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奥田ゾンダーランド

廃墟探訪 Episode30 新潟最強の要塞「〇居発電所跡」


今回でついに30回目を迎えた我が廃墟探訪。

6年半前にポセに連れて行ってもらった奥多摩から全てが始まった。ありとあらゆる廃墟を訪れたことで回を追うごとに想像力、人間と建物に関する哲学、創作意欲、注意力、判断力などが進化して行った。

いつしかこのコーナーは廃墟というジャンルを通しての人間の成長をコンセプトにしたものにもなったと言えよう。

6年前の自分に自慢をしたくなる。「ロープウェイで満足している自分よ、君はこの後あるゆる友人と数々のドラマをこの目で見ることになる」と伝えたい。未来の自分は今の自分をどう見てくれるのだろうか。過去と未来の自分の繋ぐ一つのコンテンツとしてこれからもこの廃墟探訪という旅を愛していきたい。


ちょっと前置きが長くなってしまった。

同志エリアスと共にバスで山と道路しかない新潟の秘境に降り立つ。


バス停から徒歩20分ほどでそこに辿り着く。


発電所跡だ!!

ジャングルのように生い茂った草むらをかき分けた先にあったものは!

神秘...ただ一言神秘


先程訪れたホテルとは違い、こちらは人工物と自然との調和を感じることができる。




この一角だけで満足できた。再び道路に戻る。ここから長い作戦会議が始まった。

同志エリアス「この発電所跡はこんなもんじゃねえよ。2階3階への入り口がどっかにあるはずだ」

俺「あるはずだが、、これ以上は進めん!ジャングルオブジャングルで虫と蜂とぐちゃぐちゃのオンパレードだ。去年行った握津集落跡を思い出すのだ。引き際というものの大切さも...」

こんな感じで道路でうにゅうにゅと死を覚悟でジャングルに突入するか、名残惜しいが撤退するかで議論を展開していた。すると

猿が突如現れ馬鹿にしたような目でこちらを見てくる。

なんじゃこりゃ笑笑 

猿登場のせいか突然アドレナリンが暴発し

我々「突撃するぞー!!うおおおー!バンザーイ!!」と狂ったようにジャングルに突入


草の壁をぶち破りながら道を作っていくもああああああ!!!

やっとの思い出廃墟と壁に到達するも入口どころか外階段も見つからない

あのジャングルを引き返すなんて無理だ どちらも地獄なら獲物がある方を選ぶ!

そんなわけで階段を使わずに壁を登るという強硬手段に出ることにした。同志エリアスが俺のケツを持ち上げたり、引っ張ったりと2人の最強協力プレイでなんとか登り切る。


そして!!

本殿に突入成功...生きた心地がしなかったが辿り着いた瞬間のこの達成感は今でも忘れられない。

同志エリアスがいなければ辿り着けなかった。

廃墟見学ではなく「廃墟陥落」をやってのけた。

人間を阻むものを越えて得たものの価値は凄まじい。



2時間前に訪れたホテルではあった会話も今はない。言葉が何一ついらないほどの光景と静寂が心を浄化する。

雑なトイレだ笑 これはこれでレアだ。

トイレすらも美しく撮れるとは...

機械が残されている。ここいらでこの変電所の情報を記したい。ここは1924(大正13)年に上越北線の開通と共に建設された歴史的な遺構でもある。戦後間も無く変電所としての役割を終え、送電所の経由地として利用されるも1978年ごろに完全に閉鎖となったみたいだ。 




3階へ上がる


窓が額縁のようだ。

放置され退廃していく人工物と、時と共に生い茂っていく自然の緑との対比が素晴らしい。

世の真理をこの目で見た気分だ。

ここで働いていた人たちは今どこにいるのか


3階から最初に入った場所を見下ろす






ここに入る前はこの時期に来たことを後悔したが、冬ではお目にかかれなかった幻想がここにはあった。


最高の時間だった。

さらばだ!

アドレナリンを絞り出しまくった帰りのジャングルは余裕余裕 蜂がいようがガン無視ガン無視(かなり危険な状態だ笑)


道路に戻った瞬間同志エリアスとガッツポーズを交わす

2人でとんでもないモンスターを狩った気分であった


そして我らは新潟最高の温泉「貝掛」に歩いて向かう。廃墟の後は必ず温泉に寄れるコースを常に私は用意している(ドヤ顔)

そして今回あることに気がついた。

どんなに楽しいイベントやテーマパークに行っても帰りは寂しいもの。祭りの後の寂しさというやつか。しかし廃墟は逆で帰りが一番楽しいのだ!廃墟突入で溢れ出たアドレナリンが身体に残っていて、達成感、身の危険からの解放、振り返りなどで脳がウハウハ状態になるのだ。

これだからやめられない...


Episode30とキリがいいのでこの回で我が廃墟冒険記第1部終了ということにしたい。

次回Episode31からは第2部だ。

新たな衝撃、芸術、人間ドラマとの出会いと自身の成長を描きたい。これが遺言にならないようにどっかでぽっくり死なないことを願うばかりだ。















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