今回は小学6年生時代に描いた小学生最後の作品群を紹介したい。
第18作目「龍41」
空港から始まるという映画を意識した演出。
そして東京が舞台という人生初、現実世界を舞台にした作品になる。
リュシーストーリーにはたくさん見られた子供っぽさを払拭し、大人の漫画を描きたいと思い始めた時期なのだろう。
次の場面でチンピラが少年を襲うシーンになる。
この少年は初期作「ヨッシーのクッキー工場」や大長編「リュシーストーリー」でお馴染みのセイジロウだ笑
そしてチンピラの方もお馴染みのロックを「竹山六」という名前にして出している。
襲われる次の瞬間、、
今作の主人公カナダの竜巻こと「龍41」が登場する。
今までは少年やマリオが主人公の作品しか書かなかったが今作で初めて大人の主人公が登場することになる。
六を一発KOする強さ。そこそこ名の知れたカナダ人用心棒である龍41は見た目の通り、正義感が無く己の快楽のために敵を倒す系主人公だ。
そして次に登場するカナダの稲妻「ウェンド」は龍41の右腕。このウェンドも初期作から出しているお馴染みのキャラなので今回はある意味ヨッシーのクッキー工場、そしてリュシーストーリーのリメイクにあたる。
龍41らは依頼主である「木下あうぇい」という東京のマフィア「関東」のボスに会いに行く。
ロシアマフィア「ヘル軍団」から我らの領地を守ってほしいという依頼だ。
役柄や雰囲気、舞台は皆違うが完全に今までの大長編シリーズと同じ流れになっている。
大人版リュシーストーリーとも言える。
早速襲撃に来るヘル軍団。
最初にボコした六は関東の構成員の1人であり仲間になることになる。龍41の本名はリュシーというところに過去作の遺構が見え隠れしている。
六が新聞で見たものは「関東」の幹部「石田」がロシアマフィアに殺害されたという記事である。ここで「関東」のボス木下の回想録が始まる。
絵がほんの少し上達し、展開やコマからコマへの流れがちょいと自然になったところは成長と言えるか。
駐車違反している不良をぶっ殺したりと過激な主人公。初のダークヒーローを描いた経緯は簡単。色々な作品に触れることで正義のヒーローが全てではないということを学び、今までの自分とは違う!という大人ぶった思考がこのようなキャラを生んだ。
龍41が見事に不良どもを抹殺。
弱い自分をどうにかしたいと、落ち込むセイジロウ。
良い感じの話の流れだがここから打ち切りの乱舞が始まる。当時の自分にしては難しい作品に手を出したせいで心身共に疲労が蓄積し、、
事務所に戻ると死んでいる木下と坂野高笑
重要人物を次々殺したところで打ち切り。。。
疲れちゃったんだ。まあ、これを描いたのも決して無駄ではなかった。
第19作目「モンゴル物語」
これも長続きしなかった大長編だ。
こちらも現実主義な作品となっており、モンゴルを舞台にした初の史劇スペクタクルである。
小学生時代にしては最新鋭の絵笑
突如襲われるモンゴル平原。雰囲気も大河ドラマチック。
主人公リュウ・ジン登場
1コマ目だけはイケメンなのが残念。次のコマから急激に顔面偏差値が落ちている、、笑
初回だけ色々豪華な最近の日本のドラマを連想させるインチキっぷりだ。
今作の敵はバコバス・ハーン。明らかフビライハーンの影響を受けている。(小学生末期は歴史にハマったのもありこういう作品に挑んだ)
リュウジンvsバコバスハーンになると思いきや突然回想シーンに入る。
リュウジンの子供時代だ。開始早々回想シーンになるのは先鋭的ではなく、普通にアホな構成だった笑
リュウジンを庇い死ぬ母。
なんと次のページで回想は終わり、バコバスハーンとの戦闘シーンも省かれ、敗北し床の間にいるリュウジン。あーあ、、っていう構成だ。
兄のガリバスが久々に家に帰ってきて、リュウジンの家族構成が紹介される。リュウジンが三男だったということがわかる。
久々に再開した家族と楽しいひととき。
シリアスになのは結構だが面白さのかけらもないのがここまで難点。初めて家族ものに手を出したのは良い試みだった。
しかし兄が持ってきたのは次男「ヘニス」訃報だった。
中国のボス御迅神(おじんじん)に殺されたらしい。
そしてここからまた回想シーン。。
回想シーンの連発構成はさすがに酷い。。
御迅神に喧嘩を売られ殺されそうなガリバス
次男のヘニスが助けにきてくれた。
御迅神の顔デザは個人的に好み笑
ここらへんから段々コミカル色が強くなっていく。。そう、、打ち切りモードに入ってくれたのだ!変にシリアスなものに手を出したため、ストレスが溜まっていたのか、ここから楽しい打ち切りに向かって徐々に本領発揮されていく。
弟を逃したヘニスはなんとか自分も逃げようとするも何発もぶち込まれ「びぎゃ!!」
倒れたヘニスの元に駆けつけるガリバス。
悲しいシーンのはずなのに...
ヘニス「ふがふが、、俺は死ぬと思う。大切な話だ。。聞いてくれ。。俺ら5兄弟の中#☆€>○\々&...」ガクッ
ガリバス「兄さん!大切な話はどうなったの?死なないで!続きが聞けないから!大切な話をしてから死んでください!」
このクソ酷いやりとりは好きだ笑
長男ヘニス死亡の経緯を聞いたリュウジンは怒り狂い、バコバスハーンも兄を殺した御神迅も殺すことを心に誓う。そして天下を取るとまで言い出す過激派となった。
リュウジンは修行を始め1年経過。修行シーンは見事にカット。
強くなったリュウジンはついに旅に出る。
しかし突然馬が発狂し、、
崖から飛び降り自殺笑
リュウジンはなんとか助かるも、落ちた先は怪物だらけのキモい異世界的なところだった。。
リュウジンは突如首を切断され、、
食べられ死亡
ベルセルクの蝕的な世界観だ笑
ここでこの激動刺激スペクタクル作品「モンゴル物語」は主人公の死亡により幕を閉じる。
素敵な打ち切りだ。
龍41と言い、モンゴル物語と言い壮大で大人びたものに手を出したのは良いが、見事に挫折してしまった。
良い経験にはなった。
「その他の作品」
タイトルが決まらないまま数ページで打ち切りになった作品。
頭の悪い若者が日本に蔓延るようになり、かつての偉大な先人たちが築いていった素晴らしき国「日本」が汚染されていくことに危機感を感じ始めた少年「光川進次」が主人公。
彼は大和魂炸裂極右軍団を結成し、若い頭の悪い日本人を排除していくストーリー展開を予定していた、、笑
最初の仲間になる予定の女「風間流星」が登場。
ゴツすぎてどうみても男やん、、と思えてしまう残念すぎるヒロインだ。。
ただ巨大ヒロイン伝説の始まりでもあった。
この小学6年生の時代に巨体で男勝りな女性を好むようになる異常性癖が生まれたのである。
これ以降の私の作品には大体巨体のヒロインが出てくるようになる。
風間を仲間に入れようとする光川。
しかし3日以内に100万円を集めなければ仲間になってくれないと無理難題を突きつける風間。
光川はどうしても風間にこだわり、100万円を集めることにする。都合よく優勝賞金100万円のエセ天下一武闘会「ハイパートーナメント」のチラシを発見した光川はその大会に参加することを決める。
安っぽいコロコロコミック的展開になったところで打ち切り。
他にも先程の作品とはほとんど路線が変わらない大和魂作品を当時は連発していた。
歴史の偉人たちをリスペクトしない現代の馬鹿共に天誅を喰らわす過激派系漫画をやたらと描いていた。(どれも2ページほどで打ち切られたポンコツばかりだが笑)
日本史にハマった時期でもあったため、都会を破壊し、幕末時代の日本に戻す旧日本派と新日本との戦いを描く系作品を量産していたのかもしれない。
しかしこの救いようのない打ち切り漫画群も無意味なものではなかった。人生で初めて自分の作品に強いメッセージを込められたのだ。
今までは本能だけで描いていたり、お利口な漫画を描こうと一生懸命になっていたりしていたが、ここにきてようやく作品の命とも言える「思い」をぶち込むことを第一に考えるようになれたのは大きかった。
芯は同じといえど時代時代に思いは違う。
作品を時代ごとに残すことは過去の自分との対話にも繋がる。今の自分の記録を写すセーブポイント的な役割を持つ作品創りというものは尊いものだ。
次回は中学時代の作品
そして私は何も考えなくなった
「バカボンダ」「エセ漫画日本史」
などをお送りする!
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