廃墟探訪 episode33 芸術の極み「熱海の廃別荘○源ビル」(下)
- 奥田ゾンダーランド
- 4 日前
- 読了時間: 6分
初めて一つの廃墟探訪で2部構成になってしまった。
前回の続きとなります。
1棟目で満足していた私に同志エリアスは他にもこれに
似た廃墟がこの付近にあるはずだと言い放つ。
先程の廃洋館を出てまずは検索タイム。
すぐ近くにこのクオリティの洋館が他にあるというのか!?
この建物のすぐ脇に小道が伸びているのを発見。
進み藪の中をダメ元で登って見た先に!
(道中の写真を撮り忘れこの謎実況になってしまい申し訳ない笑)

2棟目があった!!!


しかもグレードがグンと上がっている、、
丘の上にあったため景色が素晴らしい...


先程の屋敷は異様な美術館風別荘であったがこちらの廃邸宅はシンプルに豪邸。
天才的な建築センスとインテリアに圧倒され、まるでフランスの王宮を訪れている気分に陥る。。


なんだこの芸術は、、芸術的な写真を撮れと、廃墟から課題を出されているような気分だ!
腕が良い写真家ならもっと凄まじい絵をバシバシ撮れたのだろうな。同志エリアスは写真を撮る才もあるので、凄まじい集中力で時間をかけてこの館を料理していた笑

下の階は書斎みたいになっている。
90年代の洋画に出てきそうな部屋だ。
デヴィッド・リンチが現れそうだ笑



バルコニー風呂なんて生で見たのは初めてだぞ!とてつもない金持ちが居座っていたことだけはこの時点で確信していた。

一部屋だけ和室があって笑った


さすがこのクラスになるとトイレまでゴージャスだ笑

帰りの電車で2人で調べ、ようやく発覚したこの別荘群の正体について語ろう。
ここは自称「日本一の資産家」である川本源司郎という極悪日本猿面の大富豪の美術品倉庫兼別荘であることがわかった。
何千億もの財を自由に動かすことができる日本でもトップクラスの億万長者の1人であり、バブル期に日本中にビルを建設した強者である。この別荘もその勢いで1970年代に建てたと言われている。
ハワイにも別荘を建てるほどの極悪日本猿、、絵に描いたような金の亡者である!
驚いたことにそんな彼は2013年に約8億円を脱税した罪で逮捕されていたことがわかった。
なるほど繋がった。。持ち主が捕まったことにより宙ぶらりんになった豪邸だったことと、彼が狂信的な美術品コレクターだったという事実を知り全て納得した。前回書いた「過去1番美しい廃墟なのに廃墟の中から溢れる真の美しさが皆無」という疑問も解けた。
廃墟はかつてそこで生きた名もなき人間たちの喜怒哀楽を伝える美しくも哀しいメッセンジャーであるものだが今回の物件には人間の汚い面がジワジワと溢れる邪気まみれの廃墟という捉え方もできる。
表面が美しいものほど、中身が汚れているというやつだ。人間もそんなものだ。腐るほどみてきた。

長くなってしまった。では探索を続けよう!
この美しい2棟目を出て既に大満足状態だったがここで再び同志エリアスが
「いや、ここでもねえ、、!巨大なステンドグラスがあるはずだ!他にもこの近くに別荘があるはずだ!」
いやさすがにないだろ!と思ったのだが、、
あったのです。
更に丘に上がった先に、、
ここまで美しいとこれはこれで廃墟のあるべき姿の到達点とも思えてしまった。

崖の上に3棟目が!!
脳死ししそうになるほど興奮した。
持つべきものは友じゃ


太平洋の水平線が凄まじい
こんなところに家に構えるなんて、、
センス抜群日本猿だ!


ゴージャスさは2棟目に劣るが景観は300点だ!!!
海ってこんなに美しいのか...
廃墟なのに住みたいと思ってしまう



夕暮れの時間帯が更に哀愁点も付け加えてくれた。色んな物語の舞台になりそうだ。過去を想像するのではなく新たなストーリーを構築させてしまう廃墟は初めてなのでは??



ここでミニ事件発生。
下から「ウェぇぇい!!」
来やがった!!!!廃墟界のゴミ害虫
「DQN」!!!!!!
廃墟で人に会うなんてEpisode1以来なかったものだか
らかなり焦った。しかも今回は間違いなく「悪」!
どう倒す?逃げる?と考えまくっているうちに3人組のDQNが同じフロアに到達してしまった!
DQN3兄弟「おおお!人だ!俺はいると思ってたっス!ここすげーとこっすね!」
的な挨拶を交わし早々に消えてくれた。
良いDQNじゃねえか!
ちょうどこの時期に有名洋ドラマ「ゲームオブスローンズ」をみていたので可愛い彼らにブラザーフッドというあだ名をつけた。


先程(前回)私はこの物件に対し、廃墟の醍醐味である歴史や人間ドラマに美しさを感じないという愚痴を述べた。ただ、、!!
ここまで芸術性が高いと、そんなことも忘れてしまう。
これはこれで廃墟の到達点であり、最高傑作だと言えてしまう。
結構来客が多い廃墟っぽいがブラザーフッドのようにマナーを守れる連中が多いようだ。
おかげで美しい姿を保てている。


1階にあるこの椅子の部屋も魅力的だ。
ここを建てた極悪日本猿は金の亡者であったが独身を貫いていた。その理由は「自分の金を他人に使われたくない。俺が死んだら財産は全て国に返してやる」と述べたそうだ。これだけの権力者なのに他の欲には手を出さず、「日本一の金持ち」という子供時代からの夢を自らの力で実現した。軸がブレずに己の信念を貫き通したという面に関しては、本当に尊敬に値する人物であった。
そしてあなたのおかげで、この廃墟に出会えた。
犯罪者であり、ひどいあだ名をつけてしまったが河本氏には感謝を述べたい。

ここいらで撤退しよう。3棟目を出た時に同志エリアスが言い出す。
「いやいやここでもねえ。。もっとすげえ建物があるはずだ!」
な、、4棟目がある!!??
さすがに4棟目は存在しなかった笑
幻の4棟目に取り憑かれ危うく遭難するところだった。
金欲の塊である極悪日本猿の館で廃墟欲に溺れ身を滅ぼしかける我らであった...
結局探していたステンドグラスはこの3棟目にあったらしく誰かが持って行っちまったみたいだ。
帰り際に最初に訪れた1棟目の庭を芋虫みたいにぐるぐる回っていたブラザーフッド達を見かける笑 いかついのに顔は小動物みたいで揃いも揃って背が低い。
かわいい。廃墟のマスコットキャラにしたい。(記念撮影すればよかった)
歩いて熱海駅まで戻る。太平洋を一望できる温泉を目指したが休日だったためか入口は参勤交代状態。。
諦め真鶴にある推し温泉「ゆとろ嵯峨沢の湯」を訪れ今回の冒険の幕を下ろした。

良い温泉だったぜ!!温泉駐車時からの眺めも最高だ!
次回はEpisode34「帰ってきた秩父の廃村 栗平集落編」を送りたい。それではさらばだ!
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