廃墟探訪 episode14 〜藪塚石切場跡〜
- 奥田ゾンダーランド
- 2020年7月21日
- 読了時間: 4分
2020年1月3日。年が明けてすぐに同志エリアス軍曹ととある廃墟?に行った。
乗り継ぎミスって東武動物公園付近を散策。
途中見つけた怪しい施設。宗教関係のらしい。


やばい敵キャラが出没しそうな雰囲気だ。
その後東武動物公園からりょうもう号という特急に乗る。この特急が魔窟だった。乗ってる乗客はでんじゃらすじーさんのような格好をした老人ども、いかにもThe・ニートなお兄さんたち、ゲホゲホ咳をするくたばりかけのおじさん、、
これ俺らどこに連れてかれるんだ、と思わずなってしまった。太田駅あたりで「わーー!」と嬉しそうに殆どの乗客が降りていった。
まじでなんだったんだろう。。目的の藪塚駅に着くまでに具合が悪くなった。
無事藪塚に到着し、とにかく歩く。コンビニが一件も近くにない魔境だ。

道が舗装されたアスファルトからこんな感じの道に変わった瞬間の不安と興奮。毎度のことだがたまらない。
そして山なのか林なのかわからん道を進んでいくと、、!

来た、、!!凄まじい覇気を放つ入り口に圧倒された。インディジョーンズ3の三日月渓谷ちっくというか、PS1のトゥームレイダーのロード画面というか、、とにかく日常からかけ離れたこの世界観に感動した。入った瞬間ギロチンが飛んできそうな雰囲気だが、中は意外と整備されて安全


この石切場跡の当時の姿をみてみたいものだ。写真が残っていないのもまたロマンだ。想像力を駆り立ててくれる。(持ってる人はきっとどこかにいるのだろうけど)
この写真をみてほしい。高い天井にいくつか文字がみえる。

当時そこで働いていた人が書いた記号か何かか。どうやって書いたんだ。当時は上の方に床があったのか。色々考えてしまう。





凄かった。
ただ途中で子連れのじいさんとかがやってきたりした。そう、ここは意外にも廃墟というよりも観光地的な扱いを受けている。そのため、廃墟特有の緊迫感や退廃感が薄かったのが残念だ。
廃墟というよりも遺跡見学感もしてしまった。
帰り道にみかけた怪しい看板。

店入ったら殺されそう
帰りに不思議なおばあさん2人組に会った。
長年藪塚に住んでるということで、色々貴重な話を聞かせてもらった。
この今は何もない原っぱにいくつも宿舎があり、多くの若者があの石切場にせっせと仕事にいってたらしい。
明治から昭和初期まで全盛期だったらしいが石の需要がなくなり、閉山してしまったらしい。
当時の藪塚のことを教えてくれた凄く良いおばあさんだった。
しかし、この後片方のお婆さんが不思議なことを言い出す。
藪バア「待ちなあんたら。もう少し待ってるとキラキラ輝く飛行船がたくさんこの上空を横切るんよ!もうすんごい綺麗なんだから。毎日この時刻になると来るんよ」
見上げると夜の帳が降り始め、美しい空となっていた。
ほお、、その飛行船とやらは藪塚名物らしい。せっかくここまで来たのだし、飛行船を待つか。
と15分ほど待つ。しかし全く来ないのだ!
帰りの電車の時間が刻一刻とせまり、ジワジワと焦り始める我々。
藪バアは「絶対来るんよ!幻想的な飛行船がいくつも!」と言い張る。
相方のお婆さんは「来んよ。あたしは帰るよ」
という。
いつまで待っても来ない。
遠い山の麓にある外灯が美しく青く光っている。
結局電車の時間がやばすぎたので飛行船は断念しダッシュで撤退した。
その後調べてみると藪塚飛行船は存在しなかったことが判明した。
藪バアは一体毎日何をみていたのか。。まさか、、、この外灯を飛行船と勘違いしてるのでは、、、。色々考え謎が謎を呼ぶ。頭はしっかりしていて、良いお婆さんなのだが何故だ。
廃墟はいくつもの謎を託して毎回私たちを家に帰してくれる。しかし今回は、地元の住民が廃墟の謎を全部教えてくれた代わりに飛行船という最大の謎を植えつけてくるというレアパターンに遭遇した。
毎回、違うシチュエーションでレアなイベントも起きる廃墟探訪は魅力で溢れている。
観光地やアミューズメントパークのように決められたお約束イベントが一切ないのだ。
これだから、廃墟探訪はやめられない!
おまけ
藪バアに遭遇する前に撮った写真。



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