廃墟探訪 Episode34 凍結地獄の秩父廃村「茶平集落」
- 奥田ゾンダーランド
- 3 日前
- 読了時間: 5分
2022年2月にT-塚田と共に秩父の廃村を訪れた。
彼とは3年前に同じ秩父の岳集落を訪れており(Episode9を読んでいただきたい)、今回はその岳集落のさらに奥にある廃村「茶平集落」を陥落させることにした。
今回は茶平一本に絞ったが、この付近にはダム建設のおかげで多くの廃村が点在しているので、いつか自然に還る前に制覇してみたい。
お馴染みとなったダム行きのバスに乗り、怪しいトンネルの所で降りる。

冬は良い、実に良い。
夏の廃墟探訪は草、薮、虫などの邪魔者が現れ、そして更には熱中症の危険性なども伴い難度が跳ね上がるので、基本的に避けるようにしている。廃墟好きからすると夏は狂気シーズンで冬は絶好の狩りシーズンである。
、、、と今までは思っていた...
今回は凄まじい教訓を学ぶことになる。
トンネルの横からすぐに山道に入れる。
この道をひたすら行けば廃村に辿り着けるため、今まで巡ってきた廃村達に比べてたら楽な方だろうと、軽い気持ちで挑んだ。
ちょっと進むと

Oh…No…
雪により凍結したデスロードが出迎えてくれた。。
ここに来るまで雪なんてどこにもなかったのに!
山をなめすぎたな、、
ずっとこの道が続くのだ!!!一歩一歩慎重に歩かねばならないため何倍もの気力と時間が削がれる。
この日ほどGoogleマップで見た距離と現実の距離とのギャップに悩まされた日はない。
廃車が出迎えてくれた。こうなりたかねえよ!

なんとか分かれ道まで到着!

左が右か。あなたならどちらを選ぶ?
これを右に行ってしまうとリアルにThe・ENDとなっていた。。答えは左だ!ここは事前に調べていて良かった。
左の山道を進むと、、
!!!

この雪の斜面を進めと言うのか!?
村に入った印でもある警ら箱に出会えた嬉しさより恐怖心の方が勝っていた、、(Episode9で紹介した近くにある岳集落でもこの警ら箱があった)
足を取られないように慎重に進む。生きた心地が全くしなかった。
ここで上の方に廃屋発見!

廃村に到着した達成感により恒例のアドレナリン爆発!元気よく雪道を駆け上り茶平集落内に入っていく。

井戸なのか、小さな家なのかわからない潰れた小屋が出迎えてくれた。

想像以上に大きい廃村で驚いた。
これは共同風呂か。


当時ここで暮らしていた人々の生活を想像しながら巡れる廃村はやはり楽しい。。


廃村の魅力の一つは落ちているアイテムだ。
当時の生活を想像する手助けをしてくれるだけでなく、
時計の止まった過去の世界を堪能できる。誰にも管理されていない自然の文化遺産である!



2週間前に行った熱海の廃墟は「海と洋」であったが今回は「山と和」だ笑 どちらも美しい組み合わせだと思う。逆Verも拝んでみたいものだ。


入れそうな建物があったのでおじゃました。



歪んだ戸が怖い。全壊するのも時間の問題だろう。廃村からすると雪や台風はたまったものではないな。


3種の神器の内、2つに出会えた嬉しさ。


こういう手紙やアルバム、ノートや写真などの住民がそこで暮らし生きてきた証みたいなものを見るたびに胸が熱くなる!

屋根には重い雪が積もっているため、いつ倒壊してもおかしくないため脱出。1番危険な時期に来訪してしまった。

公共浴場内にも洗濯機が!

ここいらでこの廃村の謎を紐解こう。
この村の最盛期は1955(昭和30)年頃と言われており16戸75人も存在していたらしい。
1960年代から徐々に離村が進み、2000年前後に最後の住人が村を去ったという。以前書いた岳集落の記事では触れなかったが、1800年頃のここら一帯には17もの集落が存在していたという。しかし1998年にこの地区に浦山ダムが完成したことで半数の集落は水没してしまう。この茶平集落や岳集落などは元から高い標高に位置していたため、ダム建設の餌食にはならなかったものの山岳産業の衰退や住人の高齢化などが追い打ちをかけることになり、次から次へと廃村となってしまったのだ。その土地を守り続けてきた一つの国のようなものが消えていく感覚だ。語り続ける人物がいなくなればいつしか、そこはただの山とダムになってしまう。
人が生きた証を消し去られていく、この感覚ほど悲しいものはない。
探索を続ける。道は上にも続いており、登ると新たに5軒ほどの廃屋を発見!


風が吹けば倒れそうな家だ。。



「日本赤十字社 社員」とは一体。
社員が住んでいたのか、、もしくは後から誰かが貼り付けたのか気になるな。
更に斜面を登るとまだまだ家が!
これだけ残っている廃村も珍しい。


雪と廃村という組み合わせもいいな。
これがおそらく1番上にある家。

なんと管理されているのかこの家だけ、綺麗で施錠されている!そして

「警告 不法侵入 即 告訴」
という張り紙が、、語呂良すぎだろ!早口言葉でありそうだ。
ここいらで撤退することにした。
村の麓に降りるとこまでは良かった。。

帰りの坂が地獄すぎる!!!!
凍結している坂を歩いて下らなければならないのだ!
一歩一歩が命がけだ。
3回も滑って尻もちをついた笑 大きな怪我に繋がらなくて良かった。
今回学べたことは「冬の山は危険すぎる!」ということだ。
夏も危険、冬も危険、、ではいつ廃墟に行けば良いのか...?
そもそも行くなということだ笑
この近くにまだ訪れていない廃村がいくつかあるため自然に還られる前に制覇したい。
T-塚田と共に3年後あたりまたこの浦山ダムに現れるかもしれぬ笑
この辺で終わろう!
次回の舞台は愛知県。久々の廃線探訪を送りたい。
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