廃墟探訪 Episode36 山梨の廃ホテル「○薮」
- 奥田ゾンダーランド
- 6月21日
- 読了時間: 5分
2022年年末に山梨の昔から気になっていた廃墟に行った。今回のお供はKKKである。
この年の1月に彼と初の廃墟に行ったため(廃墟探訪episode32を参照)
2022年廃墟旅はKKKで始まりKKKで終わった。
これまでの廃墟は電車、バス、徒歩、とありとあらゆる手を尽くして陥落させていったが今回は初めて「車」というチートアイテムを使用することになった。
KKKは離婚騒動などがあり今は長野に暮らしているため車マスターとなっていた。そこで我が廃墟仲間唯一の運搬隊に思いっきり甘え地図を広げてもらうことにした。ありがたい!!運命に感謝

山梨の日野春駅という標高がエグい謎駅で合流。
霧のランクはヴォルデモートだ。
そこから車で約20分ほどで大藪温泉跡に到着。ここはあくまで目印であって今回狙っている廃墟とは別である。

数年前まではご存命だった温泉だ。。立地的にもキツイものがありコロナでトドメを刺されたのだろう。廃墟も人間と同じで解体されたり自然に還ったりすることで消えゆく一方でまた今日もどこかで建物から人が去ることで新たに生成される。人の無念で廃墟が生まれ、忘却により完全に消え去っていくこの過程には毎回ロマンを感じる。


巨大な橋を渡ると別荘地帯へ。
別荘地の裏側の道なき道を歩いていくと、

ついに発見。。

枠曲した構造がインパクト大の昭和のホテルだ。
夏になると薮が大変なことになり近づくことが困難になってしまうらしい。今年の2月に行った茶平集落では雪に脅かされたが、今回は雪に救われるというケースになった。



知る人ぞ知る廃ホテルなのでDQNの被害は少ない高品質廃墟だ。
突入。

フロントを撮り忘れるという大失態。お許しを。
受付のすぐ横に調理場跡がある。ここで作った料理を各部屋に持って行っていたのであろう。


フロント近くの2階に続く階段。かなりの年月が経っているため倒壊の時もそう遠くはなさそうだ。
一階の廊下。これまで行ってきた大型施設廃墟の中ではわかりやすいダンジョン構成のため探索が容易だ。



調理場の横にあった割と広めの部屋。何の部屋だったのか。
東西に翼を広げるように延びている湾曲廊下はどこか幻想的だ。


そしてこの廃墟の謎がわかるポイントに到着した。
西側の1階廊下を突き進むと、、

土砂で埋もれてる!!

実はこのホテルは1982年8月に関東を襲った台風12号によって引き起こされた土砂崩れの犠牲者であった。ホテルの3分の1は土砂で埋まり、経営が成り立たなくなってしまったそうだ。(幸いにも死者はいなかった模様)
撤去する余裕もなく40年も放置された土砂はコンクリートよりも硬い壁となっていた。
自然災害により閉業してしまった廃墟は今回が初めてであった。今までは徐々に自然に飲み込まれていく文明というものにロマンを感じていたが、このホテル大藪では自然の圧倒的な力を見せつけられた。廃墟は人類が自然の上に立てるのは束の間だということを教えてくれるメッセンジャーでもあることを再確認できた。
探索を続けよう。

2階を経由して反対側から土砂エリアを確認。

謎の小屋。おそらくここが浴場か。探索しそびれ今になり後悔。
3階の廊下を進む。

客室エリアへ。



古めの旅館といった感じだ。どの部屋からも絶景アルプスを拝めるところは良いが、反対側が土砂山なので本当にハイリスクハイリターンであったな...
不明な点が多い物件だが1970年頃には既に存在していたそうだ。近くにはキャンプ場や明治時代からある大藪鉱泉などあるが、あまりに人里から離れているため土砂災害なんてなくても短い命だっただろう。


この廃墟を訪れた際には知らなかったことだが、皆さんは「本当にあった 呪いのビデオ」という心霊映像シリーズを知っているだろうか。それの29巻にここでの心霊体験が載っていたのだ。平成前期頃に撮影されたもので探索しに来たカップルがここの208号室で顔面蒼白の女の首を目撃し、男が女を置いて猛ダッシュで逃げるという映像だ。興味がある方はYouTubeにあるので適当にみてほしい。
あの時代のビデオに映ってる系のものは本物であるとされていて、どうやらこのホテル大藪の208号室はとびっきりの心霊スポットらしい。首吊り自殺した人がいた部屋とか、、?ビデオの映像の真偽は置いといて、こういう噂がユーチューバーとかいうバカタレ民族を呼び寄せ廃墟の品質を落としてしまうので勘弁してほしい。


この噂を知らなかったため208号室を意識せずに写真も撮り損ねてしまった。一応全部屋は見たが特に霊的なものはなかった。

非常階段から絶景?をみる。冬の空気は実に美味い。

こういう下駄箱を見ると移動教室を思い出す。もしかするとどこかの学校がそういう行事とかで使っていたりしたのかも?
地下のようになっている1階にあったトイレ。幻想的だ。


フロントエリアに帰還。
撤退だ!!


何かの封印を解いてしまったのか廃墟を出た瞬間凄まじいミストが

自分一人ではとても行こうとは思えなかった物件だ。大学のサークルでKKKに出会えたことでこうして記事として語ることのできた廃墟だ。人と人とのつながりが廃墟の記憶をつなぐ。そんな自分の人生の運命や岐路についても考えさせられた廃墟回だった。
次回もKKKとの旅になる。車の味を占めた他力本願野郎は廃スキー場にて悟りを開く!
こうご期待。
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