こんな狂師がいた
- 奥田ゾンダーランド
- 2022年5月23日
- 読了時間: 5分
これは高校1年の始めのことでございます。
情報の授業にスウ・ワタヌキヤン(仮名)というみんなから嫌われていた怪しい先生がいた。メタボリックで授業中喋る前に必ず「ッスーーーー..んふぁあ〜〜〜」と唸る邪悪な存在であった。
ある時、その怪しいワタヌキヤン先生が突如体調を崩し、情報の時間は自習の時間へと変わった。それで教室には代わりの見張り番みたいな先生が来ることになった。
生徒「やったあ!自習だ!今日はワタヌキヤンの顔を見なくて済む!誰が来るのかなあ」
と浮かれムード。
そして奴が入ってきた。
頭に巨大な白カビキャベツを乗っけたようなとんでもヘアスタイルをした見るからにやばそうな先生が入ってきた。

思い出して描いてみる。こんな顔だ↑
みんな「おお!面白そうな先せ..」
キャベツ
「うるせえなこの野郎!!
静かにしろこの野郎!!
着席しろよこの野郎!!!」
こ、、こわすぎだろ!!
このおそらく世界一短気な先生にクラス一同は一気に沈黙した。
生徒A「ワタヌキヤンの方が数倍マシだわ」
生徒B「ああ間違いね..」
キャベツ「てめえらこそこそ話してんじゃねえよこの野郎!」
そして魔の自習が始まる。。
キャベツ「机の音鳴らすんじゃねえこの野郎!!喋んじゃねえこの野郎!!」
とある女子がうっかりノートを床に落とすと
「てめえノート床に落としてんじゃねえこの野郎!!」
な、、なんなんだこの爆弾キャベツは...
呼吸をする度にキレてるんじゃねえかってレベルに気が短い先生に笑いも恐怖心も無くただただ衝撃しかなかった。
こいつが勝手にキレ散らかしてるせいで全然自習も集中できない...
クラスには遊ぶのが大好きな2人の悪ガキがいた。蓮根みたいな顔をした小男と劣化版ケインコスギみたいな顔をした人だ。
授業中カードゲームをやったりと人に害を加えない系の小学生みたいな奴らだが、その2人は退屈しのぎにいつもの「遊び」をやってしまった。
蓮根「先生教科書をロッカーから取りに行って良いですか?」
偽ケインコスギ「俺も取りに行きたいです」
ロッカーが廊下にあるタイプの高校だ。
キャベツ「なんで授業前に取りにいかねえんだよこの野郎!さっさと行けよこの野郎!!」
そして2人は廊下に出る。
すると「ポスっ! ポスっ!」
と音が廊下側から聞こえてくる。
そう、奴らはいつものテンションで廊下でキャッチボールを始めたのだ!
おいいい!!このタイミングでやるなよ!
貧乏ゆすりしている程度でキレ散らかす先生だ...これはとんでもない大噴火が起こるぞ!
見つかるなよ見つかるなよ...
キャベツ「あん?外からなんか聞こえるなこの野郎...」
キャベツは教室のドアを開ける
あ、、終わった。。。
キャベツは言い放つ
キャベツ「おいお前ら!!」
僕はすぐに指で耳に栓した。
キャベツ「廊下でキャッチボールしてんじゃねえよこの野郎!」
おい優しいなこの先生!!!
こんな狂師がいた2
2年になると倫理の授業が始まる。
倫理の先生はピラニアみたいな顎をしたハゲた小さい先生だ。

小動物みたいな顔をしており、口調もとても優しい。
「えー。これをですね。無知の知と言いますね。」とこんな感じに口調や声のトーンがとても優しくてとにかく癒される。
さすがは倫理の先生。神父に見えてきた。
他クラスにいた親友も
「あの先生は優しくて良いよな」というほどだ。
しかしある時事件が起きた。
神父「それでは先週のプリントをですね。出してください。」
授業が始まる前の恒例のバッグを漁る音、細々とした談笑などが四方八方から聞こえて来る中、1年の時から同じクラスの悪ガキ蓮根は神父の前に行きこういう。
蓮根「せんせー。すみません。プリント持ってません。」
僕はあまり気にも止めずいつも通り漫画をこっそり描くなど内職をしていた。
すると
神父「てめええぇ!!なぁぁに忘れて来てんだよおあああ!!?」
顔は笑顔のまま甲高い声で空気を舐め回すようにキレる神父は皆を恐怖のドン底に突き落とし一気に教室が凍りつく。
蓮根「す、、すみません 先週休んでたので」
神父「あ、そうですか!それではこれを受け取ってください」
急に神父モードに戻った....。
なんだったんだあの6秒間は。まじでめちゃくちゃ怖かったぞ...奴は神父じゃない!邪教徒だ!
その時以来そんな事件は起きていない。
親友にそのことを話しても信じてもらえない。
僕「あの倫理の先生やばい。絶対刑務所入ってたよ!絶対殺人鬼だ!!」
親友「んなわけねえだろ。はったりかお前が寝てて夢でもみてたんだろ」
他クラスではこの邪教徒ブチギレ事件は都市伝説と化した。
それから1週間後に倫理の中間テストの返却があった。
一人ひとり先生の前まで倫理のテストを取りに行く。
僕が取りに行くとそこには

まさかの5点しか取れなかった世界最悪の倫理の答案用紙が返された。
赤点どころの騒ぎではない
まずい!!!殺される!!!
と身構えた瞬間
邪教徒「ちょっと大変ですね。期末は頑張ってくださいね」
と優しく声をかけられた。
はああああセーフか セーフなんだな
よおおし。
いつあの狂気のブチギレが起こるのか全く読めない。
まるで
先生と話す=黒ひげ危機一発の剣を差し込むと行った感じだった。変なタイミングで一瞬だけブチギレる系の先生はタチが悪い。
呼吸するたびキレてる爆弾キャベツの方がマシだ。
あれ以来キレることはないが毎時間死のルーレットというかデスゲームをやらされる感覚になってしまったのでストレスが半端じゃなかった。
そしてある時、、下校中にあの倫理の邪教徒に会ってしまったのだ!
邪教徒「あら、あなたは2Gの子でしたね?」
僕「は、、はい!いやー先生の倫理の授業はとても楽しくタメになります」
殺されないように褒め倒してやった。
話すとやはり優しい先生で会話も徐々に弾んでくる。
邪教徒「わたくし、休日は市民体育館のプールで歩いているんですよ。」
僕「あ!僕も毎週〇〇市市民体育館のプールで鍛える為泳いでいます!」
邪教徒「おや、奇遇ですねえ。私もそこで泳いでいるんですよお」
ああ、ただの素敵な倫理の先生だ。邪教徒なんかじゃなく神父だ。やっぱあの日の出来事は夢幻...
邪教徒「〇〇市、〇〇市...おい俺の家バレんじゃねえぇえぇえかよおおおぉ⤴︎!!!」
ひいいいいいい!!!
邪教徒「プールで会った時はお声掛けください。それでは」
神よ、もし可能であればこの倫理のくそ邪教徒を我が記憶から抹消してください
と今でも心に願ってしまう狂師であった。
この辺で終わろう。第二弾もいつかやる。
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