支配のために超越能力を使うもの

守るべきものがある限り超越能力を使うもの

目的は無いのか、、ただ超越能力を使うものもいる


沈んでしまったヒモカンの手で終わるとこは決まっているがここで大きな名言を入れようとするも浮かぶ前に打ち切り。 残念無念。

2話目はここで終わりになっている。

今作からは各回の締め方にもこだわるようになった。

3話目が始まるもこれが最後の1ページとなってしまう。

リュシーの性格が災いして工場の奴らから省かれ気味になるシーンだ。

ここで挫折!!

高校受験が始まったりモチベの低下で終わってしまった。ヘルを倒した後くらいまで構想ができていただけに無念。当時の自分よ、今の自分を楽しませるためにもっと描いておくれ、と言いに行きたくなる。未来の自分に今そう言われているように笑


リアルな人間関係、大人びたキャラクター、セリフ、話の流れなど至るところで大きな進化や試みが見え隠れするターニングポイント進化作なのは間違いない。

この時期に真剣に洋画を観るようになったことやメタル音楽にハマったことで視野の広がりも感じられる。

その反面、爆発力や個性が活かしきれていない点、キャラが薄い点、ある程度展開も読めてしまう点など悪いところも浮き彫りになってしまった。

なんかこう、、自意識過剰だったのか愛が足りないのだ!!周りからなんと思われても良い。歪んだ愛と本音で作品を描くべきなんだと再認識できた。


このブログでは繰り返し言ってることだが何かを継続することは進化の証を残しつつも当時の心情を凝縮させた写真アルバム以上のコンテンツを生むことに繋がる。それは今後の生き方の灯台にもなりブレない自分を維持してくれるという重要な役割も担っている。

全人類よ、、何かを続けその終着点を死ぬ寸前に確認せよ!!


この辺で終わろう

次回は高校1年次の作品

〜嵐の前の静けさ的ショボ2発〜

「ヘルビスストイコ」と「スティング」を送る!





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