奥田ゾンダーランド2019年5月28日読了時間: 7分一期一会の派遣星人 奥田バイト千夜物語-中- バイト千夜物語前回の続きです。 大体時給500円のクソバイト不動産を続けながら大学2年の夏から派遣を始めた。 【土方編】 ライヴ会場の設営、解体などの指示を出すやつらがほとんどDQNなスーパードカタバイトである。 あそこには人権というものがない。そこ!だったりバイト君!とか呼ばれ、消耗品のような扱いを受けるのだ。 一期一会 其の一 〜闇夜のハードロック〜 1日目は幕張が行われたサマーソニックのステージハンドという仕事だ。 【ステージハンドとは、迅速にステージ台の楽器をしまったり出したりする仕事だ!フェス系のライヴだと次々に様々なバンドが出てくるから大変なのだ。 演奏中は何もしなくていいので比較的楽だった。 そしてステージハンドの特権と言えば有名グループの人と間近に接する機会が低確率だがあるということだ! パフゥームとか同じ会場にいたが、全体的にあまり関心がないグループが多かったので自分には向いていない仕事だった。(ラウドパーク派なので) そんな中、最後のバンドが海外のバンドだと聞き、さらに何と楽屋に入って彼らの楽器を出す特別な任務も与えられたのだ!胸を高鳴らせながら楽屋に入ると 謎のアメリカ人5人が騒いでいて、っぃいや誰だよ!!!!てなった Chk chk chkというアメリカのロックバンドだったらしい 知らなかった... 楽器をステージに運ぶ際 アンプの上にビール缶が大量に乗っかっていたのが気になって、どうにかしてどかそうとすると「NOOOOOOooo!!!!!」と叫ばれる始末。しかし最後片付けの際に、ハゲのアメリカ人メンバーが「Hey!Guy、Thank you」と言って握手をしてくれた。これはファンからしたらとてつもないご褒美だったんだろうな 「このグループイケメンやんけ、聴いてみようかな」という優しい気持ちにもなれ、スッキリした気持ちで終われた。そしていっしょに働いていた男が、SASUKE有力選手の又地諒そっくりの男で、帰り道思い切って声をかけたら仲良くなれた。 一期一会て萌えるな 一期一会 其の二 〜プロレタリアの朝日が昇る〜 サマソニ 2日目 この日も幕張まで行き、死ぬほどキツイ土方作業をやらされた。マリンスタジアムにあったステージを解体するという奴隷オブ奴隷労働をやらされた。夜の9時から朝7時までの重労働だ。指示出すやつらはポンコツDQNで日本語がおかしい。働いている最中に、、「ああ、人生で最高のひと時とも言われるライヴはこんなに血と汗が流れて始めて開催することができるのか」と哀れみを覚えた。ここでも仲が良い人ができた。レッドブルを飲みまくっていてバンダナを巻いたインテリ系の男でMr.プロレタリアと名付けた。彼とも永遠の別れとなった。一期一会は哀愁だな、、。 一期一会 其の三 〜亀梨羽毛撒きすぎ事件〜 またまた同じ会社の派遣。いつも通りライヴの搬出だ。(後片付け) 今回は東京国際フォーラムでの亀梨のソロライヴだった。最後亀梨が大量に天井から羽を振らせる演出をしたおかげで、羽回収作業がえらく大変だった。帰りは終電がなくなり、タクシーで帰らされたのだが、一緒に乗った男とも仲良くなった。無職オクトパスというあだ名をつけてしまったが良い人だった。お互い深入りせずに別れられるから、ふつうに良い人という印象で終われる一期一会はとても尊いものだ。 〜テレビ局の犬編〜 蟹工船ばりの重労働派遣にこりごりしていた時に良い日雇いバイトを友達が紹介してくれた。 それは、テレビ局の犬である!!犬といってもゲスト的な好待遇だったので非常にやりやすかった。 一期一会 其の四 〜廊下は続くよどこまでも〜 大学3年の春頃にやった第一回目のテレビ局バイトはNHKの番組のエキストラだった。 場所は武蔵村山市立小中一貫校である村山学園であった! なんと、、ここは 日本一長い廊下(200m)を持つ小学校であった!長い廊下を使った音の実験で、音はどこまで聴こえるのかという、いかにもNHKらしい番組を撮っていた。音が聴こえたら旗をあげるエキストラとして自分は呼ばれた。5mに一人ずつ並ばされ自分は後ろから2番目だったため、音が聴こえずただ突っ立ってるだけで終わったくそ楽バイトだった。 帰りに同じエキストラとして参加した「喋るロゼッタストーンくん」と、「失墜した石油王くん」と仲良くなったが、極左で連合赤軍を復活させると言ったり、エーデルワイスの曲名が分からず苦悩したりと、良い人だったが非常に気味が悪かった。一期一会で良かった。、 一期一会 其の五 〜味楽る天皇〜 夏の終わりに差し掛かる9月暮れに、再びNHKのお手伝いをすることになった。信濃町にある明治記念館の金鶴の間という、天皇関連の部屋で一生来れないような場所でのロケとなった。壁に寄りかかるとおばさんが「やめろおおおお!!」と叫ぶ 傷一つつけたら一生ここで働くことになるというカオスの間でもあった。ここでは天皇が食べていた食事を芸能人が食べてみるという番組を撮っていた。NHKらしいな。ただのADだと思っていたイケメンの人に気安く「ウィっす」と言い水を渡したりしていた相手は実は高橋光臣というそこそこ有名な俳優だったりする事件もあった。その後遼河はるひなどのゲストも部屋に入ってきて最後には変なおじいさんがやってきて、「あああおじいちゃん迷い込んで入ってきちゃったんだ、、」と思っていたらその人がメインゲストである文化人の嵐山光三郎であったりと芸能人に無知な自分に呆れてしまった。中々のメンツで凄まじいシチュエーションだった。今回自分はさすがにエキストラではなく、椅子の設置などのお手伝いだった。撮影中はほとんど何もしなくてもよく楽だった。間違えて入ってきたおばあさんたちを追い払う係をやらされたくらいだ。 ゾッとしたのは番組あるあるの馴れ合い的な会話や笑い、ツッコミなどが全て台本に書かれていたことだ。あれ?ああいうのってアドリブや流れで生まれるものじゃないのか??NHKの裏をみてしまった。最後下っ端ADと仲良くなれたわけではないが、無言の友情みたいなものが生まれた。ヤカンにインスタント焼きそばをぶち込んでそのまま湯を湧かせて注ぎ口から焼きそばを食うような顔をした人だったため勝手に「やかん焼きそば」というあだ名をつけた。微かなる一期一会であった。 一期一会 其の六 〜ソ連からの刺客〜 これは大学3年の11月にやった最後の派遣である。 今度のロケ地は昭和電工という川崎工業地帯の果てにある立ち入り禁止の場所だ。(無人駅のやばい駅で下車し、しかもそこから車という都会なのに秘境感MAXな場所)戦前に建てられた風情のある洋館に連れてこられ、現在では使われていないらしい。そんな所で何を撮るのかというと...なんと、ソ連のドラマを撮るというのだ! 川崎の端っこにある怪しい洋館をソ連に見立てるとはな。。ストーリーはどうやらストラヴィンスキーの曲を強引にドラマ化したやつらしい。うーんNHKにしては大胆というか、NHKらしいというか。笑 着いて辺りを見渡すとロシア人ばっかりであった。彼らは演技のため全員軍服を着ていてスターリンの側近たちみたいなのがウロウロしている。とてもカオスな空間だ。。そしてたびたび隣の部屋からロシア語の怒鳴り声が聞こえてくる。 「これ、やばい雰囲気なんじゃねえのか。粛清されに俺はここに来たというのか!?」と怯え出すとどうやら会議室でソ連人同士が大喧嘩しているシーンを何度も撮っていたらしい。 驚かせやがって、、一度ですませよ。。。 自分は今回お手伝いとエキストラの両方を兼ねていた。お手伝いは荷物運びなど単純なものだったが、、、、エキストラ?ソ連のドラマに何で日本人が出るのか、と疑問に思っていたら突然ロシア人のズボンとロングコート、ブーツを着せられ、おまけに水をかけられた。そして AD「お前、下半身だけロシア人になりきれ。」 「は??」となったがすぐに謎は解けた。 戦地から帰ってきた死にかけのソ連人の役をやらされるのだ。雪の大地から命からがら生還してきたソ連人がいっせいに廊下を歩くシーンを下半身だけで良いから撮りたいためこういうことになった。 下半身だけソ連な日本人が洋館の廊下をヨレヨレしながら歩きまくるというシュール極まりない瞬間だった。 無事仕事が終わり、帰ろうと思った時に楽屋にロシア人がいた。かっけー、話してみてえ、てなって思い切って話しかけた!すると仲良くなれた! 気の良い人で写真も一緒に撮ったのだ!日本でバレエを教えているバリノフという人で日本語もほんの少し話せた。一期一会は一瞬の関係だが、心には大きく残るものだと確信した1日であった。
バイト千夜物語前回の続きです。 大体時給500円のクソバイト不動産を続けながら大学2年の夏から派遣を始めた。 【土方編】 ライヴ会場の設営、解体などの指示を出すやつらがほとんどDQNなスーパードカタバイトである。 あそこには人権というものがない。そこ!だったりバイト君!とか呼ばれ、消耗品のような扱いを受けるのだ。 一期一会 其の一 〜闇夜のハードロック〜 1日目は幕張が行われたサマーソニックのステージハンドという仕事だ。 【ステージハンドとは、迅速にステージ台の楽器をしまったり出したりする仕事だ!フェス系のライヴだと次々に様々なバンドが出てくるから大変なのだ。 演奏中は何もしなくていいので比較的楽だった。 そしてステージハンドの特権と言えば有名グループの人と間近に接する機会が低確率だがあるということだ! パフゥームとか同じ会場にいたが、全体的にあまり関心がないグループが多かったので自分には向いていない仕事だった。(ラウドパーク派なので) そんな中、最後のバンドが海外のバンドだと聞き、さらに何と楽屋に入って彼らの楽器を出す特別な任務も与えられたのだ!胸を高鳴らせながら楽屋に入ると 謎のアメリカ人5人が騒いでいて、っぃいや誰だよ!!!!てなった Chk chk chkというアメリカのロックバンドだったらしい 知らなかった... 楽器をステージに運ぶ際 アンプの上にビール缶が大量に乗っかっていたのが気になって、どうにかしてどかそうとすると「NOOOOOOooo!!!!!」と叫ばれる始末。しかし最後片付けの際に、ハゲのアメリカ人メンバーが「Hey!Guy、Thank you」と言って握手をしてくれた。これはファンからしたらとてつもないご褒美だったんだろうな 「このグループイケメンやんけ、聴いてみようかな」という優しい気持ちにもなれ、スッキリした気持ちで終われた。そしていっしょに働いていた男が、SASUKE有力選手の又地諒そっくりの男で、帰り道思い切って声をかけたら仲良くなれた。 一期一会て萌えるな 一期一会 其の二 〜プロレタリアの朝日が昇る〜 サマソニ 2日目 この日も幕張まで行き、死ぬほどキツイ土方作業をやらされた。マリンスタジアムにあったステージを解体するという奴隷オブ奴隷労働をやらされた。夜の9時から朝7時までの重労働だ。指示出すやつらはポンコツDQNで日本語がおかしい。働いている最中に、、「ああ、人生で最高のひと時とも言われるライヴはこんなに血と汗が流れて始めて開催することができるのか」と哀れみを覚えた。ここでも仲が良い人ができた。レッドブルを飲みまくっていてバンダナを巻いたインテリ系の男でMr.プロレタリアと名付けた。彼とも永遠の別れとなった。一期一会は哀愁だな、、。 一期一会 其の三 〜亀梨羽毛撒きすぎ事件〜 またまた同じ会社の派遣。いつも通りライヴの搬出だ。(後片付け) 今回は東京国際フォーラムでの亀梨のソロライヴだった。最後亀梨が大量に天井から羽を振らせる演出をしたおかげで、羽回収作業がえらく大変だった。帰りは終電がなくなり、タクシーで帰らされたのだが、一緒に乗った男とも仲良くなった。無職オクトパスというあだ名をつけてしまったが良い人だった。お互い深入りせずに別れられるから、ふつうに良い人という印象で終われる一期一会はとても尊いものだ。 〜テレビ局の犬編〜 蟹工船ばりの重労働派遣にこりごりしていた時に良い日雇いバイトを友達が紹介してくれた。 それは、テレビ局の犬である!!犬といってもゲスト的な好待遇だったので非常にやりやすかった。 一期一会 其の四 〜廊下は続くよどこまでも〜 大学3年の春頃にやった第一回目のテレビ局バイトはNHKの番組のエキストラだった。 場所は武蔵村山市立小中一貫校である村山学園であった! なんと、、ここは 日本一長い廊下(200m)を持つ小学校であった!長い廊下を使った音の実験で、音はどこまで聴こえるのかという、いかにもNHKらしい番組を撮っていた。音が聴こえたら旗をあげるエキストラとして自分は呼ばれた。5mに一人ずつ並ばされ自分は後ろから2番目だったため、音が聴こえずただ突っ立ってるだけで終わったくそ楽バイトだった。 帰りに同じエキストラとして参加した「喋るロゼッタストーンくん」と、「失墜した石油王くん」と仲良くなったが、極左で連合赤軍を復活させると言ったり、エーデルワイスの曲名が分からず苦悩したりと、良い人だったが非常に気味が悪かった。一期一会で良かった。、 一期一会 其の五 〜味楽る天皇〜 夏の終わりに差し掛かる9月暮れに、再びNHKのお手伝いをすることになった。信濃町にある明治記念館の金鶴の間という、天皇関連の部屋で一生来れないような場所でのロケとなった。壁に寄りかかるとおばさんが「やめろおおおお!!」と叫ぶ 傷一つつけたら一生ここで働くことになるというカオスの間でもあった。ここでは天皇が食べていた食事を芸能人が食べてみるという番組を撮っていた。NHKらしいな。ただのADだと思っていたイケメンの人に気安く「ウィっす」と言い水を渡したりしていた相手は実は高橋光臣というそこそこ有名な俳優だったりする事件もあった。その後遼河はるひなどのゲストも部屋に入ってきて最後には変なおじいさんがやってきて、「あああおじいちゃん迷い込んで入ってきちゃったんだ、、」と思っていたらその人がメインゲストである文化人の嵐山光三郎であったりと芸能人に無知な自分に呆れてしまった。中々のメンツで凄まじいシチュエーションだった。今回自分はさすがにエキストラではなく、椅子の設置などのお手伝いだった。撮影中はほとんど何もしなくてもよく楽だった。間違えて入ってきたおばあさんたちを追い払う係をやらされたくらいだ。 ゾッとしたのは番組あるあるの馴れ合い的な会話や笑い、ツッコミなどが全て台本に書かれていたことだ。あれ?ああいうのってアドリブや流れで生まれるものじゃないのか??NHKの裏をみてしまった。最後下っ端ADと仲良くなれたわけではないが、無言の友情みたいなものが生まれた。ヤカンにインスタント焼きそばをぶち込んでそのまま湯を湧かせて注ぎ口から焼きそばを食うような顔をした人だったため勝手に「やかん焼きそば」というあだ名をつけた。微かなる一期一会であった。 一期一会 其の六 〜ソ連からの刺客〜 これは大学3年の11月にやった最後の派遣である。 今度のロケ地は昭和電工という川崎工業地帯の果てにある立ち入り禁止の場所だ。(無人駅のやばい駅で下車し、しかもそこから車という都会なのに秘境感MAXな場所)戦前に建てられた風情のある洋館に連れてこられ、現在では使われていないらしい。そんな所で何を撮るのかというと...なんと、ソ連のドラマを撮るというのだ! 川崎の端っこにある怪しい洋館をソ連に見立てるとはな。。ストーリーはどうやらストラヴィンスキーの曲を強引にドラマ化したやつらしい。うーんNHKにしては大胆というか、NHKらしいというか。笑 着いて辺りを見渡すとロシア人ばっかりであった。彼らは演技のため全員軍服を着ていてスターリンの側近たちみたいなのがウロウロしている。とてもカオスな空間だ。。そしてたびたび隣の部屋からロシア語の怒鳴り声が聞こえてくる。 「これ、やばい雰囲気なんじゃねえのか。粛清されに俺はここに来たというのか!?」と怯え出すとどうやら会議室でソ連人同士が大喧嘩しているシーンを何度も撮っていたらしい。 驚かせやがって、、一度ですませよ。。。 自分は今回お手伝いとエキストラの両方を兼ねていた。お手伝いは荷物運びなど単純なものだったが、、、、エキストラ?ソ連のドラマに何で日本人が出るのか、と疑問に思っていたら突然ロシア人のズボンとロングコート、ブーツを着せられ、おまけに水をかけられた。そして AD「お前、下半身だけロシア人になりきれ。」 「は??」となったがすぐに謎は解けた。 戦地から帰ってきた死にかけのソ連人の役をやらされるのだ。雪の大地から命からがら生還してきたソ連人がいっせいに廊下を歩くシーンを下半身だけで良いから撮りたいためこういうことになった。 下半身だけソ連な日本人が洋館の廊下をヨレヨレしながら歩きまくるというシュール極まりない瞬間だった。 無事仕事が終わり、帰ろうと思った時に楽屋にロシア人がいた。かっけー、話してみてえ、てなって思い切って話しかけた!すると仲良くなれた! 気の良い人で写真も一緒に撮ったのだ!日本でバレエを教えているバリノフという人で日本語もほんの少し話せた。一期一会は一瞬の関係だが、心には大きく残るものだと確信した1日であった。
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